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tab_star2001/10/03tab_endクルマの王道セダンボディ
走りの天才たち
ポルシェの魅力、TVR の魅力
 欧州では、一日に数百キロをクルマで移動することも珍しくない。早く安全にそして快適に移動するニーズが確実に存在する。そんなクルマの代名詞がポルシェである。ポルシェ社は、自分たちのクルマをスポーツカーとは呼んでいないし、それは違うものだと言っている。ポルシェはグランツーリスモであり、そのためにテクノロジーをつぎ込んでいるのだという。

 以前からポルシェにはゆっくりとそれも彼らが言うところのシチュエーションで乗ってみたかったので、一日の休暇を有効に使うため、911 を使い、パリからシャンパーニュまで昼食をとり、周りを散策して帰る旅に借りてみた。

一方、英国には歴史と伝統を持つ、ブリティッシュ・スポーツが健在だ。その名は、TVR。TVR とは、トレヴァー・ウイルキンソンの頭文字。すべてがオリジナルで製作される生っ粋のスポーツカーだ。現在のオーナーは、ピーター・ウイラー氏。彼は、オーナーというより一人のエンジニアで、今では TVR の設計を行なうほどのエキスパートだ。さらにはタスカン・チャレンジと名づけられたワンメイクレースに自ら出場するほどのクルマ好き。
 英国では、ポルシェか TVR と比較されるほどのエンスーのためのエンスーなクルマなのだ。実際、ロンドンでは、日に何度も TVR を見かける。運良く、私はピーター氏と会談するチャンスに恵まれた。
文・写真:永山辰巳
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ここ 5 〜 6 年に海外で試乗したクルマを集めたpage1サマリー情報_サムネール
ポルシェの魅力、TVR の魅力page2サマリー情報_サムネール
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永山辰巳icon_home永山辰巳
[VividCar 元編集長]
2006年、VividCarはプロフェッショナルなブロガーを目指します。創刊以来5年を迎え、ちまたのブログサイトとは一線を画するVividCarは、ネットワーク知識編纂をビジョンに確実にコンテンツを増やしながら未来のWebBookメディアを開発してきました。私たちはこれをWebフォトジャーナルシステム呼びます。生涯にわたり記録し続け知識を編纂する楽しみをごいっしょに。
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Photo 1
HOTEL ROYAL CHAMPAGNE 裏の駐車場で。
バックには広大なシャンパーニュ地方のぶどう園が開ける。
シャンパーニュ、REIMS までの道のり

10:30
 パリ市内より東部方向、高速道路 A4 で REIMS 方面に約 150 キロ走行。REIMS で 4 番目の ST-REMI 出口(25 番出口)で高速を降りて...
12:00
 国道 N51 を EPERNAY 方面に南下する。約 20 キロ地点で Y 字道路を CHAMPILLON 方面に左折し、国道 N2051 に入る。直ぐに、HOTEL ROYAL CHAMPAGNE の看板があるので、それに従って約 5 分ぐらい走るとホテルに到着する
12:30
 HOTEL ROYAL CHAMPAGNE で食事
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Photo 2
Reims 市内にあるノートルダム寺院。
フランスにはノートルダム寺院っていったいいくつあるんだろうか?
ポルシェの 3 枚の写真は、コンタックス G2、21 mm、28 mm コダクローム
PKR 64 で撮影し、コダックのフォト CD でデジタル化している。
シャンパーニュでカーブを見学

 HOTEL ROYAL CHAMPAGNE でシャンペーンと昼食をとった後(約 2 時間)、さらに、国道 N 2051 を約 10 キロ南下すると、EPERNAY の町に到着する
15:00
 ここで、MT ET CHANDON の CAVE(カーヴ)を見学、並びに試飲をする。また、帰りがけにお土産を買う(約 1 時間)。

