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中国 vs. 香港、トイカメラ対決
Holga をいじったことでトイカメラの魅力を再確認し、その「血縁関係のない先祖」とも言われる Diana を久しぶりに引っ張り出してみた。その道の愛好家の個人ホームページ以外では、世界初(たぶん)の中・香トイカメラ対決である(今や、両者は国家的には同一になってしまったわけだが…)。
本体重量もシャッターも、スペックの呪縛から解き放たれたように軽い両機の、第三者的中立国日本での勝負や如何に?
文:まつばらあつし
写真:大谷和利 / まつばらあつし

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大谷和利_プロフィール_写真Sicon_home大谷和利
[テクノロジーライター]
デジタルカメラのみならず、トイカメラやクラシックカメラ、ステレオ写真、パノラマ写真など、「視覚の冒険」全般に興味がある。デジタルカメラマガジン(インプレス刊)にメーカー各社の未公開プロトタイプの取材記事を連載中(11 月号は新製品ラッシュだったので 1 回
休載)。
Vivid Camera の今後の展開は、僕自身、とても楽しみにしている。
02.DIANApack.jpg
私物の Diana-F のパッケージ。レトロ感覚なのではなくて、'60 年代に Diana が登場した頃は、これが普通だったのだ。同じモデルでも箱のサイズやデザインが異なるのは、フラッシュユニットが同梱されているか否かによるもの
カメラとは何かを問いかける 2 台

 「写真はシャープであるべきだ」、「写真の命はディテールの再現にある」、「写真は被写体のすべてのトーンを写し取らねばならない」。
 そういった写真を生み出す機械がカメラであるとするならば、Holga と Diana はカメラではない。
 しかし、彼らは「カメラになりたい」とは思っていないフシがある。そこに確かに存在した光景の曖昧な記憶を残すための装置、とでも言うべきか。

 その意味では写「真」機ではなく写「偽」機なのだが、その不完全さが逆に人々の記憶の中のいつかどこかで見たようなイメージを呼び起こす。


 中国で生産される現行モデルの Holga に対して、Diana は 1960 年代に香港の九龍にあった Great Wall Plastic Factory で生を受け、主にアメリカでノベルティ(販促物)として無料で配布、あるいはホビー & 教材用として安価(1 台 1 〜 3 ドル)に販売された製品だ。そして、様々なバリエーションを生みだし、いつの間にか姿を消した。
1.jpg
Vivid Camera 誌上ではすでにおなじみの中国製プラカメラ Holga。今回は、ポラロイドのフィルムバックを付けない、本来の 6×6 判の写真機として使用してみた軍艦部の青灰色とボディーの黒のコンビネーションが美しい Diana-F。フラッシュユニットは昔ながらのフラッシュバルブを使う方式なので、残念ながら発光させたことはない
 そういう身の上なので壊れて捨てられた個体も数知れず、今では個人売買やオークションでもない限り入手が困難な状況になっている(しかも、光漏れする個体がほとんどであるため、場合によっては黒い遮光テープ付きで売りに出されている点が面白い)。
 しかし、その独特な佇まいと描写からトイカメラのプリンセスと呼ばれ、その系譜が間接的に Holga へと引き継がれてきた経緯がある。
2.jpg
Diana-F の上面。フラッシュは、アクセサリシューではない専用の接続穴に差し込む方式。Holga にはないシャッタースピードのバルブ(開放)ポジションや、絞りの 3 段切り替え機能(この位置からは見えない)が備わっている(これらの仕様は生産時期によっても異なるようだ)
05.AVIS.jpg
Diana のバリエーションの 1 つ、AVIS レンタカーバージョン。Diana はトイカメラとしての販売以外にも、ノベルティ(販促物)カメラとして大量に流通した。すべての派生モデルを含めると、その数は 125 種にものぼると言われる
 外観のモダンさでは Holga に軍配が上がるものの、写真機的なイコン性は Diana のほうが圧倒的に高い。実は、カメラっぽい機能性の点でも Diana のほうが充実しており、Holga にはないシャッターのバルブ(開放)ポジションがあったり、絞りも 3 段階(一説には、F16、F6.3、F4.5)から選べるなど、それなりの設計がなされている(ように見える)。

