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tab_star2005/08/26tab_endVividCinema
フォーカスだらけの世界はバラいろ?
「クルマとシネマと100年で」
自動車が生まれて 120 年、映画が生まれて 110 年。クルマも映画も 20 世紀を代表するほとんど同じ歳の近代テクノロジーである。だからナンだ?と言われても、まあそうです、としか言いようが無いのだが、どちらもここ 20 年でかなり大きく進化している。それは、作られる過程から稼働後まで、電子デバイスが大きく関わってきていることに起因しているのは言うまでも無いだろう。
いや、だからナンだ?と言われても、まあそうです、という事なのだが(笑)、正直これは言い訳です。とにかく、これからクルマ(*1 )と映画(*2 )について、書き連ねてゆこうと思うのである。映画にはクルマが出てくる、ではそのクルマの話やウンチクを少々垂れてみよう、とまあ、そんな事と思っていただければイイだろう。
クルマにしろ映画にしろ、どちらもかなり趣味性の強いものである以上、書いているワタクシの趣味嗜好が強くでてしまうかもしれないけれど、その辺はお許しを。物書きである以上公正であることを心がけてはいるが、決して公平ではない。すなわち「ちょっと贔屓」しちゃったりするかもしれない、ということなのです。
文・イラスト=まつばらあつし

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まつばらあつしSicon_homeまつばらあつし
[vividcar エグゼクティブディレクター]
VividCamera も少しづつコンテンツが増えてゆくのでお楽しみに。
また、クルマ関係の記事や、バイクとかいろんなものにも焦点を当てて行きたいと思うので、そちらの方もどうぞご期待を。人間としてはオートフォーカスじゃなくて、決めたものにフォーカスを合わせるマニュアルなタイプかも。
今月の映画.gif
シネマ01_005.jpg
「ハットしてキャット スペシャル・エディション」
¥3.990-(税込み)
発売中
発売・販売 角川エンタテインメント
(C) 2002 UNIVERSAL STUDIOS and DREAMWORKS LLC. ALL RIGHTS RESERVED.



ハッとしてキャット
”Dr Seuss"「 THE CAT IN THE HAT 」
2003 年米国

監督:ボー・ウエルチ Bo Welch

マイク・マイヤーズ Mike Myers
ケリー・プレストン
ダコタ・ファニング
スペンサー・プレスリン
アレック・ボールドウィン
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全編を通してキャットの着ぐるみのマイク・マイヤーズ。ぶち切れた演技は半ばヤケクソ?しかし動きや表情など芸達者な部分は安心して観る事ができるのがさすが。

Dr スースを知っていますか?

さて、最初に取り上げる作品は、もういきなりマイナーでスミマセン、と言う感じの「ハッとしてキャット」というフザケた邦題の付けられた映画だ。

監督はボー・ウエルチ、主演は「オースティン・パワーズ(*3 )」でお馴染のマイク・マイヤーズ。ただし今回は「着ぐるみ&特種メイク」での登場となる。
「ハッとしてキャット」という邦題では気がつかないと思うが、原題は「 "Dr Seuss"「 THE CAT IN THE HAT 」」。アメリカではかなり有名な幼児向け絵本でお馴染の「 Dr Seuss 」氏の代表作であり、その中に登場する、赤白シマシマ帽子のキャットが主人公なのだ。日本でも「 Dr スース(*4 )」ブランドとして、英会話教材などでご存知の方も多いと思う。

とはいうものの、日本ではマイナーなキャラクターゆえか、あるいはそのイカレポンチすぎる内容ゆえか、それはよく解らないけれど、とにかく公開直前でお蔵入りしたといういわく付きの作品で、最近目出度く DVD 化され、こうして陽の目を見たと言う次第。

非常にザックリ、あらすじを書いておこう。
ええと、まあ、小さな兄妹が留守番中に、唐突に現れた巨大な怪しいキャットに家中を引っかき回され、次第に同調して一緒に遊んじゃうのだけれど、お母さんが帰ってくる前にめちゃくちゃになった家を何とかしなきゃ!という、よくある話。(ザックリ過ぎたか?)

