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スマートはなぜ2代目が作られたのか? の巻

2代目スマート・フォーツー in 横浜

バラエティ自動車ジャーナリスト、小沢コージが生々しくお届けする新車リポート、全然4コマじゃない『4コマ写真インプレッション』! 第8弾は7年ぶりに2代目が登場した、世界で最もチャレンジングで崇高なコンパクトカーのひとつ、スマート・フォーツー。年間9万台も売れてて苦労していたオール新設計のクルマの未来は果たして…

P1060442small.jpg横浜みなとみらいにて!

今回の注目点…実はかなり厳しかったスマートプロジェクト

 多忙がゆえ、久々登場の4コマインプレッション、今回は横浜で行われた2代目スマート・フォーツーの登場だ。

 果たして日本の軽を始め、多方面に影響を及ぼした、この小さくても偉大なる前代未聞の3m以下2人乗りミニカー。一時は全世界で年間9万台も売れ、その後、同じトリディオン・セーフティセルを使ったロードスターや、コンセプトを共有するフォーフォーなどが作られたが、実は存続危ぶまれていた。

 なぜか? 単純に言うと開発費がかかり過ぎるのだ。なにしろスマートはプラットフォームからエンジンまで完全新作で、工場まで一から作り直した。それは一般の人が思うよりとんでもなく大規模なプロジェクトであり、簡単に言って“金がかかり過ぎる”のだ。

 例えば今、バカ売れのBMWミニでさえ、当初は発売後数年は赤字出行くことが予想されていたし、初代がエンジンをクライスラーと共同で作っていたのは少しでもコストを浮かせるためである。

 つまり、完全新作とはそれほど難しいことなのだ。しかも、2人乗りカーというのは発想は素晴らしいがそれだけで市場を狭くする。

 日本だってそうだ。確かに小さくて便利だが、優遇駐車場はないせいし、優遇税制もない。となると、これだけ諸経費が高い現代、「最低でも4人乗れないと…」となってしまう。

 果たしてスマート・フォーツー、なぜに7年ぶりに作られることになったのか?

 

P1060389small.jpg横浜名物と言ったらシュウマイと海軍カレーと…

さてここはどこでしょう?

 さて、ここはどこでしょう? そう、試乗会が行われた有名なホテルですが、とある場所から昔の造船所が見えます。なんとなく、時計で知られるパネライの取材を思い出しました。

 ま、スマートとはなんの関係もないんですがね(笑)

 気になる人は調べてみてください!

 

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まずはざっと概要を

 まずは広報部長の伊藤さんよりざっとした概要が説明され、スマート・フォーツークーペ&フォーツーカブリオの予約受付は、昨年からで発売が今年頭とアナウンス。

 注目のお値段はクーペが176.0万円で、カブリオが205.0万円。ざっと25万円高ってところだが、プラットフォームから新作でエンジンが700ccから1リッターに拡大、オマケに慢性的なユーロ高を考えるといたしかたないところだ。

 

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大型化したがそれでも3m以下で800kg台!

 ボディサイズはクーペ、カブリオ両方ともかなり拡大した。全長2720×全幅1560×全高1540mmで、長さが180mm、幅が45mmも伸び、高さのみ10mm縮まった。ホイールベースは1865mmで55mmも長くなった。

 主に衝突安全性、特に歩行者保護と後突を配慮した結果だが、それでも依然として3m以下ボディだし、車重も770kgだったのが、クーペ810kg、カブリオ820kgになったぐらい。

 十分にコンパクトかつ軽量だ。

 

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ライトはプロジェクター、カブリオは最後まで電動に!

 見た目でパッと分かりやすいのは、完全にメルセデスっぽくなったライト回りのデザインと、中のプロジェクターヘッドランプ。

 それからカブリオは途中、一度止まるものの、最後左右ルーフレールを残して完全オープン状態になるまで電動化した。

 より明るく、ラクチンになったってことよ!

