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tab_star2006/06/25tab_endVividAudio
最高の素材、真空管を生かしたアンプ造り
ドイツ、OCTAVE社 HP 500 SEとMRE 130
 1958年生まれの私にとっては、真空管アンプは、オーディオ登竜門の一カテゴリだった。各種メーカのキット製品も豊富だったし、専門誌には、毎号製作記事が載っており、半田ごての大好きな男性諸氏は、さまざまなコンセプト、特徴のある回路、好きな真空管を選んで製作に励んだものだった。ところが、真空管がなくなる...という噂が先か、ソリッドステートの新技術、出力戦争の中で、徐々に過去のものとして衰退していったのである。
 ところが最近、真空管アンプはその昔よりも質も量も超えて勢いが止まらないという。そんな古くて新しい真空管アンプの代表格を紹介して貰うこととなった。
文・写真:永山辰巳
協力:Refino & Anhelo 竹中章雄氏

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永山辰巳icon_home永山辰巳
[VividCar 元編集長]
2006年、VividCarはプロフェッショナルなブロガーを目指します。創刊以来5年を迎え、ちまたのブログサイトとは一線を画するVividCarは、ネットワーク知識編纂をビジョンに確実にコンテンツを増やしながら未来のWebBookメディアを開発してきました。私たちはこれをWebフォトジャーナルシステム呼びます。生涯にわたり記録し続け知識を編纂する楽しみをごいっしょに。
オクターブとルーメンホワイト
石丸電気株式会社/Refino & Anhelo 試聴室
〒113-0034
東京都文京区湯島1-1-8
TEL:03-3251-1500
 
オクターブ真空管
SACDプレーヤー GOLDMUND :EIDOS19-2CH
税込カタログ価格:1,575,000円
プリアンプ:OCTAVE HP 500 SE
税込カタログ価格:1,575,000円
パワーアンプ(両サイド):OCTAVE MRE 130(モノラル)
税込カタログ価格:1,764,000円(ペア)
パワーアンプ(中央):OCTAVE RE 280 MKII(ステレオ)
税込カタログ価格:924,000円
 前回のルーメンホワイトの取材の時に、珍しく高能率なスピーカであることを知り、また、響きの美しい音色を持っていることから、ひょっとして真空管アンプで鳴らしたら、また違った魅力が引き出せるんじゃないかと考えた。

 ゼネラルマネージャの佐藤氏は、ぜひ、オクターブ(OCTAVE)社のアンプで聴いてみてくださいと進めてくださったので、今回は、前回の構成のうち、FMアコースティック社のプリアンプ、メインアンプをオクターブ社のHP 500 SEとMRE 130に換えての「夢のオーディオ」試聴となった。
ルーメンホワイトを真空管で
ルーメンホワイトの鳴りは、FMアコースティック社のアンプのそれとは一変した。やはり、真空管とソリッドステートの違いは明白です。だからこそ、その個性が今日まで生き残ったのだろう。しかし、オクターブの音は真空管アンプの典型か?と思うと、カテゴリにはまっていない相当にオリジナリティーの高い音を持っている。
真空管という選択

 真空管アンプの魅力、一般的な音の傾向を考えるならば、どこかフワッとした音色で、カチッとしすぎない音像、つまりソリッドステートのアンプが寒色系のイメージに対して、真空管は、暖色系のイメージだろう。その昔憧れたのはタンノイを真空管で鳴らすような、年季の入った人が、人生の行き着いたところで楽しむような、そういう趣味性を感じていた気がする。
 そんなわけだから、いままで真空管アンプを所有したことはないのだが、昨年、JBL4348を購入する際に、いろいろ聞き比べて、マッキントッシュのMA-2275を選択した。マッキントッシュの真空管アンプとJBLの組み合わせは、これぞJAZZというような濃密で、ガツン、ゴリゴリという量感、存在感を押しつけてくる。一発で気に入ってしまった。現代の真空管アンプを購入して楽しんでみると、そこには、過去の真空管アンプのネガティブなイメージなど消え去ってしまったのである。

