 |  |  | | | スマートドライビングのすすめ vol.2 | | ドライビングをより積極的に楽しむために、ちょっと真剣に考えてみよう! |  | 第 2 回「ベテランドライバーが危ない!運転姿勢(前編)」
ベテランドライバーが危ない!シリーズ、というわけではありませんが、学習の機会は無いし情報も少ないのに運転は日々繰り返されるので、自己流がコチコチに固まってしまうベテランドライバーは様々な潜在的危険性を持ちがちです。いや、99.9 %の人が持っているのです。今回はそんな中でも最も基本的、ゆえに最も大切な「運転席に座り、シートを合わせる」いわゆる「運転姿勢(ドライビングポジション)」をテーマにします。 |  | 文 :田部雅彦 写真:AUDI JAPAN
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|  |  |  |  |  |  | 田部雅彦 [ドライビングインストラクター] |  |  |  | | 20 年くらい前、ラリーを一生懸命やっいてた。崖から落ちたりガードレールに張り付いたり。先輩から教わったことは「アクセル踏めぇ!」ぐらい。あの頃、タイヤやクルマの物理的な原理を知っていたら速く走れ、クルマを壊さなかったのかなぁ。 |  |
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 |  |  | 良い運転姿勢とは?
多くの方が「ゆったりとした姿勢」とか、「疲れないポジション」とおっしゃいます。が、それはほとんどの場合イメージのレベルで、具体的な調整の仕方や何故そうするかまではなかなか考えられていません。逆に「ゆったり」というイメージはクセモノで、どんどんステアリング周りや足元にスペースを生み出します。つまり、ステアリングやペダルから身体が離れていってしまいます。更に様々なパワーアシストはこの悪しき傾向をアシスト・・・ステアリングは片手(指先?)で、ペダルはつま先でチョチョイとやってクルマは動かせるので、いわゆる「くつろぎポジション」が完成するわけです。このポジションでは、「あわや!」という時にハンドルをサッと切ったり、バシッとブレーキを踏めないのはお分かりでしょう。人間の身体は、関節部分が伸びていると力が出せないし、動きのコントロールも難しいんです。例えばテニスのラケットを振る時、スキーでの下半身、絵を描く筆使いなどなど・・・ドライビングも全く同じです。人間の身体は関節部分が余裕(柔軟性=曲がり)があって、初めて力強い動きや正確な動作が可能なことを肝に銘じてください。
良い運転姿勢とは、「運転に必要な 5 感を働かせやすく、手足を中心とした身体を動かしやすい姿勢」です。こう言うと窮屈そうに感じるかもしれませんが、イコール最も「疲れない姿勢」なんです、実は。職業ドライバーが姿勢を正して運転しているのは、たいそうな意識よりも経験から疲れない姿勢を取っているんです、失礼。
前置きが長くなりましたが、パートに分けて具体的にドライビングポジションの決め方を説明しましょう。 |
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 |  |  |  | 良い座り方:隙間の無い状態(上) 悪い座り方:腰の後ろに隙間がある(下) |  |
|  |  |  | ● 座る
まずはシートに座る時点から間違うと、ほかに気を配っても全てが無駄になります。「手足を中心とした身体を動かしやすい姿勢」と言いましたが、ゴルフと同じ、しっかりとした土台つくりが肝心です。
まず多くの人が浅く座っていますので、お尻、腰、背中をしっかりとシートバック(バックレスト)に密着させてください。一度お尻をグイグイと押し入れる感じです。浅く座って骨盤が後傾していると、頭の重さが背骨から腰に斜めに懸るので腰痛の原因になるし、身体が常に揺れるので疲労も増します。とうぜん、クルマの動きは感じ難くなり、ブレーキを強く踏もうと思った時にはお尻がズレるだけでペダルに力が伝わらない。ひどい座り方だとまず急制動は出来ないでしょう。 |
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 |  |  |  | 良い脚の状態:膝に十分余裕がある(上) 悪い脚の状態:膝が伸びきってしまう(下) |  |
|  |  |  | ● 足の動きを決める?シートスライドの調整
しっかり座ったら足の動きを決めましょう。ペダルは動かないので(先ごろ、ペダル全体が前後に動く機能を持ったクルマが発売された、拍手!)、シートをスライドさせて足の余裕をつくり出します。基準は「思い切りブレーキペダルを踏んでもヒザが伸び切らない」ことです。ヒザが伸び切ったらそれ以上ブレーキを踏む力は出せません。これはエンジンを掛けて確認してください。ブレーキの倍力装置が働くとブレーキペダルは数センチも奥に入ります。このスライド位置なら、 MT ならクラッチもしっかり切れるし、フットレストがあればふんばりも効かせられるでしょう。おまけに・・・というとヘンですが、衝突した時もひざや腰にモロに衝撃が掛かるのを防げます。衝突実験の映像ではなかなか見られませんが、ブレーキペダルによる下肢の傷害はとても大きな問題であり、その瞬間ヒザが曲がっていれば衝撃の緩和にも効果があります。
