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tab_star2005/11/02tab_endTokyo Motor Show ア・ラ・カルト
トウキョウモーターショー 編集長の言いたい放題 「プレゼンターグランプリ」
東京モーターショーにしても、東京オートサロンにしても、どうして日本の展示会イベントは 1 時間もいるだけでこんなに疲れるのだろう、と考えていた。ただ会場がだだっ広いだけだとも思えない。それにしても相当な人が訪れ、リピーターもたくさんいるのだから、もしかしたらこの疲れ方は自分だけなのだろうか、とも思ったりした。もし自分だけだとしたら、どこが人とは違うのだろう、と考えた時、ピンときた。これはパチンコ屋やクラブ(銀座じゃないよ、踊り場だよ)に長居してしまった時と同じ疲れ方なのだ。

文 =津島健太(VividCar.com)
写真=津島健太(VividCar.com)
   若林正幸(VividCar.com)
   山中航史(VividCar.com)

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tsushima-SS.jpgicon_home津島健太
[VividCar 元編集長・フリーライター]
現在は「港未来シンジケート」代表としてのインディーズレーベルやイベントプロデュース業と平行して、JMS日本モータースポーツ記者会、ナンバー付きVITZレース1000c.c.CUP 代表、vivid car .com 編集長、作詞家、旅のライター等々イカゲソ並みの数の鞋をはいている。
プレゼンター・ TOP 3 をまず発表 !!

モーターショーと言えばコンパニオンばかりが注目されがちだが、今回はステージの上に立って 1 日に何度も展示説明をする、『プレゼンター』に注目してみた。選考基準や紹介は後でゆっくり述べるとして、VividCar.com 編集長が選ぶプレゼンターの TOP 3 を先に発表してから話をはじめよう。

 第 1 位 布施友理香(ふせゆりか)さん (富士重工業)
 第 2 位 野地将年(のじまさとし)さん (メルセデスベンツ)
 第 3 位 立川琴美(たちかわことみ)さん (三洋電気)

とりあえず一方的におめでとー !!

この 3 人+次点以外は「評価に価せず」という結論が出るぐらい、僕自身がプロとして厳しい基準を設定して、それをクリアしたのがこのプレゼンター達だ。

プレゼンターグランプリ

 ※本文と本画像は関係ありません。

なんとかしようよ、そのセンス

オートサロンに限って言えばとにかくうるさい。夕方のラッシュ前の電車の中の女子高生や、渋谷のスクランブル交差点のように、隣がうるさきゃもっと大きな音を出さないと目立たないとばかりに、日に日に音楽とプレゼンターの声があがっていき、それがどれだけ悪印象を与えるのかわかっていないチャラ男イベンターや DJ のバカさ加減ばかりが目立っている。大メーカーのサウンドシステムに対抗しようとして音量だけあげたって、音質が壊れるだけで不快感を与える事ぐらいのことはプロなら考えろよ、と言いたくなる。

片や、東京モーターショーは音量制限に限ってはなり厳格に守られているらしく、全体的に上品な印象はある。にもかかわらず今回は 2 日間に渡って訪れ、展示車両そのものにはワクワクさせられたが、それでも精神的にかなり苦痛だった。じゃ、それはなぜ ?

なんとかしようよ、そのやり方

コラムなど折に触れて書いていることだが、編集長でもある僕は FM のディレククターや TV も含めた放送作家、イベントプロデュースや演出の仕事を 25 年以上経験している。 FM に関しては東京に NHK と FM 東京しかない時代から音楽番組だけではなく、今では少なくなったラジオドラマの制作とオリジナル脚本を 100 本以上書き、演出してきた。

航空会社の機内放送も何年か製作したことがある。役者、ミュージシャン、クラブ系の人たちを含めて大御所と呼ばれるベテランから若い人まで、今でもかなりのお付き合いをさせて頂いているし、新人の DJ やナレーターも国内外から数え切れない回数のオーディションをしてきた。後にニュースステーションで活躍した川平慈英や、 FM 東京や BAY FM などで活躍している鈴木万由香なども僕がオーディションした番組からの DJ デビューだ。

