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tab_star2003/01/20tab_endデジタルカメラ
デジタルなモノトーンへの誘い:デジカメとモノクロフォトの相性
大谷和利の連載コラム 第二回目
 今年も年賀状は、モノクロのデジタルフォトをベースにして出した。このところ、干支を実写で撮り、文字をレイアウトして、なじみの写真店で必要枚数を印刷してもらうようにしている(龍の時にはどうしたものか、という問題はあるにせよ)。
 もちろん、そのまま動物を撮るのでは面白くないので、被写体の扱いにはそれなりの工夫もしている。今回は、そうした部分にも触れながら、デジタルカメラとモノクロフォトの相性の良さを探ってみたい。
文・写真:大谷和利
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大谷和利_プロフィール_写真Sicon_home大谷和利
[テクノロジーライター]
デジタルカメラのみならず、トイカメラやクラシックカメラ、ステレオ写真、パノラマ写真など、「視覚の冒険」全般に興味がある。デジタルカメラマガジン(インプレス刊)にメーカー各社の未公開プロトタイプの取材記事を連載中(11 月号は新製品ラッシュだったので 1 回
休載)。
Vivid Camera の今後の展開は、僕自身、とても楽しみにしている。
モノクロ化に見いだすデジカメのメリット

 デジタルフォトに限らず写真全般に関しての話だが、昔から、色の対比のある被写体はカラーで、形の対比のある被写体はモノクロで撮るのが良いと言われてきた。撮影者の意図によって例外はあるとしても、もっともな考え方だ。

 しかし、銀塩カメラの場合、たとえば散歩写真や旅の写真でこれを実行しようとすると、あらかじめカラーフィルムとモノクロフィルムを装填したカメラを 1 台ずつ持っていかなくてはならなくなる。
 相当な趣味人ならば、いそいそと自分のコレクションの中からその時の気分に合った 2 台を見つくろい、喜々として出かけるところだろうが、普通の人はそんな面倒で荷物を増やすようなことはしたくないはずだ。

 ところが、デジタルカメラならばモノクロモードやセピアモードなどを備えた製品もあるし、コンピュータ上にデータを吸い上げてからフォトレタッチによってモノトーン化することも楽に行える。つまり、あらかじめカラーで撮るかモノクロで撮るかを決めなくとも、1 台で両用が効くのである。

 もちろん、カラーフィルムで撮影されたイメージもスキャンして利用すれば同じではないかと考える人もあろう。事実、最近では銀塩カメラのハイエンドユーザーの間でも、自分の意図通りのプリントを得るために、一度スキャンして調整したイメージをフォトクオリティのカラープリンタで出力することが流行りつつあるので、それは否定しない。
 だが、個人的には、デジタルで編集し、デジタルで出力するのなら、入力(カメラ)もデジタルであることが、一番素直な流れだと思っている。
 そして、電池駆動時間が驚異的に延びた今こそ、大容量のメモリカードを用意するだけで、身軽に多くの写真を撮ることができるデジカメのメリットを活かすべきと考えるのだ。
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「Face to Face」
2002 年、午年の年賀状のベースとして使用した写真。ニューオリンズの街中で目に留まった被写体で、本来は馬の手綱を結ぶものらしいが、現在は車止め兼ガードレール的に利用されていた。
 たとえば上の作例は、馬の彫刻だけがポイントなのではなく、その隣に描かれたワニが馬と睨み合いをしているようで面白く、路上観察的な興味からシャッターを押したものである。

 実は、ワニが描かれている巨大なボックスはアメリカの路上でよく見かける巨大なゴミ箱なので、これをカラーで撮ってしまうと汚ればかりが目立つようなイメージになる。
そこで、色を消すことにより、元々の意図である馬とワニの対比だけが際立つようにしたわけだ。
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2003 年、未年の年賀状のベースとして使用した写真。現場で粘り、2 匹の羊がちょうど向かい合った瞬間を狙って撮影した。中央に「謹賀新年」の文字を白抜きで配して使用
 一方で、今年の年賀状のためには、どこかで羊を撮る必要があった。
 動物園では、あまり面白い絵は撮影できそうにない。そう思って探したところ、僕が今住んでいる大阪府では、河川敷で羊を飼い、雑草を食べさせる実験的な試みが行われていたことが判明。自宅から小一時間ほど電車を乗り継いで現場に到着した。

 人懐っこい羊を柵の外から追いかけながら撮るうち、一瞬だけ理想的な構図になったところを押さえたものが上の作例だ。
 ここでは、背景(特に小屋の屋根)を整理する意味と、柵が作る平行線の面白さや質感を活かすためにもモノクロのほうが効果的だと判断した(それに羊自身も、近くで見ると案外薄汚れているものなのだ)。
 それにしても 2 匹の表情がとても哲学的で、かつてウォークマンのコマーシャルに出演していた思索にふける猿の顔を思い出した。
 他にも、デジタルフォトをモノクロで利用することのメリットとしては、限られた画素数の中での解像感の向上が挙げられる。

 デジタルカメラで撮影されるカラーイメージは、撮像素子の各画素の上に三原色、または補色のフィルターを被せ、隣り合った画素の色から補完・合成することによって得られている。
 つまり、カラー情報は実際の画素数の 1 / 3(厳密には、フィルターの構成によって異なる)の解像度しか持っていないとも言える。
 その意味で極論すれば、撮像素子の本当の画素数を活かせるのは、明度情報のみを利用するモノクロで使用したイメージなのである。

 とは言え、カラー撮影されたデータ内に蓄えられた色情報をうまく活用することで、逆にモノクロイメージに深みを与えることもできる。
 次回は、いよいよ実際のモノクロ化作業を通して、そのあたりのノウハウにも迫ってみたい。
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デジタルなモノトーンへの誘い:エピローグ
テクノロジーライター大谷和利が送る連載コラム
「デジタルなモノトーンへの誘い」が始まりました。
美しいモノトーンの写真とともに
深い写真の世界をお届けいたします。

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デジタルなモノトーンへの誘い:作品を仕上げてみる
前回の基本的手順からさらに進んだテクニックを使いながら、一つの作品を作り上げていきましょう。
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デジタルなモノトーンへの誘い:基本的な手法
カラーフォトデータのモノクロ化の基本手順を説明したい。また印象的なイメージ作りのためのワンポイントテクニックについても触れておこう。
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