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tab_star2006/01/06tab_end元気なハッチバック
思い出精製マシーン アルファロメオ アルファ 147
安全性や環境性、機能性と同じように、「走りの質感」と呼ばれる性能も現代のクルマでは強く求められる。前者は絶対的な数値や特性として認知しやすいが、後者は多分に主観的要素が含まれるため、本来、一概に評価することが難しい。しかし、「クラスを超えた走りの質感を手に入れた」「走りの質感は極めて上質」というように、新しく登場したクルマを評するのにこれほど便利に使われる言葉はない。デビューから 4 年が経過しフェイスリフトを受けるも、同クラスのライバルに対してメカニズム的には一世代前のものとなったアルファ 147 だが、このクルマ以上に「走りの質感」という言葉が当てはまるクルマが他にあるだろうか。
文と写真=山中航史( VividCar.com )

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山中航史 icon_home山中航史
[WEBディレクター]
S2000とMINIコンバーチブルという、こよなくオープンカーを愛するおっさんです。そろそろお腹と白髪が気になりだす年頃。でも「Always Open!」
Alfa 147 Ti
アルファ 147 とは

80 〜 90 年代に活況を失っていたアルファロメオを復活させたモデルが、 1998 年に導入されたアルファ 156 と、続く 2001 年に登場したアルファ 147 だ。

兄弟関係にあるこの 2 台は、その洗練されたスタイルと走りの楽しさで多くのファンを獲得。日本におけるアルファロメオの認知度アップに大きく貢献した。特に 147 は、上位モデルである 156 譲りの装備や質感により、一躍プレミアム・コンパクトハッチの中心的存在となった。 2003 年には 3.2 リッター V6 エンジンを搭載した最上級モデル、 GTA が追加され、そして 2005 年、 156 のフェイスリフトを追いかけるように、内外装をリフレッシュしたニューアルファ 147 がデビューした。

Alfa 147 Ti
切れ長のヘッドライトが、ブレラや 159 といったジウジアーロ系のマスクをイメージさせる。
Alfa 147 Ti
一見リアスタイルの変更点は少ないようだが、わずかにテールライトが大型化している。
ナイト・エクステリア

ニューアルファ 147 で最も目を引くのが、次世代アルファのトレンドを先取りしたフロントフェイスだろう。 147 のシンボルたる盾型グリルはややサイズアップするとともに前方に突き出され、優しい表情を見せていた雨滴型ヘッドライトは横長のシャープなものに変更された。大型化されたロアエアダムなど、ぐっと攻撃的なスタイルへと変ぼうしている。ヨロイをまとった中世の騎士のような面構えは、特に先の顔に慣れ親しんだ人たちの間ではあまり評価されていないようだが、従来のものからわずかな変更しか受けなかったリアエンドとの整合性がようやく取れた、と言えるのではないだろうか。

やや延長されたフロントオーバーハングは、実際停止しているときには間延び感を感じさせるものの、走り去る姿は明らかに従来モデルよりも印象深い。突き出されたグリル、後ろにいくほどボリュームを増すキャビンが中世の武器、馬上のランス(槍)のような迫力を見せるのだ。

Alfa 147 Ti
内装の組み立て精度はドイツ車にひけをとらない。さらに左右で最大 7 度の差をつけることのできるデュアルゾーンエアコンや CD-R 対応オーディオシステムなど、装備面でも抜かりはない。
Alfa 147 Ti
3 眼式からオーソドックスなスタイルに変更されたメーターパネル。イタリア語の表示としては他に「Benzina(ガソリン)」がある。
Alfa 147 Ti
シートヒーターが装備されているフロントシート。冬場、乗り込んだ直後の冷え切った車内でも、レザーの冷たい感触に我慢する必要がなくなるのが嬉しい。
空間設計に優れたインテリア

4 年間の熟成を経たアルファ 147 のインテリアは、一目見て古さを全く感じさせないほどの高いクオリティを獲得していることがわかる。荒めのシボながら安っぽさを全く感じさせない表面処理や、アルミ調のセンターパネルなど、目に入る部分のクオリティの高さはもちろんだが、実際に乗り込み、ドアを閉めてドライビングポジションを整えると気がつくことがある。それは「居心地のよさ」であり、走りの邪魔になるものがない「気持ちよさ」だ。

