 |  |  | | | ボルボ V70 BLACK SAPPHIRE で北欧車の魅力を再発見! | |  | 実にボルボの新車登録台数の約 50% を占める V70 シリーズに新たな限定車が登場した。さて、V70 シリーズの魅力、ひいては北欧車の魅力とはどんなものなのであろうか?新しく追加された限定車に試乗しながら考えてみた。
Volvo Cars Japan の担当者の方から助手席エアバックについてのコメントを頂きました。記事中に追記しましたので是非お読み下さい。2004.1.6 |  | 文 :斉藤 敦 写真:若林正幸
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|  |  |  |  |  |  | 斉藤 敦 [WEB プロデューサー] |  |  |  | | イタリア車が大好きなワタクシ。がしかし、最近、欲しいと思うイタリア車は1,000万円級のものばかり。うーむ、どうしたものか。しかし、ランチアの日本再上陸のニュースなど、ここ最近は再び息を吹き返してきたイタリア車には要注目ですぞ。 |  |
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 |  |  | 北欧デザインの魅力
大分・別府で開かれた試乗会で、2004年モデルの特別限定車として発売される「 V70 ブラックサファイア」に試乗することとなった。プレミアム・ステーションワゴン市場で圧倒的なシェアを持ち、日本におけるブランド別の登録台数で、御三家に続く、第 4 位のポジションを獲得しているボルボの造るステーションワゴンの魅力を改めて考えてみたい。
昨今、巷で人気の北欧デザインについても、このクルマの魅力を語るときに外せないポイントであろう。土木・建築の勉強をしてきた僕が真っ先に思い浮かぶのか、モダンデザインの巨匠、アルネ・ヤコブセン(注 1)のデザインだ。代表作の一つでもある SAS ロイヤルホテル(注 2)では、建築から内装のデザインまで彼が全て手掛けているのだが、その造りは、モダンでありながら、シンプルで暖かみのあるものとなっている。また、美しいデザインでありながら、機能的で且つ控えめ。それは、合理主義が浸透している北欧のイメージを端的に表しているといえる。また、V70 のエクステリア・インテリアにも共通するテイストであり、北欧デザインの魅力であるといえるだろう。
エステートというと、ラゲッジスペースのあるリアセクションのデザインがキモであるが、V70 はこの部分が一番スタイリッシュだと感じる。通常、ラゲッジスペースを広くとると、どうしても間延びした感じになってどこかしらデザイン的に破綻してくるものだが、V70で はそのような印象を受けない。それも、十分な広さのラゲッジスペースを有しているのに、である。
デザイン的に破綻せず、モダンな印象を僕らに与えてくれるのは、ピラー配置のバランスにあるといえそうだ。サイドピラーはリアセクションにいくほどに、直立してゆく。これが視覚的に一体感を生み、バランスが取れたプロモーションを実現させている。
機能的で実用性が高い、広いラゲッジルームを得て、なおかつデザイン面で破綻をみせないこのデザインは北欧デザインの魅力を端的に表しているといえるだろう。 |
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 |  |  |  |  | | 各部をブラッシュアップされたインテリアはスポーティでクール。 |  |
 |  | | オフブラックとアリーナのコントラストは北欧らしいセンスを感じる。2004 年モデルとなり、40 シリーズに続き、イモビライザー付き KIR の採用、各種内装パーツのボディ同色化、メータートリムにクロームリングを追加などが新装備として与えられている。 |  |
|  |  | コストパフォーマンス高し!
