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レッド・ブルとのコラボによるアストン・ハイパーカー

眠れるVividCarニュース子も目を覚ます衝撃! 7月5日、F1レッド・ブルの技術が注入された過激なハイパーカー「AM-RB 001」がついにベールを脱いだ。

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AM-RB 001_01.jpgアストン・マーティン伝統のグリルを備えたV12のミドシップ・スーパーカー、AM-RB 001 ハイパーカー。
AM-RB 001_03.jpgまるで現代のF1カーのようなプロポーション。足の置き場はあるのだろうか?
AM-RB 001_06.jpgプロトタイプにも似た後ろ姿。最低地上高はさすがにもうちょっとあるだろう。
AM-RB001_05.jpg左からひとり置いて、ライヒマン、パーマー、ニューウェイ。左端はF1コメンテーターのマーティン・ブランドル、AM-RB001_12.jpgレッド・ブルのドライバー、ダニエル・リカルドとマックス・フェルスタッペンも登場。
AM-RB001_13.jpg最終検査をした人のステッカー。フェルスタッペンの検査証も貼られた。
AM-RB001_07.jpgこうしてみるとV12のスーパーカーとしては小さいように見える。

空力の天才エイドリアン・ニューウェイ

イギリスの名門アストン・マーティンと、F1の新興勢力レッド・ブル・レーシングの技術提携が突如発表されたのは本年3月17日、F1オーストラリアGP開幕直前のことだった。場所は当然メルボルンだった。このとき、「空力の天才」といわれるレッド・ブルの開発のトップ、エイドリアン・ニューウェイが設計を、アストン・マーティンのデザインのトップ、マレク・ライヒマンがデザインを担当し、アートとテクノロジーの究極の融合、だれも見たことのないスーパーカーを実現する! とぶち上げられた。

2005年に当時のジャガー・レーシングをフォードから買い取って出発したレッド・ブル・レーシングは、翌年、マクラーレンから移籍したニューウェイがチーフ・テクニカル・オフィサーに就任、独自のマシンをつくりはじめた。常勝チームになったのはルノー・エンジンを08年に獲得し、09年にセバスチャン・ヴェッテルが加入してからだ。ヴェッテルは翌10年に史上最年少のF1世界王者につくや、4年連続、13年まで王座を守り続けた。

王者の後ろにニューウェイあり。ウィリアムズ、マクラーレンでも王者を生み出してきた空力の天才が果たしてどんな仕掛けをこのAM-RB 001で試みているのか、現時点では定かではない。ロード・カーとしては異様にキャビンがフロント寄りのプロポーションが、現代のF1設計者が手がけたことを思わせる。一目で見て何に似ているかといえば、フェラーリのラ・フェラーリだろう。ラ・フェラーリもまた徹底的な風洞実験から生まれたといわれている。

技術的に明らかにされているのは、新しい高回転型の自然吸気V12エンジンを搭載していること。ミド・エンジン、2座で、軽量構造をとり、パワー・トゥ・ウェイト・レシオが1:1であること、のみである。

現行アストン・マーティンで最新のV12といえば、サーキット専用に24台ぽっきりがつくられたヴァルカンの7リッター、800psである。量産モデルのDB11がメルセデスAMGのV8ターボを搭載していることを考えると、このV12をベースにしていると考えるべきだろう。

ラ・フェラーリは800psを6.3リッターで実現している。つまり1リッター当たりおよそ127ps。仮にアストンが7リッターV12でリッター127psを実現したとして、その最高出力は889psということになる。

パワー・トゥ・ウェイト・レシオは1馬力あたりで何kgのボディを動かすか、という話だ。ラ・フェラーリは車重1255kgと発表されている。ラ・フェラーリは163psの電気モーターも持っているが、これを単純に足したとしても馬力荷重1:1にはならない。つまり、AM-RB001はラ・フェラーリでさえ実現していないトンデモナイ性能を、自然吸気エンジンで実現していることになる。F1でエネルギー回生システムはいまや常識だけれど、あいにくアストン・マーティンにその技術はない。

ということは、天才ニューウェイが車重1トンを切る超軽量ボディを実現した、と予想するほかない。仮にもロード・カーである。エアコンはオプション扱いで、この場合の数字には入っていないのかもしれない。それにしても、である。アルミニウムを用いながら意外と重いGTカーをアストン・マーティンはつくってきた。ああ、いったいどんなカラクリが隠されているのか?

ニューウェイは3月のアストンとの提携発表のおり、こんなコメントをしている。
「僕には6歳のときから2つの目標がありました。ひとつは、レーシング・カーの設計に関わること。これは実現できました。もうひとつは、スーパーカーの設計に関わること。こちらはいつも泡と消えて、その結果、数え切れないスケッチといたずら書きだけが残りました」

かくしてニューウェイは彼自身のふたつめの目標を実現し、期待に違わぬ革命的なスーパーカーをつくりあげた。AM-RB001はロード・カーが99台から150台、サーキット専用車が25台生産されると発表されている。さらに詳しくは、アストン・マーティンからの続報を待つほかない。

なお、アストン・マーティンとレッド・ブルはこれまでなんの関係もなかったように思えるけれど、ひとりだけ橋渡しをしたとおぼしき人物がいる。2014年にアストンのCEOに就任したアンディ・パーマーである。彼は元日産で、インフィニティのグローバル展開にも関与していた。日産のプレミアム・ブランドであるインフィニティは、ルノーとの関係もあってレッド・ブルとパートナーシップを結んでいたことをご記憶の方もいらっしゃるだろう。奇跡は人と人の結びつきで生まれるのである。以上はニュース子の勝手な憶測ながら。