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2時限目 驚異の10万円! アイサイトの本当の凄さとは?

これからのスバルはセイフティ! ということで始まったvividcar『スバル安全大学』。『歴史』の時間に続く2時限目は、いま最も注目のハイテク運転支援システム『アイサイト(ver.2)』だ。先生は開発の中心である電子技術部主査の柴田英司さん。
そして生徒、バラエティ自動車ジャーナリストの小沢コージは大胆にも斬り込んだ。そう、アイサイトで実は最も“核”となるあの話題に…

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柴田先生による『アイサイト』の授業その1

_MG_2018small.jpg2時限目は電子技術部主査の柴田先生。1999年からほぼ10年間、運転支援システムを開発し続けてきた“アイサイトを知り尽くした男”である。現在45歳で血液型はAB。身長180cm以上で、マスクよろしく、趣味は釣りというナイスガイだ。ちなみに女優、石田ゆり子さんともCMで共演しております! うらやまし〜

 

P1080407small.jpgぶつかる、衝撃を弱くする…以前にぶつからない!! 次元が違う安全システム、アイサイト_MG_2014small.jpgな,なんとアイサイト(ver.2)は現在赤字!? というウワサが…

日本人は水と安全はタダだと思っている?

 2時限目の先生は“アイサイトを知り尽くした男”柴田英司さんだ。1999年から運転支援システムの実車開発に打ち込んでおり、まさにこの方抜きでは語れない。
 果たしてアイサイトはどのように生み出されたのか? そしてなにより“あの話”は? 小沢コージが鋭く斬り込む!

小沢 ぶっちゃけアイサイト、僕は基本的、いや全面的に大賛成なんです。こんなに凄い技術が、本当に現実になったのかと。なにしろぶつかった時の衝撃とか、障害物を避けるという以前に“まずは止める”という発想ですから。これこそまさに21世紀のセイフティ技術だなと。
柴田 ありがとうございます。
小沢 でもね。実はその性能以上に感激したのが、値段なんです。なにしろたった10万円プラス消費税! 僕ね。安全って本当はお金の問題だと思うんですよ。特に今の不況下の日本では。
柴田 仰るとおりだと思います。いくらいい技術でも高いとお客様はどうしても敬遠されますから。アイサイトも他のオプションも含め60万円もしたver.1は装着率がそれほどでもなかったんですが、今年ver.2が出て来て、性能が上がったと同時に10万円にしたら装着率実に5割以上! 予想外ですよ。
小沢 よくわかります。さっきもカメラマンと言ってたんですけど、10万円だと「車両保険入る代わりに付けとくか」とか「ウチのかみさん、運転ヘタだし、付けとくか。平日の心配が無くなると思えば安い」って思えるレベルじゃないですか。今までみたいに30万円とか、40万円だったらそうはいかない。
柴田 まあ、今は他社さんの製品も実質20万円ぐらいになってますけどね。それでも倍はするわけですけど。
小沢 僕ね。昔から日本人は「安全と水はタダだと思ってる」ってホントだと思うんですよ。「人の命は地球より重い」とか、「安全第一」って言ってるわりに、お金や労力は費やさない。選挙だって大切だ大切だって言うわりに、投票率上がらないじゃないですか。クチではかっこいいこと言うけど、身銭切らないっていうか、そういう国民性だと思うんです。
柴田 あえてノーコメントで(笑)。
小沢 いまや牛丼ですら300円台ではなく、200円台の時代ですから。特に普段、自分の運転が上手いとか、事故を起こしたことないって人はなかなか安全にお金を払わない。だから、アイサイト(ver.2)が世間に与えた真の功績は値段、つまり安さなんですよ。
柴田 価格は、もちろん技術陣も頑張りましたけど、実は営業サイドの努力も大きいんです。値付けは基本的に、開発時にコスト目標を作って、最終的にコスト会議があって、これにはいくら付ける? とやる。その時、今回は営業サイドから破格の提案が…
小沢 広めるために損得抜きでやっていこうと。それともまさか“赤字”ですか?
柴田 あの、当然収益は企業秘密ですが、アイサイト単体では儲かってはいません。
小沢 えーっ!

 

P1080409small.jpgポイントはここにあるスバル独自の“ステレオカメラ”_MG_2055small.jpg右がシステム図。2008年から下半分をざっくり削っているのがわかる!

なんと赤字覚悟で作られたアイサイト

柴田 価格はまず部品費がベースにあって、開発コスト、それには人件費もあるし、部品メーカーさんへの支払いもある。今回はそういった開発コストの積み上げではなく、アイサイトを市場に普及させるためには価格はいくらにするべきか、その視点で根づけをしたんです。
小沢 す、凄い。
柴田 10万円っていうのは、さすがに同様のシステムとしては価格破壊ですから。
小沢 ただ、他社みたいにミリ波レーダーとか使ってないんですよね。独自の“ステレオカメラ”技術がメインで。
柴田 その通りです。実は、2008年に大胆な技術的変更があって、専用部品を徹底的に減らしたんですね。それと営業サイドの努力の両方です。10万円の達成は。
小沢 具体的にはどの部分を?
柴田 ちょっといいですか。黒板に書きますけど、製品化としては1999年ぐらいから始まってて、最初はステレオカメラが中心にあって、画像処理のイメージセンシングユニットがあって、車両プレビューコントロールユニットがあって、これに専用ナビがくっついてました。さらに2003年になるとここにミリ波レーダーが付いて、コンソールの一番上にあるセンターモニターも専用部品になってったんです。
小沢 どんどん広がってっちゃったんですね。スバルならではの理想主義という奴で。
柴田 そうです。とにかくイイ物を作りたいと性能優先で追求してったら、コストもどんどん行っちゃって、取り返しが付かなく無くなった。そこで思い切って2008年に全部ここをカットした。
小沢 要するにステレオカメラ以外ですね。
柴田 大ざっぱに言えば、そうです。
小沢 そこんところは誰がやったんですか?
柴田 誰がというより、そこが商品として成功するか否かな大きな課題でしたので、スバルだけでなく、カメラを製造している日立製作所とも協力して、それこそ必死で知恵を出し合いました。性能を上げてかつ大幅なコストダウンですから…。
小沢 そこがキモですね。
柴田 ここは言っていいかわからないですけど、一度「これ以上お金がかかれば開発をストップするか?」みたいなレベルまで行ったんです。
小沢 ギリギリのせめぎ合いがあったんですね。
柴田 そうです。その時は、ほとんど寝ないで開発を続けていたような時期で、でもその時期があったから、今のアイサイトがあるとも言えます。
小沢 結果的にはステレオカメラでかなりの部分、っていうかほとんどの性能がカバーできてると思うんですが。
柴田 ありがとうございます。ただし、それを実現するのは本当に大変だったんですよ。
小沢 でもその大胆英断があったから、今回の10万円が実現できた。大成功だったじゃないですか。
柴田 そうですね。そう思ってます。

 まずは値付けでの苦労を語った柴田先生。この次はいよいよ、開発ストーリーだ。次回を刮目して待て!!

 

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