CAVE をあとにして、国道 N 51 を REIMS 方面に北上。約 30 分で REIMS に到着
16:30
 REIMS では VEUVE CLICQUOT のシャンペーン CAVE を見学しようとしたが、見学は全て予約制のため断念。シャンペーン SHOP を覗いて終了。
17:00
 ST-REMI インターより REIMS の町をあとにして、高速道路 A4 でパリへの帰途につく。夕方のラッシュに巻き込まれ、パリ市内に 19:30 頃に到着。

 こうして、Paris、REIMS の日帰りの旅をポルシェで楽しんだが、まさにポルシェは GT カーだった。始めて 200 km/h オーバーのスピードでもいささかの恐怖感もなしに飛ばせ、そのクルージングは快適そのものであった。もっとも、他のクルマとその感触や印象は全く違い、それはポルシェでなければ味わえない独特のものなのであろう。
 ポルシェの持つ、後部エンジン後輪駆動は、加速時やハンドリング、音や匂いなどに及んでその特質として「ポルシェ」と認識されるが、なんといっても、その特徴はその速さとリニアリティーじゃないかと思う。
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Photo 3
一番好きなレンズ。コンタックスの 28 mm。
クルマが一番奇麗に見える。
ポルシェという名の芸術

 ポルシェもアルファと同様にクルマに対する思想やある種の方程式を持っているようなクルマであり、良いか悪いかではなくて、共感や憧れの強いメーカーだろう。ポルシェが秀でているのは、上述した、その速さとリニアリティーだと思うが、もう少し詳しく述べると、街乗りの低速からハイウエイの高速、サーキットでの超高速、あらゆるシチュエーションで同質のフィーリングを与えて、スピードの変化がある意味でスローモーションに感じられるような錯覚を描く。気がつくと 200 km/h を超えているというのもそのためだ。
 スピード感のないクルマは危険だという考えかもあるかと思うが、エキスパートを想定した高度に完成されたクルマは、その存在そのものが消えてしまい、操ることだけ結果だけを残せる存在になると言う考え方もあるじゃないかと思う。むかしのポルシェは機械らしく良かったという人がいる。そんな楽しみかたもある。だが、今のポルシェは、最良の GT カーとしての完成度の結果、1,000 km をもっとも安楽に旅するコーチとしてのクルマなのだろう。
 20 世紀最後に自動車会社は、生き残りをかけて合併統合吸収に翻弄された。生き残るキーワードは、世界 400 万台オーバーの生産規模。しかしポルシェは、3 万台前後の生産で、ポルシェというただ一つの美学を守ろうとしている。中心的な市場がアメリカになろうとしても、彼らは彼らの美学でクルマを造っている。
 こうしたドイツ的なモノ、機械へのアプローチは、規模やブランドの違いこそあれ、BMW、メルセデス、アウディ、そしてポルシェと気がつけば、世界のプレミアムブランドはほとんどドイツ車になってしまった。
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Photo 4
出荷を待つサーブラウ。
TVR 本社へ

 TVR本社は、マンチェスターからクルマで小一時間程度のブラックプールという小さな街に位置する。街そのものは、さして栄えている様子もなくわずかな観光の小さな田舎街だ。実は、私は TVR 本社へ来るのはこれで三回目になる。
 なぜそんなに足を運ぶかと言えば、私はこのクルマの設計手法とその生産性に非常に興味がある。年間の生産台数がわずか 2,000 台未満で、生き残っているスポーツカーメーカは、もはや TVR ぐらいしかないからだ。しかも、TVR は、1990 年代にはいりその際立ったデザインで一躍注目され、その後次々と新型車を送り出してきたからだ。
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Photo 5
TVR 本社社屋正面で。ピーター氏と。
ピーター・ウイラー氏

