 |  |  | | | フランス車と Macintosh のアヤシイ関係 | | フランス車乗りは本当に Macintosh ユーザーが多いのか? |  | コンピュータ関係の仕事をしていると、時々耳にするのが「フランス車乗りは Macintosh ユーザーが多い」という話。確かにそんな気がしないでもないが、実際にどうなんだろう?マイナーであることや壊れ自慢をしたがるあたりに共通性を見いだすことも出来なくないが、果たしてその実体は? フランス車乗りで Macintosh ユーザーでもあるまつばらあつしが調査に乗り出す。 |  | 文:まつばらあつし
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|  |  |  |  |  |  | まつばらあつし [vividcar エグゼクティブディレクター] |  |  |  | VividCamera も少しづつコンテンツが増えてゆくのでお楽しみに。 また、クルマ関係の記事や、バイクとかいろんなものにも焦点を当てて行きたいと思うので、そちらの方もどうぞご期待を。人間としてはオートフォーカスじゃなくて、決めたものにフォーカスを合わせるマニュアルなタイプかも。 |  |
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 |  |  | そんなのはウワサにすぎない!
最初にその話を聴いたのは 5 年ほどまえ。ボクがシトロエン BX に乗っていたときのこと。連載記事などを持つ「MacFan」という雑誌の編集者の一人が、同じシトロエン BX のオーナーだったという所から始まる。 同じ趣味ということで、イロイロ話が進んでゆくうちに、編集者やライター、イラストレーターやデザイナー、カメラマンなど、Macintosh を使って仕事をしている人は、なんかフランス車乗り、あるいはフランス車が好きという人がやたらに多くないか?という疑問にぶち当たった。 いや、疑問と言っても悪い意味ではないのだが、なぜか Windows 系の人よりも Macintosh の人の方がフランス車乗りの確率が高い。やたら血中おフランス濃度が濃い。いったいはたしてこれはどうしたことなのか? Macintosh とフランス車という、何となく共通点があるような無いような組み合わせだが、無理して考えれば「日本国内ではマイナーである」とか、「壊れたり変になったりしたことを嬉々として話す、いわゆる壊れ自慢」をする人が多いとか。あるいは「少々遅くてもモダーンなデザインが好き!」みたいな人もいる。 こじつけではあるが、そんな共通点も無くはない。しかしそれはあくまでもこじつけであって、ちゃんと、理路整然と、因果関係を証明できなければ、単なるウワサに過ぎなくなってしまうのではないか? まあ、ウワサならウワサでも一向に構わないのだが、それでもなんかちょっとだけ「因果関係」を調べたくなったのも事実。 今回は少々コアな、フランス車乗りであり Macintosh ユーザーでもある方々にメールでアンケート取材を行った。果たしてフランス車と Macintosh に因果関係はあるのか?あるとしたらそれは一体?今回取材した 5 人がそのなぞを解き明かしてくれるかもしれない。 |
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 |  |  |  |  | ステキな色合いのシトロエン。 なかなかお似合いである。 |  |
|  |  | テクニカルライター 大谷和利さんの場合
AXIS や ENGINE のコラムでもお馴染のテクノロジーライター大谷和利さんは、日本で最も有名な Macintosh のエヴァンジェリスト(伝道師)でもある。そんな大谷さんの愛車はシトロエン 2CV。早速いくつかの質問に答えていただいた。 ●おなまえ:大谷和利 ●職業:テクノロジーライター ●年齢:43 ●所有車:シトロエン 2CV 1989 年式 ●所有している Mac:PB G4/500、20 周年記念 Mac、初代 iMac など ●フランス車乗りと Macintosh 使いに関係はあるか?:大いにあり ●もしあるとすればその理由:革新性とデザインへのこだわり(ただし、現在のシトロエンは 1990 年代半ばの Mac のようで、少々保守的すぎる) ●乗っている車の気に入らない点:特になし ●乗っている車の気に入っている点:すべて(あえて言えば、水平置きされたコイルスプリングによる前後関連サスペンションや、取り外してピクニック用のベンチになるシートをはじめとする、ローコストをアイデアでカバーした様々な工夫)
