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tab_star2006/11/15tab_endバリアフリー
ユニバーサルファッション「ピロレーシング」に対する思い
「何故当たり前のことがチェアウォーカーの生活になったから出来ないんだろう。チェアウォーカーになったからといって洋服を選べないのはおかしすぎる!」長屋宏和さんが熱い思いで「ピロレーシング」というユニバーサルファッションブランドをプロデュースしました。

文、写真:長屋宏和

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長屋宏和_Sicon_home長屋 宏和
[元 F3 レーサー ]
今はちょっとだけ人より遠回りしているかな、ただ、その目標にたどりつくまでに、今ボーッとしているのはいやだから、今できること、例えばこうやって伝える仕事もやっていきたいと思っています。
1
自分で洋服を選びたい!!

僕がレースの世界にいた頃はただのレース馬鹿で、母親がインポートブランドの洋服修理のモードフィッターという仕事をしていたけれど、母親の仕事に興味は無かったし、ましてや自分が洋服を作るなんて考えもしませんでした。

僕がレースでクラッシュをし、頚椎損傷の怪我をしてチェアウォーカー(車椅子ユーザー)となり、入院生活は当たり前のようにジャージで生活していました。病院の先生方にも「脱ぎ着の動作のしやすいジャージで生活をし、ジーンズのようなお尻の縫い目の硬い素材のズボンは履かないほうがいい」と言われ、入院生活の頃はその言葉に何の疑問も感じませんでした。僕だけではなく、まわりにいるチェアウォーカーも当たり前のようにジャージで生活をし、それが日常になっていました。

退院してからホンダさんや各スポンサー企業にご挨拶に行く機会が増え、「僕は何故ジャージ姿でスポンサーへご挨拶に行かなければいけないのだろう。普通ならスーツだろう。」と思うようになりました。しかし、チェアウォーカーがスーツを着ると車椅子をこぐときに袖が邪魔になったり、お腹の部分ポッコリなり、タイヤにすれて汚れたりいろいろ問題点が多く、妥協しながらジャージでお伺いしていました。僕はこのとき「何故当たり前のことがチェアウォーカーの生活になったから出来ないんだろう。チェアウォーカーになったからといって洋服を選べないのはおかしい!」と思いました。

2
ジーンズを履きたいという想いから生まれた Piro Racing
僕が Piro Racing を発足した理由

健常者の頃に大好きだったジーンズをもう一度はきたいと思いましたが、入院中に病院の先生方に言われていたお尻にジョクソウ(床ずれ)が出来る可能性が高くなる問題点があり、このままでは一生ジーンズをはくことが出来ないと感じました。僕もそうなのですが、お尻の感覚がないのでお尻が痛いと感じず、長時間圧が掛かり続けるとジョクソウ(床ずれ)と言って皮膚が腐り、穴が開いてしまいます。ジョクソウが出来てしまうと、治す為にはお尻に圧をかけないように寝たきりの生活を続け、それでも治らない場合は入院、手術、最悪の場合はそれが原因で死亡してしまうこともあるのです。
チェアウォーカーは座り続けて生活をしているので、このことは最も気にすることなのです。心配をしながらお洒落をすることは僕には抵抗があり、そこの部分をどうにか解決させ、お洒落がしたいと思いました。実際、何からどうしたらいいのかすら分かりませんでしたが、モードフィッターである母親に「僕がお尻を気にしないジーンズを作りたい」と相談し、まずはデニム生地を1から探して作りました。そして出来上がった第一作目は・・・「こんなのはけない。」ただの機能性だけを重視していてファッション性に欠け、脚を通さないまま、作り直して欲しいとお願いしました。最初は「自分が履きたい」と思うジーンズを作っていましたが、何十本ものジーンズのパターンを試し作り上げていくうちに、このことは僕だけでなく、まわりのチェアウォーカー全員の悩みかもしれないと感じました。そして半年もの間、試行錯誤した結果、これなら僕もはけるし、僕以外のチェアウォーカーにも喜んでもらえるジーンズが出来上がり、僕のブランド「Piro Racing」を立ち上げました。
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車椅子に座っていても突っ張らないように、通常のジーンズよりも腿とお尻の部分に余裕をもたせている

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ポケットの厚みや縫い目をなくしジョクソウを予防

できた!!