 だから、前回、ルーメンホワイトのスピーカで、トゥーツ・シールマンスのハモニカを聴いたときに、FMアコースティック社のアンプももちろん良いが、もうちょっとアクの強い真空管アンプで鳴らしたらどんなサウンドが見えてくるのだろうかって楽しみになったのである。(真空管アンプがアクが強いというのは私の偏見である)

 竹中氏が、オクターブの真空管アンプの驚異的なS/N比を持っていることをルーメンホワイトで説明してくれた。それは、アンプのボリュームを12時から3時方向まであげていっても何一つ唸り音が聞こえない。高能率なルーメンホワイトでこの驚異的な静寂性は、オクターブが真空管アンプの次元で語られることがないということを証明しているのである。
アンドレアス氏
アンドレアス・ホフマン氏
Octave Audio、代表取締役兼チーフデザイナー
オクターブ HP500 SE

 製品情報を読むと、この製品はオクターブ社の創業当初から存在するロングセラープリアンプなのである。この歴史のある製品は、オクターブ社の代表取締役兼チーフデザイナーである、アンドレアス・ホフマン氏により、1987年に完成されたと記されている。ニコンのFのように、開発されたその瞬間からこのアンプは真空管アンプの歴史的な金字塔となっていくのである。そうした製品の背景には必ずと言って良いほど必然が整っているものである。15年以上続いた製品としてHP500をベースにSEバージョンを造ることになったのは、Steroplay誌(ドイツ国内のオーディオ誌)の25周年を記念してというさらに年輪を積み重ねることになったのである。フォノ入力(MM/MC)を搭載して、限定100台の生産である。

 設計者、アンドレアス・ホフマン氏が辿り着いたのは、素子としての真空管の優秀さ、音の透明感、音質を最大限に生かす半導体素子のサポートである。一言でいえば、ハイブリッド型と言えば良いのだろうか。決して懐古趣味的な、あるいは、ソリッドステートアンプではない真空管アンプを求めたりはしていないのである。すべては、Hi-Fiオーディオの中核を占める、プリアンプ、メインアンプとして最高性能を求める結果なのである。
HP500SE
竹中氏談:このアンプを眺めて楽しい希少性の高い真空管アンプとして考えて欲しくはないです。もっとも、いわゆる見て楽しい真空管アンプとしての見栄えもないですし、ドイツらしい質実剛健としたデザインですから。他のどのアンプでも聴けないような透明度の高い伸びやかな質感を感じていただければ、真空管であることを忘れてしまう、そんなアンプだと思います。
MRE130
真空管、チューブアンプにしてはあまりに素っ気ないデザインだが、その音はこれまで真空管アンプの次元を遙かに超えている
オクターブ MRE 130

 オクターブ社の歴史を紐解くと、創業は高性能コイル、トランスフォーマーの設計、開発、製造を行ってきたとあるが、ひとつの成功パターンとして、トランスメーカが持つ技術的ノウハウを真空管を素子として生かす設計に繋がると言うという図式があるのかもしれない。日本ではラックスマンがそうであったように。
 MRE 130は、モノラルパワーアンプであり、その出力は4Ω時でカタログ数値では140Wとある。8Ωでも100W。このスペックを見る限り、プリのHP500 SEとの組み合わせでは、何か不足するようなことを予測することは出来ない。(ちなみに、マッキントッシュのMA-2275は、75W+75W)
 このパワーアンプの特徴として、パワーマネージメントシステムと呼ぶ保護回路で動作状態を常にモニターしており、全体の管理・制御を司る。真空管はデバイスとしてみればとてもデリケートであり、初期動作から安定動作に至るまで、状態は時々刻々と変化する。その変化に対して、常に最良の状態を作り出すのがパワーマネージメントシステムであり、半導体回路で出来ている。
 
