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tab_star2002/06/04tab_end新10年10万キロストーリー
新10年10万キロストーリー vol.05
竹内 章さんのケイターハム・スーパーセブン
 趣味がクルマという人はいても、そのクルマを通勤、買い物、荷物の運搬に使わずに純粋に運転、走るという目的だけのクルマを持っている人は少ないだろう。

 今回はそのような純粋に趣味のクルマとしてケイターハム・スーパーセブンに 15 年乗られている竹内章さんを訪ねた。
文 :金子浩久
写真:若林正幸

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金子浩久_プロフィール_写真Sicon_home金子浩久
[自動車評論家]
 ミニ・クーパー S の国際試乗会に招待され、ポルトガルのリスボンに来ている。ノーマルのクーパーも素晴らしいが、クーパー S はもっとスポーティに仕上がっていた。
今日もこれから、カスカイスやエストリル周辺の海岸沿いのワインディングロードを走ってくる。この辺りは、10年以上前にポルトガルグランプリをよく取材に来たところで、いろいろな思い出があって懐かしい
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竹内さんのケイターハム・スーパーセブン
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スーパーセブン仲間の阿部さん、飯田さんと
オフタイムの楽しみ

 男がいて、女がいる。陰があって、陽がある。悲しい時もあるけど、楽しい時もある。オンタイムを乗り切れるから、オフタイムが楽しい。
 東京練馬区に在住の竹内章さん(51 歳)は、 86 年型のケイターハム・スーパーセブン・スーパースプリントに、もう 15 年間も乗り続けている。その間の走行距離は、 3 万6000 Km。通勤とか、買物とかの移動や運搬などのために乗ったことはない。純粋に走る楽しみ、運転のための運転を続けて 15 年が経った。
 関東近県の峠に走りに行くこともあれば、近所をグルッと一周するだけのこともある。泊り掛けでなければ、早朝に出発して午前 11 時 頃に帰ってきて、午後は洗車をして過ごす週末もある。
 よく行くのは、秩父の峠道。コーナー径の大きな正丸峠より、定峰峠の方がスーパーセブンには合っているから好みだ。
 いろいろな場合があるが、竹内さんはほとんどの週末をスーパーセブンで走っている。
「よく走りましたね」

 血色の良い顔をした、健康そうな日曜日の竹内さんは、ご自宅でスーパーセブン仲間の方々とクルマを前にして語らっているところだった。
「セブンの魅力ですか? トップスピードよりも、車体の軽さを生かしたコーナリングと加速ですね」 
 ご存知の方もいるだろうが、竹内さんのスーパーセブンの車体重量は 510 kg 。スーパーセブンには様々なバリエーションがあるが、車体重量はまぁだいたい同じようなものだ。
 セブンだけでなく、スポーツカーにとって“軽さ”は命である。どんなにパワフルなエンジンを積んでいようが、どんなにハイテクなトランスミッションやサスペンションを装着していたところで、軽いというアドバンテージにかなうものはない。これは鉄則だ。
 自動車構造的には時代遅れも甚だしいスーパーセブンが、基本構造はそのままに現代でも存在意義を失わないのは、ひとえにその軽さにある。竹内さんが、「トップスピードよりも、コーナリングと加速」と看破しているように、スーパーセブンの魅力は馬力荷重の小ささによって得られる運動性能にある。

 20 代の頃はバイクレースに出たりしていた竹内さんは、 1979 年に MG ミジェットを購入した。それを 4 年間乗って、売却。得たお金に、「セブン貯金」を 2 〜 3 年続けて、 85 年 5 月にインポーターの紀和商会に出掛けていって、注文。それから約 1 年後に納車された。本体価格は、 395 万円だった。
「紀和商会から妻に電話を入れましたよ。“これから買うゾ”って伝えて、了承をもらうためにね(笑)」
 今は違うけど、スーパーセブンを買った時、竹内さんは銀行員だった。別に、誰が何に乗っても構わないのだけれども、銀行員という堅物イメージと走る快楽そのもののスーパーセブンが重ならない。
「特に、スーパーセブンに乗っていることは銀行の人間には言いませんでしたよ。オンとオフは分けたいですからね。でも、富士スピードウェイでのオートバイのレースで怪我をした時には 2 週間入院したので、さすがにバレましたけど」
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欠けてしまったピストン
セブンがなくなったら

