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tab_star2005/11/30tab_end元気なハッチバック
幸運を招くかプジョー 307
原点回帰と革新と
プジョーが世に問うたプレミアムコンパクト 307 がデビューしたのは 2001 年 10 月。それから 4 年を経た今、フェイスリフトに留まらない大規模なマイナーチェンジが施され、並み居るライバルに再び勝負を挑む !

文 :山中航史( VividCar.com )
写真:若林正幸( VividCar.com )

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原点回帰と革新とpage1プジョー307
フォトギャラリーpage2プジョー307
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山中航史 icon_home山中航史
[WEBディレクター]
S2000とMINIコンバーチブルという、こよなくオープンカーを愛するおっさんです。そろそろお腹と白髪が気になりだす年頃。でも「Always Open!」
プジョーの置かれている現状

突然ですが、以下の表をご覧いただきましょう。 JAIA こと日本自動車輸入組合が発表した、 2005 年度上半期( 2005.4〜9 )における車名別輸入車新規登録台数(乗用車、貨物、バス合計)から上位 10 位までを抜粋(国産メーカーの逆輸入分除く)したものです。昨年からの変化がわかるよう、 2004 年度上半期の数値とその変化率も併記してあります。

 2005年度上半期2004年度上半期a/b%
(2005.4〜2005.10)(2004.4〜2004.10)
台数(a)シェア%台数(b)シェア%
Mercedes-Benz23,81918.1821,17516.04112.5
VW23,41517.8726,58620.1488.1
BMW22,86417.4518,75214.21121.9
Audi7,3695.626,3844.84115.4
Volvo7,0985.427,4295.6395.5
BMW MINI6,7105.126,3894.84105
Peugeot5,0253.836,2854.7580
Ford3,4612.642,8412.15121.8
Chrysler2,4561.873,4032.5872.2
Alfa Romeo2,4411.863,0912.3479

2 位フォルクスワーゲンに激しく迫る BMW の絶好調さ、それに続くアウディの勢いという上位の争いに目が行きがちですが、プジョーの 7 位という順位、そして昨年比 80 % という激しい落ち込みに私はショックを受けました。ちなみに、 2002 年度と 2003 年度のプジョーのシェア及び順位は、同じく JAIA 発表値によれば 5.58 % ( 4 位)、 5.26 % ( 5 位)。そう、 206 の好調なセールスによる躍進の後、プジョーは次第に販売台数を減じてきているのです。一体何が起きたのでしょうか ?

プジョー307
プジョー 307 のモノフォルスタイルに馴染む新しいフェイス。 407 からスタートした新しいプジョーのアイデンティティを踏襲する。
プジョー307
まさしくその顔は「猫」。ハッチバックにはそのものズバリ、フェリーヌ(=猫科の動物)という名称が与えられた。

さらなる販売増が期待されるニュー 307

プジョー 307 は 2001 年 9 月に日本に導入されました。その後お買い得モデルである Style やワゴンボディを持つブレーク、 3 列シートを持つ SW を、そしてクーペカブリオたる CC などを次々と追加し、ラインナップの増強を行っています。にも関わらず、上の表のようにプジョー全体のシェアは減少しています。その理由として私が推察したのは、モデル末期を迎えつつある 206 の販売台数減少を、 307 シリーズがカバーしきれていないのではないか、という点です。 MINI という同カテゴリーに登場した強力なライバルの存在。そして日本における 307 シリーズの最多販売グレードが SW ( 37 % )であり、 2 位は CC ( 26 % )という事実。ユーザーから見た 307 のイメージが、従来の 306 の使い勝手の良いお洒落なハッチバックというものから、スペースユーティリティに優れたミニバン( SW )、もしくはスペシャリティ( CC )へと変化したため、結果として台数を稼ぐことのできる車種ではなくなってしまったのではないでしょうか。

ただ、世界的な 307 の販売台数は順調に増加しつつあります。ゴルフやフォーカスといったライバルが 307 の後を追うように大型化し、モノフォルム的なスタイルを取り入れていることからもわかるように、 307 の打ち出した方向性が間違っていたとは思えません。 206 のフルモデルチェンジが近づきつつある中で、プジョーのシェア奪回の任を託された新しい 307 の変化はどういったものなのでしょうか。登場時に 307 が新たに得たもの、そして失ってしまったもの。そのあたりに今回のマイナーチェンジの大きな狙いが隠されているようです。

プジョー307
左:外形は従来と同一ながら、 LED が丸く点灯するテールランプ
右:新デザインのアルミホイール。こちらは新設定された「フェリーヌ・スポーツ」のもの
本来の顔を得た ?