もし、僕が東京モーターショーの会場で人とは違う疲れ方をしているとしたら、おそらくそれは職業病とも言えるものかもしれない。オートサロンと比べて、音楽の選曲のセンスの無さや、サウンドシステムの使い方(ハードの質や量ではなく音作りのセンスの問題)にイライラさせられることはなかったが、その分、あいも変わらずプレゼンターのナレーションのクオリティの低さが耳についてしょうがなかった。では、逆に徹底的にしっかりナレーションを聞いてまわって、何が問題なのか、逆にどんなプレゼンターが優れているのか。ランキングをつけながら再確認してみよう、と思ったのが今回の企画の発端だった。

審査基準

2 日間とはいえ、ひとつのブースでも何人もローテーションを組んでいるケースが多いので、必ずしも全員というわけではないが、 30 〜 40 人のプレゼンテーションをじっくり採点し、上位の人は 2 〜 3 回「ホントにこれで正しいか」と自分の評価の再確認も行った。

自分がもしこのモーターショーという場に合ったプレゼンターのオーディションを担当することになったら、果たしてどういう基準で選ぶべきだろうか、ということもまじめに考えてみた。

まず、選ぶ側に立つと

1) クライアントが伝えたい情報をお客さま正確に伝えられるか
2) 声で発した情報がお客さまの心にきちんと残るか
3) プレゼンターの持つイメージ、動作、キャラクターがクライアントと一致しているか、
  あるいはプレゼンテーションする商品をプレゼンターが理解できているか

ということが評価の基準となるのではないだろうか。簡単に言えば、

1 :「最低限のルールとして、台本は棒読みにならないぐらいに頭に入れなさい」
2 :「プレゼンターなりのオリジナリティを持たないと。お客様の心に残りません」
3 :「自分を通して何をお客様に伝えたいのか理解して、伝えたいという強い気持ちを持ちなさい」

と、こういうことになる。

プレゼンターグランプリ

 ※本文と本画像は関係ありません。

何が 1 番大事なの ?

プレゼンターが決まったら、次にやるべきことはスタッフ(ここではメーカー広報、広告代理店、イベント製作会社)の仕事になる演出プラン作り。

どんなに良い商品や演出でもプレゼンターがダメならば台なしになるのと同じく、どんなに優秀なプレゼンターでも演出がダメならその能力は発揮できない。

そのために、プレゼンターの立ち位置と商品との間隔。衣裳。照明。動作。スクリーン等との連動と言った見た目の細かいチェックと、何よりも台本をきちんと作らなければならない。

今回、モーターショーでプレゼンテーションをじっくり観察して思った。 2 年に 1 度とばかりに莫大な費用をかけて展示し、キャンペーンガールを厳選し、見た目の体裁を整えているにも関わらず、どうしてプレゼンテーションをおざなりにするのかということ。キャンギャルはダンスパフォーマンスやら、お辞儀の仕方やら 1 週間以上研修させるのが当たり前なのに、どうしてこんなに通り一遍なプレゼンテーションばかりでメーカーも OK してしまうのか。使う側も使われる側も『そこにだけプロがいない』ということを感じてしまうのだ。

そりゃキャンギャルの見た目も大事でしょう。でもプレゼンテーションって、キャンギャル以上に商品とお客さまのパイプ役、もっと大切に扱ってもいいんじゃない ?

悪しき(一般的に最も多い)例

1. 台本の句点の位置がおかしく、読点が少なく、長過ぎ
  専門用語の羅列ばかりで余裕がまったくない演出


極めて広告代理店的発想によって作られた台本。クライアントのチェックばかり気にして台本を作っている。また、クライアントの担当者が上司の目を気にし過ぎるあまり無難な道に走ろうとしているとこんな台本が OK になる。

遊び心の無い台本では、読み手のキャラクターや展示物との相関関係をまったく考えておらず、結果、棒読みを導いてしまう。で、何か言われるとナレーターが下手に終わらせてしまう。ナレーターが上手くても、その台本では何も伝わっていないのだ。「絶対、この人はこの車のことわかってないし、好きでもない」と誰でも気づくでしょう。

そうなるともうただの雑音。ちょこっと研修したぐらいで若い女の子がわかるわけないじゃないの。それを演出するのが仕事でしょう ? 良くもまあ、こんなにつまらない長い台本を覚えられたものだと、むしろプレゼンターに拍手。

