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2002/07/12
 TREND

TREND VS 147 in Circuit
C セグメントイタリア代表とサーキットで対決させてみた

 フォーカスを VividCar.com の読者の方々に乗ってもらって感想を聞こうという大胆な企画を立てた。そこで対照的な性格を持つクルマと比べてもらって、その差を体感していただこうとしたのだが、まずはその前に編集部スタッフもその差を感じてみた。
 147 は昨年大きく取り上げた経緯があるので、我々も良く理解していたつもりだったが、こうやって比較してみるとやはり違った面も見えてくる。

文:武田和宏
写真:永山辰巳、柴田康年
取材協力:フォードジャパン、チェッカーモータース


 EUROFORD focus TREND

 サーキットは一般道とはまた別の側面が顔をだす場面である。一般道ではワインディングロード、高速道路などハイスピードになればなるほどそのスタビリティの高さが印象的だったフォーカスは、サーキットでもその安心感は変わらなかった。実にタフなクルマである。

EUROFORD focus TREND ALFAROMEO 147 EUROFORD focus
ヨーロッパの知性とでも表現したくなる実用車の鏡とも言えるクルマのスポーツバージョン。対するはイタリアの情熱派。そのエモーショナルなデザインと活発な運動性能はフォーカスとは好対照。今回は 2L の GHIA を予備として持ち込んだが、こちらもなかなか気持ちよくサーキットを走る事が出来た。
グレード -
2.0 TWIN SPARK SELESPEED(3dr)
2.0 TWIN SPARK SELESPEED(5dr)
2.0 TWIN SPARK(3dr)
1600 GHIA
2000 GHIA
 
標準価格 248 万円   275295 万円   210229 万円    
排気量 [1969cc]  [1969cc]  [1595cc] [1969cc]   
駆動方式 [FF]  [FF]  [FF]   
ミッション [4AT]  [ATモード付5MT] [5MT]  [4AT]   
乗車定員 [5]  [5]  [5]   
全長×全幅×全高(mm) [4170×1710×1480] [4170×1730×1420]
(2.0 TWIN SPARK(3dr)) 
[4170×1710×1480]
(1600 GHIA) 
 
車両重量(kg) [1240]  [1280] [1310]  [1180] [1220]   
エンジンタイプ [直4 DOHC 16バルブ] 
[直4 DOHC 16バルブ] 
[直4 DOHC 16バルブ] 
 
最高出力
(ps/rpm)
[96(131)/5500] 
[110(150)/6300] 
[74(100)/6000] 
[96(131)/5500] 
 
最大トルク
(kgm/rpm)
[178(18.2)/4500] 
[181(18.4)/3800] 
[145(14.8)/4000] 
[178(18.2)/4500] 
 





対照的なセッティング

 ヨーロッパでは同じ C セグメントに属するクルマであるが、日本でのイメージは大きく違う両者を同じ基準で比べるというのも乱暴な話しではあるのだが、前回のプジョー 307 とゴルフに引き続き、直接対決としてみた。

 まずは簡単に両車のスペックを比較してみよう。全長はまったく同じで 4,170mm 、全幅も全高も大きくは変わらない。車両重量はフォーカスの方が 70kg ばかり軽いが、エンジン出力は 147 の方が 20ps ばかり上回るという事なので、走行性能についてはほぼ互角であると考えて良いようだ。

 こんな数値を頭に入れながらまずは足慣らしでサーキットをまずは軽く流すとそれだけで結構な性格の差が現れる。まずはエンジンの回り方が違う。流石アルファ!と思わせるそのドラマティックな吹け上がりそれだけで 147 はサーキットを走るのが楽しくなる。対するフォーカスは着実に回転を上げ、キチンとトルクを絞り出す事でクルマが前に進むという実感がある。これは結果としてどちらが早いという話しにはならないのだが、アルファの方が体感速度は速い感じがする。

 足回りも対照的で、フォーカスのスタビリティ重視のセッティングは再三説明をしてきた通りだが、アルファはボディをロールさせながらサスペンションに十分な仕事をさせる事で、タイヤのグリップを活かしきっている。もちろんロールスピードは十分に抑えられているから、ドライバーに不安は無く軽快にコーナーを抜ける事ができる。
 




