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tab_star2005/12/11tab_endVividMusic
ハーブ アルパート
あこがれのトランペッターの一人
以前、トランペット制作者のDick Akright氏を紹介した。
トランペットは私の生涯を通じての趣味となったのだが、トランペットを吹き始めた頃に良く聴いたのはニニ・ロッソ。ソノシートのレコードを摺り切れるまで聴いた。だけど、当時を思い出してみると、ハーブ・アルパートの軽快な音楽はいつもラジオから溢れ出ていた気がする。もっとも記憶に残るのは、オールナイトニッポンの主題歌で流れていた曲、ビタースウィート・サンバ、そうあの曲である。
文:永山辰巳
協力:KING RECORDS(写真提供)

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永山辰巳icon_home永山辰巳
[VividCar 元編集長]
2006年、VividCarはプロフェッショナルなブロガーを目指します。創刊以来5年を迎え、ちまたのブログサイトとは一線を画するVividCarは、ネットワーク知識編纂をビジョンに確実にコンテンツを増やしながら未来のWebBookメディアを開発してきました。私たちはこれをWebフォトジャーナルシステム呼びます。生涯にわたり記録し続け知識を編纂する楽しみをごいっしょに。
Herb Alpert
ハーブ・アルパート
Herb Alpert
1935年、3月31日、ロサンジェルス生まれ。8歳からトランペットを始める。
元祖インディーズ!

 こうして彼のことを紹介するためにいろいろと資料を参考にしてみると、彼が元祖インディーズ的な足跡で素晴らしい業績を残しアメリカンドリームを達成したことが解った。
1960年代のアメリカにおいて、まだ音楽ビジネスが確立していない時代に彼は自宅のガレージを改造してスタジオを作り、わずかな手元資金でレコードを出版した。それがすこしづつ軌道に乗り、有名なA&Mを設立することになったのである。

 とは言え、私にとっての原体験は、オールナイトニッポンの主題歌である、ビタースウィート・サンバ(Bittersweet Samba:1965)、ジス・ガイ(This Guy's in Love With You:1968)、ライズ(Rise:1979)あたりであろうか。特に、ジス・ガイは、バート・バカラックの傑作の一つだが、彼の歌声がバカラックの哀愁にピッタリとはまっている。

 いつだったか、米国でこの曲が大ヒットするきっかけになった、CBS-TVでの彼のスペシャルショーの中で使われたビデオを視た。浜辺で奥さんに愛を謡う曲なのだが、いまでいうところのプロモーションビデオである。これがTVでオンエアされてたいへんな話題となり、シングルがリリースされたのであるから、まさに彼は今では当たり前になっているミュージックシーンにおけるビジネスノウハウを次々と成功させたことになる。

 そして、ライズでしょう。世の中ディスコブームだったのですが、この曲ライズは、なんとスローテンポで登場し、汗を流して踊りまくるダンス基調に輝ける存在感を示し、79年度のグラミー賞「ベスト・ポップ・インストゥルメンタル・パフォーマンス」を獲得しています。

 子供の頃はニニ・ロッソを聴き毎日トランペットを練習したものですが、彼、ハーブ・アルパートは、時代のミュージックシーンに対して常に新鮮なフレーズを提供してきて、いつか彼のように吹きたいと思わせてきたのでしょう。決してテクニックで迫るような演奏ではないのですが、彼の演奏スタイルは誰も真似ることが出来なかったと思います。

 
Whipped Cream
WHIPPED CREAM & OTHER DELIGHTS / Herb Alpert & Tijuana Brass
邦題名:蜜の味
1965年

ライナーノーツには、豊富な写真が掲載されているが、ここに写る彼の楽器は、ベンジーである。当時の西海岸のスタジオミュージシャンが好んで使ったトランペットである。
WHIPPED CREAM & OTHER DELIGHTS

 ハーブ・アルパート&ティファナブラス、10代の頃、幾度もラジオからこのネーミングを聴いた。ハーブ・アルパートが人の名前でトランペットを吹いている人という認識はあったが、そのあとのティファナブラスという響きがとても気持ちよかった。軽快な音楽、マリンバや打楽器が面白く使われていて、当時のラジオというとても狭い音域ながら、いつもすぐにそれと解る曲ばかりだった。

