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tab_star2005/09/11tab_endアナログカメラ
ジャズを撮るカメラマン
WILLIAM CLAXTON:JAZZ SEEN カメラが聴いたジャズ
ジャズ、それもアナログレコード時代からのファンなら、レコードを買うかどうか悩む時にジャケットの写真で決める人はたくさんいただろう。私もその一人で、むしろジャケットの写真がつまらないと買わなかった思い出すらある。
WILLIAM CLAXTONは、大学生のころからジャズミュージシャンを撮り始めたそうだが、このDVDを観ると、ひとりのカメラマンが偉大なるジャズ史を切り取っていた事実がたんたんと語られていく。一人の人間の価値観が偉大な知識の資産になることをこのDVDは芸術的に保管している。すばらしいDVDソースである。
文:永山辰巳
協力:株式会社レントラックジャパン/BIGTIMEENTERTAINMENT

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永山辰巳icon_home永山辰巳
[VividCar 元編集長]
2006年、VividCarはプロフェッショナルなブロガーを目指します。創刊以来5年を迎え、ちまたのブログサイトとは一線を画するVividCarは、ネットワーク知識編纂をビジョンに確実にコンテンツを増やしながら未来のWebBookメディアを開発してきました。私たちはこれをWebフォトジャーナルシステム呼びます。生涯にわたり記録し続け知識を編纂する楽しみをごいっしょに。
スティーブ
出版社: Arena Editions
ISBN: 1892041375 ; 2000年
きっかけは写真集「Steve McQueen」から

2000年に出版されたスティーブ・マックイーンの写真集「Steve McQueen」をLAの本屋で見つけた。本屋で大々的にプロモーションされていたこともあるけど、大好きな McQueen の写真集とあってすぐに手にして店先で時間も忘れて見入ってしまった。そこには、いままで見たこともなかった McQueen の素顔、意外な一面、そしてなりより彼がモータースポーツを愛したことの証拠が残っていた。

すぐさま購入して大事な蔵書の仲間入りをしているが、つい最近までその写真を撮ったカメラマン、ウイリアム・クラクストンのことをほとんど意識していなかった。あれほど McQueen の息遣いまで聞こえてきそうな程のパーソナルな写真を撮れた写真家なのに。

ウイリアム・クラクストンをはっきりと知ったのは、このDVD、「JAZZ SEEN」WILLIAM CLAXTON カメラが聴いたジャズ を見てからだ。
JAZZ_SEEN
今なお現役で活躍するウィリアム・クラクストンのドキュメンタリーフィルム。劇場公開版であるから、クオリティーは素晴らしい。音楽監督がなんとティル・ブレナー。全編に流れる音楽と映像のコントラストもすばらしい。
偶然の出会いとその繋がり

音楽雑誌を読んでいたら、DVDの広告が目に入った。JAZZと言う言葉とスティーブ・マックイーンの写真だ。あれ?と思ったら、すぐにピンときた。彼を撮っていた写真家だったんだと。広告を読んでいくと、ジャズミュージシャンやレコードジャケットのカバー写真を多く手掛けていると紹介されている。これは、観ずにいられない。マックイーンと写真とジャズなんて、まるで私のためにあるようなDVDじゃないか。

でもここで不吉な予感が。実はこの手の紹介で良かった試しがない。お座なりの編集というか、貴重なフィルムとかいってただ流れているだけとか、オープニングもテロップもいい加減なら、もちろんエンディングなんてありゃしない。

しかし、なんとあのスイングジャーナル認定「AVゴールドディスク」と、この作品がなんと劇場で公開された作品であり、もっと驚くのが監督がティル・ブレナーであること。最後の驚きは、その筋に興味がなければただの聞き慣れない名前になってしまうが、最近、気になっているトランペッターなのである。結論から言えば、この監督にして全編流れるジャズシーンの選択とその音楽ソースの選択は絶妙である。

冒頭のオープニングからウイリアムズ・クラクストンの声が登場するまでがなんとも言えない。あー本物だったと思った瞬間からエンディングまで目が離せない。
マイルス
Miles Davis 1957
Photo by WILLIAM CLAXTON
コールマン
Ornette Coleman, Los Angeles, 1959
Photo by WILLIAM CLAXTON
チェットベイカー
Chet Baker, Hollywood, 1954
Photo by WILLIAM CLAXTON
ジャズミュージシャン

この種族、そう敢えてそう呼びたいが、不思議な魅力を持つ人たちである。もちろん、彼らの存在は、生み出される独創性に溢れる音楽にこそあるが、どうしてこの人達の佇まいは魅力的なんだろうか?

WILLIAM CLAXTONは、プレイヤーを撮るきっかけを高校生の時にみた音楽雑誌で、ダウンビート誌やメトロノーム誌のレナードやゴットリーブの写真を見て真似ようとしたと語っている。そう、憧れてスタイルを真似しようとしたんだと。ところが、真似できなくて自分のスタイルを編みだそうとしたと。彼の言葉はとても正直に聞こえる。

DENIIS HOPPERがWILLIAM CLAXTONとの出会いについて語っている。まだ売れない俳優だった頃、DENIIS HOPPERは、マイルスやチェット、そしてマリガン、モンクを聴きに行っていて、そこで、ビルが写真を撮っていたことを知っていたのだそうだ。二人が出合ったのは、DENIISによれば、1956年、繁華街でヒッチハイクしているときにビルに呼び止められて、「俳優さんですね、写真を撮らせてください」と。そこで、彼は自宅に招き、写真を撮ってもらい、お互いジャズが好きであることをチェットベイカーについて語ったとのだと。ここで、この三人が同時代を生きていて、彼らがそれぞれにコンタクトがあり、それぞれに畏敬の念を抱いていたことが明らかにされる。

