 |  |  | | | ルノーセニック、意外な高速ツアラー | | ルノーセニック、意外な高速ツアラー |  | | 日本ではミニバンが大流行だけど、彼の地でもちょっと背の高めな車が増えてきた。やっぱり日常の使い勝手を考えれば少し背が高めで人間を立てて座らせて(変な表現だ)前後の寸法的な余裕を稼ぐというパッケージングは無用に車を大きくしないという点で理にかなっている。 |  | 文:武田和宏
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|  |  |  |  |  |  | 武田和宏 [自動車業界人] |  |  |  | | イギリス車の魅力を、文化や歴史も合わせてお伝え出来ればと考えています。 |  |
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 |  |  | モノより思い出
この手の車は「モノより思い出」ってくらいで家族を乗せて渋滞をものともせず観光地へ向かうというのが日本風ではあるかもしれないが、セニックに関してはこのオシャレで出来の良いシートと高い直進性をもたらすしっかりした足回りによって、意外と長距離ツアラーとしての資質が高い。
日本の高速道路ではその本領を発揮できないかも知れないが、直進性とフラットな乗り心地の両立はまさに車つくりのお手本とも言えるもので、安心して高速クルーズができる。どうもこういう事はドイツ車の本領でフランス車は高速ツアラーのイメージが薄いのだが、実際は結構な性能の持ち主である。
シートに関してもドイツ製のものが固くしまった乗り心地と疲労の少なさを売りにしているが、どうもドイツ車のシートに座っていると会社で仕事をしているような感じになるのは私だけだろうか。その点フランス車のシートは全般に表面が柔らかくゆったりと体を受け止めてくれる感じがする。但し、昔のアメリカ車のようにただただひたすら柔らかいというのではなく、芯はしっかりしていて体を不要に揺らしたりはしない。結果として体をしっかりとホールドしてくれるのである。
フランスの車の中でもルノーの車はこの点において昔から評価が高い。昔のルノーに比べればその柔らかさという意味では特徴が薄れたという人もいるが、現代の水準においては十分柔らかいし、ドイツ製の「きちんと座りなさい!」と怒られてるような感じのするシートとは違ってなんとなくリラックスできるシートである。 これと当たりは柔らかいがしっかりと粘るサスペンションの相乗効果で乗り心地はフラットで滑らかである。
この足回りとシートのおかげで天気の良い休日には高速道路を飛ばして「ちょっと清水まで魚を買いに」とか「長野までお蕎麦を食べに」とかいったオシャレがしたくなる。こういう局面でも明るく広い室内と見晴らしの良いグラスエリアのおかげで周囲に目配せをしながら安心して走る事ができる。
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 |  |  |  |  | アップライトな運転姿勢を要求され るが、高さから来る不安定さは感じ られない |  |
|  |  | 御愛嬌も多いが熱意は買おう。
高速ツアラーとしては結構な資質を持つセニックではあるが、街中でも使いやすさは変わらない。 後部ドアのガラスハッチは外から開けられるし、これでもかとばかりにある小物入れは日本車もびっくりというくらい。ただ、 350 ml のカンを入れると蓋が閉まらないカンクーラー(ヨーロッパでは普通の 330 ml ならちゃんと閉まる)や、日本ではほとんどの人が使っているフロアマットを曳いてしまうと隠れてしまう小物入れがあったりと御愛嬌の部分も多い。
3 人分をしっかりとセパレートした後席もこのセニックが始めて打ち出したコンセプトだが、それぞれの席を外せたところで日本の住宅事情ではしまって置く場所が無いかもしれない。おかげで後席の外側に座ると妙にサイドのドアガラスが頭のそばにあったりする。一方、それぞれのシートがスライドとリクライニングをするので、各自の体型によって最適な姿勢を選べるという意味ではこのシートは中々良くできていると思う。 発表当初にあったこの 5 つのシートがそれぞれ異なった色の表皮に包まれていたバージョンが大変おしゃれでこういうインテリアが評価されればなと思った記憶がある。
