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毎日食べても飽きない! グランデプントエヴォ

毎春恒例のJAIA試乗会に、今年もvividcarからバラエティ自動車ジャーナリスト小沢コージ&0cartrouble三上が突撃! 今度は一見、変わってないが充実の変身ぶりを見せた“毎日食べたいお米”のフィアットのコンパクトを。

文・クルマバカ0cartrouble三上

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一見あまり変わってないフィアットのコンパクトだが…

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P1120361small.jpgあまり変わってないような…P1120345small.jpg特にハデさはないが、マッドな質感はいい

グランデプントからプントエヴォへ・・・。

「フィアット・プントエヴォ」という名前を聞くとグランデプントのスープアップバージョンを連想してしまうかもしれない。事実最近「アバルトプントエヴォ」が登場した事もあってつい混同してしまいがちだ
けれどこれはあくまでもグランデプントの正常進化モデルだ。
テクノロジー、ドライバビリティー、環境性能に対して進化したエヴォリューションという意味で決してその昔ランチアデルタで用いられたような「エヴォリューション」の意味ではない。

という事もあって搭載されるエンジンは先代に当たるグランデプントと同じ1.4リッターのSOHC8バルブ一本でグランデプントの初期に用意されていたようなパワフルな16Vは今回用意されない。ネーミングとは裏腹にプントエヴォは実用的なBセグメントカーなのである。

ちなみにグランデプントが登場したこの世代、プジョーでいえ207、ルノーでいえば3台目ルーテシアが登場したころから欧州Bセグメントは巨大化へと走った。そのルーツには2代目フォードフォーカスが大型化に走った事も起因しているのだろうけれどそういう流れもあってとにかく大きくなった。

結果的にルーテシアや207は全幅が1.7mを超えてBセグメントの小型車にも関わらず日本ではなんと3ナンバーのサイズにまで拡張された。しかしグランデプントは日本でも5ナンバー枠に収まる1685mmという実用的なサイズに収まっている。

現行のプントエヴォでは価格差もなくなってしまったけれどグランデプントのデビュー当初ライバルに比べて少し控え目な価格も欧州市場では高く評価されたクルマでもある。

プントエヴォというクルマを眺めてみるとグランデプントから大きなデザイン変更は無いフェイスリフトに留まりながらもそのキャラクターの路線は大きく変えられている事に気づく。
マセラティークーペを連想させるジウジアーロのオリジナルデザインのグランデプントと違ってプントエヴォは500を連想させる鼻先のメッキトリムでやクラシカルなテイストも織り交ぜられている。

正直見なれるまでは多少違和感を感じなくはないけれど良く見ると本当に最小限の変更で上手くテイストを新しくする事に成功している。
近年のアルファに関してもそうだけれど意外に少し時間が経ってからの方がこの手のフェイスリフトは良く見えるのかもしれない。アルファに関してもそうだけれどイタリア人にこう言う美容整形をさせると本当に
いい仕事をする。

 

P1120349small.jpg容量はそこそこP1120350small.jpgシンプルなエンジンルーム

本当の運転好きに

蘊蓄はこの程度のしてそろそろキャビンへ乗りこむ事にしよう。
インテリアのデザインや仕上げもグランデプントからプントエヴォに移行するにあたって変更が施されている。
ダッシュボード中央のエアコンやオーディオの操作パネルがグランデプントでは一つの塊のようにデザインされていたものが一般的な分割されたものへと変更された。

それに伴いダッシュボード全体のデザインもやや変更されてはいるけれど外観の変更に比べるとこちらは特に違和感もなくやや上級志向へと移行した外観ともマッチしているように思う。それに何よりフィアット全般で上手いと感じる部分は内装部材などの質感を無理に向上させることなくデザインで上手く見せているところに感心する。

コストではくセンスを上げることによって商品力を高めているところは流石初代パンダを生み出したメーカーだけの事はある。

走りだすと進化したデュアロジックはフィアットグループとしてはセミATの初の試みだったセレスピードの初期モデルと違いスムーズにシフトアップを行う。その昔156が登場した時などはその変速のぎこちなさが叫ばれたけれど少なくともプントエヴォのデュアロジックに関してはそんな事にイチイチ文句をつけようと言う気にはならない出来だ。

そして以前第一世代のセレスピードに乗っていた人はセレスピードが故障した時に有無を言わさずユニット交換で苦い思い出のある人もいるだろうけれどこの世代からは部品もアッセンブリーではないので万が一の時も安心だ。

さて、ここまで書いてきて忘れていたプントエヴォの新しい装備がある。それはアイドルストップ機能だ。停止するたびにエンジンがストップし、発進しようとすると再度エンジンが始動する「スタート&スト
ップ」システムが採用されている。日本車では最近多く装備されてきつつある機能だけれど一昔前まではイタリア人がこんな機能を装備す
るだなんて想像もできなかったくらいだ。市場の国際化を感じさせる一面でもある。
この機能により燃費は10%アップしたと唄われリッターあたり15.7kmも走ってくれる。こう言う装備が施されていることからも想像できる通り、プントエヴォは環境性能を意識した比較的マ
イルドなクルマという側面もある。

エンジン自体は最高出力77ps、SOHC8Vという事もあって出力も穏やかで乗り心地もマイルドな味付けとなっている。しかしイタリア車らしさも健在で低速域ではややもっさりとパワー不足感も印象も否
めないけれど一度車速が乗れば気持ちよく回るエンジンは運転していて心地良い。
分類上こそATとは言え、デュアロジックは基本的には構造はMTなのでパワーバンドを上手く使ってシフトアップしたりそういう楽しさが手軽に味わえると言うのも魅力だ。

また、80kmを超えたあたりから妙にフラットに感じる乗り心地の影響もあってBセグメントの小型車とはいえ高速道路での長距離移動もきっと苦にならないだろう。
ただギアリングはイタリア人らしく「高速道路巡航」ではなく「アウトストラーダかっとび」なのでそれなりには賑やかだけれど運転する楽しさには溢れている。

運転すると言う行為が好きな人にはお勧めしたい一台だ。