 この、「オンとオフは分けたい」という竹内さんの言葉にスーパーセブンとの 15 年間が表れていると思う。「セブンで一番楽しかった時、ですか? 夏に伊豆に行った時ですね。メチャクチャ暑い日で、それが良かった。マンボウ亭で飲んだ生ビール 3 杯が最高に美味しかった」
 竹内さんはスラスラと思い出す。直射日光に照らされながら、クーラーなどがない上に、エンジンの熱気がそのまま伝わってくるスーパーセブンでツーリングに行って、ひとっ風呂浴びたあとの生ビールは、さぞかし堪えられなかったことだろう。話を聞いていたこちらの喉も鳴ってきた。汗だくの“オン”と、冷えた生ビールの“オフ”。竹内さん流の楽しみ方だ。
 最も遠くへは、友人のいる那須に出掛けた。那須から福島の山奥の方の木賊温泉というところもいいらしい。
「あのクルマは、温泉巡りが楽しいですね」

 竹内さんは、走るためだけの乗り物が好きだという。バイクレースの前は、30 歳までラジコンに凝っていた。
「内燃機関に興味があるんです。だから、レース用の自転車とかには関心はありませんからね」
 もし、スーパーセブンに乗らなくなったら、エンジンがいいクルマに乗ってみたい。 VTEC エンジンを積んだシビックやインテグラのタイプ R、マツダ RX-7 、フェラーリ 575 マラネロ等々だ。
「ジネッタも魅力ありますけど、サーキット専用みたいなクルマで馴染めなかった。公道をツーリングして楽しいクルマじゃないと」

 カタチだけから類推すると、スーパーセブンで 15 年というのは、さぞや維持に苦労しているのではないかと思ってしまうが、全然そんなことはないという。
「壊れないし、壊れても、パーツは大丈夫。インターネットで、いくらでも入手できますから」
 修理も、ほとんど自分で行なっている。
「構造がシンプルだから、簡単ですよ。ガソリンが来て、電気が来て、ちゃんと圧縮があればエンジンは掛かりますしね。難しいところはありませんが、強いて言うとキャブレターの調整は、少し気を使いますか」
 竹内さんのスーパーセブンは、実は一度だけエンジンをブローさせている。 00 年 10 月にツインリンクもてぎを走って、ピストンを欠いてしまった。なんとか自走して、自宅まで帰ってきて、ウマを咬ませて約 2 ヵ月掛けてピストン交換を行なった。だから、いま一番やりたいのは、エンジンのオーバーホールだ。
「カアちゃん手放しても、セブンは手放せません(笑)。冗談、冗談。もし、このセブンがなくなったら、もう 1 台買うかもしれない。これがあるから、月曜から金曜までの仕事をガンバれるんだから」
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ご自宅の前で奥様と
セブンとの付き合い方

 竹内さんとお仲間によると、日本には並行輸入分を含めると、約 1 万台のスーパーセブンが存在しているのだという。だから、程度のいいクルマを探してくれば、手軽に楽しむことができる。
 最新型は、ブレーキがディスク化され、リアサスペンションがリジッドからドディオンタイプに改められている。その上、ハニカム構造材がコクピット周りに貼られ、フレームのパイプ径が太くなり、約 10 kg 重くなっている。その違いにこだわらなければ、旧型でも楽しみ方にも変わりはない。
「ミニよりお金の掛からないクルマでしょう。自分でイジる人には、おススメします。セブンには、乗る楽しみとイジる楽しみのふたつの楽しみ方がありますから」

 竹内さんはスーパーセブンを死ぬまで持ち続けると言っている。何歳になってもスーパーセブンで峠を走っている姿を想像すると、微笑ましくなってくる。時間が経てば、仕事や家族構成などの境遇も変わってくるだろう。でも、スーパーセブンとの付き合い方は変わらないのだろう。竹内さんと、ピカピカに磨き上げられた彼のスーパーセブンを見ていると、そんな気がしてくる。
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ケイターハム_スーパーセブン_スーパースプリント_1986_画像
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