 |  |  | | | ブロンプトンの自転車 | | ブロンプトンの自転車 |  | 英国折りたたみ自転車の王様といえば、アレックス・モールトン でも、シティバイクのスタンダードといえば、このブロンプトン |  | 文 :山口 淳 写真:四宮義博 協力:ミズタニ自転車
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|  |  |  |  |  |  | 山口 淳 [ライター] |  |  |  | | 北欧のミッドセンチュリーの頃の椅子やプロダクトに魅せられて、かれこれ 10 年になる。縁あって、雑誌『太陽』の北欧デザイン紀行特集(2000 年 12 月号)の手伝いをしたことがきっかけで、2001 年には池袋コミュニティカレッジの「北欧インテリア入門」という講座の講師を引き受けるという貴重な体験もさせていただいた。正直、後者については、慣れないおしゃべりに加え、体系的に勉強したわけではないので馬脚をさらすのではないかと冷や汗ものだったが、この度、その特集と講座がベースとなった書籍『太陽レクチャーブック 003 北欧インテリア・デザイン』(平凡社)という本が刊行された。主要執筆者は、僕を除けば、島崎信さん、柏木博さん、織田憲嗣さんといった北欧やデザインの優れた識者、論客ばかりで、北欧デザインに興味のある人にとっての格好な入門書に仕上がっている。ご高覧いただければ、幸いである。 |  |
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 |  |  | それは戦場から始まった。
自転車を分割したり、折りたたむ、という発想は決して新しいものではない。その機動力と実用面から、折りたたみ自転車のアドバンテージにまず着目したのは、軍隊であった。モノの本によれば世界初の折りたたみ自転車が考案されたのは 1895 年のこと。考案したのは、フランス陸軍に在籍していたジェラール大尉という人物だったそうだ。フランス軍のキモ入りで、試作されたその史上初の折りたたみ自転車は、ほどなく陸軍御用達として正式採用される。コンパクトに持ち運びできる折りたたみ自転車は、たとえ悪路であろうと小脇にかかえて持ち運べたし、小回りがきいたから、作戦・戦場などの条件によっては極めて優れた移動手段となったからである。 翌年には、ドイツでもサイデルとナウマンの手によって、ほぼ同型の折りたたみ自転車が製作されている。折りたたむのにものの1分しかかからなかったといわれるこの自転車は、ほとんどモデルチェンジされることなく、第 1 次世界大戦、第 2 次世界大戦を通じて、ドイツ軍の優れた機動力の一役を担うこととなった。
英国では、 19 世紀後半その美しいスタイリングでヨーロッパを魅了し、独自のトランスフレームの自転車を考案したことでも知られる、あのペダーセン自転車(現在、デンマークなどで製造されている同名のクラシカルなスタイルの自転車も、ここがルーツ)から軍用ユースの分割フレームバージョンが発表され、英国軍の海外遠征部隊などで正式採用されていたようである。また、戦場で最もその勇名を馳せた折りたたみ自転車といえば、 BSA 製のパラシュートバイク「パラトルバー」だろう。かのノルマンディー上陸作戦でパラシュート部隊が採用した、この自転車はパラシュート部隊とともに戦場に投下され、敵に捕獲されないための「足」として大活躍する。「パラトルバー」はいわば作戦成功の影の功労者でもあったのである・・・。 |
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 |  |  |  | | 専用のアダプタを付ければバッグも装着可能(別売り) |  |
|  |  |  | 新しいニーズに応える伝統
時代は変わって、現在。 折りたたみ自転車は、戦場ではなく、今や町を移動したり、クルマで遠出したりする際の汎用性の極めて高い都会派のバイクとして注目を集めている。 小さくて軽くて小回りのきく折りたたみ自転車は、クルマでいえば小型スポーツカーのノリ。ちっちゃくて、カワイクて、便利なうえ、足回りだって決して街乗り MTB やクロスバイクにもヒケをとらない。コンパクトに畳めるからバスや電車にも気軽に持ち込めるし、軽量だから階段などの上り下りも苦にならない。また、 2 人乗りのスポーツカーやカブリオレなど趣味性の高いクルマ乗りにとっても、折りたたみの小径自転車は遠出をする際のセカンドカー?として、そのポテンシャルをいかんなく発揮してくれるスグレものだ。 英国流のサイクリング事情に詳しい小池一介氏によれば、最も古い現代の小径折りたたみ自転車ルーツと呼べる自転車は、 1923 年頃、スコットランドの山地を、漕いだり、ハイキングしたりして軽快に移動していたサイクリストの集団によってカスタマイズされたものだったようだ。氏によれば、ロンドンのシティには、電車と折りたたみ自転車を上手に組み合わせて移動手段として利用している、スリーピースのビジネスマンたちも少なくないという。そして、そんな新しいライフスタイルを実現するヒップなシティバイカーたちの圧倒的な支持を受けているのが、ロールスロイスのビッカートンか、ブロンプトンであるそうだ。
