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デザイン一新ベンツSL! 果たして○か×か? の巻

美しい写真と巧妙な原稿でサラリと新車を斬る「小沢コージの4コマ写真インプレッション」。今回は7年ぶりに「これ、フルモデルチェンジじゃないの?」って言いたくなるほど一新されたメルセデス・ベンツSLのマイナーチェンジモデル。世界のトップを走り続ける高級ロードスターの変貌を、果たして小沢はどう思う?

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ついにSLもエコに気を遣う時代になりましたね

P1010257small.jpg後ろにあるのは超スペシャルな63AGMモデル。コレについては小学館、ダイム副編集長との対談で!

 

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やはりオープンと言えば裏磐梯!

 さてさて今回試乗会が行われたのは、東京から電車で約2時間の郡山にほど近い裏磐梯猫魔ホテル。いわゆる白樺に囲まれたリゾート地であり、しかも磐梯山周辺にワインディングはうなるほどある。

 まさしくオープンカー試乗にうってつけであり、場所がよくなりゃクルマもよく見えると。簡単に言ってしまえばそういうコンセプトですな(笑い)。

 でもまあ、私がいた某N誌も、たまに出るENGINE誌でも、本格テストとなると裏磐梯が多い。そ、道の良さ、風景の良さ&飯のうまさのバランスでは、ここをしのぐところはそうそうない。

 クルマだと箱根の倍ぐらいの時間がかかるけど、それを補ってもあまりあるという…。そういう感じですか!

 

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本格スポーツは10年選手が当たり前!

 さて54年発表の石原裕次郎で有名な“ガルウィングドア”の300SLから数えて5世代目モデルの今回のSL。日本での発表は2002年であり、つまり6年目にマイナーチェンジが行われたわけだけど、日本車の感覚だと「あれ、フルモデルチェンジじゃないの?」という部分もある。
 しかし、実はこれが逆に世界の常識だったりする。たとえばW129,4代目SLは89年から2002年まで生産されていたし、その前のW107,3代目SLはなんと71年から88年まで生産されていた。

 つまり実に17年! これは特別としてもポルシェ911にしろ、基本ボディを10年以上使い続けるのは世界の常識。その間、見た目やエンジンをリフレッシュさせることはあっても、基本テイストは普遍なのだ。

 というかよくできたスポーツカーは、それくらいの年月に耐えうるってことなんですね。

 実際、現行SLの日本での保有台数は6600台で、実に市場占拠率6割オーバー! まさに一人勝ちのクルマなのであーる。

 

P1010131small.jpgデザインは好みが分かれるところP1010132small.jpgホイールも新デザインを採用

SLは男性的であるべし、なのか?

 というわけで新型SLの最大のポイントはデザインチェンジだ。特にフロント周りはすごくてボンネットからフェンダーからバンパーからすべて一新され、中でも一本ルーバーを取り入れたグリルから受けるインパクトは強い。
 ただ、この変化、54年登場の初代300SLのディテールを取り入れてるのが本当のねらいで、ワイルド化というより原点回帰なのだ。

 それはサイドのエアアウトレット、ボンネットの2つのエアドームなどからも伺える。確かにクラシックなイメージ。
 
 一方リアはリアスカートとエクゾーストのフィニッシャーが角張ったのが特徴で、これまた「丸」から「角」への変貌を果たしている。

 個人的には美しかった旧型の方が好みではあるが、もしやフェミニンとも取られかねない初期型への対抗策なのかもしれないと思った。SLは男性的であるべし! というね。

 

P1010244small.jpgすいません。実はこれ、同じ3・5リッターV6なんですけど同時発表のSLK用です。こちらは32馬力アップの304psなんですけどね。

エンジンはエコとパワーを両立する方向で

 そしてもう一つの大きな変更ポイントはエンジン。全部で3種類あって、3・5リッターV6と5・5リッターV8と6リッターV12ツインターボなのだが、中でも一番大きな変更はコレ、他にCクラスなどにも使われている3・5リッターV6に専用チューンを施し、大幅44馬力アップの316psになっていること。
 そのためにバルブやインテークの変更に加え、圧縮比を上げてるそうで、燃費は同等というから恐れ入る。

 言ってみれば「SLもエコに気を遣う時代になった」ってことでしょうか。5・5リッター、6リッターもいいけど、一番リーズナブルで、効率のいいこのクラスが重要なんですな。

 

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走りはやはり現行メルセデス中、最高!

 というわけで肝心の走りである。まず乗ったのはパワーアップしたSL350だが、やはりいい。正直、パワーに関しては旧モデルの感覚を正確には覚えていないが、文句なしだ。
 でも考えてみれば当たり前で、3・5リッターV6の316馬力と言えば、昔のポルシェにも匹敵するスペック。逆に言うと5・5リッター、あるいは6リッターターボの方が“過剰”なのだ。

 そしてやはり7000回転付近の高回転域での伸びが目覚ましい。クォーッっと軽快なメカニカル音と共に軽くシャープに吹ける。これで排ガスレベルも4つ星の平成17年基準75%低減レベルだから、最新スポーツカーとしては文句なしだろう。

 10・15モード燃費もリッター8・6キロと旧型の8・5キロより微妙に良くなっている。ま、同等というレベルだ。

 そしてハンドリングはまさしく現行メルセデス最高のもので、普段は過敏すぎずに落ち着いて走れ、その気になれば手応え十分でスポーティにも走れるという非常に懐の深いもの。この味わいは本当に他では体験できないものだ。個人的には若干フロントが重いV8モデルのが好みだが、楽しさと安全性の両立でいったら世界最高峰だろう。

 

P1010153small.jpgP1010166small.jpgP1010133small.jpg

相変わらず実用性と楽しさ、華やかさのバランスは最高!

 それから新型SLは細かいところもかなりアップデートされてるのがポイントだ。重要なところでは、横方向に加え、縦方向の照射角も変えられるフロントのインテリジェントライトシステムや、緊急時にリアランプが点滅するアダプティブブレーキライト。

 快適装備では、ヘッドレストから暖かい風が送られてくるエアスカーフが大きい。ま、正直夏は使えないんだけど、春秋冬の3シーズン、重宝するでしょう。

 それから個人的には、今まで電波法の問題ではいってこなかったキーレスシステムが日本仕様のSLに初採用され、シフトノブの頭を押すとエンジンがかけられるようになったのは朗報。

 これ、楽ちんなだけでなく、なんかカッコいいんですよね(笑)

 それと今やお馴染みのメタルトップの自動開閉式バリオルーフは、ライバルに比べ、“最速”というわけでもないけど便利だし、通常で288リッター、屋根を納めた状態でも206リッターの容量が確保できるトランクはやはり使い勝手がいい。

 ってなわけで結論言っちゃうと、デザインは好きずきだけど、相変わらず高級スポーツカーとしてはトップクラスの出来って感じ。他にもポルシェやBMWを始め、アストンマーチンやベントレーなど続々参入してきてるこの2ドア高級クーペ市場だけど、この気楽さとゴージャス感にかなうモデルはなかなかないんじゃないでしょうか。

 唯一の難は前より60万円あがって1190万円となった価格。ま、このクラスを買う人にとってはあまり問題にならないんだろうけどね。