 製品の外観は、プリアンプと同様にシンプルである。モノラル構成と言うこともあって、真空管がこれ見よがしにニョキニョキとそびえることもなく、素っ気なくレイアウトされている。二台ステレオで170万円を超えると思うと一抹の寂しさを感じないわけではないのだが、実際にその音を聴けば、プリ・メイン構成で、300万円超えるアンプとして納得できるパフォーマンスを発揮してくれる。
ブラックボックス
BLACK BOX:パワーアンプ専用外部電源
税込カタログ価格:134,400円(一台)
BLACK BOX

 MRE 130にはオプション製品として外部強化電源ユニットがある。試聴開始時には内部電源で聴いていたが、途中に輸入元のフューレンコーディネート社からBLACK BOXが届けられて、最後の試聴はBLACK BOX付きでおこなった。その効果のほどは?クルマで言えば、排気量が倍になったような、トルク感溢れるサウンド、立ち上がりがシャープになり、やや硬質感があがり、ブラインドで聴いたらとても真空管アンプとは想像もつかない豪快なプレゼンスになったのである。あまりにも音質に違いが表れるので、ソースによって使い分けができるのではないかというほどの効果である。
HP500SE
限定100台のHP 500 SEの内部
HP500SE_JP005
日本(アジア仕様)のシルアルナンバー5が読み取れる
真空管の未来

 すこし古い話だが、旧ソ連のミグ25(通称名フォックスバット)が、函館航空に強制着陸し、パイロットは米国への亡命を希望した冷戦下でのひやっとした国際事件があった。1976年9月のことである。当然、その機体ミグ25は、隅から隅まで調査されたが、当時のミグ25は、最高速度マッハ2.8を誇り数々の記録を樹立した超高性能ジェット戦闘機であったため、その性能の分析には世界中の目が集まった。ところが、なんとそのミグ25から真空管が見つかったと報道され、旧ソ連の遅れた技術を嘲笑うような論調が続いたが、実は、核戦争下では動作しない半導体に対して、放射線、電子波に強い真空管を確信犯として使っていたとの専門家の説もあったのである。

 確かに、昔の真空管は切れる、壊れる、動作が安定しないなどのナーバスな素子であったことも事実だが、製造技術と徹底した品質管理の元では、素晴らしい性能を持つ素子であることも事実なのだ。一方で、ICの発明後、LSI、VLSIと続く高密度集積化の流れは止まることを知らず、あらゆるものを小型化したが、その結果修理不能な使い捨ての部品として、今日に至る。真空管の時代では、街の電気屋さんは、ほぼすべての電機製品を修理していたが、今では、壊れたら基盤交換か、内部丸ごと交換するしかなく、電気屋さんという職業自体がなくなりつつある。

 そんな一般電化製品とは違い、オーディオという趣味の世界では、一時期の衰退を乗り越えて、今また真空管のステータスが変わろうとしている。真空管そのものがこの世界から無くなるなどと言うおおよそ風説に近い話で、ソリッドステートの優位性を説いたオーディオマーケットが、今まさに最高の性能をたたき出すのは真空管アンプであるとばかりに逆襲が始まったのである。こうしてみると、オーディオの世界では、消えていった技術は数限りない。4チャンネルステレオ、Lカセット、平面スピーカ、リニアトラッキングアーム、...もうすぐ消えてなくなるのがMDだろうか。ところが、最近のLPの復活、ほそぼそと続けられいるが新製品も出るカートリッジ、ターンテーブル。そして、真空管アンプ。

