 |  |  | | | ビスコンティの万年筆 | | ビスコンティの万年筆 |  | 万年筆ルネッサンスは筋金入りのコレクターが 復活させた 39 本の美しいセルロイド万年筆から始まった。 |  | 選択、文:山口 淳 写真 :四宮 義博 協力 :ダイヤモンド株式会社
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|  |  |  |  |  |  | 山口 淳 [ライター] |  |  |  | | 北欧のミッドセンチュリーの頃の椅子やプロダクトに魅せられて、かれこれ 10 年になる。縁あって、雑誌『太陽』の北欧デザイン紀行特集(2000 年 12 月号)の手伝いをしたことがきっかけで、2001 年には池袋コミュニティカレッジの「北欧インテリア入門」という講座の講師を引き受けるという貴重な体験もさせていただいた。正直、後者については、慣れないおしゃべりに加え、体系的に勉強したわけではないので馬脚をさらすのではないかと冷や汗ものだったが、この度、その特集と講座がベースとなった書籍『太陽レクチャーブック 003 北欧インテリア・デザイン』(平凡社)という本が刊行された。主要執筆者は、僕を除けば、島崎信さん、柏木博さん、織田憲嗣さんといった北欧やデザインの優れた識者、論客ばかりで、北欧デザインに興味のある人にとっての格好な入門書に仕上がっている。ご高覧いただければ、幸いである。 |  |
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 |  |  | プロダクトの世紀、20 世紀
20 世紀は、プロダクトの世紀だった。歴史上、これほど多くのモノがデザインされ、大量消費された世紀はなかったし、素材・システムの進化、あるいは生産効率という御旗の下、これほどめまぐるしく新旧交代が行われた世紀はかつてなかった。しかし、本当に新しいモノは古いものよりすべてにおいて優れていたのか。企業先導で推し進められた新旧交代は、本当に多くの人々が望んだ結果だったのか。そういう議論は、置き去りにされたまま、20 世紀は数多くのプロダクトを生み、そして捨て去ることを繰り返し続けた。 1990 年代は、その 20 世紀に捨て去られたモノ、捨て去られようとしていたモノに再評価の機会が与えられた時代だった。そう、間違いなく 20 世紀最後の 10 年は「20 世紀プロダクト再検討の時代」だった。 インテリアデザイン、日用品、家電、手の仕事・・・あらゆる分野で、過去の優れた仕事の発掘が行われ、再評価の機会が与えられた。ミッドセンチュリーデザイン、アナログレコード、ヴィンテージジーンズ、機械式時計。具体的例を挙げればきりがない。そして、その結果が教えてくれたのは、人が心地良いと思ったり、その琴線に強く響くプロダクトと、機能性・至便性に優れたプロダクトは、決して同じではないという、考えてみれば、ごくごく当たり前のことだった。 デザインに進化などないのだという真実。デジタルの音よりアナログの音を心地良いと思う感性。実用品として生まれたモノにも、その目的とは違うベクトルのいくつもの顔があるのだということ・・・。 ある道具を所有することの喜びとは、多面的であることを、我々は改めて認識することになった。
もはや、時代遅れの筆記具と思われていた万年筆がこの約 10 年、小さなブームを巻き起こしている理由も、そういう文脈でとらえると分かりやすい。 ワープロ文字の画一さに対して、書き文字ならではの個性や味。筆圧、傾斜角、クセに応じて経年変化をとげるペン先の不思議。アナログ文化ならではの心地良さと温かみ。アクセサリーとしての演出効果。珍しい素材や趣向を凝らしたデザインの特別な一本を所有する喜び。パソコンともボールペンとも異なる、万年筆ならではの美点を、挙げてゆくとその多面的な魅力に今さらながら驚かされる。 |
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 |  | アルチザン派の抬頭