 このアルバム、A Teste of Honey(邦題名は蜜の味)には、オールナイトニッポンの主題歌になった、Bittersweet Samba(ビタースウィート・サンバ)が収録されているが、実際にCDをかけてみると、冒頭のA Teste of Honeyの方が自分の記憶の中では鮮明なのは意外だった。たぶん、Bittersweet Sambaは深夜放送のテーマソングとしてのイメージが強すぎて、楽曲としての印象が薄いせいかもしれない。もっとも、その意味では、69年の「マルタ島の砂」の方がさらに強烈な印象がある。記録としてはオリコン4位ということらしいので、ラジオからいつも流れていたのだからそれもそうだろう。

 当時ラジカセがなく、オープンリールのテープレコーダーだったので、いつもラジオから流れている音楽を捕まえることに躍起だった時代。そんな日本の時代を席巻したトランペッターが、ハーブ・アルパートであり、軽快な音楽をグループとして達成したティファナブラスなのである。
The Lonery Bull
THE LONERY BULL / Herb Alpert & Tijuana Brass
邦題名:悲しき闘牛
1962年

最上段の彼のポートレートと最下位段のハーブアルパート&ディファナブラスの写真は、このアルバムに掲載されています。
THE LONERY BULL

 1962年のハーブ・アルパート&ティファナブラスのデビューアルバム。「ティファナブラスよりずっと前、LA界隈の結婚式やパーティーで演奏する機会がたくさんあって、当時のポピュラーソングを耳で覚えてトランペットで吹くことができた。そして、1962年にメキシコのティファナで初めて見た闘牛にインスパイアされた僕は、その時感じた気持ちを音楽で表現する方法を見いだした」(ハーブ・アルパート/ライナーノーツより)

 大ヒットの要因は、このハーブ自身の言葉にあるように、当時の米国人が非日常的な夢の国として描くメキシコを米国人が演奏したことで、イメージとしてのメキシコを鮮明に伝えることに成功したのでしょう。実際、今聴いてみても、さんさんと輝く太陽、仕事よりも遊びに夢中になるような、快楽的なメッセージを受け取ることが出来ます。

 4曲目のDesafinado(デサフィナード)は、特に洗練されて米国のポップミュージックによるラテン表現の典型のようにも思えます。ハーブの演奏スタイル、ストイックなジャズではなく、吹き出す音よりも軽く飲み込む音が特徴で、もともと彼のトランペットの音色がラテン的で、それはもしかしたらメキシコの純正のマリアッチ・ミュージックから影響を受けていたのかも知れません。

 これは全くの想像ですが、当時の日本人にとっても遠い海外を鮮明にイメージできるインターナショナルミュージックだったのかも知れませんが、音楽的には短調の哀愁漂う雰囲気が日本人の心を捕らえたのでしょうか。
South of The Border
SOUTH OF THE BORDER / Herb Alpert & Tijuana Brass
邦題名: 国境の南
1964年
SOUTH OF THE BORDER

 2曲目のThe Girl From Ipanema(邦題名:イパネマの娘)を聴くと、彼がアップテンポの曲をメローでスローテンポに料理することがとても上手であることがわかる。これがライズを生み出したのだろうか。このアルバムになぜイパネマの娘が収録されているかと言えば、この年、スタン・ゲッツとアランラッド・ジアベルトのレコードが全米5位を取りボサ・ノバ ブームが起こったからである。The Girl From Ipanemaは、ジャズにボサノバが融合した記念すべき作品であり、彼がトランペッタとして挑んだことは想像に難くない。

 彼自身の言葉では、6曲目のMexican Shuffle(メキシカン シャッフル)が新境地を開いたと語っているが、この曲を聴く限り、彼のスタイルを強烈に生かしたメロディーとアレンジであることが解る。それは、8曲目のAll My Loving(オール・マイ・ラビング)でも踏襲されており、軽快な理由は力強いシャッフルとそのストップアンドゴーにある。

 演奏技術面では、メローな吹き方と歯切れのよりシンコペーションのコントラストが素晴らしく、このアルバムでほぼそのスタイルは完成していると思う。
Going Places
GOING PLACES / Herb Alpert & Tijuana Brass
邦題名:ティファナ・タクシー
1965年

最上段の彼のポートレートと最下位段のハーブアルパート&ディファナブラスの写真は、このアルバムに掲載されています。
GOING PLACES

 冒頭一曲目のTijiuana Taxi(ティファナ・タクシー)を聴けば、言うことなし。これもたくさんラジオから流れました。一度聴いたら忘れられない愉快な曲、そして、クラクション。グループがノリにノっている雰囲気が楽しく伝わってくる。