ただ、その留守番中にキャットが引き起こす騒動が、ギャグありドタバタあり特撮バリバリ不条理奇想天外極彩色支離滅裂と、正直何がナンだかよく解らないけれど「面白い」。強いて言えば高熱を出したときに観るハッピーな夢想を具現化したような感じで、この辺のドタバタさ加減と言うか、やり過ぎの悪ふざけみたいな感じが、日本での公開が見送られた一因であるような気もするのだが、まあアメリカの方々はこういうの大好きだからなあ。

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パステル調のチャチな街を、縦横無尽に走り回るフォーカス。しかし街中のクルマがみんなフォーカスになると、結構ファンシーなイメージになるのが解った。安っぽいソリッドカラーも結構お似合い。

世の中フォードでできている

さて、そんな彼らの住む世界も、実はかなり異常な世界で、ダンボールで作ったような街は、すべで派手目のパステルトーンで彩られ、空の雲はロールケーキのようにおいしそうな渦を巻き、そして道路には・・・派手なグリーンやピンク、赤や黄色のフォード フォーカス(*5 )だらけなのだ(笑)。

どこを見ても街中フォーカス。しかもリアタイアは昔のシトロエン(*6 )のようにカバーがかけられ、ドアには持ち主や雇われている会社のステッカーが貼られている。はっきり言えば悪趣味。よく言えば幼児のおもちゃ的チャチさプンプン。

しかし、スゴイのはこのおもちゃのような街が、おそらくは実物大のオープンセットで作られていると言うことなのだ。合成じゃないのは一目で解る。その圧倒的なリアリティには驚かされるが、なにしろ走ってるクルマがフォーカスだらけ。クルマ好きなら思わず笑っちゃうような世界が広がっている。
(ちなみに「悪役」のアレック・ボールドウインが乗ってるクルマもフォード。ちと高価なサンダーバード(*7 )だが淡い黄色(笑))

世の中フォードでできているんじゃないかと思うような仕上がりの素晴らしさというか、このような、明らかに B 級の映画にこれだけの金をかけると言う姿勢には、本当に頭が下がるし、協力をして資材を提供しているフォードと言う会社も、なかなかのモノだと思う。

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この頃はまだ子供っぽさが残っているダコタ・ファニング。最近の「宇宙戦争」では悲鳴ばっかりで余り演技する余地が無かったのが残念。しかし「ハイド・アンド・シーク」の陰湿な演技は怖い。

準主役?

こうしてみると、主人公は怪しさプンプンの「ハット・イン・ザ・キャット」なのだが、クルマをはじめとする、街の中のクルマやキャットが繰り出す怪しいメカなど、機械が準主役とも言うべき重要なファクターを占めているのがこの映画の特徴だ。

これはあくまでも想像なのだが、監督のボー・ウエルチは、日本で言う「オタク」系の人なのではないか。映画の造り、すなわち世界観や色彩設計、メカデザインなどを観てると、どうもそんな気がしてならない。

世界を代表するオタク系監督、ティム・バートン(*10 )のデビュー作である「ピーウィ。ハーマンの大冒険」が、極彩色のありえないような家で、狂気の権化とも言えるピーウィの大活躍という、まるで楽しい悪夢を観ているような造りと、この「ハット・イン・ザ・キャット」が何となくダブってみえてくる。

とくにメカに対する偏執狂的なこだわり方、色彩設計や出演キャラクターの狂気とも言えるキレ味に、オタク文化(というのが、あれば、だが)は、アメリカにも確実に、じわじわと侵食しているという1つの実例かもしれない。

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ママ役のケリー・プレストンは、イイ歳こいて(失礼!)50 年代風のファッションとメイクで可愛く登場。「ツインズ」でのシュワルツネガーの恋人役。ジョン・トラボルタの奥さんでもある。