2. プレゼンターはキャンギャルの中で一番流暢に話せる子という安易な選択

国産の、特にパーツメーカーがオートサロンと同じ発想を引きずってきて、はずしている例。モーターショーとプロの話し手を冒涜してるね。

3. バランス感覚とフレキシブルな対応のない画一的な演出

プレゼンターのステージと説明する展示物との位置関係をまったく考えずに、台本だけ決定してしまったがために、「あちらに展示してあります」と説明をはじめてもステージ前からは柱やパネルで全く見えない位置に車がある例も。

また、 1 日 3 人ぐらいでローテーションして違うプレゼンターが出てきても、まったく同じセリフや間の取り方のくり返し。これは中途半端なマニュアル至上主義の指導者が、あえて個性を殺す研修をしてしまった上に、現場とのコミュニケーションを疎かにしたか、修正能力が無いことに他ならない。

プレゼンターグランプリ
お目当てのコルベットはステージ前からは全く見えず・・・残念。

ということで、プレゼンターグランプリは ?

いろいろ観察して気づいたのは、特にプレスデーだったこともあり、興味をもたれないプレゼンテーションの前からは、(もちろんそのプレゼンターがいかに魅力的であろうとも)さっと人が離れていく点。最後までお客さまの足を止めるプレゼンターは、僕の評価と自然と一致していた点はおもしろかった。

さて、そんなこんなで選んだプレゼンターランキング。まずとっても惜しかった次点は GM 。

ここのプレゼンターの女性は、ナレーションに関してはしっかりした基礎がある。何かを伝えたいという意志の強さも感じられ好印象。ナレーションだけをとると 3 位に入る。背筋が伸びて毅然とした態度もキャデラックとのイメージと合致していて好印象。

ではなぜ次点なのかというと、ナレーションとプレゼンテーションは違うのだという点。前述したスタッフワークの悪さがナレーションを殺してしまった典型なのだ。

まず選曲のセンス。なぜキャデラックのプレゼンテーションでしかもこれだけしっかりしたナレーションなのに、テクノダンスなのだろうか ? 若いイベンターなんだろうなあ。ファッションショーの流行りをそのままもってきてもアンバランス。

台本もダメ。前振りが長過ぎて本編に入るまでにお客さまが離れてしまう。

四方に囲まれた展示スペースの片隅にステージを設置する事も間違っている。 20 メートルも離れたコルベットを指さして「あそこに展示されてます」って、ここからは全く見えません。

また、車の説明のみに終始したセリフの中に意味もなく「エッジのきいた」という言葉が連呼される点。明らかに文章の構成力不足。残念ながら、プロの仕事とは思えない。カタログ片手に代理店が書いたのだろうか。せっかくいいナレーターを選んだのに、その後が残念。本人が一番やりにくかったのでは ?

プレゼンターグランプリ
9-3 カブリオレはパネルでここからは見えず・・・残念。

他にもしっかりしたプレゼンターはいた。 SAAB もそうだ。

しっかりしてはいたが GM ほどのキャラクターはなく、そつなくこなす、いわゆる結婚式やパーティーの司会慣れしたタイプ。

SAAB は何よりもプレゼンテーションのステージ位置に問題があり、 3 方向の車の紹介をするのだが、説明の順が並び順と一致せず、しかもお客さまがいちいち移動しなければ車がまったく見えないという基本的なミス。お客さまは右行って左行ったらまた右に移動といった状態。見えない車を立ち位置を変えずに指をさして説明しているのだが、ここまでの状態がわかっているのに、台本に修正を施さないというのはいかがなものかとも思うし、プレゼンターもマニュアルがあっても一言フォローするとか、移動するとか機転を利かすべき。ということで、残念ながら次点。

っと、ここまでかなり批判的に読めるかもしれないが、最初に書いたようにその他のプレゼンターはこれ以上に論外ということを、あらためて付け加えておこう。

プレゼンターグランプリ
プレゼンターグランプリ

プレゼンターグランプリ 第 3 位

三洋電気ブースで 3D シアターのナレーターをつとめていた立川琴美さん。

ナレーター歴 7 年でイベントの司会などをつとめる、いわゆるプロのナレーター。

SANYO ブースは前回のモーターショーから 2 回連続とのこと。こういうイベントのナレーターは立川さんのようにそつなくこなすプロが多い。安心して聞いていられるという反面、個性がない場合が多いけれど、立川さんの場合は、 3D メガネをかけてナレーターの顔をお客さまが見ていないにも関わらず、きちんと言葉を伝える技術がある。いわゆるイベントのプロとして高く評価したい。