大型化したライバルに対し全幅で 30 〜 110mm 狭く、全高で 10 〜 50mm 低いボディサイズそのままに狭い車内スペースは、さらに小さめのグラスエリアや、 3 つ並んだリアシートの大きなヘッドレストのために視界的にも窮屈さを増している。しかし、部屋の家具の色調や高さが揃うかのごとく、室内はルーフに至るまで落ち着いた黒で統一され、ドライバーの意識を前へと集中させてくれる。外径がわずかに 360mm しかないステアリングホイールはちょうど握り手の辺りで微妙な楕円を描き、小指に加えたわずかな力だけで容易く廻すことができる。メーターとの距離、ドアミラーとの距離、助手席との距離、背後に感じる空間、それら全てが無意識のうちに自分の意識の範囲内に収まっていることに気がつく。

さらに個々のデザインにも、表面的な美しさだけではない「心地よさ」が内在している。どんなに美しい椅子でも、腰掛けたときに心地よく体にフィットしなければ優れたデザインであるとは言えない。赤いステッチをあしらったスポーツレザーシートは、腰掛けた瞬間にわき腹に感じるフィット感と、肩から上の開放感のバランスが絶妙だ。このバランスがスポーツドライビング時の上半身の自由な動きと、下半身をがっしり固定して身体の軸をブレさせない機能性から導き出されたものだと気がつくのに、そう時間はかかならないはずだ。

Alfa 147 Ti
左上: TI エンブレムの入ったスカッフプレート & フロアマット。
右上:セレスピードの CITY モード切替スイッチは小さめ。ロジックの改良により、エンジンを OFF にしても設定がリセットされなくなった。
左下:シートヒータースイッチの設置場所はシート外側後方にあり、ドアを閉めると手探りでもやや見つけにくい。
右下:光り輝くハッチゲートのメッキバーと TI エンブレム。
また、“丁寧に生きる”ことに長けたイタリア人ならではの心遣いも随所に感じることができる。例えば、食事の際にお皿の下に1枚のランチョンマットを敷くだけで、いつもとは違った食事空間を作り出すことができるように、 147 の新しいメーターパネルの上には数値を読み取るため以上の世界が広がっている。外側に描かれた 2 本の白いライン、、さりげなく施されたクロームの縁取り、マットブラックのパネル上には白い文字と赤い針。そして「Acqua(水温)」「Giri(回転数)」といったイタリア語の文字が、見るたびに新鮮な感動をドライバーに与えてくれるだろう。

そう、走っている時に最も美しく見えるエクステリア、走る際の居心地の良さに優れたインテリア。どちらも「走りの質感」を構成する要素であったわけだ。

Alfa 147 Ti
かつての名車のサブネームの一つが「TI」=トゥーリズモ インテルナツィオナーレ(Turismo Internazionale)だ。アルプスを越え大陸を縦横に駆けめぐる俊足サルーン、というイメージが、今回試乗した 147 にも与えられている。
Alfa 147 Ti
156 が JTS と呼ばれる新世代 4 気筒エンジンにバトンタッチしてしまった今、この挑発的なツインスパークは、それだけでこの車を選ぶ価値があると言わしめる味わいをもたらしてくれる。
Alfa 147 Ti
セレスピードは AT でもあり MT でもある、というところが時々ユーザーの操作感覚を混乱させる。一度頭の中をリセットし、セレスピードとしての操作タイミングを新たにインプットすることからスタートしよう。
Alfa 147 Ti
215/45R17 というビッグサイズの TI 専用ホイール。センターから伸びる 10 本スポークがサイズ以上の大きさを感じさせる。

爽快感という名のエンジン、そしてハンドリング

人はなぜドライビングという行為に執着するのだろうか。ここに一つの例がある。「運動」と「労働」はどちらも身体や精神を酷使する活動でありながら、大きな違いが存在する。「運動」には時間的、精神的、空間的束縛がないが、「労働」は時間とやることがあらかじめ決められていて、そこには選択の余地がない。気持ちのよい運動を行うためには、好きなときに好きなだけ運動をやる、という自由が必要なのだ。つまり、運動は精神的な束縛感を排除し、爽快感を得るためのものともいえる。

そう、ドライビングはまさしくこの爽快感を得ることのできる行為なのだ。とはいえ、単に目的地に向かって、できるだけ速く、できるだけ楽にたどり着くことだけを考えれば、そこに安心感や安堵感はあっても、爽快感は生まれてこない。そもそもクルマとは、人間の活動限界を拡張してくれるもの。ドライバーの思うがままに走ることができたとき、その爽快感は何倍にも拡張されたものになるはずだ。