速度変化の激しい日本の交通事情では若干止り方が下手かなと思われるオートマチックトランスミッション等もそのご愛嬌の内だろうが、減速時にシフトダウンをしてつぎの加速に備えるとか、エンジンブレーキを積極的に使おうという学習機能付きとかいうトランスミッションもその発想は歓迎すべきだと思う。
左ハンドルを見た事が無いのではっきりとはわからないが、右ハンドルについてはステアリングが若干外側に傾いている。これも慣れれば気にならなくなるし、 3 日間で 450 キロを走った間に違和感があった記憶はない。まあ、これも御愛嬌でしょう。ライバル達に先んじて右ハンドルを作っただけでも表賞ものだと思う。
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 |  |  |  |  | オペルサフィーラは日本製のミニバンに 近いパッケージングだが、走行感覚は 完全にドイツ車 |  |
|  |  | ライバル達
1997 年に発表されルノー社に多大なキャッシュフローをもたらしたこのセニックは、今回のマイナーチェンジでメガーヌの名前がはずされた。それでもリアドアのガーニッシュにはメガーヌの刻印がある。部品を先に買ってしまっていたのかなと思うとフランス人のケチさ加減が伺える。
ただ、儲かった車は改善にも力が入っており、今回はエンジンやリアドアのガラスハッチといった大物部品が変更されるという大掛かりな変更である。
これに対してこのヒットを目の前で見ていたライバル達もこのマーケットに参入してきた。まず最初の挑戦者はシトロエンのピカソとフィアットのムルティプラだろう。ただしこれらの車種は彼の地での需要に対応する事が第一らしくまだ右ハンドルとオートマティックが用意されていない。インポーターもそこは理解しているらしく、両者ともまだ正規輸入は始まっていない。
これらとは少し趣きが違うが、ドイツのオペルからはザフィーラが登場している。これは日本のライバルに近く 4.3 m 強の全長の中に 7 人乗りのスペースを作り出している。 3 列目のシートの畳み方も薄めのシートを活かした実に巧みなもので「流石!」とうなる部分は多い。
余談になるが日本でもこの考え方のフォロワーは多く、日産のティーノ、トヨタのオーパ、ホンダの新型シビックもこの系統かも知れない。やはり 5 人乗りの乗用車がセダンで無くても良いと思った瞬間に、車はこういう形が一番良いのだろうと思う。
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 |  |  |  | オーバーハングを切り詰めたコンパクトな ボディーに大きな収納スペースを作り出す パッケージングは見事 |  |
|  |  |  | ラテンの実用車を楽しく使い倒そう。
実用の機械の代名詞はかつてドイツ製であった。時代は変わって自動車はワールドワイドな商品になりその品質についても均質化が進み、フランス車の足回りは固くなり、ドイツ車のそれはしなやかになった。それぞれの車の内装や装備は日本の車もかくやと思われんばかりの電気仕掛けとプラスティックのオンパレードである。そういう中でもこのセニックのシートや走りっぷりはフランス車の香りを強く残すし、反対にザフィーラはこれでもかと言わんばかりのドイツ車であった。
輸入車に乗るという事はその生産国の文化に触れるという面があって面白い。この車もフランス流のしなやかで元気な仕上げになっていて、おしゃれでありながら実用の道具としてのポイントはしっかりと押さえている。車をただの道具だと思うと、この手のものは日本車がもっとも良くできているとは思うが、文化を感じられる道具としては稀な存在で、国産車とのこの程度の価格差は十分に説得力があり、良い買い物だと考えられる。
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|  |  |  |  |  | RENAULT Scenic セニックは昨年マイナーチェンジされて実用性については大幅に向上が図られた。造型的には少し個性が薄れたかなとも思うが改善代の大きさに拍手である。 |  |
 |  | |  |  | ゴルフ プラス 85 mm フォルクスワーゲンゴルフのラインアップに、ルーフを 85 mm プラスしたゴルフプラスというクルマが追加された。今回はこのクルマを通じて自動車会社のマーケティングについて勝手な考察をしてみたい。
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