さすがというか何というか、フランス車にも Macintosh にも造詣が深い大谷さんらしい、理路整然とした答えだ。 特に「フランス車乗りと Macintosh 使いに関係はあるか?」という設問に対し、簡潔にきっぱりと「大いにあり」と自信に満ちた答え、それに続く「革新性とデザインへのこだわり」という答えが、実に説得力を持つ。 単なる実用品ではないという価値観を持つ工業製品として、フランス車と Macintosh との共通点を見いだしているようである。 |
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 |  | フォトグラファー 竹澤宏さんの場合
広告写真やコンピュータ雑誌などで写真を撮りつづけている竹澤さんは、ひょんなことからフランス車乗りになったという変わりだね。飄々とした人柄そのものと言う感じがラテンっぽい。いわゆる一つのケ・セラ・セラ? ●おなまえ:竹澤 宏 ●職業:フォトグラファー ●年齢:46 ●所有車:シトロエン ZX ブレーク 1997 年式 ●所有している Mac:PowerMacintosh8500/G3_400MHz 改、PowerMacintosh7300/180 ●フランス車乗りと Macintosh 使いに関係はあるか?:ないと思います。ただ、どちらも世の中のマジョリティではないというところが共通項でしょうか。 ●もしあるとすれば、その理由: ●乗っている仏車の気に入らない点:まだ一ヶ月ほどしか乗っていないので特にない ●乗っている仏車の気に入っている点:近所の人から中古を譲ってもらった。シトロエンと聞いても特に触手は動かなかったが、ワゴン車だよ、と聞いて、それならと即決。それまで乗っていた車の調子が悪くなり、仕事で使えるワゴンタイプの車が必要だったからちょうどよかった。たまたまシトロエンだったというだけ。でも、あまり乗っている人がいないところが実は気に入っている。
というわけで、何となく手に入れたという感じのシトロエン ZX だけど、文面からもすでにそのアヤシイ世界に引き込まれつつあることを伺わせて面白い。最後の「たまたまシトロエンだったというだけ」というように、言い訳をしつつも「実は気に入っている」と言ってしまうあたりがすでに危ない。 「たまたまシトロエン」だったというのは間違いで、本当は必然だったと後になってきっと思い知ることになるかもしれませんよ竹澤サン。
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 |  |  |  |  | 雪道に存外に似合うセニック。 レジャービーグルでもありファミリーカーでもある セニックの能力の高さに感心する。 |  |
|  |  | TV制作会社勤務 阿部光博さんの場合
ご自身で「We Love Scenic」というホームページを持っている、かなりビョーキかもしれない阿部さんは、つい先日一泊二日でスキー旅行に出かけてきたそうです。もちろんセニックで。 往復 600 キロという長丁場を無事乗りきってお疲れのところ、ご協力ありがとうございます。 ●おなまえ:阿部光博 ●職業:会社員(徳島のローカル TV 局の制作会社勤務) ●年齢:36 ●所有車:ルノー メガーヌ・セニック ●所有している Mac:Power Macintosh 6100/60AV、PowerBook 5300cs、PowerBook G4 500 ●フランス車乗りと Macintosh 使いに関係はあるか?:あるかもしれません ●もしあるとすれば、その理由:フランス車に乗るということと Macintosh を使うということには共通点が結構あると思います。 1.どちらもマイノリティである 2.しかもマジョリティに近いマイノリティである。 3.使う人間がマイノリティに属していることに酔っている。 4.どちらも芸術の香りがする。
1 は説明不要でしょう。 2 に関して構図で説明すると ドイツ車 > フランス車 > アメ車など Windows > Macintosh > Unix となるんじゃないでしょうか。最後の Macintosh > Unix は OSX で境界が甘くなったような気がしますが …。 3 は私のことですが Mac 使いでフランス車以外に乗っている奴らもそれぞれに酔っているようです。 4、陳腐な表現ですがフランスは芸術の国、ルノー、プジョー、シトロエン、どれをとってもデザインが素晴らしい。(特に最近のルノーはぶっ飛んでいると思います。)そして、Mac を使う人は芸術関係が多い。
●乗っている仏車の気に入らない点:とくになし。 ●乗っている仏車の気に入っている点:「これでなきゃ買わない!」とディーラーに無理言って付けてもらった本国オプション扱いの 5 席全部色ちがいのシート。これに惚込んで買いました。もちろん乗り心地も素晴らしい!