 しかし、そんな風情に騙されてはいけない。
Diana シリーズのシャッタースピードは、個体によって 1/30 秒から 1/200 秒程度までバラツキがあると言われており、適正露出などという言葉とは無縁なのだ(その観点からは Holga も似たりよったりであり、この点で正統な後継機と言えるだろう)。

 フォーカスに関しても、どちらも目測であり、大ざっぱにレンズが繰り出すだけなので、正確さとは無縁である。また、ファインダーは、何となくこちらの方向を撮っているという目安でしかなく、常に実際の撮影範囲を大幅に上回る視野率を提供してくれる。
 しかし、だからこそ、厳密さを旨とする高尚な写真道から開放されて、「自分的に正しいイメージ」を追い求めるにふさわしい機材として昇華される面がある(世界の Holga ファン、Diana ファンは、そこに惹かれるのだ)。

 それはちょうど、陶芸のようなものかもしれない。
作者は、ある程度の方向性は決められるが、最終的な作品の仕上がりは窯(この場合には、Holga や Diana)に委ねられる。難しいこと抜きに、撮りたいものがあったら無心にタイムラグ・ゼロのシャッターを切る。そんな撮影法を、もっとも純粋に実現できるシステムが Holga と Diana なのである。
3.jpg
  • ポラホルガでの撮影と同様にピントの芯がないソフトな描写だが、個体差も大きいので、もっとずっとシャープに写る Holga も存在する。その事実が、スペック至上主義的価値観を根底から覆す(Holga による作例 1:フィルムは Kodak Tri-X Pan 400。以下同様)
  • 意外にも(比較した特定の)Holga よりもシャープな写りである。しかし、Diana 愛好家の中には「 Holga ではシャープすぎる」(!)と考える人間も居るのだ。このことは、実際には Diana の個体差もかなり大きいことを暗示している(Diana による作例 1)
 もっとはっきり書いてしまえば、この 2 大トイカメラは、そもそもこのような比較記事自体を無意味化してしまうところがある。なぜなら、昨今の精密機械工業の産物としてのカメラとは異なり、基準となる個体がまったく存在しないからだ。
 つまり、今、目の前にある特定の 2 台の比較はできるのだが、それが総体としての Holga や Diana を代表しているかと言えば、まったく違う。平均値でさえない。

 そして、昨今のユーザーフレンドリーなコンパクトカメラとは違い、そのままで向こうからこちらに擦り寄ってきてくれることは決してないから、こちらが向こうに合わせるか、無理矢理改造して手なずけることが、両者と折り合うための数少ない方法なのである。
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  • こうした少しこもったような、どんよりとしたイメージが、(この特定の)Holga の持ち味だ。この場合には、鳥のシルエットと相まって何らかの予兆的な雰囲気が出ており、個人的には嫌いな描写ではない(Holga による作例 2:上段左)
  • Diana は(一応)絞り調整がきくため、花曇りの設定で撮ったところ、ちょっとヌケが良すぎる(?)くらいの絵になった(Diana による作例 2:上段右)
  • 全体に暗めでコントラストも低いものの、巨大バナナのトーンの変化などは比較的良く出ている感じだ(Holga による作例 3:下段左)
  • トーンがやや飛んでおり、他の作例と同じく特に右下が流れ気味だが、Diana 的に良い収まりを見せている 1 枚(Diana による作例 3:下段右)
 結局のところ、この勝負は、どちらが勝った、負けたと決められるものではなかった。かと言って、両者が引き分けたわけでもなく、そういうものを超越したところに位置する Holga と Diana の世界を再確認したに過ぎない。
 1 つだけ確かなことは、1 眼レフの交換レンズの数分の 1 の価格で購入できるこれらのトイカメラが、自分の写真に対する感覚を強制リセットしてくれるという事実である。

 何を撮るべきか、どう撮るべきか迷ったら、とりあえず Holga か Diana のシャッターを押す。そうすれば、どちらを選んでも、勝者は他ならぬ「あなた」ということになることを予言しておきたい。
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日本ポラロイド社ウエブサイト
http://www.polaroid.co....
日本ポラロイド社公式 Web サイト
POLAHOLGA に関するページ
http://www.polaroid.co....
POLAHOLGA の詳しい情報はこちら
POLASTYLE
http://www.polastyle.co...
ポラロイドファンのつくる楽しいサイト
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