ブランドを立ち上げた当初のジーンズでは、僕はまだまだ納得出来ていませんでした。僕はただのジーンズではなく、今流行のヴィンテージ加工をしたカッコいいジーンズを作り上げたい、そしてもうひとつ、それを僕のお気に入りのセレクトショップ BEAMS に置かせて頂けるくらいのジーンズを作ると言うことが目標でした。

自分の考えているイメージを作り上げるには、母親の会社アトリエ ロングハウスではなく、ジーンズ生産日本一の街、岡山県児島でジーンズ職人が一本一本手作業で作り上げなければ、僕の拘りのヴィンテージ加工のジーンズは作れないと思いました。
しかし、イメージはあっても、岡山県児島の方との接点がなく、まずはそこにたどり着けるように紹介、また紹介と人と人のつながりで少しずつ前進していき、児島の職人さんに辿り付くことができました。職人さんに僕のジーンズのコンセプトとイメージを伝え、サンプルを作って頂くことになりました。しかしサンプルを 1本・2本・3本と作っていっても僕が加工イメージを伝えきれず、納得いくことも出来ませんでした。児島に何度も足を運び、僕のイメージを伝えてもその通りにいかず、どうしたらいいのか悩んだ時期もありました。サンプルで納得のいかないまま、最後のサンプルの改善点をこと細かく伝え、本生産にはいりました。あとは職人さんの腕を信じるしかありませんでした。

そして、ついに本生産のジーンズが手元に届きました。段ボールを開けると、そこには今までのことがうそのように感じるくらい、僕のイメージどおりの完璧な仕上がりのジーンズがありました。「僕は何処かで妥協して作らないと、商品にならないのか・・・」と悩んだ時期もありましたが、「妥協せずに作り上げ、自分で 100% 気に入らない商品をお客様にすすめられない」と思っていたので、本当に嬉しかったです。あまりの感動で、時間を忘れるくらい、ずっとジーンズを眺めていました。

ヴィンテージ、赤耳、月桂樹のボタン、カモフラージュ、ポケットのプリント、素材の柔らかさなどにもこだわり、イメージを残し、なおかつ使い勝手や機能性はチェアウォーカーに合わせて作成しました。世界を見渡してもこの発想の商品はなく、当然特許も申請しています。そして、BEAMSが僕の活動に共感して頂き、BEAMSの店舗に、このPiroRacingのジーンズを置かせていただけることになりました。いままではネットショップのみ販売でしたが、BEAMSという多くの方に手に取っていただける場で販売できることが非常に嬉しいです。こだわりのジーンズを作ること、BEAMSで販売できること、ふたつの目標が達成できたのです。

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すでに Piro Racing のファッションショーでウエディングドレス等も発表

当たり前であって欲しい

僕はただジーンズを販売していくだけだと考えていません。このジーンズを手に取って頂き、「こういう風に修理が出来るんだ」と思って頂くきっかけとして、ジーンズの販売を始めました。チェアウォーカーが既製品のズボンを当たり前に購入し、当たり前に修理をして履いていただける日が 1 日も早く来て欲しいです。ジーンズ以外にもウエディングドレスや浴衣など、男女問わず一人一人の悩みを解決出来る「 Piro Racing 」でありたいと思っています。そして、お洒落をしてチェアーウォーカーが「外出しようかな」と思うきっかけになって欲しいと願っています。

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長屋宏和_オフィシャルサイト
HIROMAZU NAGAYA OFFICIAL WEBSITE
http://www.piroracing.c...
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福祉車両に関する情報サイト「Enjoy W-Car Vivid Welfare」はこちらからどうぞ。
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当サイトの長屋宏和、青木拓磨インタビューを読んだら元気が出た、という ALS(筋萎縮性側策硬化症)という原因も治療法もわかっていない難病にかかられている茨城県の竹内聡さんとおっしゃる方からメールをいただいた。
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