アルファ 147 のドライビングは、そんな爽快感を生んでくれる特性に満ちている。熟成の極みに達した 2 リッターツインスパークエンジンは、アクセルペダルを踏み込んだときのレスポンス、回転とともに盛り上がるパワー感とストーリー性、そしてなによりも、ビブラートのかかった低音に心地よい高音が重なるエンジンサウンドなど、「音」、「レスポンス」、「リニア」といった気持ちよさを生み出す魅力に溢れている。裏を返せば、低速トルクの少なさを補うにはクロスしたギア比にせざるをえず、きちんと混合気を燃やすにはプラグが気筒あたり 2 本必要になってしまったという古さの表れでもあるのだが、アナログレコードにしか出せない味わいがあるように、 147 にしか出せない走りのスタイルとして確立されている。

ツインスパークエンジンとともに 147 の走りのスタイルを決めるもの、次はシーケンシャルトランスミッション「セレスピード」だ。それまで一部のマニアだけのものであったアルファロメオを一般レベルにまで拡大させ、一躍お洒落なこだわりクルマへと昇華させた最大の功労者とも言える「セレスピード」。スポーツ走行をしたい時はパドルシフトを駆使して思いのままにシフトチェンジを行い、 F1 パイロット気分を味わえる。また、いざとなれば CITY モードでのんびりクルージングを楽しむこともできる。

このコンピューター制御の油圧式マニュアルミッションは、その基本構造故にクリープ現象を持たない。また、シフトチェンジにかかるタイムラグのため、スムーズなドライビングには適度なアクセル操作というある程度の慣れが求められる代物だ。誰にでも楽に扱える、という先進工業製品の一基準から見れば辛い評価を与えざるを得ないが、自在に操れたときの気持ちよさはマニュアルトランスミッションを上回るかもしれない。すぐには手に入れることは難しいが、手に入れれば大きな満足感を与えてくれる「走りの質感」、それが「セレスピード」というシステムだろう。

147 の走りのスタイルを決める最後のポイント、それがロック・トゥ・ロックが 2.2 回転しかない「超クイックなステアリング」だ。特にこの「TI」では車高が 15mm 下げられたスポーツサスペンションを装備する。加減速時のピッチング量やコーナリング時のロール量は明らかに少なく、素早いステアリング操作とのズレを全く感じさせずにクルマの向きを変えることができる。

例えば中速で進入するようなコーナー。まずセレスピードを駆使して 5 速から 3 速までシフトダウン。マシンが自動的に行ってくれる美しいブリッピングサウンドを 2 度聞きながら、リニアに効くブレーキを強めに踏み込み減速。すぐさまブレーキを離しながらスッとステアリングを切り込んでいく。やや軽めのステアフィールではあるが、ドライバーの意識と完全にシンクロしたかのような挙動を示してクルマは出口へと向かっていく。こうしたシンクロ体験をもっと重ねたいがために、普段よりも思わず遠回りして目的地に向かってしまう、そんなこともしばしば起きてもおかしくないほどだ。

Alfa 147 Ti
全てがドライバーに気持ちよさを与えるための走りへと繋がるアルファ 147 。 1.6 リッター+マニュアルトランスミッションという組み合わせも見逃せない。

移動そのものも楽しみに変えてしまう「走りの質感」

アルファロメオという名は、その歴史と個性故にクルマ好きを熱くさせずにはいられないブランドだ。ただ性能的に優れたマシンでは、ここまで人の心に残ることはなかっただろう。一体何が人の心に訴えかけてきたのか。

とある家の中。自分が心地いいと感じる場所があったとする。家具が高級だったり空調が快適だったりというだけでは、心地いいというレベルにまでは達しないだろう。そこでの思い出、そこに置いてあるものを手に入れたときの思い出が楽しければ楽しいほど、そうした「自身の“記憶”に優しく包まれていることを認識する」=「心地よさを感じる」ということではないだろうか。アルファ 147 の走りも同じだ。「心地いい」=「アクセルを踏む、シフトチェンジをする、ブレーキを踏む、ステアリングを切ることにわくわくする。」「一連の操作がスムーズに行けばとても嬉しい。」そんな思い出を重ね続けることのできるクルマ、それがアルファロメオであり、 147 なのだ。





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Alfa 147 Ti
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ALFAROMEO 147
最新プレミアム スポーティー コンパクトカー
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フィアット オート ジャパン株式会社(アルファロメオ)
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VividCar 編集部の 147 評価
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ALFA 147 1.6 TS 5 Dr 試乗
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アルファ159 Photo Gallery
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