プレゼンターグランプリ
プレゼンターグランプリ

プレゼンターグランプリ 第 2 位

メルセデス・ベンツブースのコンセプトカー F600 を紹介していた、野地将年さん。

会場内で(確認できた中では)唯一、男性プレゼンターを起用したメルセデス。何人かでローテーションを組んでコンセプトカーのプレゼンテーションを行っていたのだが、その中でも野地さんが秀逸。

彼は先の立川さんとは違い、普段は俳優として活躍。活舌も声も良く、手や目線など俳優ならではの表現力を持っている。 3 日前に最終稿を受け取ったという台本も、自分の言葉、間に直されていて見事。男性、俳優の起用という時点で他のブースよりも個性というアドバンテージを握ったメルセデス。その上、台本も 2 年前のコンセプトが実際に新型 S クラスに利用されていることなど、わかりやすく東京モーターショーの流れの中でのメルセデスの姿勢を説明できている。さらにナレーション原稿にあわせてステージ上のコンセプトカーが回転し、スクリーンに説明箇所がタイミング良く投影されるなど、台本、舞台、プレゼンターが一体化していて、これは前述の悪しき例の逆で、プレゼンターが優秀なスタッフに生かされている理想的な例。

野地さんの語り口は、お客さまの目を見て自分の言葉で何かを伝えたいという意志が見え、御本人に話しを聞いてもそのことを一番大切にしている、とのこと。

「人が多ければ多いほど、ひとりひとりに話しかけることができるのでやりやすいですね。今日はプレスデーなので、お客さまが少なくて難しかったです」

と一般公開を心待ちにしていた。さぞかし当日はその実力が発揮されたことだろうと思う。

プレゼンターグランプリ
プレゼンターグランプリ
プレゼンターグランプリ 第 1 位

さて、栄えある(かどうかはわからないが)第 1 位。たぶん僕以外は 1 位に選ばないであろう 1 位は、スバルブースでインプレッサ WRC の紹介をしていた布施友理香さん。

ナレーションの技術は先の 2 人の方がずっと上だろう。それでも 1 位に選ばせてもらったのは、最も車が好きだという基本的な気持ちが伝わってきたこと。「伝えたい」という強い意志を感じたこと。その意志を以心伝心させることのもできる天性の才能の持ち主だということだ。

言葉のイントネーションはプロの指導者が聞くと直したくなる部分が多いと思うが、それを無理に直さなかったことが良い形で個性となって布施さんのキャラクターが伝わっていた。嫌みのないキャラクターであり、語り口調の布施さんだが、台本も女性が読むことを意識されていた。

布施さんはプロのナレーターでもなく、俳優でもなく、普段はスバルスターズのメンバーとして新宿のショールームに勤務されているそうだ。しかも、接客がメインでショールームでナレーターをしているわけではないらしい。また、先日のラリージャパンも自分の目で見て、その時目に焼き付いた WRC の迫力を思い出しながら、自分なりに話しているとのこと。なるほど、だから自然体でちゃんとプレゼンテーションが伝わってくるんだ、と半分納得。残り半分は彼女の未知数の才能とキャラクターだと思う。

僕自身この会場の中で、モーターショー以外の、例えばドラマやラジオ DJ の分野で僕自身が一緒に仕事をしてみたいたった一人のタレントだと思った。その唯一が自分のつけたランキング 1 位ということだ。スバルスターズは過去にも TV タレントなどを輩出してきており、もしかしたら彼女も数年後(だとちょっと年齢が・・・失礼)か来年にも、違うメディアで活躍する姿を見ることができるかもしれないし、スバルの関係者にもその才能に早く気づいて開花させて欲しいものだと思う。

プレゼンターグランプリ
◆◇◆

以上、東京モーターショー・プレゼンターグランプリ。せっかくの一大イベント。本音としては、全体的には、やっぱりもうちょっとなんとかしないとねえ。世界一を目指すからには、ね。

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