話は逸れますが、ブレーキペダルって引っ込むの?と思った方!ブレーキペダルを踏みながらエンジンをかけてないでしょ。 AT でも MT でもブレーキペダルを踏んでエンジンスタートって常識ですよ。最近はクラッチを切らないとスターターが回らない一途なクルマもあるようですが。 |
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 |  |  |  | 良い腕の状態:腕に十分余裕がある(上) 悪い腕の状態:腕が伸びきってしまう(下) |  |
|  |  |  | ● 腕の動きを決める?バックレストの調整
腕の動きというのはステアリングと身体の位置関係で決まってきます。基本的にはバックレスト(背もたれ)の角度で調整します。ステアリングの何処を握ってどう操作する(回す)かもけっこう関係してきますが、それは別の機会にお話しするとして、基準は「どのような操作状態でもヒジが曲がっている」ことです。ほとんどの乗用車ではステアリングの 12 時の位置(真上)、もしくは肩から対角まで切り込んだ位置が最も肩から距離があるので、ここでヒジに余裕があれば(曲がっていれば) OK です。この時、背中がバックレストから離れていたら意味がありませんので要注意。余談ですが、真剣に合わせようとすると調整ピッチの大きさが気になり、ダイアル式が欲しくなることもありますね。また、レッスンにいらっしゃる女性陣から「そんなに前かがみじゃダメだ、ゆったり運転せい、とふんずりかえった姿勢を先輩(多くはダンナや彼)から強要される」という話を聞くとことがあります。だれもが最初は一生懸命運転していてアップライトだった上体が、何事も無く過ぎてゆく年月の中でダンダン、ダンダン寝てゆくのって怖いですね〜。 |
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 |  |  |  | 良いヘッドレストの状態: 頭の中心とヘッドレストの中心が合っている(上) 悪いヘッドレストの状態: ヘッドレストが首に当たってしまう(中) 振り返って自分の目で確かめて調整する(下) |  |
|  |  |  | ● その他のヒント
以上で基本は大丈夫でしょう。人間の身体は千人万別、足を合わせたら腕が伸び切っちゃうとかなかなかしっくりこない場合もありますが、大切なのは考え方を理解する事だと思っています。そうすれば後は各自の応用力で解決してゆけるはずです。あと、運転姿勢を合わせる調整機能やヒント(といっても重要!)をいくつか加えておきますので参考にしてください。
・ヘッドレスト ほとんどのクルマにはバックレストの上に「ヘッドレスト」が付いています。ヘッドレストは HEAD =頭 + REST =休め、という勘違いから枕ぐらいにしか考えてない人もいるかもしれませんが、 Head Restraint =頭部の抑制(衝突時の)というのが本当の名称ですから、機能が発揮できるように調整をしてください。恐ろしい事に、ほとんどの人がヘッドレストを後頭部の下、つまり首に合わせています。頭をヘッドレストに押し付けて座りが良いのでここで OK となっているのでしょうが、首に当たったのでは鞭打ち防止効果は発揮出来ません。自動車メーカーのカタログ写真も最も下げてあったり、ヘッドレストのステーが短くてスグ抜けちゃう(国産車は多い)なんてことも大問題なんですけどね・・・ あと、ヘッドレストが傾く場合の使い方ですが、バックレストの傾斜によっては後頭部とヘッドレストのクリアランスが大きくなったら前傾させてください。通常でヘッドレストと頭が接している必要はありません、念のため。
・シートの高さ 座面の高さが調整出来るクルマも増えていますが、基本は高いほうがベターということです。目線が高くなれば情報収集に有利であり、ステアリングもペダルも上から操作したほうが身体の構造からも理にかなっています。
・シートの傾き 座面の前部と後部で独立して高さ調整が出来る場合は傾きも気にしましょう。基本はなるべく前傾させないということです。ももが圧迫されない程度に後傾させれば、腰の後ろがシートに密着する力が働き、衝突した時もサブマリン現象(ダッシュパネルの下に身体が潜り込んでしまう現象)が防げます。
・チルトとテレスコピック ステアリングが上下に動く(傾きが変わる)のがチルト、前後に動く(伸び縮み)がテレスコピックですが、基本は腕の余裕をバックレストで決める際の補助と、握りの角度調整に活用します。これも関節部分の余裕です、親指の付け根と腕が平らにならない=若干の角度が付くように調整してください。
まだまだ細かい部分や助手席の話もしたいのですが泣く泣く?「ドラポジ」はこの辺で一旦終わり、今回の流れから次は「ステアリングの持ち方、回し方」あたりをテーマにしようと思っています。秋は「アウディドライビングエクスペリエンス」も多く開催されますので、実践でやってみようという方はぜひおいでください! |
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|  |  |  |  | |  |  |  |  | アウディ・ドライビング・エクスペリエンス さる 7 月 14、15 日に富士スピードウエイのテストコースにおいて、アウディ・ドライビング・エクスペリエンスが開催された。今回のプログラムは、シチュエーション 2 と呼ばれる市街地や日常の運転の中で遭遇する危険な状況と対応を体験するのである。
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