 |  |  | |  |  |  |  |  |  | 永山辰巳 [VividCar 元編集長] |  |  |  | | 2006年、VividCarはプロフェッショナルなブロガーを目指します。創刊以来5年を迎え、ちまたのブログサイトとは一線を画するVividCarは、ネットワーク知識編纂をビジョンに確実にコンテンツを増やしながら未来のWebBookメディアを開発してきました。私たちはこれをWebフォトジャーナルシステム呼びます。生涯にわたり記録し続け知識を編纂する楽しみをごいっしょに。 |  |
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 |  |  |  |  | 朝の 9 時 10分。 ビルの谷間から猛煙が見えた。この時点では ワールドトレードセンターだとは知らなかった。 |  |
|  |  |  | 朝の通勤ラッシュ
その日、けたたましい工事の音で目が覚めた。ウオール街一帯は、地下にケーブル、施設の埋めこみ工事をしていて、あちこちで騒音が立ちこめていた。いつものように、9 時すぎにアパートをでて地下鉄で、ウオール街駅から14 番通り迄行き、そこから徒歩で仕事場まで向かうので、身仕度を済ませて出勤するところだった。
突然、ドーンという爆裂音が聞こえ、まさか工事の最中ガス爆発でもやらかしたんじゃないかって思った次の瞬間、すごい衝撃波がアパートを襲った。外に出ると、アパートの前の通りは、いつものように朝の通勤ラッシュで人の波が激しいが、何か異様な雰囲気が辺りを包んでいる。と、突然上空からは、書類やゴミが降ってきた。
ビルの谷間から猛煙が見える。どうもビルの火災か爆発のようだ。人々の顔を見ると何か恐れた様子で、やや身を竦ませて空を見あげていたが、辺りの会話から、航空機がビルに突っ込んだんだと聞こえてきた。 煙の方角は地下鉄の路線にあたるので、地下鉄は諦めて、ハドソン川の方へ歩いてでれば、ウエスト通り沿いに北へと向えば職場に着けると考え、徒歩で進み出した。だかここから 3 時間、信じられない経験へと進み出してしまった。 |
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 |  |  |  |  | 9 時 22分。 この角度からは一号館が見えない。 まさか一号館も火災に見舞われているとは思いも よらなかった。 |  |
|  |  | 悲惨な光景が
西へ移動し、ブロードウエイにでると、辺りがますます混乱していることが理解出来た。人々の顔はいっそう険しくそして悲しみに満ちている。混乱している女性もいる。火災の方角から歩いてくる人の中には、怒りに満ち満ちている人もいる。トリニティ教会のところまで歩いて、私は目の前の光景に唖然とした。
ワールドトレードセンターが火災に包まれている。まるでその昔見たタワーリングインフェルノをそのまま見ているごとく。
しかし、私はまだはっきりとは火災の原因を知らず、「やれ飛行機のエンジンが落ちてきた」とか聞きながら、火災はじきに治まるだろうと楽観視していた。ともあれハドソン川にでようと道を急いだ。 |
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 |  |  |  | 9 時 34分。 火災が両方のビルで起きていた。 周りの人々の中には、航空機が二号棟に突っ込むところを見ていた らしく、号泣している人もいた。 |  |
|  |  |  | 大惨事。だがいったいどうして。
ウエスト通りに出たところで、ワールドトレードセンターの悲劇の全貌を知ることとなった。一号棟は、二号棟より悲惨な大火災になっていた。広い道端に誰かが倒れていた。すぐに消防士が助けに来たが、何かが頭にあたったようだ。
とその時、まわりの女性から甲高い悲鳴があがった。「Did you see?」。それは悲鳴に近いものだが、ビルから人が飛び降り始めている。というか、火災の勢いでなげだされたようにもみえた。
心の中で、「どこか映画で見たシーンだ。でも現実だ。今目の前でたくさんの人が亡くなっている。なんてことだ。いったいどうして...」。一号棟の火災を見て、これが現代の消防技術でもどうにもならないところまで来ていると直感して、とにかく風上へ逃げなければいけないと思った瞬間だった。