大活躍

さて、劇中ではこのフォーカスや敵役のサンダーバード、そして主役のネコが「ハマー」のダストカバーをはいで(!)出てきた「ノロノロ号(ノンストップ・ローリング・ノリノリ・ロックンロールの略、だそうです)」(これがチキチキマシン猛レースの 00 番、ブラック魔王のマシン(*8 )に何となく似てる)が繰り広げる、ユルいカーチェイスやドライブシーンなど、クルマがかなり重要なファクターを占めているのはクルマファンにとっては楽しめる一要素かもしれない。
この「ノロノロ号」は、基本的に米国仕様なので左ハンドルだが、劇中「運転を交代しろ!」という金魚のリクエストに応えて、ハンドルが右側に平行移動(笑)したり、それを観ていた妹が「ワタシも!」というと真ん中にハンドルが生えてきたりと、かなりムチャクチャな造りをしているが、さすがにハンドルがいくつもあるとコントロールを失ってしまい、クラッシュしてしまう。
しかし、クラッシュした後にエアバッグやドラッグシュートが展開するなど、監督やスタップのクルマやそのメカに凝る姿勢が見て取れて面白い。
またキャットに翻弄される兄妹の妹役が、ティーンエイジャーの名優ダコタ・ファニング嬢(*9 )。最近安達祐実に似てきて、10 代前半にして既にトウが立ってきたとかウワサされるが、これがじつにスバラシイ。「アイ・アム・サム」の誰もが健気な演技に泣かされ、ココロ癒される、あの可愛さがもう倍増のブッチギリ状態。(すみません、この辺ちとヒイキしてます)それがまた「マジメな妹」を好演しているんだから、ダコタちゃんマニアには必見の一作だろう。
そしてキャット役のマイク・マイヤーズは、一度も素顔を見せない着ぐるみアクトにも関わらず、超ハイテンションな乗りは相変わらず。時々出る「ヌハハハハハ」という笑いがオースティン・パワーズにそっくりなのがご愛嬌だが、悪乗りの演技(演技かホントのワル乗りかは判別付かないが)させたら、いまのところ世界一(ちなみに世界二位はジョニー・デップ)。日本で活躍している「芸人」とか言う人たちとは明らかにレベルが違うと、映画であっても実感できるはずだ。

今月の注釈

*1:はじめての自動車
すでに発明されていたガソリンによる内燃機関、すなわちガソリンエンジンを二輪車や馬車に取り付け、1885 年に特許をとったゴットリープ・ダイムラー、そして、エンジンや車体を独自に設計して三輪自動車を作ったカール・ベンツ。この両名の仕事により、現在のガソリン自動車の発明は 1885 年、ダイムラーとベンツの両人による、というのが、一般的な歴史となっている。

*2:はじめての映画
一般的には 1893 年、エジソンのキネトスコープがその元祖とされるが、今の映画と同じようなスタイルでは、1895 年に、リュミエール兄弟がパリのカフェで開いた試写会が、映画そのものの始まりとされている。
はじめて上映された映画は、駅のプラットホームに蒸気機関車が入ってくる「列車の到着」という作品で、これを観た多くの観客が「列車が突っ込んでくる!」と、慌てて逃げ出したと言う、まるでドリフのギャグのような逸話が残されているが、真偽の程は定かではない。
なお、エジソンが発明したキネトスコープに使われたフィルムは、基本的には現在使われているフィルムとほぼ同一のものである。

*3: オースティン・パワーズ
「オースティン・パワーズ」は、007 などの秘密諜報部員の活躍を、超下品にパロディ化した人気シリーズ。1997 年の第1作「オースティン・パワーズ」に引き続き、1999 年には「オースティン・パワーズ:デラックス」、そして 2002 年には「オースティン・パワーズ:ゴールドメンバー」と、現在までに 3 作品が作られている。
主演はどれもマイク・マイヤーズ。下品で悪趣味なオースティンの痛快な活躍(というか、ヘマやドジ)を楽しく描く。愛車はドイツ製英国車のニュー・ミニ。おそらくライバルのジェームズ・ボンドが最近 BMW 車に熱を上げている皮肉かも。

