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その価格ウン千万円!?スズキの燃料電池バイクに乗った!

 梅雨に入ったというのにカリフォルニアのごとくスカーンと晴わたった6月某日、浜松は竜洋にあるスズキのテストコースで、二輪媒体編集長を中心とした二輪の試乗会が開かれました。
 当日の目玉は、なんと昨年の東京モーターショーで発表された燃料電池車(バイク)「クロスケージ」の試乗。もちろんまだまだ開発段階の車両だけれど、見た目の完成度もなかなか。それに乗れる!というわけで、開発費数億円、車両の製作コストだけでもウン千万はする(であろう)、その次世代のバイクに乗った感想を、二輪レース専門誌「ライディングスポーツ」誌の青木淳編集長の話を交えてお伝えします!

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燃料電池の原理発見は江戸時代!?

C.E.Ogura 今回クロスケージに乗れると聞いて、ちょっと楽しみにしてたんですよ。このガソリン高騰、環境面など問題山積みのご時勢ってこともありますけど、一体、バイクとしてどんな味になるのか気になってましたからね。

青木編集長 そうだね。実はオレも初めてなんだよ。しかし、よくまとまっているなぁ。

C.E.Ogura コンパクト&スリム!250というかちょっと大きめの125ccくらいの感覚ですね。クロスしているフレームが特徴的ですが、モーターやタンクがきれいに納まってますね。マスがしっかり集中していて、どこか「走る」イメージというか、スポーツバイクらしさが感じられる。

青木編集長 まだまだ開発中とはいえ、よく考えて作りこまれている印象だね。実現に向けて作っている証といえるんじゃないかな?開発費は数億だろうし、このクロスケージ単体の製作でも、換算できないが、数千万だそうだよ!

C.E.Ogura たしかに。トヨタやホンダのFCVは、1台1億円くらいのコストかかっているといわれてますもんね。それを考えると、クロスケージも数千万というの、わかるなぁ。うへーっ、なんか乗るのブルっちゃう(笑)。

青木編集長 出力は1.7kWっていうから、約18から19psは出ていることになるよね。ちょっと前のスタンダードな4スト250ccってとこでしょう。

C.E.Ogura 燃料電池って水素を化学的に反応させて、電気に変えてるわけですよね。どうなんってるんですかね?さっぱりわかん。わからんが、どーも、発見は江戸時代らしいじゃないですか。

青木編集長 うそー! 宇宙開発技術の転用でしょ? アポロ13号も燃料電池のおかげで帰ってこれったって聞いてるし、1960年代ころから実用化されているのは事実だとおもうけど、江戸時代はないだろ〜。

C.E.Ogura いや、実用化されなかっただけで、原理自体はイギリスで1801年に発見された(※1)と聞いてます。産業革命前夜の錬金術的な実験がバンバン行われていた時代ですよね。なんか、ありえそう。

青木編集長 ちょんまげ時代かぁ(笑)。発見した人はエライ! すごいなぁ。
 
(※1)1801年にイギリスの英国王立科学研究所のデービー博士が、燃料として固体の炭素を用いた燃料電池の原理を発見したとされています。

 

sized_DSCN1483.JPGさすがレース雑誌編集長!ツナギで試乗。バイクとしての可能性の高さを感じたという。sized_CIMG2153.JPGウン千万円と聞いて、恐る恐るまたがるC.E.Ogura。デザインもけっこうイケてるし、かなりしっかり走るのにはびっくり。

燃料電池車はバイクのとしてイケるのか?

C.E.Ogura よくわからんが、聞けば水素を化学反応させて電気起こすんですよね。Co2ならぬH2=水がでてくるそうじゃないですか。環境にもちろんいいけど、こりゃ、飲めるとさらにベンリだなぁ(笑)。

青木編集長 クロスケージは水素をイオン交換膜に通して電力を発生するタイプで空冷式だね。上が燃料電池で下がリチウム電池になっている。モーターはリアホイールに内臓されているインホイールモーター。それにしても、走りながら、水が飲めるって、ツーリングにいいね〜。でも、これはダラダラ出るのではなくて、水蒸気になって大気に開放されてるらしい。しかし、こう、シューンと音もなく走るのは、なんか不思議だよね。止まっているときはモーターの冷却用ファンの音だけだもんな。なんかパソコンみたい。

