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tab_star2004/11/26tab_endクルマの王道セダンボディ
「伝統と革新」キャデラック STS
新世代キャデラックの第 4 弾「STS」に試乗した。世界の高級車スタンダードへの回帰を目指して作り上げられたその仕上がりはどうだったのか。従来のアメ車像を打ち破る「あたらしさ」がそこにはあった。
文と写真=河津秀昭(VividCar.com)


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河津秀昭_プロフィール_写真Sicon_home河津秀昭
[VividCar元編集員]
最近かなり真剣にクルマを探しています。欲しくなるクルマは、実際買えないものばかり・・・次のクルマは何にしようかな?
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同じ名前、別物の中身

1902 年の創業から 100 余年、長きにわたって築き上げてきたブランドを一新すべく「アート&サイエンス」をデザインコンセプトに変革を推し進めるキャデラック。エントリーラグジュアリーセダン CTS を皮切りに、ラグジュアリーロードスター XLR、ラグジュアリー SUV SRX と立て続けにニューモデルを発表、その勢いはとどまるところを知らない。そして、新世代キャデラックの第 4 弾となるラグジュアリー・パフォーマンス・セダン、新型 STS がついにデビューした。

STS はその名の通りといってはなんだが、セビル STS の後継モデルである。アメリカ国内のみならず、世界市場を見据えたモデルとして欧州車のテイストを取り入れたセビルは、世界戦略車として走りの面を磨いた大型 FF セダンだった。打って変わって STS は、先にデビューした CTS と同じく、GM が誇る最新の「シグマ・アーキテクチャ」と呼ばれる後輪駆動用プラットフォームを使う大型 FR セダンである。駆動方式ですべてが決まるわけではないが、高級車と呼ばれるこのクラスにおいては、FF から FR になったことで並み居るライバルたちと同じ土俵に立ったといえるのではないだろうか。

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8 インチのタッチパネル式大型ディスプレイを中心にまとめられたキャデラック・ビジョン。BOSE プレミアム 5.1ch 15 スピーカー・サラウンド・システムを全グレードに採用している。

堅実的な刷新

いざ実車を前にすると思ったより小さく感じられる STS だが、スリーサイズは全長 4995 ×全幅 1845 ×全高 1455mm という堂々たるボディの持ち主だ。大きな CTS との見方もできるデザインではあるが、ゆったりとした伸びやかなプロポーションの STS は、カタマリ感を強く意識した筋肉質の CTS とはずいぶん違った印象である。若いキャデラック・ファン(予備軍)を意識している CTS に対して、STS は従来のファンをしっかりフォローする必要がある。日本のキャデラックともいえるクラウンはゼロからの再出発を果たしたが、伝統を背負ったクルマは生まれ変わるたびに難しい選択を迫られるモノなのである。

いずれにせよ、エッグクレートグリルと呼ばれる格子調台形グリルや、横一線に走るハイマウントストップランプ、縦型テールランプなど、キャデラックの伝統は今風に解釈され活かされている。さらに、クラス最大級の大型 70mm デュアルプロジェクターレンズを使うヘッドランプや、世界初となる間接照明型 LED 式テールランプの採用などに、技術革新に熱心なキャデラックの姿勢がうかがえたりもする。

エクステリアの印象からするとやや平凡なインテリアは、ムダなくソツなくまとめられた印象だ。取り立てて高品質な感じはしないが広さはさすがに十分すぎるほどで、大型セダンらしいたっぷりと余裕のある室内空間を誇る。セビルに比べて全幅が 60mm も狭められたため室内の幅が気になっていたのだが、これについては心配無用だった。一気に 105mm も延長されたホイールベースの恩恵は、余裕しゃくしゃくの広さをもつリアシートにしっかり反映されている。

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【左】タイヤサイズは前 235/50、後 255/45 で STS 3.6 は 17 インチ(写真)、STS 4.6 / AWD は 18 インチ。
【右】エンジンスペックは 4.6 リッターが 324ps/42.8kgm、3.6 リッターは 257ps/34.8kgm となっている。
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サスペンションはノーマルとスポーツの切り替えが可能。

独自の味

カチッと硬質感のあるドアを開けると、なんとも柔らかいキャデラックらしいシートが出迎えてくれた。8 ウェイの電動パワーシートを調整し、ダッシュボードのスタートボタンを押してエンジンを始動。走り出してから気づいたのだが、そういえばエンジンキーがどこにもない。これはキーレスアクセスだったな、と思い出して車内をあちこち探してみると、試乗会のスタッフがセンターコンソールの中にちゃんと入れておいてくれた。

西湘バイパスを箱根に向けてのんびりと走らせて行く。静粛性と乗り心地の良さはなかなかのハイレベルで直進性も高い。といっても、いわゆるアメ車のイメージからするフワフワとした乗り心地ではなく、適度に引き締まっている。欧州車らしい硬い感じか?といわれるとこれまた違って、柔らかすぎず硬すぎの独特な乗り味だ。この乗り味をもたらしているのは、STS 4.6 と STS 4.6 AWD に標準装備されるマグネティックライドコントロール。制御としてはリアルタイムで 4 輪のダンパー減衰力を可変させるものだが、ダンパーオイルの代わりに磁気感応流体を使うのが特徴で、鉄粒子を含んだこの炭化水素系流体がシステムの作動によって繊維状に整列し、それによって流体の粘性=減衰力を変化させるのである。

324ps と余裕のパワーを誇るノーススター 4.6 リッター V8 エンジンは、ほぼ新設計ともいえる 80%以上の大幅な改良が加えられ、巡航時の静粛性は高く、ひとたびアクセルを踏み込むとなかなかのビートを奏でながらトップエンドまできれいに回ってくれる。組合わされる 5AT も変速ショックが少なく好印象で、高速道路は押しの強さも相まって得意なステージといっていいだろう。

ところが、箱根のワインディングに入ると印象は変わってくる。クルマなりでステアリングを切ればそれ相応に曲がってくれるクルマが最近はほとんどだが、この STS は意外にもそうではない。前軸にしっかりと過重を乗せ、きちんと姿勢を作ってあげれば大柄なボディに見合わない旋回性能を見せてくれるように、ドライバーがそれなりの意識をもって積極的に操作しないと思ったよりも曲がらない一面が見え隠れする。クルマのキャラクターからいってもワインディングをガンガン攻めるクルマではないから、一種のテストみたいなものだと思っていただければいいのだが、クルマまかせではなくドライバーの領分をあえて残したかのようなセッティングは、安楽なダンナセダンでは飽き足らない運転好きにアピールしそうだ。

◇ ◆ ◇

CTS より格段に高級感を増した STS は、従来のアメリカ車とは確実に一線を画す仕上がりであり、さらに興味深いのは欧州車ともまた違った、趣のある乗り味をもっていることだ。新世代キャデラックが目指すところは、こういう路線なのだろうか。これまでに 3 つのモデルが先にデビューしているが、いずれも往年のキャデラックとは違っていて、なかでもセビルの後継たる STS の仕上がりは気になるところであった。

今回 STS に試乗して、キャデラックが独自の路線をしっかりと歩んでいることが確認できた。高級車スタンダードへの回帰(復権)を目指す「キャデラック・ルネッサンス」は、STS を含めた 4 つの駒が揃ってスタートを切った。欧州車テイストのクルマが氾濫しすぎる感がある今日、アメリカ車でありながら、アメリカ車とも欧州車とも日本車とも異なる個性を発揮しているキャデラックは、とても希少な存在かもしれない。




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