 |  |  | | | TVR サガリス Eternally, but Instant. | | 孤高の虎 |  | つい最近、TVR の工場がブラックプールに残るというニュースが届いた。ピーター・ウィラー氏から若きロシア人、ニコライ・スモレンスキー氏へとオーナーが変わって以来、工場閉鎖や移転の噂が流れていたが、どうやら落ち着きを取り戻してきているようだ。 そんな TVR の最新モデル、サガリスに乗る機会を幸運にも得ることができた。わずか一夜だけの短いデートではあったが、こんなに印象的なデートは当分忘れられそうにもない。
|  | 文・写真=山中航史(VividCar.com)
|  | |
|  |  |  |  |  |  | 山中航史 [WEBディレクター] |  |  |  | | S2000とMINIコンバーチブルという、こよなくオープンカーを愛するおっさんです。そろそろお腹と白髪が気になりだす年頃。でも「Always Open!」 |  |
|  |  |  |  |
 |  |  |  |  | | 撮影中はつねに人だかりができてしまうほどの注目を集めたサガリス。全長×全幅×全高= 4,057 × 1,850 × 1,175mm /ホイールベース= 2,361mm /車重= 1,078kg /駆動方式= FR/エンジン= 4 リッター直 6 DOHC(380bps/7,000-7,500rpm、48.3kgm/5,000rpm) |  |
|  | ザ・ロードレーサー
TVR の最新最上級モデル、サガリスが発表されたのは、2004 年のバーミンガムショー。同じ年の 7 月から本国イギリスではデリバリーされている。日本導入は昨年秋からこれまでどおりオートトレーディングの手で行われている。
ベースとなった T350 の面影を随所に残しつつも、かなり攻撃的になったフロントフェイスは圧巻。低くすくい上げるようなフロントスポイラーはいかにも空力に効果がありそうだ。反面、わずかな段差にも気を使わなければならない。
いかにもレーシングカー、というポリシーはスタイルだけではない。TVR 内製の 4 リッター ストレート・シックスはフロントミッドシップに搭載され、380 bhp のパワーをたたき出す。1 トンをわずかに超えるだけの車重とあいまって、0-60 マイル/h 加速はわずか 3.7 秒という実力を持つ。公道を走るルマン・カーという例えに偽りは一切なし、である。 |
|  |  |  |  |  |  |
|
|  |
 |  |  |  | | オーディオユニットの両サイドのスイッチが、それぞれドアロック解除&パワーウィンドウの昇降用。分かっていても降りるときにドアノブを探してしまうのがご愛嬌。 |  |
|  | 鮎の香りがする室内
一通りエクステリアを堪能した後、ご存知ドアミラー底のスイッチを押してドアを開ける。ちょっと頼りげない位軽いドアにこのクルマがチューブラーフレームに FRP ボディを懸架した古典的なスポーツカーであったことを思い出す。
しかし、シートに身を沈めてドアを閉めた瞬間に気がついた、「お、かなりまともじゃん」。
以前乗ったタスカンや、サガリスのおじいさんにあたるタモーラでは、ドアの開閉感がズレが残ったり、ウィンドウが完全に閉まらなかったりと「まぁ仕方ないよね」と苦笑する部分が少なくはなかったのだが、サガリスに関してはそんな印象は全く感じなかった。後で知ったのだが、サガリスには TVR で唯一の 2 年保証がつくとのことだ。
一見して T350C と同じに見えるインテリア。独特の操作系はコクピットドリルなしに使いこなすのが困難に見える。というのもどのスイッチが何の機能を果たすのか、文字はおろかアイコンもほとんどないからだ。しかし、それ故に異空間に迷い込んだような軽い酩酊感を味わうことができる。怪しいグリーンの発光色とイルカのような曲線を描くダッシュボードをしばし眺めていたら、どこからか鮎の甘い香りがしてきたような気がしてきた。 |
|  |  |  |  |  |  |
|
|  |