*4:Dr スース
1904〜1991 年。マサチューセッツ州生まれ、本名シオドア・スース・ガイゼル。絵本作家。ランダムハウス社のビギナー・ブックの第1弾として登場した「 THE CAT IN THE HAT 」が全米の子供たちの間で人気を呼ぶ。原作の絵本は、現在でも現役であり、もちろん日本でも手に入れる事ができる。
http://homepage1.nifty.com/c-box/chara/chara/drseuss.html

*5:フォード・フォーカス
つい先日、新型が日本に上陸。映画の中では旧型が大活躍だ。詳しくはこちらへどうぞ。
http://www.vividcar.com/cgi-bin/WebObjects/f1b8d82887.woa/wa/read/105903c3d10/

*6:昔のシトロエン
1948 年の 2CV から 1989 年の XM あたりまで、シトロエン社の乗用車は、後輪が半分隠れたようなデザインを採用しており、メーカーのアイデンティティでもあった。最近の大人しめのデザインに対して、シトロエンのクルマはリアタイアが半分隠れてなくちゃヤだ、というファンが未だに多い。

*7: フォード・サンダーバード
2001 年に復活を遂げた、フォードのスペシャリティクーペ。現在はジャガーベースの 3.9 リッター V8 ユニットにコンバーチブルボディがかぶさる。米国フォードでは F40 につぐ、上から 2 番目にラインアップされている高級車だ。ちなみにお値段は$38.500 〜$44.430。
http://www.fordvehicles.com/cars/thunderbird/

*8:チキチキマシン猛レース
70 年代の明るく楽しいアメリカのアニメーションを代表する、ハンナ=バーベラ・MGMが制作する、奇想天外な自動車レースアニメーションの秀作。原題は「 Wacky Races 」だが、日本でも「チキチキマシン猛レース」のタイトルで、今なお人気を誇る。野沢那智のベストワークとも言える「1番岩石オープン、2 番ヒュードロクーペ・・・」の名調子は特に有名。
主人公のブラック魔王とケンケンは、00 番ゼロゼロマシンに乗り込み、優勝するためにいつもセコイ手段でライバルを妨害するが、確か1度しか勝った事が無い。というか、セコイ妨害してる間に走れば絶対優勝できるのに・・と、多くの子供たちが、陰ながらブラック魔王とケンケンを応援していた。
なお、ブラック魔王は、この作品で人気者になり、後に「スカイキッドブラック魔王」でもケンケンと伴に主役の地位を射止めている。
http://www.whv.jp/title/wackyraces/html/

*9: ダコタ・ファニング
1994 年ジョージア州生まれ。女優。
5 歳の時にオーディションで合格、CF で芸能界入りし、2001 年「トム・キャッツ」で映画デビュー。同年の「アイ・アム・サム」の信じられないほどの名演で新人賞総なめし、ティーンエイジャーにして早くも名優の予感。その後、日本公開作では 2002 年「ヘンゼルとグレーテル」、2004 年「マイ・ボディガード」、2005 年「ハイド・アンド・シーク」「宇宙戦争」など。なぜかビッグな俳優との共演が多いのも特徴だ。

*10:ティム・バートン
1958 年カリフォルニア州生まれ。映画監督、演出家。
1985 年に「ピーウィの大冒険」で監督デビュー。88 年の「ビートルジュース」や 89 年の「バットマン」で人気監督の地位を得る。一貫して悪趣味でオタク的な映像にこだわり続け、「ナイトメア・ビフォア・クリスマス」や「エド・ウッド」「マーズ・アタック」など通好みの作品が多い。本夏には久々の長編「チャーリーとチョコレート工場の秘密」が公開される。これはロアルト・ダールの児童書「チョコレート工場の秘密」を原作とした、子供から大人までが楽しめる娯楽作(のはず)である。




「あの映画の車なんだっけ?」といったご質問、映画と車にまつわる想い出、とりあげて欲しい映画のリクエスト、また、自分も原稿を書きたいというお申し出などございましたら、どんどんこちらまでお寄せください。

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