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tab_star2006/09/20tab_end編集部より
「そんなことでいいのか旅情報誌」〜編集長の 都筑日誌 1
コラムというには独善的でたいした内容じゃない。でもエッセイを書くほどのだいそれた人間でもない。ブログというほど無責任じゃない。そんなちょっとした話を定期的に編集部のある横浜市の港北ニュータウンの片隅からお送りします。旅のライターとして取材を申し込むと「いくらですか?」と聞かれることが頻繁にあります。今回は有名情報誌、旅行雑誌の編集者とそのライターたち、「あんたたち何やってるんだ!!」というお話です。

文・写真:津島健太( VividCar.com編集長 )
【写真はイメージです。本文とは一切関係ありません。】

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tsushima-SS.jpgicon_home津島健太
[VividCar 元編集長・フリーライター]
現在は「港未来シンジケート」代表としてのインディーズレーベルやイベントプロデュース業と平行して、JMS日本モータースポーツ記者会、ナンバー付きVITZレース1000c.c.CUP 代表、vivid car .com 編集長、作詞家、旅のライター等々イカゲソ並みの数の鞋をはいている。
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編集長の“なんだかなあ”日誌 1_02.jpg

「おいくらですか?」

以前も書いたことがありますが、旅が好き、団体行動が大嫌いな僕は、モータースポーツやコンサートツアーで毎週末のように旅をしています。その時はできる限り単独行動をしています。さすがにコンサートツアーや今やっている1000c.c. CUPのようにオーガナイザーの立場になるとそうはいきませんが、そんな時はもったいないので、翌日仕事があるふりをして単独で居残ることも多々あります。関係者の皆さんごめんなさい。たかだか 20 年近くでもサーキットに通うと、全国津々浦々のように見えて、サーキットへの道も、ある種通勤路のようになれ合いになってきてしまいます。それではつまらないので、いつもおいしいお店と快適なホテル探しに余念がありません。

「あそこのお店うまいよー」「そこに行くならここに泊まるといい」と、いろいろな人と情報交換するうちに「旅の記事書かない」と言われて始まったのが旅のライター。そんなに頻繁に書いているわけじゃないけれど、特に大人向けの会員制 DM 誌を中心に「水の都・京都」とか「箱根の老舗を訪ねて」とか、テーマのある大人向けの紀行文を書くようになりました。
でも本当は、自称 B 級グルメ。上品で、清潔で、安くて、おいしいお店は詳しいですよ。

日本中に、ここに行くと食べずにはいられないというおいしいお店があるのですが、そういうお店に限って、サービスエリアに売っているメジャーな旅行雑誌やかなり有名な「秋の京都」や「鎌倉、湘南グルメ」特集が好きな女性向け情報誌には載っていないケースが多いのです。
旅ライターが本職ではありませんので、もともと自分が通いつめたそういうお店を紹介しようと取材のお願いをすると、突然顔色が変わってこう言われるケースの多いこと。
「それで、おいくらなんですか?」

編集長の“なんだかなあ”日誌 1_03.jpg

どうなってるの?

旅のライターを始めた当初は相手の言う意味すらわかりませんでしたが、最近はいろいろと興味深いお話を聞くことができます。

そういう雑誌の世界も不景気で広告収入もままならないのでしょうか。「載せて欲しかったからタイアップ料」と金銭を要求されるケースが非常に多いのだそうです。1/4 ページで 15 万円から 20 万円ぐらいが相場だそうで、払わなければ載せてもらえない。ひどい例になると出版社に内緒でライター個人や、編集プロダクションが要求するケースも多いということ。

それでも載ると確かに一時的にお客様が増えるということで、広告料という感覚で払うケースも多く、それが一度払うと次々と他の雑誌から電話がかかってくる有様。店側もまともにとりあっていたら 100 万円、200 万円と軽くかかってしまうのでそう次々とは払えない。そうすると出版社は新規の顧客獲得に走り回り、おいしかろうがまずかろうが、一度も行ったことのない店にまで電話やメールで営業をかけるという悪循環を繰り返していることになります。

僕が通いつめているあるレストランにもそういう電話が良くかかったらしいのですが、すべて断ってきました。そうこうするうちに口コミでそのお店は雑誌の力を借りなくても評判のお店となりました。単純に本当においしいですから。
すると今度は同じ出版社から無料で載せたいと連絡が来たそうです。その時には載せざるを得ない有名店になってたということです。それでも「回りがお金を払っているようなおいしくないお店が載るならお断り」と突っぱねると、「いいえ!! 1 ページ独占ですからお願いします」と相手もあきらめない。そこまで言うならば、と OK した時に出た見出しが「“本誌独占、マスコミ取材お断りの店” だったんですよ」と店のオーナーはあきれていました。
見た事あるでしょ?こんな見出し。なんだかなあ。

笑えないインターネット業界

雑誌だけじゃなくて、メジャーなインターネットマーケットの世界もなんだかなあという話を良く聞きます。IT 関係が目をつけるのは新規店よりも老舗や職人技が売り物の店が多いようです。

ある店は、再三のネット上の出店依頼を断ると、持ち前の政治力を使って県知事をつれてきてプレッシャーをかけられたそうです。
もっとひどいのはある老舗で聞いた話。IT 社長直々来て「それでいくらなんですか?」と言うから商品の値段かと思って「×千円ですけど」と答えたら「そうじゃなくて、ここいくらですか?お互い時給高いんですから率直に話しましょうよ」と笑って言われたと、かなり憤慨してました。

