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北海道のクルマ選び
北海道のクルマ選び
 北海道でクルマに携わる仕事をしていると「ああ、これって北海道独特の事なんだろうな」と思うことがよくあります。
 どんなに寒くても、どんなに雪が降っていても普通に日々の生活を送らなければならず、大切なアシとしてクルマが無くてはならない北海道。地元の人にとっては当たり前の事。けれども雪が降らない地域の人にとっては意外な事。今回はそんな話をしてみたいと思います。
文、写真:谷野智哉
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谷野智哉_プロフィール_写真Sicon_home谷野智哉
[自動車販売員]
 よく観光地などで“小京都”というフレーズを見かけますが、北海道は日本の中の海外、まさに“小外国”だと思います。どこまでも続く道、過ごし易いが時には厳しい気候。そして美味い食べ物。クルマで走っているとヨーロッパの田園風景やアメリカの広大な大地を連想させます(行った事はないですけど...)。
 北海道ってクルマをもっともクルマらしく使っている土地なのかもしれませんね。北海道の人はクルマを道具としてガンガン使います。やっぱりクルマっていうモノは走ってナンボ、使ってナンボですからね。でっかい北海道から独特のカーライフやドライブ事情などを紹介したいと思います。
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北海道で越冬するには、標準のクルマじゃ駄目
北海道のクルマ選び

 クルマを買うという行為はどんな人にとっても心弾む楽しいものです。車種やグレードで悩み、色やオプションで迷った末に一番納得のいったクルマが愛車として決定されると思います。しかし北海道のクルマ選びはそれだけではチョット足りないのです。絶対に考えなくてはならないのが “冬”のこと。必ずやって来る冬将軍に立ち向かう為の北海道ならではのクルマ選びの基準や価値観が存在し、これが重要なポイントとして大きなウエイトを占めるのです。

 北海道の多くの人が車を買う際、気にかける最初のポイントが駆動方式です。普通は自動車雑誌などを読む事がなく、クルマに興味がない人にとっては駆動方式なんてモノには全然関心がないはず。4 WD 位は解るでしょうが「FF、FR って何?」という人もいるのではないでしょうか。
 ところが、ここ北海道は違います。クルマの名前さえも良く解からない人でも、「FR よりは FF、FF よりも 4 WD のほうが雪道では強い」というのが一般的に常識となっているのです。「このクルマって FF?」「これには四駆は無いの?」と、ショールームに車を見に来た、ごく普通のオカアサンなどにもよく聞かれることがあります。

 スパイクタイヤが禁止されてからの北海道の都市部の交差点には“ミラーバーン”もしくは“ブラックアイスバーン”と呼ばれる路面が出現します。これは、交差点付近で止まったり発進したりする際にスリップしたタイヤが、凍結した路面をツルツルテカテカに磨き上げて出来る現象で、まさにスケートリンクの上をクルマが走っているような状態になります。おそらく非降雪地に住んでいる人は歩くのさえもままならないはず。そんな道路ではどんなドライバーにとっても、発進に関しては FR より FF、FF よりも 4 WD のほうが間違いなく有利です。
 親が免許取立ての娘に車を買ってやる時などは「絶対に四駆を」というのは北海道ではよくある話。普通のファミリーカーやコンパクトカーでも“ヨンク”人気は高く、中古車市場でも“ヨンク”というだけで商品価値がグーンと跳ね上がります。逆にワンボックスカーの FR などはまるで人気がありません。余談ですが中古車市場に出回るメルセデスの 4 マチックなどは、その多くが需要のある北海道に集まるという話を聞いたことがあります。

 やはり北海道の、とりわけ雪が多い地域の人にとってみると 4 WD であることによって安心できるシーンはかなり多いのです。これだけ 4 WD の車種が多く設定されているのは世界中探しても日本のメーカーだけ。雪の降る他の国で“ヨンク”の需要がそれほど高くないのが個人的には不思議でたまりません。
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深雪でタイヤ半分が埋まる事もしばしば
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朝には、クルマ全体がカマクラ状態...
なくてはならない装備