 そんな最近の真空管、良いことばかりではないのが、真空管アンプの難しさは、理論的な設計だけで音質やアンプとしての性能を追いつめられないことであり、経験がものをいうと言われる。当然のことながら、そうした技術者が引退すれば、いくら素子として残っても誰も使いこなせないという話がある。同じような話として、2007年問題がある。団塊の世代が大量に企業からリタイアすることで、これまでの設計ノウハウが忽然と消えるというパニックである。私にしてみると、これは、Y2Kに通じるものであり、これを機会に技術評価を刷新してみてはどうかと思うのである。新技術が生まれる背景には、もちろん天才型のエンジニアがある日突然変異的に技術を革新するという分かりやすいストーリがあるが、多くの場合、技術を評価する技術が、新しい技術を生み出す動機になったり、新回路やアイディアが生まれると私は強く感じている。オクターブ社のアンドレアス・ホフマン氏が、クラシック真空管アンプを研究してその限界を知り、まったくゼロから回路設計を考案したというHP 500の生まれるきっかけは、進化する技術とは何かについて真理を述べているのであるが、製品そのものが何十年ものロングセラーを続けていることが、まさに技術とは何かを訴えている気がする。こうして振り返ると、70年代、80年代、我々はどれほど「世界初」とか、「最高性能」という言葉のマーケティングに踊らされてきたが、そうした中で本物は消えずに燦然と輝いていたのである。
グラント・ステュワート
GRANT STEWART / ESTATE
http://www.videoartsmusic.com/
ジェーン・モフェット
JANE MONHEIT / Taking a Chance on Love
ブルーノート東京公演
ジャネット・サイデル
JANET SEIDEL TRIO / DELOVELY
LIVE AT WOODFIRE The Music of Cole Porter
試聴

 さて、何を聴こうかと数日前から考えたが、ルーメンホワイトとオクターブの予想される音の空間から、響きの良いサウンドを持つCDを選ぶことにした。最初は、グラント・スチュワートの最新作、エスターテ。1971年生まれの彼は、新人ながらテナーサックスの巨人のような堂々とした、メインストリームなサウンドを奏でる。とにかく音が太い。ズドンと言う野太いアタックとゴリゴリと吹きまくる豪快さが彼の魅力だろう。ルーメンホワイト、オクターブの組み合わせで出てきた音は、まるで1000Wのパワーアンプで鳴らしているような号砲一発というような形容に値する。ルーメンホワイトがこんな線の太い音がだせるのかという違った魅力も楽しめた。

 次は、女性ボーカルから二つ。デビュー当初からのファンであったジェーン・モフェット。今週はブルーノート東京の公演で来日する。私はまだライブでは聴いていないが、その魅力的な歌声と若くしてジャズボーカルのテクニックをマスターしてしまった歌唱力。そして、ハリウッドスターも羨む美貌と、天は二物を与えたかという逸材。順調にキャリアを伸ばしているが、この作品、Taking a Chance on Loveでは、すでに大物歌手の迫力を持った歌い方である。ルーメンホワイトの魅力である、みずみずしいボーカルサウンドは、まさにジェーンの魅力を120%再生してくれる。ちょっと大柄に聞こえなくもないが、先日ブルーノート東京でのビデオクリップで見た限りは、彼女ちょっと大柄?になったように見えなくもなかった。

 最後は、いま最高に気に入っている女性ボーカル、ジャネット・サイデルである。CDショップで新着として展示されていたのを見て何気なく買った。弾き語り、ギター、ベースというボーカルトリオ、あまり自分のライブラリーにないスタイルと出身がオーストラリアという珍しさからだった。しかし決め手はコール・ポーター集であること。好きなのであるコール・ポーターが。何よりラブソングが素晴らしい。この人の歌詞とメロディーは、多くの歌手を魅了してきた。歌手に愛される作曲家である。
 いつものシステムで聴いているのとは次元が違った。このCD、ライブ音源なのだが、ジャネットは弾き語りにも関わらず、相当にS/N比が高いクリアーな音場が広がるのだが、彼女の伸びやかな歌声に、これほどまで豊かな倍音と長く余韻の深いサスティーンが聞こえるとは驚いた。これまでのライブ音源としては最高の出来ではなかろうか?スタジオ録音も良いが、やはり音楽はライブが良い。特にボーカルであれば一期一会の歌い方がその歌手の技量のすべてを物語る。ルーメンホワイトとオクターブは、まるでこの会場に居合わせたかのようなイリュージョンをもたらしてくれたのだった。
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