フェイスリフトを受けたモデルを前にすると、意外と以前の顔がどんなだったのか、なかなか思い出せないことも少なくありません。今回の 307 を前にしたときも、やはり前の顔をぱっとは思い出せませんでした。それだけ印象が薄かったのか ? といえばそんなことは無く、よくよく考えてみると、それだけ新しい顔が 307 というクルマにドンピシャだからではないか、という結論に達しました。

BMW が 7 シリーズなどで新しすぎるほどの強烈なスタイルをアピールし、その後量販車種である 5 シリーズや 3 シリーズでやや大人しいデザインに微修正したとき、新しいスタイルは多くのユーザーに支持されるという好結果を生み出しました。プジョーも同じように、 407 で新たな顔を打ち出してきました。どこまでも長い切れ長のヘッドライト、大きく口を開けたフロントのインテーク、そして鼻のような大きなプジョーライオンのバッジ。東京モーターショーで発表された 1007 に引き続き、この 307 にも同じ手法でデザインされたことが一目でわかるでしょう。この強烈な顔が、 307 のおおらかなボディに不思議とマッチしているのです。切れ長なヘッドライトは A ピラーからルーフへと続くなだらかなラインに繋がっています。広大な面積となったフロントウィンドウの重さは大きなバンパー開口部とバランスして見え、その中間に配されたプジョーライオンがフロントフェイスを引き締める。つぶさに観察すると、非常に理にかなったデザインであると思えるのです。

プジョー307
エアバッグを作動させて破いてしまうのが惜しいくらいのレザーダッシュ。(囲み写真)
もちろんシートの出来自体も素晴らしい。

ゴージャス & ハイテクインテリア

インテリアにおけるデザインの変更点はエクステリアと比べるとぐっと少なくなります。今回試乗したホッテストモデル、フェリーヌスポーツでは CC に見られたインテグラルレザーが広く採用され、ダッシュボードやドアトリムなども広く覆って高級感をアップさせています。色使いなどはさすがフランス車 ! と感心したものの、個人的にはドイツ車的な質実剛健なインパネの形状に対するこのレザーの使い方は後付け感が強く、ややちぐはぐだと思いました。

シートそのものは相変わらず素晴らしいもので、着座フィールやヘッドレストとのフィット感などどれをとっても最高の評価を与えられるでしょう。ただ、スポーツ走行をすると途端にお尻が左右に滑ってしまうので、スポーツ派の方には 2.0 や 2.0S のコンビレザーやノーマルのシートの方がおススメです。

メーターはクラシカルなデザイン。レザーの色使いにはぴったりなのですが、やはりセンターコンソールの機能的な形とのマッチングははてさて。一方、左右独立調整式となったエアコンや、純正デザインとなって一体感が増したオーディオなどの各種機能性の進化は二重丸。ちなみに、オーディオの動作状態はインパネ最上部のマルチファンクションディスプレイ上に表示されます。視点移動が少なくて済むので安全ではあるのですが、一瞬どこを見ればいいのかわからずに戸惑うことが度々ありました。

そして目に見えない大きな進化が、マルチプレックスと呼ばれる新しい通信ネットワークによって、すべての電子機器が繋がっているということです。報道向け資料にはフル CAN 化という文字が躍っていますが、これはつまるところ、クルマを走らせるためのコンピューターと、快適装備を動かすためのコンピューターを統合管理するようになったということ。 CAN ( Controller Area Network )というのは自動車向けの通信プロトコル、つまり通信の手続き方法なわけですが、その国際基準に従った通信手続きに従ってあらゆる機器を動かすようにしたことで、例えば ABS が作動しているときにハザードランプを自動的に点灯させるというようなことができるようになったわけです。なぁんだ、と思っちゃいそうなことですが、実は結構スゴイことなんですよ。