 トロンボーンの存在感が生まれ、他の楽器の編成も厚くなっている。それまでのメキシカン路線に対して、米国ジャズの本流であるディキシーや、LAならではポップなサウンドがバランス良くミックスしている。
 
 この時代のHerb Alpert & Tijuana Brassの代表作と言って間違いなく、5枚全部買えないという方は、絶対にこの一枚は入れて下さい。

 A Walk In The Black Forest(森を歩こう)やAnd The Angle Sing(天使は歌う)など、日本人にとって心地よい楽曲が全部で12曲。特に好きなのが、And The Angle Sing(天使は歌う)。なぜかこの曲を聴くと坂本 九さんの「上を向いて歩こう」とイメージがダブる。
Lost Treasures
LOST TREASURES / Herb Alpert & Tijuana Brass
邦題名: ロスト・トレジャーズ
ハーブ本人による63年〜74年録音の未発表曲を集めたもの。
LOST TREASURES

 さて、最後に紹介するのは、ハーブ本人が選曲した未発表、未CD化作品合計22曲を収めたまさにLOST TREASURES。これは買わなくていけません。この時代のA&Mにとって、バートバカラックとのコラボレーションがとても重要だったことも解ってくる。先に紹介したように、This Guy's in Love With Youの大ヒットは、ハル・デイビッドとバート・バカラックのコンビにとって、次を狙うことになる。それは、(They Long To Be)Close to Youだったのだ。
 
 ここに収録されているClose to Youはなんとボツになった、ハーブが謡ったバージョン。収録してプレイバックしてみると、歌詞がハーブには似合っていないということになり、リチャードとカレンにこの曲が託された。そう、そして世界的なヒットとなったのである。A&Mは、あのカーペンターズを世に送り出したレコード会社なのである。皮肉にも、カレンが謡うClose to Youはとてもスローで謡いこんでいるが、彼のオリジナルではアップテンポなのである。

 バカラックファンの私には、さらに、Raindrops Keep Falling on My Head(雨にぬれても)が収録されていたり、Killing Me Softly(やさしく歌って)なども 。彼の歌うような演奏が十分に楽しめる。ところで、ハーブが歌ったThis Guy's in Love With Youは確かにとても良い。それはまさに彼の妻に対する愛情そのものが込められているかも知れない。でも、Close to Youを歌って自信をなくしたというが、実際、I'll Never Fall in Love Again(恋よ、さようなら)を聴くと、それも致し方ないと思うのである。
The Tjjuana Brass
青春の一ページ

 いつものようにレコード店(とは今は言わないですね、思わずそう書いてしまうところが、笑えますが)を歩いていたら、ハーブアルパート&ディファナブラスのCDコレクションが並んでいて、懐かしさのあまり5枚とも買ってしまいました。こうして聴き終えてみて、自分の青春の一ページを垣間見るような音楽の数々。そして今でも新鮮で美しいメロディーライン。売れれば何でもOKというな厳しい音楽シーンにありながらしかもレコード会社を経営する重役でありながら、ライズをヒットさせたりと、彼の人生に学ぶことはたくさんありました。

 貴重な彼自身のコメントも多く記録されており、曲が生まれた背景やハーブの音楽性のバックグランドが良く理解できる文章もあり、こうしたCDが企画されたことに感謝したいです。子供の頃に、いつかあんな風に吹けたらと思いながら練習したトランペットと自分の気持ちがこんなにも蘇るなんて、音楽の持つ永遠の記憶に嬉しくなりました。

 いつの日か、彼に会えたら...そんな夢が膨らんだ一日です。
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PEUGEOT_206 CC_M
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PEUGEOT 206 CC
ハーブのトランペットの音色をクルマに喩えるなら?
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Herb Alpert Website
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英語です。インタビューコンテンツなどファン必見。
King Records
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This Guy's in Love With You(A&M 925)は、ハーブ・アルパートの最大のヒットソングであり、68年6月22日付け、29日付、7月6日付、13日付の4週連続一位。
ミリオンセラーとなる。
また、69年にはバカラックのナンバーを好んで謡う、ディオンヌ・ワーウィックが「This Girls in Love With You」というタイトルで、大ヒットとなった。
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