ここ 10 数年の万年筆リヴァイバルブームに拍車をかけたのは、そういった万年筆の魅力にさらに+αの付加価値を備えたニューウェイブの抬頭が大きく寄与した事実も忘れるわけにはいかない。 セルロイド、カゼイン、エボナイトといった現在では使われなくなっている珍しい素材をボディに採用したり、意匠・装飾を過剰に施した限定モデルを競って出したり、過去の吸入方式を復刻させたりした万年筆が次々と現れ、万年筆は過ぎ去りしゴールデンエイジを今、再び謳歌しはじめている。 その中核を担っているのは、モンブラン、ペリカンを擁するドイツでも、かつての万年筆王国イギリスでもなければ、アメリカでもフランスでもない。いわゆるアルチザン(=職人気質)派のブランドを数多く輩出した、イタリア勢である。 ビスコンティ、スティピュラ、デルタ、モンテグラッパ、マーレン、クロネ(クロネは正確にはアメリカブランドだが製造はアルチザン派のイタリアのファクトリーが担当している)などなど、非常に個性豊かな役者がイタリアには数多く揃っている。
そのアルチザン派の先駆けといわれ、この 10 年の万年筆ルネッサンスの最も重要な立役者といわれているのが、ここで取りあげたビスコンティだ。ビスコンティの歴史は、決して古くはない。設立されたのは 1988 年。このブランドが生まれたのは、万年筆コレクターだったダンテ・ベルッキオとルイージ・ボレが半ば道楽で製作した 39 本の万年筆が、そもそものキッカケだった。 ふたりが目指したのは、万年筆黄金期といわれる 1920 〜 1950 年代の美しい万年筆の再現である。ふたりは、イタリアのセルロイドメーカーに働きかけ、当時は製造が中止されていた伝統的なセルロイドを復活させ、セルロイド調のアクリル素材の万年筆とは、まったく異なる美しい正統派セルロイド万年筆を作りあげ、 1989 年にお披露目する。数年後にはオークションに出品され信じられないような高値のついた、この限定万年筆の登場は、筋金入りのコレクターや既存のメーカー、ブランドにとって衝撃的な事件であったようだ。 モンブランが傑作ヘミングウエイを発表し、パーカーが往年の名品ビッグレッドを復刻させるのは、そのすぐ後のこと。イタリアでも老舗ブランドが次々と方向転換を計ったり、アルチザン派を標榜する新興ブランドが次々と名乗りをあげることになったのも、そのルーツを辿れば、すべては 1989 年にビスコンティが発表した、この 39 本の万年筆にいきつくといわれている。
つまり、ビスコンティは現在の万年筆ルネッサンスの祖ともいえるべき存在なのだ。ちなみに今回、大きく取りあげたビスコンティの 2 本のモデルは、胴軸部のクレセント(三日月)型のリングを溝に合わせてリングを押すとインクを吸収するクレセントフィラーという吸入方式を再現したものである。このクレセントフィラーは 1900 年代初めにアメリカのコンクリンという万年筆メーカーが考案したといわれる吸入方式で、最近までアンティーク以外では見られなかった珍しい吸入システムである。 ボディ素材は「コペルニクス」がビスコンティを象徴する純粋なセルロイドのソリッドブロックから削りだした半透明のセルロイドを。 2 本のアークがデザイン的特徴となっている「ミレニアム・アーク」は、透明なアクリロイドを採用している。後者は、残量インクも外から確認できる完全なスケルトン構造となっている。 |
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 |  | アルチザンブランドの宝庫
今回、ビスコンティの輸入元であるダイヤモンドが、ビスコンティの買える店として推奨してくれたのは、アメリカ篇のパーカーの時にも紹介した青山の書斎館。ここはビスコンティ以外にも、数多くのイタリアのアルチザン系ブランドを揃え、他店では入手できないオリジナルモデルなどにも力を入れている筆記具好きをワクワクさせてくれる素晴らしいショップだ。万年筆ルネッサンスの風を、ここほど心地良く感じさせてくれる店はおそらく世界中探しても他にはないのではないか。コペルニクス(限定 999 本)7 万 8,000 円、ミレニアム・アーク(各色限定 1,000 本)5 万 5,000 円
問い合わせ先:書斎館 Tel:03 - 3400 - 3377 |
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|  |  |  |  | |  |  | ジュリア系アルファロメオのショップ 私がジュリア・スーパーに乗り始めてもうすぐ 1 年。通っているショップに出入りする先輩に協力してもらって、ジュリア系アルファロメオの魅力とショップをご紹介いたします。
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