うわあ、いいっすねえ。色違いシートは羨望の的ですよこれは。 しかし詳しく分析ありがとうございます。なんとなく納得できるような気もするのだけれど、やはり共通するところはマイノリティーという部分。少数派である自分のことが「好き」というような、少々のナルシズムもまた、フランス車乗りの Macintosh 使いに共通しているようで・・・。 |
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 |  |  |  |  | 端正なデザインの BX。 真横からのショットは以外と少なく新鮮。 |  |
|  |  | 会社員兼ライター稼業 相子達也さんの場合
相子さんはスゴイです。新車で BX を買って早 10 年。こりゃ 10 年 10 万キロの方にも登場して貰いましょうか。とにかく BX に 10 年というのは並の惚れ込みようではないと察せられるが果たしてその実態はいかなものか? ●おなまえ:相子達也 ●職業:会社員(ときどき Mac 雑誌のライター) ●年齢:40 ●所有車:CITROEN BX16Tzi 1992 年(2 月 13 日生まれ) 新車で購入、現在もしっかり現役です。 ●所有している Macintosh:LCII 6100/66 7100/66 PowerBook180 PowerMacG3 400(B&W) PowerBookG4 500
●フランス車乗りと Macintosh 使いに関係はあるか? ●もしあるとすれば、その理由 関係はあります。まず珍し物好き(笑)少数派万歳、苦労好き(笑)
少々脱線します。 子供のころ、シトロエン DS に乗る機会があり、そのときのショックはほとんどトラウマになっていまして、いつかはシトロエンというフランスの変な車に乗る大人になるのだ、と考えるようになり、映画ファントマシリーズで空飛ぶ DS を見たときには「絶対に実現する目標」となりました。しかし、免許を取ってからは兄のお下がりのビートルにずっと乗っていました。当時、Mac とビートルって共通感みたいなのが、私にはありました。「アメリカのコンピュータ Mac・アメリカの学生がよく乗ってるビートル」みたいなものでしょうか?? そんなこんなで(どんな?)自分で車が買えるとなったとき、当然第一候補はシトロエンになりました。が、DS はもうなくなり、BX や XM が主流となっていました。ガンディーニデザインでエレガントな(PF 先生談)BX を購入したのでした。 BX 購入を決めたとき、ビートルが次々と故障を起こしたのを覚えています。(Mac っぽい?) シトロエンより数年前に Mac を購入しましたが、シトロエンの購入には Mac の影響はなくその逆もありませんでした。その後、両方が生活の中に入ってきてから、なにか共通の感覚を感じるようになりました。 Mac とシトロエンを選んだ理由に、共通のものはありませんでしたが、ただ、所有する道具にはかなりのこだわりが以前からありました(完全なポパイ世代ですんで(笑) 「趣味」っていうのもあるし、どうせなら何かに抜きんでている、他とは違ったものっていうのが、いつも何かを買うときにこだわっていた(いる)気がします。シトロエンならハイドロニューマチック、Mac では GUI の OS と音楽ソフトの Performer でしたか。そのへんが大きかったような…。 今、よく考えてみると「心地」っていうのがポイントかなぁと思います。シトロエンの乗り心地、MacOS の使い心地。 どーせなら気持ち良いほうがいいっていう。 使っていると言うことで、感覚的にどこか充足感があるような気がします。両方とも。
●乗っている仏車の気に入らない点:これはあまりないんですよ。いろいろ苦労はありますが許容範囲です。強いてあげれば夏に弱いところですか?(オーバーヒート、エアコン)う〜ん、後は少数派ゆえの修理やサービスの受けにくさとか。
●乗っている仏車の気に入っている点:乗り心地 デザイン 味 運転のテンポ ステアリング形状 デカイシート シートの「アタリ」のよさ