 |  |  |  | | 時計回りの速度計(左)に対し、半時計回りの回転計(右)。ただし、ドライブ中はほとんどこのメーターを見ることはない。ダイレクトに響くエンジンサウンドだけで十分把握できるからだ。 |  |
|  | エスコートの儀式
TVR のエンジン始動にはコツがいる。単純にキーをひねれば即始動というわけにはいかない。キーのスイッチを操作してセキュリティの解除がまず必要なのだ。そしておもむろにキーをひねると、意外にも一発でエンジンに火が入った。遮音材など全く感じさせない、シリンダー内の爆発を直に感じることのできる荒々しい鼓動にしばし酔う。そう、サガリスはすぐに発進してはいけない。様々な情報を映し出すデジタルメーターの水温が十分な数値になるまで暖気が必要なのだ。次第に回転が滑らかになる変化を楽しもう。 |
|  |  |  |  |  |  |
|
|  |
 |  |  |  | | また食べたいあの料理・・・また泊まりたいあのホテル・・・そんな理屈では説明できない「うまい!」「気持ちいい!」を得たいなら、迷うことなくサガリスを手に入れることをオススメする。ただし、有名人の方は変装を忘れずに。 |  |
|  | リフレッシュを楽しもう
スコッと収まるシフト操作は何も気を使う必要がない。ハイ・レスポンスなエンジンの回転数に注意しながら、剛性感溢れるアクセルとクラッチペダルの操作に集中できる。
革張りのロールケージがぐるりとまわりを囲むが、走りの剛性感は最新のモノコックボディとは全く異なるタイプだ。モノコックの 3 次元的なねじれ感に対し、こちらは収縮感というか、2 次元的な動きのようなものを感じる。何度かのシフトチェンジを経て加減速を繰り返すうちに、どこかで同じような感触を味わったことを思い出した。そう、フルレストアされ補強が加えられた S30 Z と非常に良く似ているのだ。ECU コントロールながらまるでキャブ仕様かのような鋭いレスポンスを示すエンジン、心地よい振動、ロングノーズを実感させるステアフィール・・・うん、今私はスポーツカーをドライブしている!
さて、楽しい時間はあっという間に過ぎ去ってしまう。そろそろまとめに入ろう。1,300 万円を超えるプライスを払ってまで乗る価値のあるクルマかと問われれば、正直即答に窮してしまう。同じお金で買えるもっと高性能なクルマはいくらでも存在するからだ。ただし、自分だけの世界に入り込めるクルマは世の中広しといえど TVR だけだろう。フェラーリやポルシェではなにもかもが”知られすぎている”のだ。乗り込めば自分だけが乗りこなせる、一瞬たりとも油断することのできない時間が始まる。もちろんドライブ後にはそれなりの疲労感が残る。でも、それがスポーツというものだ。体を動かした後に残るもの、そう、すっきり感。サガリスでのドライブを終えてクルマを降りたときに感じた「また逢いたい(乗りたい)」という誘惑。やばい、これは相当効く「媚薬」だ・・・ |
|  |  |  |  |  |  |
|
|  |
|
|  |  |  |  |  |  TOTAL CAR LIFE AGENT SANC. http://www.sanc-auto.co... 今回の試乗にご協力くださった SANC. さんのサイトはこちらから。TVR やロータスを始めとする各種輸入車を取り扱っている。店舗はさいたま、大阪、福岡にて展開中。 |  |
 |  | |  |  |  |  | マーロー マーロウ、ホテルコンプリートアングラー周辺の写真集
|  |  |
 |  | |  |  |  |  | TVR 本社を訪ねた 私は、その後 TVR 本社へは何度か足を運んだ。最初は、ある人の付き添いというか、アドバイザーとして同行した。去年(2000 年)の春先だったと記憶している。 英国スポーツカーを創り出している TVR。初めて訪ねて以来、その印象はさらに素晴らしいものになってきている。 そうだ、今の私にはもっとも興味深く、そして気になって仕方ないクルマなのだ。
|  |  |
 |  | |  |  | TVR 訪問記 工場が閉鎖されたとか、大規模なレイオフがあったとか、いろいろな噂が飛び交っている TVR に行ってきました。
|  |
|