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2006/02/08
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2006/05/08
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国立身体障害者リハビリテーションセンターに入院し、直接手動装置の操作方法や、自分の体に合った車選びなどの指導を受けました。運転が出来た時は感動したし、自分の中にポッカリと空いた穴が塞がった気がしました。その頃お世話になった熊倉良雄氏に、今運転していて気になることなどの質問をぶつけてみました。
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心のバリアフリー


「我々が住む街には、チェアウォーカーの視点から見ればバリアだらけな場所がまだまだ沢山あります。そうした設備を全て変えていくことは大変なことですが、人々の心のバリアを変えていくことはきっとできるはずです。」

記事:長屋宏和
写真:津島健太(VividCar.com)

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Update: 2006/03/08
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心のバリアフリー
心のバリアフリー
段差(ほんのちょっとの段差がなぜ必要なのか、チェアウォーカーの多くが指摘する)
バリアだらけの街

健常者のときに気にならなかったことが、チェアウォーカーになり、気づくことがたくさんあります。

新しく建つ建設物の多くはバリアフリー設計になっています。しかし、1 歩外に出ると、そこはバリアだらけの街が広がっています。

道路は歩いていると平坦に見えても、実は水はけのために排水溝に向かって傾斜がついていたりします。信号機にもバリアがあります。それは、歩道と車道の 2 〜 3 センチの段差です。「たかがあれだけの傾斜、あれだけの段差」と思うかもしれませんが、チェアウォーカーには、かなりのバリアなのです。僕にいたっては、信号の段差手前で一旦停止して、重心を後ろに持っていって、フロントタイヤを上げます。もし、この段差が無ければこんなことしなくてもいいし、焦る必要もなく、安全に通過できます。

電車・バスなどの交通機関は、比較的スムーズに行動できる行動手段です。ほとんどの駅にはエレベーターなど対応しています。しかし、ない所でも、駅員さんが担いで持ち上げて階段を上り下りしてくれます。

心のバリアフリー
心のバリアフリー
公園や駅の入り口などに多いバイクや自転車進入禁止の柵。車椅子も進入禁止なの ? と思えるほどハンディキャッパーへの配慮が何も考えられていない典型
僕らチェアウォーカーが行きたい店に、段差があるとします。

その段差を上ることが出来ず困っていたら、それを見た人が手をかしてくれることで、店に入ることが出来ます。地下 1 階に行きたいけれど階段で車椅子では無理と思っても、力持ちの健常者が持ち上げておりてくれさえすれば、そこはバリアフリーなのです。

設備はバリアでも、心のバリアフリーで解決するのです。

先日食事に行ったとき、店内の通路が狭くて「絶対ここは通過出来ない。」とあきらめて帰ろうとしたとき、店員さんから「持ち上げましょうか?」と言ってもらえて、 1 メートルはある壁を持ち上げてくれたのです。その店で食事できたことは嬉しかったですね。どんなにバリアがあっても、助け合える人の気持ちさえあれば、バリアフリーになるんだなあとつくづく思いました。

心のバリアフリーは設備うんぬんではないので、思う人が増えれば増える程、広がることです。街全体をバリアフリーに変えていくことは、容易い事ではありませんが、人の気持ちをバリアフリーに変えて行くことのほうが僕は重要な気がします。

心のバリアフリー
心のバリアフリー
車椅子優先エレベーター(長屋さんの体験では、表参道ヒルズなど混雑する場所では、優先エレベーターのはずなのに満員の時でも降りてゆずってくれようとする人は少なく、何十分も待ち続けることもあるとか)
どうにか変えていきたい

皆さんは何故車椅子優先エレベーターがあるかご存知でしょうか ?

車椅子優先エレベーターには、低い位置にエレベーターの行き先ボタンが付いています。その高さのボタンしか押すことが出来ないのです。車椅子に座った状態からいくら手を伸ばしても、通常のボタンを押すには限界があります。それだけではなく、一般の方々のご迷惑にならないように配慮されていることも考えられます。

しかし、優先エレベーターに健常者が乗っていて満員で、僕等チェアウォーカーが乗ることが出来ない。優先にもかかわらず、見て見ぬふり。これが当たり前におこなわれているのが現実です。ここに心のバリアフリーがあれば、譲り合いの気持ちが生まれるはずです。

どうにか変えていきたい。

相手の立場になれば、「優先」なんだから、車椅子・ベビーカーの為に譲る事は必要だと思います。

心のバリアフリーを広げるには、訴えていくことしか方法はないと思います。訴えて、その気持ちが相手に伝わった時に、 1 人、心のバリアフリーユーザーが増えてくれると思います。

心のバリアフリー
心のバリアフリー
心のバリアフリー
僕は事故後、 3 ヶ月間、アメリカのシアトルに居ました。そのときに、街に出るのが楽しいと感じました。それはシアトルというはじめての土地で楽しいということではなく、何も考えず、抵抗無く外出が出来て楽しいと感じることでした。

例えば、街に出れば、道は平坦で、信号機の段差もない。それよりも、大切なことが、僕らチェアウォーカーに対する接し方です。
気さくに話しかけてくるし、壁を感じないんです。街に出ればたくさんのチェアウォーカーに当たり前のように目にします。それが普通の事だと思うのです。

日本では、やはり誰もが口にするのが、障害者に対して「どう接していいのかわからない。」という意見です。接し方がわからないからと言って、一線を引くのではなく、どんどん話しかけてきて欲しいです。時には、自分で自分に対してチャレンジしているときもあるかもしれません。でも、そういうときは、きちんと「大丈夫です」と言います。どんどん話しかけて、健常者と障害者の温度差と言うか、線を取り除いていきたいです。

障害者だからつらい思いをしているとは思いません。乙武さんが言っていたように、障害があることは「不便ではあるけれど不幸ではない」のです。

僕から見て、東京の方々は一概に言えませんが、心に余裕が無いと感じます。障害者、健常者に関わらず、全ての人に余裕がないのだと思います。

みなさん、心に余裕を持ちましょう。これは日本人だからとかそういう問題ではないと思うのです。アメリカに行けば、ニューヨークの人々はどうなのか。はたまたシアトルはどうだ。東京、名古屋、岡山、それぞれ違うと思います。ゆとりをもちましょうね。

心のバリアフリー
「僕がいつも散歩する玉川上水べりの道。好きな場所ですけれど、車が来るとちょっと恐いですね。」
心のバリアフリー

僕のファッションブランド「ピロレーシング」は、「いつでも自分の好きな洋服を着たい。」という観点からスタートさせました。

今まで、チェアウォーカーは洋服選びにも、「デザインは気に入っているけれど、履きやすさが駄目」と諦めていました。しかしそれは間違っています。「自分の気に入った洋服を着るという事は当たり前。当たり前の事が出来ていないのはバリアフリーじゃない。」と思い、洋服ブランドを立ち上げました。ただの販売ではなく、その洋服を手にとってもらい、補正として気に入った洋服をお直し出来ればと思います。当たり前の事が当たり前に出来ないことを変える、第一歩になれれば嬉しいです。

僕の使命、それは、1人でも多く、外に出て行く為の環境作りにお役に立てれば、嬉しいです。バリアフリーも、チェアウォーカーファッションもそう。「外出してみよう。」と思ってもらえることが嬉しいです。

その為に何が足りないか、どうしていけばいいのかなど、考えていきたいです。僕一人の力では到底不可能なことだと思いますが、一人一人の心のバリアフリーが広がりさえすれば、必ず叶うと信じています。

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