細かく見てみると

 残念な事に途中から雨が降り出し全開走行は出来なかったが、コースにも慣れたところで少しペースを上げてみた。ペースを上げるとクルマに負担がかかってくるが、そうなるとフォーカスのボディ各所の剛性の高さが際だってくる。コーナー手前でブレーキをかけ減速する際のペダルのフィーリングやそこからステアリングを切り込んで行った時の感覚などが、しっかりとしてその作動がすべて滑らかなのである。
 またそのおかげでコーナーでは狙ったライン通りにコーナーをクリアできるし、それこそがサーキットを走る楽しみだと思う。オートマティック車でこういうコースを走るとアクセルを抜いた瞬間にシフトアップされて次の加速が鈍ってしまうので、2 速にホールドして走るのがちょうど良いのだが、このシャシを十分に楽しむためにマニュアルミッションがあればと思う。
 それ以上にペースを上げると濡れた路面では ABS と ESP が顔を出し始め、車体を安全方向に抑えようとする。但しその ESP もぎりぎりまで顔を出さないから、これが出てきたらその条件下ではそれ以上のペースアップは無理だと考えた方が良いだろう。

 これに対して 147 は全体的にボディの作りが緩い感じがするのである。ただお断りをしておくと今回お借りした 147 はお客様用の試乗車として長く使われていたもので、車体が少しばかりくたびれていたので、本来の状態では無かった事を差し引いておかないといけない。
 もちろん各操作系の作動がいい加減な訳ではなく、きちんと減速するしコーナーは前述の通り気持ちよくクリアする事はできるのだが、安心感に欠けるのである。今回参加された読者のアルファ乗りは「ボディが緩いのが嫌な人はゴルフに乗れば良いんです」と一括されていたがその通りで、あのエンジンの吹け上がりとひらひらと抜けるコーナリングを味わうと少しばかりの緩さなどは何の問題も無いと思わせてしまう。



個人的なチョイス

 大きく性格の違うクルマなので、直接比較してどっちが良いの悪いのという話しではないのだが、あえて自分で使うクルマをどちらか選べと言われたとすると、担当者はフォーカスを選ぶ。
 クルマのボディが緩いのはオープンカーに乗り慣れているとあまり気にはならないのだが、やはりステアリングや ABC ペダルへの入力に対する反応がリニアでしっかりとしているクルマが好みなので、個人的にはフォーカスを選択する。サーキットでの性能比較だけであれば選択は少し違うとは思うのだが、日常での使い勝手やトランスミッションのマナー、さらには約 30 万円の価格差を含めて判断するとこういう選択になる。

 147 は大変興味深いクルマで、2 ペダルのマニュアルシフトというのはこれからの時代のスポーティカーの必要要件なのかも知れないと思わせるものがあるが、どうしてもそのシティモードでのマナーの悪さは、2 ペダルの楽さ加減の要求はまだ満たしていないと考えられる。
 アルフィスタと呼ばれるあのサウンドとエンジン回転の気持ちよさに魅入られてしまった人々にはそんな事は関係ないのかもしれないし、確かにあのサウンドと回転は担当者にとっても十分に魅力的だ。内装の豪華さを考えれば上記の価格差も納得できる範囲にはあるが、やはりこのクルマはマニュアルで乗るべきなのかも知れない。
 またボディが緩ければ緩いなりのセッティングというのがあるはずで、あんなに大きなタイヤをはかなければ大きなハーシュネスも少しは抑えられたと思うと、ちょっと残念である。


茂原ツインリンクサーキット

 場所は千葉県の茂原というところにある「ツインリンク茂原」というサーキットで、ツインリンクというのは一般のクルマも十分に走れるサーキットとカート専用のコースの二つが併設されているところからこの名前があるという。  各地にあるミニサーキットの中では設備もしっかりしているし、肝心のコースもアップダウンのあるテクニカルなコースである。特に最後のシケインから最終コーナー、そしてストレートまでというのが、今回のようなまったくのノーマルのクルマではスピードコントロールが難しい挑戦のし甲斐のあるコースである。

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  武田和宏

[VividCar 編集員]
 暑い暑いと先日まで言っていたと思ったらもう今年もラストクォーターに入り、夜ともなると随分と涼しくなってきた。常時接続がやってきて早くも半年近くなったが、あいかわらず、当社の編集システムを使って自宅での深夜残業が続いている。
 最近は VividGarage.com の日記もちょっと滞りぎみではあるが、こちらも当面は深夜の作業が続きそうである。





C セグメント直接対決 vol.1
エクステリア編
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