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tab_star2005/11/17tab_endTokyo Motor Show ア・ラ・カルト
トウキョウモーターショー 編集長の言いたい放題 「ディスプレイグランプリ」
モーターショーというからには車を展示する。展示するからには、たくさんの、できれば他のブースよりも多くのお客さまに車を見て欲しい。何を当たり前の事を、と言われそうだが、メーカーによっては本気でそう考えて展示しているのだろうかと思いたくなるようなところも残念ながらあったりする。

プレゼンターグランプリでは、あまりにも該当者がいないので国産車も含めてのランキングとなったが、さすがにディスプレイにかけては費用の懸け方も並々ならぬものがある。そこでこれは、と思ったブースと、これは・・・と思ったブース、それぞれを評価してみることにしよう。


文 =津島健太(VividCar.com)
写真=津島健太(VividCar.com)
   若林正幸(VividCar.com)
   山中航史(VividCar.com)

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tsushima-SS.jpgicon_home津島健太
[VividCar 元編集長・フリーライター]
現在は「港未来シンジケート」代表としてのインディーズレーベルやイベントプロデュース業と平行して、JMS日本モータースポーツ記者会、ナンバー付きVITZレース1000c.c.CUP 代表、vivid car .com 編集長、作詞家、旅のライター等々イカゲソ並みの数の鞋をはいている。
東京モーターショー2005
人々がどのように動くのか。その動きを”動線”といいます。
どこから見せるのか、どうやって惹きつけるのか

すごく広いモーターショーの会場。全メーカーがかなりのスペースを占有して展示する国産車に比べて、輸入車は、展示する車種も国産車ほどあるわけではなく、さらに各メーカーによってスペースはマチマチ。そこで、東ホール、中央ホール、西ホールを結んで多くの人々が往来するメイン通路が設けられ、その通路を左右に挟む形で南側に大きなブース、北側に小さなブースが配置される。電車で来た人は東ホールから、駐車場に車を止めた人は西ホールから入場し、両端から会場を進んで行くことになる。こうした人の動きをコンサートでもイベントでも”導線”と呼ぶ。最も大きな東西を結ぶ導線から、お客様は左右のブースを目で追って、興味のあるブースに入っていくという寸法だ。

今回の 1 番のチェックポイントは、この人が歩く導線から各ブースがどのように見えるのかということ。なによりもまず、導線からの視点でお客様を惹き付けることができないと、そのブースに立ち寄ろうという気になってもらえないからだ。

そのために重要なのは、

 1. 車が導線からどのように見えるか

であり、

 2. 車が導線からどのように映るか

であることはお分かりいただけるだろう。「またこの編集長、理屈っぽいこと言ってー」と言われそうなので(笑)、もっと簡単に言うと、 1. は配列、 2. は配色がキーとなる。

次に、導線からお客様がブースに来てくれたと仮定しよう。ここではじめてじっくり車を見てもらい、プレゼンテーションを聞いてもらい、そのメーカーのキャラクターと出会ってもらえるのだ。

この、「導線からの視点」と「ブース内からの視点」、両方が揃ってはじめてディスプレイとしての魅力が最大限に発揮される。

例えばただ単にクルマを並べただけでは、導線から見たインパクトに欠けてしまう。もしブースの外側にやたらと柱を立ててしまったら、肝心要のクルマがきちんと見えなくなってしまう。そんな何を勘違いしたのだろうかといいたくなるようなブースも確かにあったのだが、もちろん優れたブースもあった、そんなブースを順次ご紹介していこう。

東京モーターショー2005
2F はスポーツモデルを展示し、スマートとマイバッハを
東京モーターショー2005
クルマの列の中心線に到達してブースを見ると・・・不規則なズレがそれまでの迫力をスポイルしてしまった。

まずは惜しかったブースから

ちなみに、今回は出展全ブースを対象とはしていない。例えば、ブガッティは車そのものは今回の東京モーターショー全体でも大きな注目を集めたが、今回のディスプレイグランプリの 2 つの視点から見た場合、(小物やディテールは除いて)ただ車が置いてあるだけというように導線に対する工夫が一切無いと判断した。こうしたブースは今回の評価対象外としている。また、先のプレゼンターグランプリと同様、車やブランドの評価は一切排除し、ディスプレイ手法だけに注目したものであるということをご理解いただいた上でお読みいただきたい。

◆◇◆

かなり広い展示ブースに、車両同士の間隔を広くとった余裕の展示を行っていたのがメルセデスベンツ。黒い壁とベージュの床に黒、グレー、白に統一された展示車。上品なディスプレイと言える。特に広い会場を歩き回って疲れてきた人を強くひきつける配色だ。

