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tab_star2002/03/14tab_endLe Mans 24 h
Le Mans 24 h vol.6
連載第六回
文:高橋二朗
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高橋二朗_プロフィール_写真Sicon_home高橋二朗
[フリーランス・モータースポーツ記者]
 編集長の永山氏によってインターネットの世界を知った。あれから 10 年。いまや、インターネットなしには仕事ができないまでになった。再び永山氏がモゾモゾと動き出すというので、長いもの(永山もの)に巻かれることにした。執筆させてもらいつつ、楽しませてもらうことにした。よろしく。
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マツダ 787 B が日本車初の総合優勝を達成!
他 2 台のロータリーマシンも各々 6, 8 位を獲得
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初めてセンタポールに日の丸が靡いた。
左中央のチェッカー模様のステージが表彰台。
ル・マンの主役達 6

 広大なル・マンのサルテサーキット。この 13 キロ以上のトラックをとても特徴のあるエキゾーストノートを残して疾走するレーシングカーがいた。深夜、レーシングカーのシルエットがその闇に隠されたとしても、そのエキゾーストノートだけでどのマシンであるかが明らか。それが、ロータリーエンジンを積むマツダだった。ヨーロッパからもたらされたロータリーエンジンは、レースの世界では日本で開花した。マツダというメーカーによって数々のカテゴリーに参加することになったのだった。レースでは特にロングディスタンスで着々と実力を発揮し、そして世界の檜舞台へ着実な歩みを進めた。ル・マンでのロータリーエンジンの歴史は 1970 年まで遡る。ヨーロッパのツーリンカーレースで活躍していたロータリークーペのエンジンを、シェブロンのスポーツカーに搭載してお目見えしたのだった。その後、ツーリングカーそのままでエントリーしたり、日本からもプライベートチームがスポーツカーにロータリーエンジンを積み参戦を続けてきた。そしてマツダ車でレース活動を行ってきた東京の「マツダスピード」が RX 7 をモディファイして 1980 年代の初頭に参戦を続け出すと、広島のマツダ本体も本格的なル・マン制覇へと乗り出す。

 グループ C カーのレギュレーションが施行され、まずマツダは当時のグループ C ジュニアクラス(後の C 2 クラス)に 2 台の 717 C をエントリーを果たす。1983 年 のことだった。3 年間セカンドクラスで闘った後に、アメリカの IMSA-GTP クラスにエントリーを始めた。ル・マンは広く世界に門戸を開いており、アメリカで行われている IMSA のマシン群達の参加を促していたわけだ。マツダは、戦略的にマシンを IMSA 仕様として、オーバーオールのバトルフィールドへ打って出たのだった。しかし、ポルシェ、ジャガー、ザウバー・メルセデスなどル・マンの常連が立ちはだかってオーバーオールの覇者となるのは無理かと思われた。折しもロータリーエンジンは、1991 年をもってレースから閉め出されるというタイムリミットを突きつけられてしまった。1991 年は正に最後のチャンスとなった。マツダ陣営はライバル達よりも軽い最低重量を引き出し、スタートを切った。

 この年、787 B 3 台のライバルは、ジャガーとザウバー・メルセデスだった。特にザウバーはレースの序盤から主導権を握って首位を走行していた。しかし、残り 3 時間という時点でオルタネーターの部品が破損してラジエーターポンプのベルトを外してしまい、オーバーヒートを起こしてピットへ力無く滑り込んできた。3 位のジャガーに対して数周の差を付け、2 位を確実にしていたマツダが独特のエキゾーストノートを轟かせてホームストレッチを走行し、ピットウォールの向こうではザウバーのピットクルーがカウルを開けて諦め顔しながらどのような気持ちでその音を聞いていたのだろうか。日本人のチームとして参戦 18 年目、とうとうル・マンの頂点に立った。ル・マンの観客は、マツダのこれまでの歴史を良く理解していた。脱水症状で倒れてしまったアンカードライバーのジョニー・ハーバート以外のフォルカー・バイドラー、ベルトラント・ガショーのウイナードライバーが表彰台に立つと怒濤のような拍手がわき上がった。初めてセンタポールに日の丸が靡いた。
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スクリーンから飛び出さんばかりの勢いで
迫ってくるクラッシュシーンが目玉。
Cinema [ Le Mans ] inside 6

 自動車レースを題材とした映画は、数年ごとに制作されて上映されて来ている。昨年にも CART シリーズを闘うレーシングドライバー達をテーマにシルベスター・スタローンが脚本、主演の「ドリブン」が日本でも公開された。残念ながらロードショウを見るチャンスを逸してしまった。と、いうか予告編や前評判だけで興味を削がれたと言った方が正しい。実は、この映画は当初、アイルトン・セナをモチーフとして F 1 GP の世界を映画にしたかったらしい。スタローン自身が数年前、頻繁に F 1 のパドックに姿をみせて事前取材をし、F 1 界のボス、バーニー・エクレストンと交渉を重ねていたと報じられてもいる。ところが、スタローンの書いた脚本を読んで、エクレストンはあまりにも突飛なストーリー展開や現実離れしたアクションに呆れて、F 1 を題材にすることを許さなかったというのだ。CG を駆使したクラッシュシーンは、観客を驚かせるには効果があったろうが、「こんな事は起こるわけがない」と、かえってこの映画自体を陳腐にしてしまったようだ。

 そこで、約 30 年前に制作された「栄光のル・マン」を再度振り返ってみると、現代でも良くできた作品であることに感心させられる。それは、制作者がどれだけレースというものを理解していたかの差ではないかと思う。前回でも記したように主演のスティーブ・マックウィーン自身、プロフェッショナルレーシングドライバーにも引けを取らない腕の持ち主であるし、レースを趣味としている人物だ。派手な演出がレースの本来の面白さ、格好良さを台無しにしてしまうのを良く知っていたのだ。レースの映画というものだけに関してはスタローンは、CART レースをランボーの爆破シーンや銃撃シーンと同じようにとらえていたのだろう。

 「栄光のル・マン」以前にレース映画の名作として知られる「グランプリ」の監督、ジョン・フランケンハイマーが再びレースを題材にした映画を制作するという噂が流れた。それも、ル・マンを含む世界スポーツプロトタイプ選手権シリーズを舞台にするというものだった。フランケンハイマー監督の「グランプリ」は 1960 年代の F 1 を映画にした秀作。その監督がどのようにル・マンを描くのだろうかと期待した。だが、それは、現実のものとはならなかった。噂があがったのが 1980 年代だったから、約 20 年の時間を隔てた間に、スケールの大きな映画を制作するには膨大な資金が必要となって、計画が断ち切れてしまったらしい。
 再びレースの秀作映画を観たいと思う。
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ACO
http://www.lemans.org/
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SUNTORY SATURDAY WAITING BAR(東京 FM)
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