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tab_star2002/07/03tab_endクルマの王道セダンボディ
モンデオがスムースに力強く
V6 と 5AT を得て競争力をアップ
 昨年新型に生まれ変わった際に、そのパッケージングと安全装備の豊富さで、D セグメントのひとつの基準になったと思われたモンデオに、新しいドライブトレーンが追加された。
 日本では唯一のエンジンとして選択された 2L 4 気筒エンジンは、その余裕たっぷりのシャシに対して若干のパワー不足を感じたが、今回搭載されたエンジンは、そのシャシに相応しいパワーを提供してくれた。
 
文:武田和宏
写真:柴田康年
取材協力:フォード・ジャパン・リミテッド

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武田和宏_プロフィール_写真Sicon_home武田和宏
[自動車業界人]
イギリス車の魅力を、文化や歴史も合わせてお伝え出来ればと考えています。
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新しく与えられた V6 エンジン
マニュアルシフトが可能になった
新規開発の 5AT
新しいパワートレイン

 今回追加された V6 GHIA はデュラテック V6 2.5 DOHC エンジンと新開発 5 速オートマチックトランスミッション「デュラシフト 5 トロニック」、さらには ESP (エレクトロニック・スタビリティ・プログラム)を標準装備にし、HID ヘッドランプを装備したものである。
 デュラテックと称される V6 エンジンは、最大出力 125kw ( 170ps ) / 6,000 rpm、最大トルク 220Nm ( 22.4kgm ) / 4,250 rpm を発生する。さらに最大トルクの 90% 以上を 2,000rpm から 5,800rpm という広い回転数域で発生し、ドライバビリティを向上させている。またこのエンジンは 2005 年欧州排ガス規制のステージ 4 をクリアしている。

 組み合わされる 5 速オートマティックトランスミッションはフォードとジャトコの共同開発になるもので、新開発のコントロールユニットによって刻々と変化する運転状況に合わせて 10 タイプのモードから最適なシフトパターンを選択するという。最近は学習機能を持っていたり、スポーツモードに自動で切り替わるという話は良く聞くが、 10 種類ものモードをあらかじめ備えているというのはあまり聞いたことが無い。
 またこのトランスミッションはマニュアルモードを備えており、シフトレバーの操作で任意のギアを選択できる。
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余裕のあるサイズの端正なデザイン
嫌味のないクリーンなラインが印象的である。
走ればスポーティサルーン

 抜群のスタビリティを提供する余裕のあるシャシが印象的だったモンデオだが、V6 エンジンを得てスポーティサルーンとしての運動性能を獲得した。今回の主役であるこの 6 気筒エンジンはあくまでも静かにその仕事をこなしているが、低速から十分なトルクを発生し、余裕のクルージングを可能にする。
 裏磐梯のカントリーロードを流している時が最もその動力性能に見合った気持ちの良い瞬間で、このフォード製のファミリーサルーンを選んだお父さんが家族から喜んでもらえるのがこういう瞬間だろう。静かに保たれる室内と、変速ショックがなく、さらにはしっかりとしたサスペンションがボディをフラットに保つ。

 但し、ワインディングロードに入ってひとたびアクセルを深く踏み込むと、大柄なボディは一気に活気付いて、軽快にコーナーをクリアしていく。ステアリングを切り込むと大きなボンネットは軽快にイン側に鼻先を向ける。トルクに余裕ができたおかげでコーナーの立ち上がりも素早く、気持ちの良いドライブが出来る。
 試乗当日は雨が降ったり止んだりという天候だったが、濡れた路面でも ESP の働きのお陰でトルクを無駄に使う事もなく、立ち上がりで深くアクセルを踏み込んでも姿勢が乱れるような事は無かった。

 新たに与えられた新開発のトランスミッションもなめらかで素早い変速を可能にするので、マニュアルモードでもオートマチックモードでもクルマを滑らかに走らせる。オートマチックトランスミッションが滑らかなのは国産車では当たり前の事だが、欧州の小型車では時々変速のプログラミングに違和感を覚えるものがある。
 今回技術解説の為に来日していたフォードの担当エンジニアに話しを聞くと、ドイツでもまだオートマチックの比率はこのクラスでも 15% 前後だという(日本ではオートマチック以外の設定は無い)。理由を尋ねるとやはりヨーロッパの人達はクルマがあくまでも自分のコントロール下にないと我慢ができないらしく、勝手に変速がされてしまうのは許せないのだという。「でもこのデュラシフト 5 なら多くのお客様が満足してくれるはずだ」とも付け加えた。
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最高級車らしいシートと様々な装備が
与えられている。
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ワゴンはセダンに対して全長も伸ばされ
積載性は抜群。オートレベライザーを
備えるので重い荷物も安心して積める。
インテリアはプレミアクラス

 フォードの最上級グレードに与えられる「 GHIA 」の称号を得た V6 バージョンは、革張りのシートが標準装備となる。そのシートはたっぷりとした大きさと厚さが与えられており、座り心地は良い。もちろんスポーツシートでは無いので、サイドサポートが張り出すという事は無いが、キチンと座れるように電動の調整機構は豊富に用意される。革ばかりが高級の象徴だとも思えないが、やはりこの大きな革張りのシートは満足感の大きい装備ではある。
 オーディオもインダッシュ式の 6 連奏 CD チェンジャーが標準装備され、各種の細かな電気仕掛けの装備類も豊富で、国産の高級車もかくやという状況である。そういう意味ではさすがに欧州フォードから日本に導入される最上級車としての仕上がりになっている。

 これはワゴンも同様で、安全装備や便利装備は同じレベルで用意されている。人や荷物を多く積む事を考えるとエンジンのパワーアップはワゴンの方に恩恵は多いとも考えられる。
 この広い荷室なら大きな荷物と大きな犬が乗っても余裕が有るだろうなと、つい自分の生活に置き換えて見てしまったが、最近増えているペットと泊まれる宿みたいなものに出かけるには最高のクルマだろう。
 
 帰路はワゴンで高速道路を福島駅まで向かったが 2755mm というロングホイールベースが生む高速直進安定性はすばらしく、大きなシートに身を任せて真っ直ぐに走る事が気持ちよい。普段はただ真っ直ぐ走る事にあまり気持ちよさは感じないのだが、こういうクルマに乗るとこれで長距離を走り抜けるというのも良いかなと思えてしまう。
 ヨーロッパ生まれのファミリーカーはやはり底力が違うなと言うのが実感である。あえてここでファミリーカーと書いたが、その他のライバルである D セグメントのプレミアクラスのクルマ達とは価格レンジが少し違って、買いやすい価格設定がされている事から、国産車の上級車を買う感覚で少し違うものをと考えていらっしゃる方には良い選択だと思う。
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