2 階への階段をあがると AMG やマクラーレンが製作した SLR といったスポーツタイプを集めており、とてもわかりやすく見やすい。ただ一つだけ残念だったのは、1 階の展示車がすべて同じ方向を向いているということ。導線から見た場合はすべて同じ角度のクルマしか見えない。それでもブースの枠線に対して斜めを向いているので、配置をデザインとして考えられたといえなくもない。ところがこれも残念なことに同じ列のクルマが少しづつ不規則にずれていることに気づいた。惜しい。斜めに向いているということは、導線を歩くと少しずつ並びの中心線に近付くことになり、結果、メルセデス独特の重みとともにブースが迫ってくるのだが、中心線の正面に立った瞬間にその中途半端なズレがわかってしまうのだ。

東京モーターショー2005
全体的に暗めのトーンだったランドローバーのブース
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ジャガーのブースは木目の床を使うことで非常に温かみのある雰囲気作りに成功している

メルセデスが立体的にブースを構築していたのとは対照的に、左右隣同士並んべていたのがフォードグループ。例えばランドローバーとジャガーのブースのうち、導線に接している部分はわずかに 20 メートルほどで、ブースの形状は縦長の奥行きがあるタイプだ。

両者を見比べたとき、狙いがよくわからなかったのがランドローバー。アウトドアのイメージが強く、カンパニーカラーもダークグリーンなのに、絨毯が濃いグレーで一番奥の壁も黒。結果、車があまり映えず、幅の狭さもあって全体的に暗い印象が強く残ってしまった。クルマが埋もれてしまう、という点では青いライト×青いクルマの組み合わせのフォードも疑問が残った。

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フォルクスワーゲンのブースは奥のパネルスクリーンが幻想的で素晴らしい
東京モーターショー2005
若々しさやポップなお洒落感覚ではルノーブースが優れていた

見るべきポイントがあったブース

とてもお金がかかっていて、スペースも広くて、色彩もきれい。配置もそこそこ考えられている。なによりも目を引くポイントがあったと感じたのが、フォルクスワーゲン、ルノーの両ブース。

フォルクスワーゲンはブースの最も奥の壁の中央にスクリーンを配し、さらにこのスクリーンを囲むように無数の LED ライトを設置。このライトとスクリーン上の画像が見事に連動していて、どこかのテーマパークよりも洗練されていた。

ルノーも悪くない。今年チャンピオンをとった F1 マシンをディスプレイに組み込み、スタッフも F1 チームシャツを着ての接客と盛り上がっていた。ただ、どうもこのシャツがモーターショーには場違いな気もした。コンパニオンの女性のベージュのバンツに色とりどりのパステルカラーのタートルネックセーターがぐっとこの場に似合ってブースを華やかにしていただけに、少し残念だった。

東京モーターショー2005
楽しんで見ることことができる、アウディのモータースポーツギャラリー

あとちょっとで最高といえるブース

それよりちょっと上行くブースは、シトロエン、アウディ、ボルボ、フェラーリ。

アウディとボルボは共通している。それは、その場に立った時にはじめて気づく洗練されたディスプレイ。アウディは一見他と同じような展示だが、センターに立って上を見上げた時に、アウディのモータースポーツヒストリーが頭の上の螺旋上のオブジェに気づく。よく見ると小型のモニターが螺旋の内側を移動し、各年代のモータースポーツシーンを映し出すという仕掛けだ。その凝りようは見事。

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開放感あふれるボルボのブース
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幾何学模様のライトもブースの雰囲気向上に貢献していた

ボルボもまた、センターに立った時、展示車すべてを見渡せ、前後の対面スクリーンと木目の床に埋め込まれた幾何学模様の LED ライトが幻想的な雰囲気を作りだしている。ちょっとした博覧会のパビリオンに入ったような異空間に包まれる。

ここで気づくのは、導線からそれら素晴らしさを伝えるものがほとんど見えないこと。ブースに入ってはじめて気づくと言うことだ。惜しい。

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ふかふかの絨毯と色味が雰囲気を形作っている
東京モーターショー2005
女性がより美しく見えるカラーコンビネーション
東京モーターショー2005
クルマは逆に沈んでしまった・・・

シトロエンは少し意味が違う。まず、絨毯がフカフカ。全体的に濃いグレーの色彩が絨毯の感触と相まって、重厚で濃密な雰囲気をかもし出している。さらにコンパニオンの女性のコスチュームがシンプルながらセンスの良いワインレッドのワンピースだったことも述べておこう。その色彩が壁や絨毯の暗さの中ですごく引き立っており、女性をより美しく見せることに成功していた。余談だが、コスチュームそのもののセンスは全体的に国産車に比べて、特にヨーロッパ車のブースでは際立って良かった。ブースもコスチュームだと考えた場合、シトロエンのセンスがベストと言って良いだろう。

でも、ここまで言っても A ランクと言えないのが肝心の車のディスプレイに問題があったから。展示車のカラーをどうして絨毯と同じグレーにしちゃったのだろう。それがそのクルマのメインカラーなのだとしたら、絨毯と壁の色を対照的に入れ替えればいいのに。それ以外はしっかりブース全体のカラーリングがデザインがされていただけに、とても残念だった。