トラウマ DS というかなり屈折した(失礼!)幼少時代を経て、やはり行き着いたのがハイドロの世界。だいたいフランスの変なクルマに乗るオトナになりたいだなんて・・・。 しかしてその末裔でもある BX に 10 年間乗り続けているのだから、これはもう頭を下げるしかないだろう。フランスの片田舎にいそうな頑固モノという感じを受ける。いや、もちろんこれはホメ言葉。
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 |  | 食品製造業 廣井雅樹さんの場合
廣井さんは今回取材させていただいた人たちの中で、最も冷静な解答を送ってくれた。それにしても Macintosh の所有台数がかなりスゴイ。マニアの域と言ってもいいだろう。しかして選んだクルマは、やっぱリというかなんというか。 ●名前:廣井雅樹(ヒロイ マサキ) ●職業:会社員(食品製造業) ●年齢:41 ●所有車:Xantia V-SX 1995 年 ●所有している Macintosh:G4 450、PowerBook G3(Bronze)、 iMac(初代)、PowerBook 170、LC475、SE/30、Plus ●フランス車乗りと Macintosh 使いに関係はあるか?:あるように感じます。 ●もしあるとすればその理由:パワーやスピードといったものよりもユーザーインターフェースやシートの座り心地などというような「タッチ」を重視するという部分で共通しているような気がします。あと私の場合はどちらも(シトロと Mac)創業者の哲学というか生きざまというか、そんなものに惚れ込んでしまったというのもありますね。(世の中の主流にちょっと背を向けるのが好き、と言う部分も少なからずあるような気もしますが…) ●乗っている仏車の気に入らない点:シトロエンのくせに変な所が少ない(笑) ●乗っている仏車の気に入っている点:やっぱりハイドロの味は何ともいえません。麻薬です。シトロエンのくせに壊れなさそうなところも○(笑)
廣井さんも自分自身では冷静に判断してはいるものの、身体の奥底に潜むマイノリティ派の蟲が疼き出しているようだ。見た目も機能も「まとも」なエグザンティアをして「変なところがない」という不満を述べているあたりに、蟲の気配がプンプンする。 |  |  |  |  |  |  |
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 |  | 本当はどうなんだろう
確かに Macintosh、いや、Apple 社は、パーソナルコンピュータというジャンルを確立し、革新的なデザインのコンピュータをだしては業界のトレンドを確立してきた。 初期の一体型の Macintosh や、ブームを巻き起こした初期型の iMac、ポリタンクみたいな PowerMacintosh や貝殻のような iBook、そして最近登場した妙な形の iMac などがいい例だ。 特に PowerBook 100 というノートコンピュータは、それ以前とそれ以後では全くデザインが異なるというエポックメイキングなコンピュータだったはずだ。 この辺の記憶がフランス車、特にシトロエンを彷彿とさせるところがあり、シンパシーを感じる人が少なくないというのは何となく解っていただけるだろう。なにしろ今回取材した 5 人のうち 4 人がシトロエン乗りなのだ。 だからといって、フランス車乗り= Macintosh 使いと言うわけでもないのは事実。シトロエン乗っているひとでも NEC やコンパックのコンピュータを使っている人もいるだろうし、Macintosh を使っていてもトヨタや VW に乗っている人も多いはずだ。 ただ、一つ感じるのは、フランス車に乗る人は恣意的に Macintosh を選ぶという傾向が強い。何か魅かれるもの、共通するものを「感じて」いるのだろうと思う。 体質的にも「マイノリティ」派・「壊れ自慢」派が多数揃っている点も、奇妙ながら似通っている。言い方は悪いがマゾッ気があるのかもしれない。まあ、この辺は続けて調査をしてゆこうと思うので、我と思わん方はご連絡を。 もちろん Macintosh ユーザーでなくてもフランス車乗りであれば OK。理論的な反論をお待ちしております。
文:まつばらあつし
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