 |  |  | | | FIAT ムルティプラ 試乗記 | | JAIA 試乗会 2003 レポート VOL.1 |  | | 今年の 4 月にフィアットオートジャパンから、正規に販売されるフィアットのマルチパーパスヴィークル「ムルティプラ」。そもそもムルティプラは昔にも存在したクルマ。僕は実車が走っているのを見たことがないのだが、どっちが前だかわからない様な特異なデザインだ。現在のムルティプラもその特異なデザインの質を正式に継承した新車といえる。非常にユニークなクルマでついつい振り返って見られるクルマの一台だ。 |  | 文・写真:若林正幸
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|  |  |  |  |  |  | 若林正幸 [カメラマン] |  |  |  | | 現在、自転車の雑誌を中心に活動しています。自分でもダウンヒルの競技に参加しています。 |  |
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 |  |  | ファーストコンタクト
僕が初めてムルティプラを見たのは 1999 年のパリだった。夕方、借りていた日産のセレナディーゼルに乗り、セーヌ川沿いを仕事場に向かって走ってたときの事、商業車の様なスクエアなリアビューが目に留まった。目を凝らすとそこに FIAT のエンブレムがある。イタ車の商業車も格好いいなと思い、渋滞の中どうにか前に回り込むと、そこには忘れないデザインのフロントビューがあった。「イタリアのデザイン力ってすげえ!」というのが僕とムルティプラとのファーストコンタクトだった。
それから数年後の 2003 年、マイナーチェンジを受けたモデルをフィアットオートジャパンが正規で販売すると聞き、「ぜひ乗ってみたいなあ」と考えていた矢先に今回の JAIA 試乗会で乗る機会に恵まれた。あいにくの曇天で時間的にも短い時間しか乗れなかったため、峠や走りうんぬんは残念ながら語ることはできないのが残念だが、チョイ乗りした感じだけを書かせていただくことをご了承願いたい。 |
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 |  | 多彩でツボを得たユーティリティー
ワイド & ショートのスタイリングは日本だと 3 ナンバー登録。幅が 1875mm で長さが 4005mm と、長さを見ればゴルフや 147 、 206 よりも短く、幅で見ればメルセデスの S クラスよりちょっとワイドだが、小型車のようにキビキビと曲がり、スクエアボディーでハイアイポイントなおかげで見切りも非常に良好だ。
僕が実際に運転したのは正規輸入される右ハンドルの 5 速マニュアル。ガソリン 1.6 リッターのエンジンを積んだクルマ。エクステリアの特徴的な風貌とインテリアのデザインは遊び心溢れる作り。数々のユーティリティーと共にデザインされた車内は広々としていてとても開放感がある。座面がちょっと高いせいもあるが、サイドウィンドウもあばらの下あたりまで開くのでパーキングでの精算も、窓から乗り出さなくとも可能だ。日本人の平均的な身長であろう 173cm の僕でもヘッドクリアランスは十分あり、ちょっと寝た感じのフロントウィンドウも気にならないほどに広々としている。エアコンやオーディオの各スイッチもちょっと手を伸ばせば届くので、心地よく運転に専念できる様になっている。また、後部座席に乗っても見晴らしがよく、パッセンジャーとしても気持ちよく風景を楽しむことができるように配慮されている。もちろんその配慮は安全性にも現れており、全席 3 点のシートベルトや、フロントセンターシートまでもカバーする大型の助手席用エアバッグも標準装備されている。
シートは前後 3+3 の 6 人乗りで前後とも真ん中の席を前に倒すとドリンクホルダー兼テーブルになったり、多彩なシートアレンジが可能で後席は折り畳んだり、一つ一つ独立しているので外す事もでき、短い車内を有効に使う事ができる。ライフスタイルに応じて様々なシュチュエーションに対応できるようにとのツボを得たユーティリティーにスマートさを感じる。 |
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 |  | 見かけによらない走り
ダッシュボードから突き出たようなシフトノブは普通の H 型のパターン。 ABC ペダルやハンドルなどのドライビングポジションも全く違和感は無い。エンジンも 1.6 リッターとは感じさせないフィーリング。外見からは想像できないくらいキビキビとしたハンドリングと、小さめのエンジンを高めの回転数で回して走るというヨーロッパの小型のクルマにある小気味よさは非常に好感が持てる。長距離の移動にもストレスを感じさせないであろうシートも○。郊外の大型店や普通車でアクセス可能なファミリーキャンプなどにももってこいの一台。国産のミニバンにくらべたら比較にならないほど運転が楽しいクルマだ。
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