 ピーター氏は、現在 TVR のオーナーである。57 歳で TVR のあらゆるハンドリングを決定する、ワンマン社長だ。でもとても温厚な感じの英国紳士だ。写真でご覧のごとく私の身長 175 cm を遥かに凌ぐ、195 cm はあろうかという長身である。
 今回は、ピーター氏も十分に時間があるとの計らいで彼自らの案内で、TVR のすべてを紹介して頂いた。 TVR の工場と彼のエンジニアリングの話は、また別のチャンスで特集しようと思う。

 TVR の特徴は、スチールフレームに FRP 樹脂のボディーを乗せて造られる伝統的なスポーツカーの形式を持っている。これで年間に 2,000 台以下の生産量で、複数のモデルラインを維持することができるのだ。量産されているクルマのほとんどは、ボディも構造の一部になっているモノコック方式を採用しているが、これだとたくさん造るには都合がいいが、小数には向かない。スチールフレームでしっかりとしたシャシーができれば、あとは最中の皮みたいにいろんなボディデザインを乗せられるから、小回りが効くのだ。まぁバイクを想像して欲しい。

 ところで、この日試作車が出来上がったばかりで、それに乗って欲しいということになり、TVR のエンジニアリングの神髄に触れることができる最高のチャンスに巡り合えた。

 下の写真、Photo 6 が、2001 年 TVR の新型車、TAMORA だ。このアングルだとマツダのロードスターによく似ている。実際英国の雑誌などの紹介では、容姿も大きさもマツダに似ておりそのマーケットに参入するとある。
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Photo 6
新型車タモラのプロトタイプ。ピーター氏のよれば、TVR の各車が少し大きすぎるとの顧客からの意見を反映しての設計とか。英国では最高の TVR という評価も聞こえるが、これまでとは違った路線にユーザはどう思うだろうか。
タスカンをベースにした新型車、タモラ

 タスカンのプラットフォームを使い、前後のオーバーハングを切り詰めて、新たなマーケットを拓こうというクルマ、タモラを試乗させてもらった。外観はほぼ完成しているとのことだが、内装やシートはまだ仮設の様だ。車重は約 1 トンで、タスカンと同じ TVR オリジナルの 3.6 L の直 6 、 360 馬力を積むこのクルマは、まるで、マツダロードスターのレーシングカーのようなイメージ。

 TVR のデザインの特徴であるどこか獣や動物に似た意匠性は、ボンネットフードに表われていてフロントからはサメのような印象を受ける。

 工場周辺のブラックプールの市街地を 20 分ばかり試走させて頂いた。まず外観のコンパクトさに比べ乗り込むと車内は非常に広く感じる。これまで通り、TVR は、かなり大柄な体格の人でも楽に乗り降り出来る設計を踏襲している。ピーター氏の身長でも楽に運転出来る。サスペンションのセッティングがまだ出ていないということだったが、かなりハードな設定で、突き上げが激しい。360 馬力のエンジンは扱いやすいとは言えないが、この手のクルマを好きな人には十分楽しめるフィーリングを持つ。

 ハードなサスペンションのせいもあり、ダイレクトな操縦性は最高だ。これがもしサーキットのような路面だったら、タモラのハンドリングは、まさに爽快だ。コーナーに攻め込んでもニュートラルなハンドリングは安心感が持てる。上級者ならもう少しアンダー気味のセッティングが好まれるだろうが、 TVR のオーナーは、たぶんジェントルマンが多いだろうから、ニュートラル気味のセッティングでいいと思う。

 だが、伝統的な TVR は誰にも似ていないフォルムを持っていたが、タモラは常にマツダロードスターと似ていると言われるに違いないから、それがどれだけマイナスになるかだ。もちろん、性能は全く違うのだが。
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英国スポーツカーを創り出している TVR。初めて訪ねて以来、その印象はさらに素晴らしいものになってきている。
そうだ、今の私にはもっとも興味深く、そして気になって仕方ないクルマなのだ。

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1998年、2月の或る日、その日箱根で出会ったのは、TVR。
でも、思い出したのは、今日、こんにち、VividCar が出来たことのすべての人達との関係がこの時から始まっていた。

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