プジョー307
左:ダッシュボード中央上部に設けられたマルチファンクションディスプレイ。表示されるメニューをカスタマイズすることも可能。
右:クロームで縁取られたメーターはクラシカル。グレードによって文字盤はホワイトとブラックに分かれる。
プジョー307
左:デュアルオートエアコンを新たに採用。
右:ほとんどのグレードにマニュアルトランスミッションモデルを設定。走りにこだわるユーザーにはありがたい。カタログ写真にも MT モデルが多数掲載されている。
プジョー307
大柄なボディを忘れさせてくれる瞬間 !
プジョー307
ハンドリングの確かさという点ではライバルに一歩劣るものの、そのファンな走りはやはりプジョー。

原点回帰を強めた走り

フェリーヌ・スポーツは 307 シリーズの中で最もスポーティなモデルです。 2.0 L 直列 4 気筒 DOHC エンジンの最高出力 130 kW ( 177 ps ) / 7,000 rpm 、最大トルク 202 Nm ( 20.6 kgm ) / 4,750 rpm という数値は、ターボなどで武装したライバルと比べれば確かに見劣りしますが、自分のコントロールできる範囲内で思いっきり楽しむあたっては必要にして十分なパワーと言えるでしょう。その吹け上がり感は絶品とまではいかないものの、やはり高回転まで廻してマニュアルトランスミッションを駆使した走りが得意分野になるようです。とはいえ、プジョーをエンジンスペックだけで語るのは野暮というものです。その真骨頂はやはり、猫足と称されるどこまでもしなやかで路面に吸い付く足回り。特に今回のマイナーチェンジではこの猫足への回帰が非常に明確に伝わってきます。前モデルがドイツ車以上に固められた印象を受けただけに、この方向性の修正は多くのファンから歓迎されるでしょう。

電動油圧式のステアリングから感じるステアフィールはやや希薄なものの、シートから感じるクルマの挙動は非常にわかりやすく、限界に近いスピードまで追いこんでも突然リアタイヤがブレイクするような不安感はほとんど感じません。コーナリング時はじわっとロールして徐々にアンダーステアが顔を出しまずが、荷重を前に移動させてさらにステアリングを切り込んでいくと、やんわりと ESP が介入してスピンモードに陥ることを防いでくれます。

唯一残念だったのがブレーキのタッチ。すっと踏んだときはあまり制動感がなく、さらに奥にまで踏み込むと急激に立ち上がるという二段階タッチは最後まで慣れませんでした。フルブレーキかフルアクセル ! というフランス車の古い癖を思い出してしまいました。もう少しリニアな制動感の方がいいのではないでしょうか。

プジョー307
VVT システムを導入した最強スペックエンジン。
プジョー307
プジョーの走りが帰ってきた ! 積極的にプジョーのハッチバックを選ぶ理由の復活を、素直に喜びたい。

福を招くフェリーヌ

これまで全く同じ場所で同じように 307 シリーズを乗ってきた自分としては、今回の 307 の変化の方向性は非常に好ましいと感じます。強力なドイツ勢への対抗心のあまり、走りもデザインもドイツ車然としてしまい、その居場所を自ら失ってしまったように思えるこれまでのスタイルを、本来のプジョーが持っていたもの(求められていたもの)へと戻してきたこと。さらにプジョーを所有する喜びを満たしてくれる新しいエクステリアデザイン。それでいて安全性や快適性を大幅に向上させてきた内部の革新的な進化。それらの融合が、新しい 307 を本来の姿へと生まれ変わらせてくれたように思えます。

307 も属する C セグメントにはゴルフ、フォーカス、 C4 、 1 シリーズといった強力なライバルがひしめいています。気がつけば 307 もこれらモデル群の中で最古参に属するようになりましたが、今回のフェイスリフトを見る限り、その競争力が衰える心配はなさそうです。むしろ、 206 に飛びついたファンが感じたもの、プジョーという自らの選択が意味するカジュアルでやんちゃな、それでいて根本部分にしっかりしたポリシーを感じさせてくれるライフスタイルのイメージ、それが今回の 307 にはたっぷり含まれているのではないでしょうか。原点回帰と革新の融合がもたらすもの。プジョーの復活という福を招くに十分な力を与えられた 307 は期待大、ですね。

(引き続き、次ページのフォトギャラリーをどうぞ)


プジョー307
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