 北海道の冬のクルマにとって必要不可欠なものといえばスタッドレスタイヤです。北海道ではクルマの見積もりを頼むとスタッドレスタイヤ、ホイールが最初から付属品として付けられ計算されるのが普通で、クルマの価格表にもスタッドレスタイヤとホイールの価格は必ず載っています。

 突然ですが、あなたは自分の車のタイヤ交換をした事がありますか?最近の車はパンクもしないし、タイヤが減ったらカーショップで換えてもらい「自分では交換したことがない」というのが一般的でしょうか。
 ところが雪国では必ず年に 2 回はタイヤ交換をしなければいけません。当然冬の間はスタッドレスタイヤでなければ走ることが出来ないので必然的に晩秋と春先にタイヤ交換という作業をする事になります。もちろん「カーショップでやってもらう」という人もおりますが、多くの人が夏用と冬用にタイヤとホイールを 2 セット持っていて、車載工具のジャッキとレンチを使い自分でタイヤを交換してしまいます。テレビの天気予報で雪だるまのマークを見かける頃、自宅の庭先やガレージなどで愛車のタイヤ交換をしている姿をあちらこちらで見かけるようになるのです。東京の友人はこの姿を見て「えっ、こっちの人は自分でやるの?」と驚いていました。

 ちなみにこちらではチェーンを持っている人は滅多にいません。参考までに、スタッドレスタイヤを“冬タイヤ”普通のタイヤを“夏タイヤ”と呼ぶのも雪国ならではなのでしょう。そうそう、これもおそらく雪国ならではだと思うのですが、秋口から冬にかけて “ご成約いただいた方にスタッドレスタイヤプレゼント”なんていうのが各ディーラーの広告で見かけるようになるのです。買わなくてはならない物が最初から付いてくるとなると買う側にとっては大きな魅力です。必要な物とはいえ買うとなると結構大きな出費になりますからね。
 ところで、雪道用のタイヤとしてスタッドレスタイヤがあるということは、ほとんどの人が知っていると思いますが、冬用のワイパーとして“ウインターブレード”という物があるということは意外と知られていないようです。
 我々北海道のドライバーにはごく当たり前の自動車用品のひとつであり、冬のドライブには欠かせないアイテムなのです。一般的なワイパーブレードを雪の日に使用すると、フレームとゴムの間の隙間に雪が入り込んで凍りつき、しまいには全体が氷の塊のようになり、ガラスを拭くことが出来なくなってしまうのです。その点ウインターブレード(スノーブレードともいいます)はブレード全体がゴムで覆われており、凍りつくことはありません。雪の日のドライブでは視界を確保することが非常に重要なことなのです。このワイパーブレードの交換は大抵の場合クルマの冬支度としてタイヤ交換といっしょに行います。
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冬眠しないクルマは必要不可欠
冬眠するクルマ

 ときおり、輸入車のスポーツカーなどで特殊なサイズのタイヤを履いている為、適合するサイズのスタッドレスタイヤが全くない事があります。つまり、雪が積もると乗れなくなってしまうのです。そのようなクルマは春が来るまで、ガレージで “冬眠”を決め込むしかありません。冬の北海道で冬眠しているのは熊だけではないのです。又、スポーツカーのほかにもヒストリックカーなども冬眠する“種”のようです。

 厳しい冬が終わり、ふきのとうが顔を出し始める頃、冬眠から覚めたクルマたちが走り出すというのも北海道ならでは。そして、その頃になると「やっと、思い切りクルマを走らせることが出来る!」と、クルマを愛する人たちも、なぜか心が弾み、なんともいえない嬉しい気持ちになれるのも、まさに“北海道ならでは”なのでしょう。
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この矢印の意味、わかりますか?答えは「道路の左端を示す矢印」で同時に、ここまでは除雪してある、という目印です。
吹雪で視界の悪い時などは、これを基準に走行すれば、対向車線にはみ出したり路外に転落する心配がいりません。
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RENAULT_Lutecia_SRENAULT Lutecia
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