この惨劇をどう理解していいのか分からないといった人々の不安とともに、次の災害が近づいていたのだが、誰がそれを予測しただろうか。突然、轟音と共に二号等が倒壊を始めたのだ。 |
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 |  |  |  |  | 9 時 57分。 二号棟が崩壊を始めた瞬間。 まるで、映画のスローモーションのごとく見えた。 |  |
|  |  | ビルの倒壊
とその時、辺り一帯に轟音を響かせ何かが起り始めた。 振り向くと、なんと二号棟がガラガラと崩れ始めた。火災は止めることができないだろうと思ったが、まさか倒壊するとは。慌てながらも、そのシーンをカメラに撮った。だが、次の瞬間どうなるのかはファインダーの中からは知る由もなかった。
倒壊し始めて 5 秒も経過してないだろう。膨大な粉塵、まるでそう火砕流のような勢いで私のほうへ押し押せてきた。この瞬間、命の危険を感じた。私よりビルの近くで見物していた人達が次ぎ次ぎと煙の中へ消えていった。
とにかく走った。ハドソン川まででればなんとかなると自分に言い聞かせて。だが、煙と粉塵は猛烈な勢いでビルの谷間をまるで生き物のように追ってくる。何人かが倒れたり、煙に巻き込まれていった。
走りながら考えた。あのビルには一体どれほど人が働いていたのか。きっと出社して間もない朝の活気の中で。最初の爆発で皆避難したんだろうか。そして、巨大なビルの倒壊で、あたりのたくさんの人が犠牲になったと思うと、自分ももしかしたらその犠牲者になってしまうのかと。 |
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 |  |  |  | 10 時 10 分。 もはや退路はバッテリーパークしかない。 粉塵に呑み込まれて太陽は見えず、息も苦しい。 何人かは倒れてしまった。 |  |
|  |  |  | 風上へまわれない
ハドソン川へようやく出ると、後ろに猛烈なスピードで噴煙が迫りながら、風上へ回ろうと道を探した。がしかし、すでに放射状に広まった噴煙はハドソン川へ達していて、風上への道を閉ざしていた。
この瞬間、自分のバカさ加減に怒った。なぜ写真なんか呑気に撮っていたんだ。さっさと風上に回れば二次災害から身を守れたのに。迫る噴煙に巻き込まれたら死ぬんだろうか。考えた瞬間に寒気がした。
すると、誰が叫んだのか、「バッテリーパークへ向かえ」と。辺りを見渡すと粉塵にまみれた消防士や警察官が、落ち着いて人々をバッテリーパークへ誘導している。だが、バッテリーパークはまさに風下だ。そっちに向かったら危険だ。とその瞬間、昔見たポセイドン・アドベンチャーのシーンを思い出した。自分で判断しなければだめだ。群集の中に巻き込まれたら生き残れない。
そう考えてみたものの、風上へ回る道はどこにもない。隣の男はじっとハドソン川を見つめていた。
消防士が、バッテリーパークからフェリーで救助するという声が聞こえた。しかし、粉塵に呑み込まれたどうなるんだろうか。呼吸困難で死にはしないか。 間もなく、音もなく我々は静かに粉塵の中に吸収されていった。あたりが突然闇になり、海中のプランクトンのような白い浮遊物が辺り一面を被い始めて、皆、シャツやタオルで口を押さえながら、静かに公園の突端を目指して歩いた。
不思議と誰もが落ち着いていた。中には、多分近くの住人だろうと思われる人もいて、着の身着のまま飛び出してきたのだろう。ビジネスマンと思われる人物は携帯で会議に遅れると話している。反応は人それぞれだ。しかし、心の底では皆隠しきれない動揺と怒りを持っていることは分かる。
するとあたりに人々の行動を組織化しようとする人達が現れた。民間人のようだが、落ち着くこと、バッテリーパークで救援を待つこと、もうすぐ、マスクが届くからといったような情報を大声で叫んでいる。 |
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 |  |  |  | 11 時 20 分。 ようやく難を逃れた。 ワールドトレードセンターはすでに無くなっている。 |  |
|  | 救助されて
