 |  |  | | ルポ GTI が日本にやってきた | ジャーマン・ホットハッチ参上! |  | ドイツ本国で発表されたルポ GTI を見るや否や、日本導入を長い間心待ちにしていた。待ちきれなくて、フォルクスワーゲン・グループ・ジャパンに何回か「いつ導入されるのか?」と問い合わせるほどこのクルマの日本導入を切望していたのだ。
そして、待つこと数年、2003年 4月 正式に日本での発売が開始された。それも、VW ルポ GTI CUP と一緒にやってきたのだ。それでは、早速インプレッションをお届けしよう! |  | 文・写真:斉藤敦
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|  |  |  |  |  |  | サカノウエ アガル [-] |  |  |  | イタリア車が大好きなワタクシ。がしかし、最近、欲しいと思うイタリア車は1,000万円級のものばかり。うーむ、どうしたものか。しかし、ランチアの日本再上陸のニュースなど、ここ最近は再び息を吹き返してきたイタリア車には要注目ですぞ。 |  |
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 |  |  |  |  |  | ボディはトレッドを拡大し、フロントグリルとバンパーは専用パーツで構成されている。 ヘッドランプはガスチャージタイプが奢られ、ヘッドランプウォッシャーまで標準装備! |  |
 |  | 低められた車高と程よく膨らんだフェンダーアーチ。 全長は、3525 mm と初代ゴルフより短い。 ホイールの隙間から見える赤いキャリパーが静かに自己主張をする。 |  |
 |  | リアセクションで一番、目を引くのはやっぱりセンターマフラーでは?! ルーフスポイラーと専用バンパーで”キリリッ”としまったテール回り。 |  |
|  |  | 軽量化こそ最高のチューニング
ハイレベルな安全性が求められる昨今、クルマは様々な要求を満たさなければならず、それをクリアするたびに車重が増えていく。
特にこのクラスのクルマにおいては、車重の増加が走りにダイレクトに影響する。みなさんも経験があるかもしれないが、助手席に一人乗せただけでも走りの印象が変わってしまうのだ。
既に日本導入済みの 1.4L ポロの車重が 1000 kg を超えていたことから、この GTI の車重が非常に気になっていた。排気量が 1.6L に増したエンジンと、いくつかの専用装備から、1000 kg台後半なら御の字で下手をすれば、1100 kg台もありえるかなと考えていたのだが、いざスペックを見てみるとビックリ。なんと、1.4L のモデルに対して、10 kg増の 1010 kg に抑えていたのである。
なぜ、10 kg増で済んだのか? その答えは”アルミ”。ボディ剛性には直接影響しないフロントフェンダー、ボンネット、ドアパネルにアルミ素材を採用し、軽量化を計っているのだ。これだけを見てもフォルクスワーゲンの本気度がひしひしと伝わってくるのだが、他にも前後重量配分の最適化を計るべくスペアタイアを廃止し、バッテリーをそのスペースに移動。その甲斐あってか、1.4L のルポに比べてエンジンが大きく重くなっているにも関わらず、前軸荷重を減少させることに成功させている。
この軽量ボディに積まれるエンジンは、ポロ GTI にも積まれていた 1.6L DOHC 16バルブエンジン。 最高出力 125 PS と国産車と比べると頼りなく感じるかもしれないが、軽量ボディのおかげでパワーウエイトレシオは、8.1 kg/ps とナカナカの加速を見せてくれる。特に低速から余裕あるトルクのおかげで車体をグイグイと引っ張っぱり、ホントに 125 PS か?と思わせるほど元気が良い。惜しかったのは、高回転域でのパワー感の頭打ちと回転落ちの悪さだった。
その高回転域でのパワー感の頭打ちを補うのが、GTI に装着される 6MT。高回転まで回すというより、豊富な低中速のトルクを利用して小刻みにシフトチェンジすれば、クロスレシオされたギア比と相まって気持ち良く運転できる。シフトフィールも剛性感があり良好だ。軽すぎるクラッチと最適なポジションをとると低すぎるシフトノブの位置が気になったが総合的には良くできているといえるだろう。ちなみにギアボックスもアルミ製で、フォルクスワーゲンの軽量化に対する想いが半端でないとここでも理解できる。 |
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 |  |  |  | 左 :ドイツ車らしい硬いクッションが好印象。スポーツシートと呼ぶならばサイドサポートをもう少しという思いもあるが、日常性を考えると妥当なところか?シートのステッチ、シートベルトに鮮やかなレッドが使われているがここは好みの別れるところだろう。 右上:ステアリングのステッチにもレッドが使われている。スピードメーターは 1.4L モデルの 220 km/h 表示から 240 km/h 表示に。ダッシュパネル等のクオリティもさすが VW と唸らせるもの。取り付け精度にも脱帽! 右下:トランクスペースは、全長 3.5 m 程度と考えるとがんばっているが、その容量はミニマム。リアシートを倒しても段差ができてフラットにならないのは残念。 |  |