C.E.Ogura しかし、よく走りますね。前後モノショックで、車体もコンパクト。かなり軽量化されていることもあるでしょうけど、ゆるやかに直線的にスピードでていく印象ですね。不思議。ロータリーエンジンの出力特性的というか、新幹線の出足からすーっと速度が伸びる感じ的というか……。フラットなトルク感ですね。

青木編集長 たしかにフラットだね。感心したのは、スロットルコントロールにちゃんとリニアに反応しているイメージある。超低速でも、微妙なストットルワークでもモーターがしっかり追従してくるスムーズさを持っているね。モーターの精度もいいんだろうね。まあ、現状は開発中だから、走りがどうこうと云々をいう段階じゃないとはいえ、動力としてはなかなかイイ仕立っていえるよ。

C.E.Ogura 航続距離の問題とか水素ステーションの配備や法律などインフラの整備とか、寒冷地対策とか、いろいろ問題山積みなんでしょうけど、いままでのバイク同様の走りも楽しめそうな予感ありますね。しかし、やはり音がないのが、不気味かなぁ。

 

sized_CIMG2157.JPGエンジンにあたる部分の上部が燃料電池で下部がリチウム電池。モーターは後輪のハブに内臓。コンパクトで軽い。sized_CIMG2196.JPG昨年鈴鹿8耐で優勝し今年も二連覇を狙うヨシムラ・スズキGSX−R。燃料電池になってもカタチはこのままいけそう!?

音がないのは、やっぱりツマラン!?

青木編集長 オレたちの世代的には、ライディングのときの人車一体感も大事だけど、オレが乗っている!動かしてるゾっていう喜びの上で、音って大事だもんな。

C.E.Ogura レースなんかどうなるんですかね?

青木編集長 あんまり想像つかないなぁ。モーターうんぬんより、強力な電力をいかにコンパクトにして供給できるかが、今後の課題になるんだろうね。技術的な進歩とともにスピードという面では、きっと追いついてくるに違いない。路面をタイヤで掻いている限りはいまのシーンと同じように盛り上がるかもしれないけれど……。音がないって、やっぱり感動の盛り上がりがない。音楽もそうだけど、音って感情をゆさぶるでしょ?そこがないのはどうもツマラン。とはいうものの、そのうち、電車とかでもモーターの音にシビレるという鉄道マニアがいるように、うーんこのクロスケージのモーターの音シビレる〜! なんていう人もでてくるかもよ。

C.E.Ogura なるほどですね。レースってスピード感とか息を呑むバトルが魅力ですが、MOTOGPにしてもF1にしても、あのすごいマシンの音にシビれますからね。なんで、音がないってどうも拍子抜けスね。すごく無機質な感じがする。レースも騒音削減の方向だし、もはや音にシビれるのはイケナイ時代に突入していくのかな。なんだか、ツマランですね。音の面だけなら、きっとそのうち、スロットルに反応して自分だけに聞こえるような、擬似バイクサウンド発生装置なんか出ちゃったりして。例えば、今日は大排気量Vツインの音とか明日は空冷4発の音とか、そんな加速にあわせて好きなエンジン&排気サウンドが流れる……なんて時代になるかも。

青木編集長 まあ、そんな時代になるのかもなぁ。いまの段階では、こうした電気的なモノは官能的とはいえないないね。バイクサウンドってやっぱりエンジンが発するメカニカルノイズとか、パーツのひとつひとつの動きが一体となって生み出す鼓動も命。デジタルの時代になったとはいえ、時計にしてもいまだ僕らは機械的なものにあこがれるように、機械が生み出す機能や性能、音、そしてそのメカニズムそのものにロマンや魅力を感じるものだからね。リニアモーターカーより蒸気機関車のほうが、5感に迫りくるパルスがあって、おおっって感じるじゃない。懐古主義ということでなくてさ。機械として。いまのバイクって、それと同じようなメカニカルさが魅力だと思う。それにレースもただスピードが速いというだけでないからね。官能性がないと!燃料電池的な乗り物は、電気的な思考に切り替えて見る必要があるのかもね。まぁ、クロスケージもそういう点でみると、家電的だよなぁ。

C.E.Ogura 家電モノに官能性を求めないですもんね。デジタル世代にはいいのかな?でも、電気的にシビれるってなんだろ?感電してシビたりして(笑)。電気風呂にでもいって考えますか!

青木編集長 バカチ〜ン!

 

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