 

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インテリアはかなり“クルマ”っぽくなったけど…

 インテリアも一新してかなりの直線基調に。樹脂等の質感もあがり、ハッキリ言って従来のオモチャっぽさは薄れて、かなりクルマっぽくなっていて、それは良かったと言えば良かったが、残念と言えば残念。

 個人的には少し残念かな。

 でも相変わらずキノコが生えたようなメーター類は健在。いろいろ考えてますなぁ…

 

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ディテールのキモはフロントとiPod!!

 ディテールで見るとフロントセクションの変更が多き。こうやってボンネットフードが外せるようになり、また傾斜角を若干旧型よりも急にすることにより、衝突時の歩行者保護をケアしている。

 一方、オーディオ面では、CD、MD等を取り去り、ラジオとiPodのみと割り切ったのもユニーク。まあ、スマートらしいコンセプトと言えばコンセプトなのだが、もはや全世界で1億4000万台も普及した音楽プレーヤーであることを考えれば、納得出来る選択であろう。

 

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使いやすさもさらにアップ!

 クーぺは相変わらずガラスハッチを開けることができ、非常に使いやすく、またニシツは旧型の150リッターから220リッターに容量アップ。天井まで荷物を詰め込めば、340リッターまで積載することができ、使い勝手は向上した。

 カブリオに関しても、ルーフレールをトランクリッドの専用ケースにはめ込むことができ非常に便利。

 全体の車重もクーぺ比、+15キロであり、どちらも非常に扱いやすいクルマになっている。

 

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ハッキリとクルマっぽくなった!

 正直、面白い存在ではあるが、ステアリングフィールにしろ、シフトショックの大きいセミATにしろ、クルマとしては味わいが低かった初代スマート。それはそれで面白かったが、それはハッキリと2代目で増している。

 ステアリングは手応えを増しているし、700ccから1リッターに排気量アップした直3エンジンも馬力が71hpにアップし、以前より回して楽しいユニットになった。
 
 乗り心地も向上、シフトショックもエンジントルクの向上とギアボックスの改良もあって格段とスムーズになった。

 というわけで率直な感想としては“これでハッキリとクルマになった”ってことだ。初代スマートは、正直、ゴルフ場のカートの拡大版的なところがあったのだが、新型はそれはない。

 味わいは一歩も二歩も進化している。

 

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まとめ…ダイムラーAGの免罪符としてのクルマ

 というわけでサイズ、車重は若干大きくなったものの、そのユニークなコンセプトをほぼ変えずに、使い勝手、味わいが増している新型スマート。しかし、冷静にみれば、確かに商品性はアップしているものの、4人乗りになったわけでもなく、旧型に比べ、劇的に売れるようになっているとは思えない。

 ではなぜ2代目スマートがつくられるようになったのか。

 それは単純にメルセデス・ベンツ、いやダイムラーAGの環境戦略がゆえである。

 実はヨーロッパ市場においては、2009年から環境規制がさらに厳しくなり、二酸化炭素の排出量が130g/km以上のクルマに対して1台当たりに何10ユーロという罰金が加えられることが決定している。

 一方、アメリカのカリフォルニア州のような厳しい州でも、自動車メーカーは全生産車中の何割かを、完全に排ガスが空気を汚さないゼロエミッションビークルにしなければならないという条例が今後加えられる。

 
 つまり、メルセデス・ベンツは、SLやSLRマクラーレンのようなスーパースポーツのみならず、SクラスやEクラスやCクラスのようなクルマを作り続けるために、スマートのようなクルマを作る必要性が生じているのだ。

 ある意味、ダイムラーAGの“免罪符”としてのエコカー、それが新型スマートなのである。

 単純にこのクルマに限った収益構造だけでは考えられない存在になっているのだ。

 つくづく時代はエコロジーを抜きに考えれなくなっているのだ。

 

 

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