ドラマのような話、本当にあるんです。

編集長の“なんだかなあ”日誌 1_01.jpg

おいしい雑誌の見分け方

それでは信用できる雑誌の見分け方。
はずれを覚悟で 1/4 から 1/6 スペースぐらいの大きくも小さすぎもしないスペースで掲載された店を 3 件ぐらい行ってみるのが一番。
文章に騙されず常に疑いの気持ちを持つことも大事です。おいしくない店が続くと比較論になって感覚が麻痺しがちです。本当においしい時は考えなくても「おいしい」と直感で思いますから、理屈ではなく素直な気持ちを失わないことです。

タクシーの運転手や地元の人に聞くという方法も言われます。以前岡山県の小さな町でホテルのフロントの若い女性に「このへんでおいしくて安い居酒屋ない?」と聞くと、小さな声で「やるき茶屋がありますけど。」
「いやいや、そういうんじゃなくて、そうだ、君がとっておきのデートの時に行くお店ない?」
そうすると真っ赤になって恥ずかしそうに「やるき茶屋ですけど。」
かわいい〜。地元の情報も知人の店や生活の中の情報ですから、それほど信じない方が良いかも。

でも本当に有効なのは僕がやっている荒技。店の看板に惑わされず、とにかく通りや街道別にはじから順に店に入って食う。仕事や帰省等の事情で同じ場所に何度も行ける人は食って食って食いまくる。だから太るんだ。ごめんなさい。

そこそこ当たりなら、同じシリーズの違う地方編に載っている店も同じように行ってみましょう。大手は地方によってスタッフが違う場合もあります。まずは自分の住んでいる近くで良いのです。
それでダメな出版社の本は 2 度と買う必要ありません。発行部数に惑わされてはいけません。

テレビタレントのように肉とまぐろを「口の中でとろける」、野菜を「みずみずしい歯ごたえ」、カツを「外はサクサク中はジューシー」としか表現していない記事は、「食べてない」か「信用できない」か「ライターに能力がない」と判断して良いでしょう。
掲載されているその店のおすすめ以外のメニューを食べてみるのも良いでしょう。本当においしい料理人が作るものはおすすめ以外もなんでもおいしいはずです。それが料理人のセンスとプライドいうものです。そうでないならばたまたま 1 種類(素材が良かったか他所からそれだけレシピを教わった等の理由で)おいしかっただけで、その後確認で通うこともなく安易なライターが適当に書いたということでしょう。
たまたま僕の知り合いで情報誌のライターでメシを食ってる元OLの女性がいます。その女性とこの話をした時にあっさり一言「だって食べ物なんて好みでしょ。なんでもいいのよ」
そういう安易さが悪しきタイアップの例にはあるのです。

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これはひどかった

僕も何度も雑誌やインターネットににおいしいお店を教えてもらいました。いろいろ積み重ねると信用できる雑誌や出版社、ライターがだんだんわかってきます。

反対に「これはひどい」という目にも何度もあいました。
例えばサービスエリアでも本屋さんでも売っている有名旅行雑誌でほめていた、ある東北のお寿司屋さん。
雑誌によると「東北では珍しく、本場のばってらが食べられる店」だったのです。
車で 1 時間 30 分もかけておなかをすかせていきました。外見は田舎町のさびれた寿司屋。そこのばってら、昆布ではなく海苔でサバ寿司を包んで出てきたのにはびっくりしました。さばの水分と酢が回って、海苔が歯にまとわりつくふにゃふにゃさ。笑えないまずさ!!
本場って大阪以外のどこなんでしょう。

もう 1 件、かなり有名情報誌に載っていた北関東のさぬきうどん店。
本場のさぬきのぶっかけうどんが絶品、と書いてあったのですが、出てきたものはただのかけうどんに大根おろしと鰹節がのったもの。
「間違ってますよ」と言ったのに「これがぶっかけです。」思わず「ぶっかけって食べたことあります?」と聞いちゃいました。
すると今度は「これがうちのオリジナルのぶっかけです」って店主逆ギレ。店主だけでなくライターもぶっかけを食べたことないのか、この店で食べたことないんでしょう。
それでもこの店主も、おそらく何十万ものタイアップ料払ってメジャーな雑誌がほめているのですから、それで文句言われちゃたまらない、ということなんでしょうか。

より良いものを作ることと利益追求というのは、編集者にとっては相反する永遠のテーマというのは VividCar も同じ。広告バナーを持たない我々も時にはタイアップを申し出ることもせざるを得ない状況でもあります。
それでも利益というよりは、限られた製作費の中でプロのカメラマンの良い写真を掲載したい、より良い記事にしたい、という製作費の範囲を超えていけないという葛藤があります。

ですから、金が出るから記事を書くのではなく、記事にしたいと思う相手に応援してもらいたい、という以上の一線を超えてしまわないように、タイアップがないならどんなに良いものも掲載しない、という形にはしては絶対にいけないと思っています。それならば堂々と広告バナーで広告と記事の線引きした方が良心的で潔いのではないでしょうか。その一線を超えずに維持(意地?)してきたのが、VividCar の創設者の永山イズムです。
編集長と長のつく立場としては甘いと言われそうですが、最後の最後は(取材対象も含めた)読者との信頼関係だけがすべてのメディアの命綱だと信じています。それは電波、紙、IT と媒体を渡り歩いてきた僕のイズムでもあります。

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