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tab_star2003/10/15tab_endデジタルカメラ
デジタルなモノトーンへの誘い:作品を仕上げてみる
さらに進んだテクニックを使い作品を作る
 少し間があいてしまったが「デジタルなモノトーンへの誘い」の第 4 回目である。
 実はその間にも、僕の長年の愛車だった Citroen 2CV がまつばらあつしさんに引き取られていったり、それとはまったく無関係だが、裸眼立体視が可能な世界初の 3D 表示対応液晶搭載ポータブルコンピュータ、シャープの Mebius PC-RD3D の出荷準備が整えられつつあったりしている(企業向けの発売予定日は 10 月 27 日)。
 特に後者は、バンドルされるステレオ写真のサンプルデータとして、僕も所属する STEREO CLUB TOKYO のメンバーたちの作品が採用されることになり、その準備にも追われることとなった。年末までには一般向けの販売も始まって家電量販店などの店頭にも並ぶ見込みなので、機会があったらぜひともご覧いただきたい。
 さて、今回は、いくつかの技法を組み合わせて、1つの作品を仕上げてみることにする。
文・写真:大谷和利
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大谷和利_プロフィール_写真Sicon_home大谷和利
[テクノロジーライター]
デジタルカメラのみならず、トイカメラやクラシックカメラ、ステレオ写真、パノラマ写真など、「視覚の冒険」全般に興味がある。デジタルカメラマガジン(インプレス刊)にメーカー各社の未公開プロトタイプの取材記事を連載中(11 月号は新製品ラッシュだったので 1 回
休載)。
Vivid Camera の今後の展開は、僕自身、とても楽しみにしている。
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はじめからモノクロ化するつもりで撮影したニューヨークでのワンカット。あえて水面の反射で露出を決め、逆光のシルエットと影を活かすようにしている
モノクロ化を意識した元イメージ

 元にしたイメージは、ニューヨークのハドソン川の河岸に沿って設けられたジョギングコースの夕景である。強い逆光が作り出したこのシーンを目にした時に、これはモノクロでまとめようと考えた。
 こういう場合、ともかくシャッターを切ることが重要である。その場で細かい設定をして、適正露出の 1 枚をポジフィルムに落とし込むのは、風景写真ならば良いかもしれないが、ストリートフォトやスナップ撮影には向いていない。このシーンでは、ベンチにもたれている人が、いつ立ち上がって去って行くかも知れないのだ。
 銀塩写真で今もモノクロスナップが衰えないのは、露出を固定して撮影しても、ネガから紙焼きにするときに、明るさやコントラストをある程度自由に調整できるからであり、デジタル写真にも同じような柔軟性がある。ここでは、デジカメをモノクロモードにするのももどかしかったので、カラーモードでオートのまま、コントラストを高めるためにあえて水面の反射にレンズを向けてシャッターを半押しして AE ロックをかけ、それから構図を決めて撮影した。
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モノクロ化されたイメージ。今回は、カラーモードの段階で色調補正などをかけ、それからグレースケールに変換してみた
モノクロ化とレベル補正

 次にこのイメージを、以前に説明した方法に沿ってコンピュータ上でモノクロ化する。このままでも結構良い感じだが、主題となるシルエットや影の存在がやや弱いように思えるので、コントラストを高めて際立つようにしたい。

 コントラストの調整は、「画質調整」メニューの「明るさ・コントラスト」の中にある「明るさ・コントラスト...」コマンドを使うと簡単だが、これだと明るさとコントラストを2つの独立したスライダーで調整するため、両者のバランスをとりながら作業するには感覚的にわかりにくい部分もある。そこで、活躍するのが、同じ「明るさ・コントラスト」の中に分類されている「レベル補正」コマンドだ。
 レベル補正用のウィンドウでは、レベルを示すグラフ直下のスライダー上で、▲と△の間隔を狭めることでコントラストを強めることができ、グレーの三角形を移動して全体の明るさを変更することが可能となっている(ちなみに、 Photoshop Elements の上位製品である Photoshop ならば、「トーンカーブ」と呼ばれる階調コントロールツールを使って、さらに凝った調整も可能である)。
03.jpg
レベル補正方法

コントラストの調整は、レベル補正機能を使って行うほうが意図を反映しやすい。
ここでは、暗部を引き締めるために▲をやや右にスライドし、それと比較して路面などの明度の差を出すために中間調(グレーの三角)をやや左にずらしている
対岸ビルを再度レベル補正

 こうして影の部分はくっきりとしたが、今度は対岸のビル群の明度が上がりすぎて、少し霞んだようになってしまった。
そこで、この部分だけを範囲選択し、やはり「レベル補正」で再調整をかけることにする。

 黒を引き締め、しかし細部がつぶれない範囲で、▲を右へスライドさせていく。
先の全体調整の際にも同じだが、プレビューをチェックしておくことで、補正結果がリアルタイムで元イメージに反映されるので、自分の目で確かめながら意図に沿った調整を行っていく。
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【左】手前の影がくっきりして路面のテクスチャもはっきり出るようになったが、今度は向こう岸のビル群が少しかすみ気味になってしまった
【右】ビル群のみのコントラストを強めるために、範囲選択をして再度レベル補正をかける。今度は中間調はいじらずに、▲のみを適度に右にスライドしている
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全体にバランスがとれたものの、ベンチと並んで構図のポイントとなっている白い金属球(ブイか浮きの一部?)の存在が少々弱い感じである
「覆い焼き」ツールを使う

 これで明度とコントラストのバランスをとることができた。しかし、画面の中心付近にあって自然と目がいく白い金属球の印象がやや弱く感じられる。
 これも部分的に選択して明度を変更する方法もあるが、より自然な感じで明るくするために「覆い焼き」ツールを使ってみる。

 「覆い焼き」とは、元々銀塩写真の用語で、ネガから紙焼きを作るときに、印画紙の上を部分的に手のひらなどで覆って露光用のライトからの光を遮り、焼きを甘くする(=明るくなる)テクニックを指す。 Photoshop シリーズには、これを電子的にシミュレートするツールが備わっているのである。
 ツールパレットから、まち針のようなアイコンで示される「覆い焼き」ツールを選び、上部の設定用パレットでサイズと露光量などを決めると、ツールを移動した場所に覆い焼きされる範囲が円形で示される。マウスボタンを押しながら、目的のエリアの上で動かすと、段階的に明るさが増すので不自然にならない程度に明度を上げておく。
完成

 こうして完成したのが、今回の作例である。
 スナップの名手、アンリ・カルティエ=ブレッソンは元々抽象画が好きで、今ではカメラよりも絵筆を手にすることのほうが多いというが、改めて彼の作品を見返してみると、写真と言うよりも絵画のような雰囲気を持つものが少なくない。人間と風景と物体が織りなすコンポジションは、それが決定的なものであればあるほど、抽象画に近づくような気もする。
 ブレッソンの境地には遠く及ばないとしても、最終回の次回では、自作で気に入っているモノトーンイメージをいくつか紹介していきたいと思う。
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【左】そこで、明暗のバランスを保ったまま部分的に明度を上げた状態を作り出せる覆い焼きツールを使って、金属球の存在を明るさをほんの少しだけ持ち上げていく
【右】最終的な仕上がり。写真と絵画の中間的なニュアンスでまとまったが、そのあたりの境界線上に位置するイメージは個人的に好きなのである
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