 |  |  |  | 2004/12/02 |  |  | Ford fiesta 2004 |  |
| | プロが見たフィエスタの走り | |  | | 数ある B セグメントカーのなかで、走行性能の高さから私がイチオシするフィエスタ。しかし、走行性能と一口にいってもそれは何なのか? フィエスタの走行性能についてプロの意見を訊いてみた。 |  | 文=河津秀昭(VividCar.com) 写真=阿部昌也
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|  |  |  |  |  |  | 河津秀昭 [VividCar元編集員] |  |  |  | | 最近かなり真剣にクルマを探しています。欲しくなるクルマは、実際買えないものばかり・・・次のクルマは何にしようかな? |  |
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 |  |  | |  | 車両評価のスペシャリスト現る
いまいちばん売れているクルマのクラスは B セグメント(コンパクト)。というわけで自動車メーカーからはいろいろなモデルが売られています。その B セグメントのなかでも、私がとくにフィエスタをイチ押しする理由は、トータルバランスの良さ。さらに、欧州フォード車に共通の優れた走行性能をもっているところもポイントです。そのことについては、前回お伝えしたスマート・フォーフォーとの比較「注目の B セグメントに乗ってわかった」(右側リンク記事)にも書いているので、この機会にぜひチェックしてみてください。
さて、ひと口に「走行性能」といってもその解釈というか定義は難しい。それでもこれまでに街乗り、高速道路、ワインディング、テストコースといったさまざまなステージで試乗をしてきたうえでの結論として、フィエスタはどんなときも乗り心地を損なうことがないし、またテストコース内でのスポーツ走行でも根を上げることのないバランスの良さをもっていると思います。そういった実体験からして、フィエスタのもっている走行性能はこのクラスでも随一だと思うのです。
VividCar ではこれまで、試乗の模様やライバルとの乗り比べ、オーナーへのインタビューなど多くの記事をお届けする一方で、読者の方から「プロのドライバーはフィエスタをどう評価しているんでしょうか? そこがとても気になります」というような意見や質問を数多くお寄せいただきました。まだ実車に触れていない読者の方が気にするのは当然だし、これまで私自身が体験してみなさんにお伝えしてきたフィエスタの完成度の高さを検証するのにも打ってつけというわけで、今回はモータージャーナリストであり車両評価スペシャリストの肩書きをもつ斎藤慎輔さんに、フィエスタの完成度、とりわけその秘めたる走りの実力について訊いてみることにしました。
それでは慎輔さん、よろしくお願いします。 |
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 |  |  |  |  | 「走り込んでこそ本当の姿が見えてくる」を持論に、 1 台につき最低でも 300km は試乗する慎輔さん。そのステージは一般道からサーキットまでを問わない。
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|  |  | ヤワな雰囲気がない
欧州フォードからイメージされるもの。私にとってそれは、高い機能性であったり優れた走りであったりする。とくに、Bセグメントのように小さなボディが前提となった場合、そのふたつは得意中の得意の項目として、より鮮明に浮かび上がるものとなる。
フィエスタはまさに、高い実用性と機動性を備える一方で、ドライバーを退屈させない走りも内包している。正直なところ、街中にいて際立つほどのルックスをしているようには思わないが、そのシンプルでさりげないテイストのデザインの中に、期待以上の高い機能や広い室内が得られている意外性もある。
しかし、なにより好ましいと思っているのはその走り感だ。ひと言で表現すれば「硬質な走り」とでもいうべきもので、手応え、サウンド、動き、といった触覚や聴覚から伝わるものすべてにしっかりとした感覚をもつ。ボディは小さくてもヤワな雰囲気がないのだ。フィエスタは、似たようなサイズのコンクトカーのなかでは、排気量が比較的大きい 1.6 リッターエンジンを搭載している。かといって、無闇にスポーツ性を強調するような方向には作られていない。エクステリアの雰囲気とも似て「さりげなく」速いのもいい。
車重に対してトルクにゆとりが得られているので、軽いアクセルペダルの踏み込みでラクに加速していける。そして、それが伸びやかに続く。かといって、荒々しくとか猛々しくとかではなく、スーと車速が上がっていく感じとでもいえばいいだろうか。高速道路での 100km/h 巡航は、AT の 4速で 2700rpm 程度だが、そこに留めておくのがもったいなく思えてしまうくらいに余裕しゃくしゃくである。
オールアルミ製 4気筒 DOHC デュラテックエンジンは、極めてスムーズとか音が抑えられているといったものではなく、むしろ存在は主張するタイプだ。回せば回したなりのサウンドの高まりをともない、それなりの振動は伝えてくるが、レッドゾーンに入る域に達しても苦しげな音をもたらすことはなかった。
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 |  | 平凡な非凡
車両評価スペシャリストの慎輔さんも認める、フィエスタの完成度の高さ。その最大のポイントは、走りの基本となるシャシー剛性の高さによってもたらされる操舵応答性と安定性のバランスなのだといいます。フィエスタの走りは慎輔さんのいうように、硬められた足回りやそれっぽい演出でことさらスポーティさをアピールするものではありません。それは、フォード車の方向性とはまったく異なるからです。
簡単にいえば、普段の街乗りでは快適な乗り心地を提供してくれるしなやかさが光り、イザ!というときにはドライバーの操作にしっかりと応えてくれる頼もしさを併せ持ったもの、それがフィエスタの走りなのです。オーソドックスな成り立ちを何の変哲もない、つまり実直なセッティングでまとめ上げてあるだけなのに、それでも懐の深さを感じさせてくれるもの、という感じでしょうか。
そういう意味では、フィエスタの真の実力はスペックだけでは到底わからないし、チョイ乗りだけではなかなか理解されにくいはず。でも、欧州生まれのフィエスタは、私のような一般レベルのひとが運転するレベルだけでなく、プロドライバーの本気の運転にも応えてくれる走行性能をもっているといえます。
ステアリング操作に対してスパッとクルマが向きを変えたり、ロールもせずにギュインと曲がるだけがスポーティじゃない。快適性と操縦安定性を高いレベルで成立させているフィエスタの走りは、運転の経験値が高いひとにとっては思わずニンマリしてしまうスポーティなものだろうし、そうでないひとにとってはとにかく安心して運転できるものなのです。とにかく慎輔さんのインプレッションによって、一般ドライバーの私でも感じられたフィエスタの優れたポテンシャルが裏づけられてホッと一息。プロの評価が気になっていた方はとくに、そのレベルが相当なものだということがわかってもらえたのではないかと思います。
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