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 |  | これぞ、ジャーマンの味
乗り味はというと、思った以上に乗り心地が良いのに驚かされる。もちろん、スポーティなモデルということで、足回りは締め上げられてはいるのだが、ボディ剛性がすばらしく高く、路面からの入力をしっかりと収束させる。以前に乗ったミニ・クーパー S のボディ剛性も著しく高かったのを覚えているが、今回のルポはそれ以上のデキで、これぞ正当派ドイツ車という感じだ。
また、攻め込んでいっても 4つのタイヤがしっかりと路面を捉えていることがわかり非常に安心して走ることができる。ロールが大きいことが少し気になるがその走りは、非常に”FUN”であり、FF スポーツドライビングを堪能できる。このような走りをするときに気になるのが、シート座面の高さだ。スポーティな走りを楽しむためにはもう少し座面を低くできれば有り難いと感じた。只、視認性という観点からいえば座面は高いほうが良いのだから、難しいところだ。
マフラーの音もうまくチューニングされており、音がこもることもなく、気持ちよいサウンドを聴かせてくれる。これもエンジンをある程度回したときのみであり、通常の街中を走る場面では静粛性が非常に高い。これなら、オーディオを社外品に変えて高品質な音を追求する気にもなるというものだ。
コンパクトホットハッチとして必要不可欠な”軽さ”を現在の安全性能を満たした上で実現し、運転する愉しさを作りだしている。また各部のクオリティも高く、コンパクトカーでありながら持つ喜びも僕達に与えてくれる。このクラスを超えたクオリティと操る愉しさが高い次元で融合しているこのクルマは、まさしく”ジャーマン風味のホットハッチ”と呼べるのではないだろうか? |  |  |  |  |  |  |
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 |  |  |  | 通常バッテリーが納まると思われるスペースがぱっくりと開いている。本来ここにあるバッテリーはリアのスペアタイヤスペースへ。 |  |
 |  | こちらは、本国でのルポ GTI CUP の模様。日本での盛り上がりにも期待したい。 |  |
|  |  |  | 人気は高し!!
さてこのルポ GTI だが、フォルクスワーゲンジャパンもこんなに人気が出るとは思っていなかったのか、日本への入荷台数は少なく、フォルクスワーゲン東京に問い合わせたところ、今注文しても年内納車が可能かどうか微妙とのことだ。 只、限定グレードでは無く追加グレードということだから、予約を入れれば必ず手に入るとのことだから心配はいらないだろう。
最近のフォルクスワーゲンジャパンはゴルフ R32 などの”ホットなモデル”を積極的にそれもかなり戦略的な値付けで日本に導入し、大きな人気を得ている。 今後もこのような”ホットなモデル”をどんどん日本に正規輸入していただけたら、と思っている。
また、モータースポーツへの参加者の拡大にも積極的で幾つかの CUP レースも実施、このルポ GTI を使用した CUP レースも今年から開催されている。CUP レースといえども、ルポのそれは、初期導入費はそこそこで、その後のランニングコストもあまりかからないような仕組みが考えられているので、色んなレベルの方が楽しめるハズだ。
腕に覚えのある方は是非こちらへのエントリーもオススメしたい。 |
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|  |  |  |  | |  |  |  |  | フォルクスワーゲン ルポ ディーラーで即決し、ルポを購入した足立さんの愛車遍歴はかなりダイナマイト!なぜ、ルポに決めたのかを聞いてみた。
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 |  | |  |  |  |  | 2001 東京モーターショー:フォルクスワーゲン 新設計、新発想の W 型エンジンを開発した VW は、ブース内に W12 を 2 台展示。更に市販車として初搭載となる PASSART W8 、キュートに変身したワーゲンバスなど、注目する物が満載であった。
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 |  | |  |  |  |  | 気分は印象派 近所の公園で見つける印象派の絵画のような色をカメラに収める。 その一瞬にしか観ることの出来ない色を、保存しておきたいといつも思う。
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 |  | |  |  | 第 3 話「ポロ/彼女の笑顔の理由」 フォルクスワーゲンといえば、高い信頼性と高品質で知られていますが、エモーショナルな魅力も実は秘めています。「信頼できるパートナー」から「好感のもてる仲間」へ。そんなフォルクスワーゲンが織り成す、 3 編のショートストーリーをお届けしましょう。
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