日本での一般的な認知度からいえば、英国の小径折りたたみ自転車といえば、まず、アレックス・モールトンの名を思い浮かべる人がおそらく大半を占めるだろう。 1985 年にインディアナポリスでフライングスタート 200 m の世界記録を打ち立て、翌年、バンクーバーで世界記録時速 82.53 km を樹立したアレックス・モールトンは、おそらく、世界で最も有名な小径折りたたみ自転車だ。英国が誇る名車オースチン・ミニのラバーコーン・サス開発者としても知られるアレックス・モールトン博士が考案した、革新的な前後サスつきのこの小径ホイール自転車の名は、クルマ好き英国車好きを自認する方なら、きっとご存知のはずである。 ただし、街乗りのスタンダードな折りたたみ自転車という視点で見ると、やはりアレックス・モールトンより、ブロンプトンに軍配をあげざるを得ないだろう。モールトンは、確かに特別な自転車で、小径ホイール界のキング・オブ・キングではあるけれど、品質や性能が街乗りとしては明らかにオーバースペックで、それが価格にもはね返ってしまっているからだ。また、至便性の視点からいっても操作に慣れればものの 20 秒もあれば折りたたんだり、組み立てたりできるカジュアル感覚のブロンプトンに比べると、モールトンは、やや分が悪いといえるだろう。そう、同じ折りたたみが可能な小径自転車とはいってもブロンプトンは、徹頭徹尾、街乗り折りたたみ自転車としての実用性、機能性を追求した結果生まれた自転車で、モールトンとは思想も設計も明らかに違うのである。 モールトンを高性能小径折りたたみ自転車の王様とすれば、ブロンプトンは街乗り小径折りたたみ自転車のスタンダードである、と言い換えてもいいかもしれない。
ブロンプトンを設計したのは、ブロンプトンの現在のオーナーで創業者でもあるアンドリュー・リッチーである。リッチーが友人と現在のブロンプトンのプロトタイプともいえる段式折りたたみ自転車を作りあげたのは、 1975 年のことだったという。さらに自ら小さな工場で部品を手作りして試作を続けたリッチーは、 1986 年にようやく 30 台の完成車を作りあげることに成功する。ちなみにブランド名の由来は、リッチーが生まれ育ったロンドンのブロンプトン・ビレッジから取られたものだそうである。 ブロンプトンは 16 インチの小径ホイールを用い、フレームはクロモリ・スチール製。重さは約 12 kg 。高圧タイヤと強力なブレーキングシステムのおかげで、乗り心地は申し分なく、変速機まで装備している。しかも、折りたたんだ状態は単にコンパクトになるだけでなく、ハンドルやフレームが美しくおさまるよう実に巧みに設計されており、パーツがバラバラになることはなく、しかも余計な突起も見当たらない。ワイヤー、ギア、チェーンも折りたたんだ時には、内側におさまる設計になっているため、手や服を油で汚す心配もない。下部の小さなローラーが地面に接地するため、平地での持ち運びも楽チン。列車やバスに乗りこんでも、ちょっとした手荷物スペースさえあれば、事足りる。ブロンプトンは、まさに街のりバイクとして理想的な条件を備えた折りたたみ自転車なのである。 現在、ブロンプトンは、ロンドン郊外にある小さな工場で、今もフレームからフィニッシュまですべて自社で一貫生産されて作り続けられている。創業以来、職人による手作業にこだあるブロンプトンは、伝統的な英国のモノ作りの系譜を継承しながら、あくまで現代のライフスタイルに貢献するカジュアルな街のり自転車として設計された自転車だ。
変わらない英国とあたらしい英国。僕は、この英国のふたつの持ち味が絶妙に融合された幸福なケースとして、このブロンプトンを持ち出すことは決して強引ではないと思いこんでいるのだが・・・・果たしていかがなものだろう。 |
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 |  | ユニークバイクの喧伝者
今回、撮影のためブロンプトンをお借りしたのは世界中の優れたユニークな自転車を日本に紹介する、ミズタニ自転車。このブロンプトンの他にも、オランダのミデルブルク、アメリカのユージーン、イタリアのシシリー、ドイツのダームスダッド、日本のタルタルーガなど、そのラインナップは一見に値するものばかり。ぜひ、一度、ホームページにアクセスして覗いて欲しい。なお、今回ご紹介したのは、ターコイズブルーの Mk3 。147,000 円。 L3(73,000 円)など、さらにリーズナブルな価格のモデルもある。別売りでキャリーバッグ、フロントキャリア。バニアバッグなどアクセサリー類も充実している。 問い合わせ先:ミズタニ自転車 tel:03-3840-2151 |
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|  |  |  |  | |  |  |  |  | 使えるクルマ「エスケープ」 僕のクルマ選びは自転車が積めるかどうか。でも、走って気持ちが良くないとという自分勝手な視点を元に、気になっていたクルマ「フォード エスケープ」に試乗しました。
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 |  | |  |  |  |  | ストーンヘンジ ストーンヘンジ。巨石文化不思議のひとつ。ロンドンから 2 時間ほどのドライブ
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 |  | |  |  | 温故知新 B&W ノーチラス805を購入したのは、97年頃。ドライブしたのは、1992年に購入したLuxman L-570X's。この組み合わせは、オフィスで比較的小音量でジャズを聴くためにセットアップした。CDプレイヤは、Wadia 830である。Wadia 830は、価格対性能比では国産製品には刃が立たないが、実にガッツのある骨太の音がする。ジャズにはぐっとくるのだ。
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