さて、今回の限定車、「V70 ブラックサファイア」は、V70 レザーパッケージをベースに数々の特別装備を加えたクルマ。上級グレードに設定されている、ブラックサファイア・メタリックをボディカラーに採用したことに始まり、チタニウムグレーをあしらったバンパー・サイドモール、そしてブラッククローム仕上げの 17 インチのアルミホイールとエクステリアの印象は、スポーティでクール。他にも、バイキセノンヘッドライトやフォグランプ、ルーフレールなど、ベースグレードではオプションとなる装備が標準で装備される。
インテリアに目を移すと、ブラックメッシュタイプのアルミニウムパネルを随所に配置し、アリーナ色の本革スポーツシート(運転席パワーシート付き)を装備する。オフブラック色とアリーナ色で組み合わされた室内は、北欧車らしいテイストが満載だ。
これだけの充実した特別装備がなされているのに、一つ残念だったのが、助手席のデュアルモード・エアバックがメーカーオプション設定だったことだ。サイドエアバックは、運転席・助手席に共に装備されているのにも関わらず、これをオプションにする意図が分からなかった。機会があったらこのあたりの解釈を是非インポーターの担当者に聞いてみたい。
ちなみに、価格はベースモデルより 19万高の 455.0 万円、充実した特別装備を考えるとお買得感の高い価格設定になっている。限定数は 800 台である。
◇◆◇ ■追記■ Volvo Cars Japan の担当者の方から助手席エアバックについて下記のようなご説明がありました。
「助手席のエアバックは、そのリスクや制約(チャイルドシートの設置および身長140cm以下の方の着席厳禁)を十分理解した上で装着され、使用して頂きたいと考えています。ボルボ車の購入をお考え頂く過程において助手席エアバックはオプション設定である事をセールスパーソンがご説明し、エアバッグの正しい使用方法等のディスカッションを通してお客様自身でお選び頂きたいという趣旨です。
ボルボでは、助手席の安全性について、基本的にシートベルトの着用で充分な安全空間を確保できる事を前提に設計されています。また、助手席エアバッグについては、有効性と共に昨今、その危険性も指摘されていますから、単純に標準装備として加えることは、ユーザーの正しい認識の無いまま使用される恐れがあり、本当の意味での安全を考えるボルボのメーカーポリシーに反します。お客様自身が助手席エアバッグについて充分ご理解ご納得された上で、装着するか、しないかお選びいただきたいのです。」
とのコメントを頂きました。これは、“何が安全か”を真剣に考えているボルボの哲学からくるものなのでしょう。こういう理由なら、納得できますね、ハイ。 ◇◆◇
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 |  |  |  | | 2004年モデルとなり、若干の変更があった。それは、新デザインのドアミラー、バイキセノン・ヘッドライトの採用などがエクステリアの変更点だ。 |  |
 |  | | 雨の中でもブラックサファイアのボディカラーは映える。 |  |
|  |  |  | 気になる走りは
今回の試乗は、街中から高速走行、ワインディング走行と変化に富んだものに。通常の試乗会とは違い、約半日のロングドライブをすることになった。
ドアを開けてドライビングシートにおさまると、たっぷりしたサイズで十分なクッションを持つシートが心地よい。まるでエッグチェア(注 3)のような包まれ感が印象的である。ドイツ車ほど硬くなく、かといって昔のフランス車より柔らかくない、丁度その中間のような出来映えだ。
早速、エンジンに火を入れスタートさせる。今回、僕が一番確かめたかったのが、このエンジン。というのは、V70 のエンジンには、フラッグシップモデル、T-5 Sport に搭載され 250ps を誇る 2.3L 直列 5 気筒インタークーラー付きターボエンジンを筆頭に、2.5L(209ps) 直列 5 気筒インタークーラー付きターボエンジン、2.4L (170ps) 直列 5 気筒エンジン、2.4L (140ps) 直列 5 気筒エンジンの 4 種類のバージョンがカタログモデルとして存在する(スペシャルモデルの V70R は 300ps を誇る)。そして今回の限定車に搭載されるのは、一番パワーの低い140psのNAバージョン。正直、1.5t を超える車重があるこのクルマには少々役不足なのでは?とスペックをみたときに感じていたからだ。
