2008/02/12
注目のひと
続トップを直撃!“若者のクルマ離れ”をどうする? 日産編
日産自動車COO、志賀俊之さん
ニッポン自動車界を憂う小沢コージが昨年から続けている時々連載『トップ直撃インタビュー』。今回は偶然お目にかかれた日産COO(最高執行責任者)の志賀俊之さんを直撃。果たして日産のトップは現状をどのように分析し、今後に繋げようとしているのか?文と写真:小沢コージ&クライマックス
志賀俊之(しがとしゆき)。和歌山県出身。和歌山県立那賀高等学校卒業後、大阪府立大学経済学部を経て、1976年に日産自動車入社。アジア大洋州営業部ジャカルタ事務所長、企画室長を歴任。1999年に日産がルノーと提携、COOに就任したカルロス・ゴーンの下でアライアンス推進室長を兼任。日産リバイバルプランを推進した。その後、常務執行役員として一般海外市場で成果をあげ、2005年にCOO(最高執行責任者)、代表取締役に就任。1953年9月16日生まれ。
「クルマ離れ」って言い過ぎる方がまずいのでは?
 
GT−R人気を良く考えてみよう!
今回はとある新車発表会で少しお時間をいただきインタビュー。過去のやや悲観的なトーンとはひと味違い、志賀さんらしい、勇気づけられる前向きで骨太なご意見をちょうだいすることができた。
コージ 昨今のクルマ離れについてなんですけど、あのトヨタでさえ07年は販売台数が落ちてしまった。しかも日本市場だけ! これって異常な気がするんですけど。
志賀 それについてはいくつか考えてることがありましてね。私からしてみると「若い人がクルマに興味を失った」「失った」って言い過ぎる事自体がまずいんじゃないかという気がするんですね。今、ネガティブトーンはあえて避けたほうがいいと。
コージ 逆に煽ってると?
志賀 そう。それどころか、誤解を与えている。確かに販売台数は落ちてますけど、そうはいっても年間540万台のマーケットってまだまだたいしたもんですよ。中国に抜かれたとはいえ、それでも世界第3位ですから。ちょっと悲観的すぎやしませんか。
コージ GT−Rがいい例ですよね。実は買うような人以外からも結構興味を持たれてるという。
志賀 そういう人にしてみれば、「○○離れ」とか聞くと逆に「えっ、そうなんだ?」ってひいちゃうかもしれない。それが一番もったいないですよ。せっかく興味を持ってる人がいるんだから、もっとストレートに「クルマ仲間になりましょうよ」「楽しいですよ」ってメッセージを発していけばいい。
コージ 言えてますね。逆に僕らが仲間を増やすチャンスを消してるのかもしれない。
 
入り口はクルマじゃなくったっていい
志賀 それから入り口ですよね。GT−Rもそうですし、最初にクルマじゃないもので共感を得る方法だってあると思うんです。例えばCMとかゲームとかね。
コージ そういや最近の日産のCMって面白いですもんね。ノートとか(笑)。
志賀 ゲームなんかもいいですよ。うちの息子なんかは去年、グランツーリスモの新作ソフトを発売日に買ってましたから。そういう入り口もある。
コージ アニメもありますしね。
志賀 あとは根本的なクルマに対するハードルというか、バリアを下げてあげることですよね。クルマを運転するという行為は、今や結構なバリアやストレスが伴ってしまい、ガソリン代もそうだし、値段もそうだし、安全性や渋滞なんかもつきまとう。昔はそれ以上にクルマの楽しさだとか、利便性が上回ってたけど、だんだんストレスが増えて逆転してしまった。だから「カラオケ行こうか、クルマで行こうか、でも、やっぱ飲めるし安いから電車で行こう」ってことになってしまう。もちろん変えられない部分もありますけど、いかにそのストレスを下げてあげるのかってことも大切です。
コージ ガソリン代とか高速代が安くなるだけでもクルマに確実に乗るようになりますしね。
志賀 それから実は最近、道がどんどん良くなって、走りやすくなってるんですよ。個人的にはトラックドライバーのマナーも良くなってきてる気がします。
コージ なるほど。そういう側面もあると。
志賀 だから、悲観的になってる場合じゃないんですよ、小沢さん(笑)
ってなわけで非常に前向きな志賀さん。実にためになるお話でした。
 
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