チェットベイカーについて語るときは、なるほどWILLIAM CLAXTONがどのようにミュージシャンを視てきたかが解る。特に、「写真うつりがいい(フォトジェニック)という言葉の意味が分かった」という彼のくだりには、説得力がある。それと、1953年のチェットとパーカーの写真を4×5のスピードフォトグラファー(報道用カメラ)で撮ったという説明も時代を裏付ける言葉である。

この作品には、こうした歴史の断片を語っている調子が興味深い。いずれも、撮影の時にそれぞれの出演者の記憶から出てきた記憶だが、それがこうして一連の作品として完成すると、偉大な人類の記録となる。歴史を振り返る資料として、それを作品として造り上げた完成度は計り知れなく高い。

彼のオフィシャルサイトから、どうかたくさんのジャズミュージシャンの姿を見て欲しい。
ウエストコースト・ジャズ

CLAXTON自身が講演会(APAレクチャー LA 1997年)で、ウエストコースト・ジャズのアルバムジャケット作りについての解説のくだりがある。特にソニー・ロリンズのジャケット、「ウエイ・アウト・ウエスト」では、彼の要望、ウエストコーストらしく、砂漠とかカウボーイのようなテイストも含めてということで、あのジャケットをCLAXTONが考案して、ジャケット自体は賞を取った。

しかし、ロリンズがニューヨークに帰ると、みんなから「なんだ、あんなみっともないジャケット」と言われて彼は落ち込み、それ以来、CLAXTONに冷たいという。講演会での彼のユーモアと暖かみのある口調はとても印象に残る。

彼は、ウエストコースト・ジャズを知らしめるのに一躍かった。でもそれは「変な場所で写真を撮るカメラマン」という話題だったそうだ。こんな話は、どんなジャズの知識からも得ることは出来ない。それは彼が唯一ジャズを演奏を通じて目撃し続けたからである。

ウエストコースジャズでは忘れてならない、アートペッパーがいる。
ファーゴストリートでの有名な写真だ。CLAXTONによれば、その日、彼は刑務所から出所したばかりだという。何故彼を長い坂を登らせたか、CLAXTONの説明は実に興味深い。これはとてもカメラマンの技とはいえない。それほど、彼はミュージシャンを愛していたのだと思う。
XK150
XK 150 は、 XK 120、140 の面影を残しながら、よりラグジュアリーになったモデルだった。
Mクーペ
BMW Mクーペ
クラクストンの愛車

CLAXTONの愛車は、ジャガーとBMWと紹介されている。ジャガーは、結婚した当初のクルマのようで、XKシリーズに思えた。また、撮影中の彼の愛車は、BMWのMクーペだろう。彼は、BMWを「私の新しいおもちゃだ」と紹介している。

CLAXTONがジャガーを愛したのは、当時の時代考証として、ジャガーが、ル・マンで 5 回(1951、1953、1955、1956、1957年)優勝していることと無関係ではないだろう。カメラマンとしてジャズを愛する当時の最先端の時代感覚の人間が、もっとも高性能なスポーツカーを好きになったことは、当然の帰結と言えるだろう。

そして、ジャガー好きと言えば、かつて、レーシングタイプのD-Typeまで所有していたスティーブ・マックイーンとの共通点がある。
スティーブ・マックイーンと

プログラムも最後になり、CLAXTONは、スティーブ・マックイーンとの関係について話し出す。彼がもっとも影響を受けた人物だと。
それが、彼の目の奥に存在している人格に惹かれたというCLAXTONの表現は、妙に知的だ。全編を通じてCLAXTONの語りは、とても年老いた業界でもっとも成功したカメラマンという雰囲気ではない。むしろ、彼自身が時代を切り開いてきたアーティストであり、スティーブ・マックイーンを愛してきたただ一人の人間だと告白しているようにも聞こえる。

思うに、この作品は、CLAXTONが写真を愛してきた半生を、ジャズを通じて完成させてはいるが、人間の思考がふれ合うときにそれには確固たる存在があることを証明しようとしているのはないだろうか?写真は偶然では撮れない。写真は必然的な結果として証拠として存在しているのであって、それを感じることが出来た人間のみがシャッターを切ることが出来る。切り裂かれた空間には、人々の気持ちが、心がふれ合った結果が永遠に記録される。

と、彼は人々に言いたいのではないだろうか?すくなくとも私にはそう聞こえた。
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BMW_M Coupe_M
data
BMW M Coupe
彼の愛車として一瞬出てきます。
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Claxton
william claxton
http://www.williamclaxt...
彼のオフィシャルサイト。ぜひご覧あれ。
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JAZZ SEEN :
レコードジャケットをアートにした伝説的フォトグラファー、ウィリアム・クラクストンの半生を描いたドキュメンタリー

製作年・製作国:2001年・ドイツ
【セルDVD】品番:REDV-00038/カラー&モノクロ/本編77分+特典映像約5分
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【CAST】
ウィリアム・クラストン、ペギー・モフィット、デニス・ホッパー、ヘルムート・ニュートン、ジョン・フランケンハイマー、ヴィダル・サッスーン、バート・バカラック、ベニー・カーター他
【STAFF】
監督: ジュリアン・ベネディクト  編集:アンドリュー・ハルム 撮影:マシュー・J.クラーク 製作: マリナ・ミュラー  製作総指揮: ベルント・ヘルザラー、リッチ・コーワン 音楽監督:ティル・ブレナー
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