しかし実際に乗ってみると、その思いは一変した。街中、高速共にパワー不足を感じることなく十分に走ることができる。さすがに高速道路で追い越しをするような場面では、キックダウンが必要となり、エンジンを回すことになるので、高回転域を使うこととなるが、若干耳に付くエンジン音にさえ目をつぶれば十分な加速をみせる。これは、ワインディングでも同様だ。試乗では、大柄な男性 2 人にカメラ機材満載という条件だったが、フル乗車したとしても、スポーツカーのような加速を求めないかぎり、実用には必要にして十分。そのような加速を求めるなら、トップグレード、T-5 Sport を選べば良い。
続いて足回りだが、4 輪がしっかりと接地し、不安無く走ることができる。ワインディングで雨の中をかなりのペースで走ってもこの印象は変わらない。また、ブレーキのフィール、タッチともに秀面。このクルマのパワーには十分といえる。4輪の動きが手にとるように感じられるハンドリングと十分なストッピングパワーを持つブレーキと、安全に走るためのハード的な造り込みは“ボルボの安全神話”を感じさせる。
しかし、一つだけ気になった点がある。それは乗り心地だ。今回の限定車は、17 インチの低偏平率のタイヤを装着しているためか、突き上げ感があり、乗り心地は若干硬い。確かに 17 インチのホイールを装着すると見た目はシャープでスポーティなのだが、もう少し乗り心地が良ければ、と感じた。これには理由があり、ベースとなった V70 のグレードは 15 インチのタイヤを装着しているのだが、今回の限定車は、その足回りのセッティングを変えずに、17 インチのタイヤを装着している為だ。
多彩なレイアウトができるシートアレンジはもちろんのこと、ドルビーサラウンド プロロジックシステムを搭載するハイパフォーマンスオーディオも魅力十分。センタースピーカーをオプション装着すれば、より臨場感に磨きがかかり楽しめる。これならば、オプションでも良いから、DVD 再生機能付き NAVI があればと思う。そうすれば、車内で映画館のようなサラウンドが楽しめるはずだ。 |
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 |  | それは、スローライフ
今回の試乗を通して感じたことを、一言で表すならば、「スローライフ提唱クルマ」
というのは、このクルマに乗ると、街中でも、高速でも、そしてワインディングでも、”ゆっくり、のんびりいこうか”という気にさせられる。もちろんクルマの性能的には、飛ばして走っても十分満足できる走りを披露してくれるのだが、北欧のエッセンスを十二分に感じるモダンだが暖かみのあるインテリアや、”ボルボの安全神話”を感じさせる各部の造りが僕に「そんなに焦らず、のんびり行こうよ」と語りかけているように思うからだ。
そう考えると、ハイパフォーマンスグレードとしてラインナップされている、ターボモデルの”速さや余裕”を必要としない方には、北欧車のテイストを一番感じることのできるであろう”素の V70 ”が一番ぴったりとくるのではないだろうか。そして、”素の V70 ”に充実装備を満載の限定車、V70 ブラックサファイアは、そのような方に自信を持ってお勧めできる一台といえるだろう。 |  |  |  |  |  |  |
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 | 注1) アルネ・ヤコブセン :
|  |  |  | 1902年 〜 1971年 デンマーク コペンハーゲン生まれ コペンハーゲンの王立芸術アカデミー建築科卒
建築家として活躍するとともに、インテリア、家具のデザイナーとして活躍。北欧デザインについて語るときには外せない大御所である。2002年には、生誕 100年のイベントが世界各国で開催された。
代表的な建築物として、オックスフォードのセント・キャサリンズカレッジ、SAS ロイヤルホテル、デンマーク国立銀行がある。 家具では、SAS ロイヤルホテル設計のときに手掛けたアント・チェア、エッグチェアなど。 |  |
 | 注2) SAS ロイヤルホテル :
|  |  |  | 正式名称は「Radisson SAS Royal Hotel Copenhagen」
1960年に創業。アルネ・ヤコブセンの代表作の内の一つ。コペンハーゲンの中心部に位置し、5つ星のホテルである。
ロビーの美しく、なおかつ暖かみのあるデザインは一見の価値あり。そこに置かれている家具も同様。 |  |
 | 注3) エッグチェア :
|  | |  | アルネ・ヤコブセンが SAS ロイヤルホテルを手掛けたときに、デザインしたチェア。1958年にデザイン。現在でもロビーで同形状のソファが使われている。 |  |
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