フェラーリのブースでは、お馴染みのフェラーリレッドの幕の前に白い展示車を置いていた。フェラーリでありながら白いカラーリングを展示車に選んだのは英断かも、と目をひいた。しかし、もっとインパクトのある白い展示があったのだ。

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柔らかな色合いとバランスよく並べられた車が心地良いクライスラーのブース

グランプリの栄冠に輝いたのは・・・

TOP3 はそれぞれ個性があって、明確な順位をつけがたいものがあった。よって、同点 1 位ということにしたい。

まずはクライスラー。ダイムラークライスラーグループの中で、アウトドアのイメージを全面に、話題の「あきの」や JEEP 等を展示。今回のモーターショーではほとんどのブースが白色灯を使うことによって、展示車のカラーリングをより鮮やかに再現しようとしていた。ところがここクライスラーだけは、何と言う呼び方をしたらよいのかよくわからないのだが、いわゆる普通のオレンジがかった(白熱灯 ? )ライトを使用。いわゆる裸電球の色ね。それがかえって良い個性となってアウドドア感を醸し出している上に、白色灯のまぶしさに疲れた目を癒してくれる。雪の中で目をやられていたら、夕焼けが出てきてほっとする感じと言えばおわかりだろうか。

さらに展示車の並べ方が、一見何の規則性もないようにあっちこっち向いているように見えるけれど、導線を歩きながら俯瞰で見るととても心地良い。歩いている人から見て、どの角度からもどれかしらの車の正面、斜め、サイドが見えるように工夫されている。一人で感動していたら「適当に置いたら偶然そうなったんじゃないの ? 」と知人に言われた。違うとは思うけれど、こういう計算は他のブースにはなかったことだ。

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狭いスペースが大きな楽しさを生み出した MINI のブース
東京モーターショー2005
遊ぶ楽しさに溢れている

続いては MINI 。同じ BMW グループの中で隣同士であるにも関わらず「なんでこーなるの ? 」というぐらい賢明な楽しいデザイン。展示の仕方も狭いスペースを有効に利用していて、子供でも飽きない作りとなっている。

「MAP YOUR OWN CHARACTER」というコーナーでは、ボディのカラーリングやシートアレンジなどがレバーひとつで着せ替え人形のようにモニター画面上で楽しめ、それ事体はカツラ屋やメガネ屋にもあるようなアナクロなデジタル( ? )かもしれないが、レバーひとつ、全体のデザインやカラーリングひとつひとつが、MINIならではの小粋なヨーロピアンテイストに溢れていた。いいなあ、こういうの。

東京モーターショー2005
最後はランボルギーニ。先程フェラーリの白い展示の話をしたが、ランボルギーニもまた白。しかし、もし両方を見たとしたらフェラーリのインパクトが一瞬にしてかすんでしまうセンスがランボルギーニにはあった。

黒をベースとしたブースにメタリックホワイトのムルシエラゴとガヤルドスパイダーの 2 台。その並びの中央に V12 エンジンがメタリックの輝きを放っている。黒と白という単純色の組み合わせは、一歩間違うと下品な組み合わせとなる危険がある。それが好きな日本人は多いと言えば多いのだが、オートサロン的ではあっても、モーターショー - イタリアン - ランボルギーニという組み合わせには難しい選択だし、僕個人の趣味としては、普通なら絶対推さないセンスだ。にもかかわらずトップ 3 に推させてしまうセンスには脱帽。

何が違うのかと言うと、まずはやっぱり車がかっこいい。同じかっこいい男でも、日本人が黒いスーツに白いシャツだと歌舞伎町のホストっぽくなるのに、イタリア人だとモデルに見える違いがある。そして、照明を白色灯に薄い紫のフィルムを貼ることによって、白の反射を押えて落ち着かせている。さらにその照明が可動式なため、ホディの陰影を様々な角度から見せている。そういう計算がイタリアンスーツ 50 万円と、イタリアン風スーツ 2 着で 5 万円の違いをまざまざと見せつけているのだ。

東京モーターショー2005
◆◇◆

以上、東京モーターショー・ディスプレイグランプリ。いかがでしたでしょうか。プレゼンターグランプリ同様、車の善し悪しとは全然関係ありません。もともと辛口ジャーナリスト編集長が勝手なことを言っているだけなんだからと辛口ついでにもう一言だけ苦言を呈しておきたい。

特に輸入車高級車の前に立つ清掃スタッフの皆さん。お客さまが車に触れるたびに、指紋を拭きたい気持ちはわかります。でもね、お客さまが車から降りたばかりで、まだ目の前にいるのに、触れたそばから汚されたとばかりに車を拭くのは失礼だと思いませんか ? 真に紳士淑女な車のディーラーならば、そんな無礼な態度はとらないはず。そういう安っぽい態度が子供たちの夢を奪っていくことを是非忘れないでほしいのです。だって、モーターショーは「夢」の世界なんですから。

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