たくさんのフェリーが救助にやってきた。対岸のジャージーシティーへと避難する。私のところへ一艘のぼろぼろの消防船がやってきた。アッパータウンに向かうという。私は、ジャジーシティーへ避難してもその後がたいへんだ。会社や友人たちはアッパータウンにある。たぶん、今夜、ウオール街のアパートへ戻ることは不可能だろうから、対岸へはいけない。 船に乗り込みマンハッタンを離れて見渡すとすでにワールドセンタービルは無くなっていた。一号棟も、ついいまし方崩れ落ちた。粉塵はますますひどくなっている。
ハウストン波止場に下ろされて、皆ほっとしている。やっと危機から逃れたのだという安堵感が皆の間に広まっていた。しかし、ウエスト通りには、大パニックの様相がまだまだこれから先続くことを暗示するようにレスキューが集結していた。
私はひとり、朝 9 時に始まった今日の惨劇をもう一度繰り替えし思い出しながら、とぼとぼとと力なく会社へ向かった。同じようにニューヨーカーは皆自信をなくしたようにうなだれ、悲しみ、路上に座りこんでいる。ラジオではテロの可能性を示唆するニュースが流れ、全米が非常事態に入ることを伝えている。
この事件の背後にどのような政治的は意図があるのか、これから知れることになるだろうが、今日この日多くの人々が一瞬にして亡くなった。いつもと変らない朝を向かえていたのが、一瞬にして消えた。悲劇をどういう言葉をもってしても、語り尽くせないが、この日のことをアメリカ人、そして多くの国の人々は忘れないだろう。そして、誰かが、この悲劇を造りあげた奴がいる。目的を、普通の人々の命を奪って達成しようとしたのだ。許されるわけがない。 |
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|  |  |  |  | |  |  | あの日神戸で考えた 1 月 17 日、阪神大震災から 11 年を迎えた。この日、国会では耐震偽装問題の証人喚問が行われ、黙とうをした後、「地震が起こってから公にできないのか」と言っていたという証人は「刑事訴追」を恐れて拒否し続けた。この人は、あの日どこにいたのだろう。
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 |  | |  |  | マーロー マーロウ、ホテルコンプリートアングラー周辺の写真集
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 | アスベスト :
|  |  |  | ワールドトレードセンターは、米国政府がアスベストの使用を禁止した 1972 年以前に建てられている。猛烈な白い粉塵は大半がアスベストだろうと報じられている。私も含めて大量のアスベストを吸引してしまった人達の健康被害が心配される。 そして、街中に飛散し、今も道路に雪のように堆積している粉塵にも大量のアスベストが含まれているであろう。 迅速な復興を願わずにはいられない。 |  |
 | Timeline :
|  |  |  | 8:45 a.m. American Flight 11, Boeing 767, Boston to Los Angeles がワールドトレードセンター North Towerにクラッシュ
9:03 a.m. United Flight 175, Boeing 767, Boston to Los Angeles がワールドトレードセンターSouth Tower に 1 機目とは反対側からクラッシュ
9:41 a.m. American Flight 77, Boeing 757, Dulles to Los Angeles がペンタゴン(Pentagon)にクラッシュ。 今日( 9/12 )のニュースでは、ホワイトハウスを狙っていたモノと判断される。
9:50 a.m. South Tower.が崩れる
10:00 am United Flight 98, Boeing 757, New Jerssey to San Fransisco が Pittsburgh の南東に墜落。
10:28 a.m. North Towerが崩れる |  |
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