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祝完走! レクサスLF-Aはなぜニュル24時間を走ったのか?

突如、ニュルブルクリンク24時間耐久レースに出走して話題を巻いたレクサスのスーパースポーツ、LFーA。まだ開発途中にも関わらず見事完走したが、順位は121位。これを高いとみるか、低いとみるかは意見が分かれるところだが、そこにたまたま訪れていた小沢コージが独断と偏見で斬る!

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IMG_0816small.jpgカーン! とV10独特の甲高い音を立てて1コーナーを疾走するLFーA

 

IMG_0323small.jpgハッキリ言ってドイツでも大注目!!IMG_0420small.jpg

な、なんでこんなところにLF-Aが!

 正直、驚いた。恒例のドイツ通いで、今回のニュル24時間レースにブラリ訪れた私だけど、まさか本物のLFーAが拝めるとは思ってもみなかったからだ。それもつや消しブラッグにぬられた“LFーA忍者仕様”が拝めるなんて。事実、懇意にする『GRAN TURISMO』製作チームがいなかったら来てなかったかもしれない。

 でも実は、日本でもとっくにリリースは出されていたのだ。4月の時点で「今年のニュル24時間にレクサスLFーAが出走」という内容の奴が。
 確か事務所でみたような気もする。でも、正直ピンと来なかった。そこにも書いてあったがなにしろ「研究開発のため」なのだから。

 実際、最終的な順位は、150台中の121位で、初期に約2時間のオイルクーラーからのオイル漏れ、後半には走行中に後輪ハブボルトが折れるというかなり厳しいトラブルにも見舞われた。まさしく“言い訳”としての研究開発での出場ではない。“正真正銘”の実験開発のためのレース出場だったのだ!

 そう考えるとドライバーラインナップにもうなずける。最初は見た途端に驚いた。私の大先輩であるジャーナリスト兼レーシングドライバーの清水和夫さんに中谷明彦さん、そして木下隆之さん。正直、現役バリバリは最も若い飯田章クンぐらいのもんだ。

 しかし、こうやっていろいろトラブルが出た後にはこの選びにもうなずけた。清水さんも木下さんも筋金入りのニュルマイスターで、もはや周回数、数100とも数1000とも言われている人ばかり。

 そういう人だからこそ、過酷なニュルでの“研究開発兼レース”に起用されたわけである。開発車両のフィードバックを正確に行いつつ、なにが起るかわからない! 状況でちゃんと速く安定してクルマを走らせる。

 この2つの難題をこなすには、経験豊富かつ実力タップリなこの4人でなくてはならなかったのだ。

 

IMG_0353small.jpg清水和夫、中谷明彦、木下隆之、飯田章、どの人をとっても百戦錬磨!IMG_0301small.jpg

トヨタのスポーツカー開発の革命の序章かも!?

 もうひとつ、いろいろ回りを取材してわかってきたことだが、LFーAがユニークなのは、これがある種のトヨタのスポーツカー開発の“革命”であることだ。

 F1譲りの500馬力オーバーの5リッターV10をフロントミッドに積んだスーパースポーツということだけではない。根本の“作り方”まで変えようとしている。
 キーマンは誰あろうトヨタの副社長、豊田章男さんだ。昨年のニュル24時間に自らも出たという“戦う副社長”である章男さん。彼は今回自ら走ることはなかったが、忙しい合間を縫って直々に見に来られていた。

 その状況からいってもこのレースはトヨタとしては例外的である。というか“開発途中”の車両を公にし、その実力を白日の下にさらす、という事自体が日本の自動車メーカーとしては例外的なのだ。

 基本的には秘密裏に作業を進め、イッキにベールを脱ぐのがこの業界の決まり。しかし、レクサスLFーAはそういう常識をとっぱらい、自由闊達に外の情報を取り入れながら開発しようしている。ある種、ヨーロッパ的と言えるかも知れない。

 ニュルのオールドコースで既に7分台を記録したというLFーA。その背景から、私はてっきりニュルやル・マンでいきなり「ポール トゥ ウィン」を狙うような登場の仕方をするのかと思ってたが、それは全くの逆。

 レクサスLFーAは、その唯我独尊的スタイリングとはウラハラに、実に民主的に育てられようとしている。

 今回は正直、奮わない結果に終わった。しかし、そのトップスピードは時速300キロを越し、それだけをとればニュル24時間のトップ10に入るという。決して遅いクルマではないのだ。

 最初から完成してなくてもいい。今後来年、再来年と徐々に熟成に熟成を重ね、旨くて誰もが知ってるブランドワインのようになって欲しい。つくづくそう思った次第である。