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tab_star2004/01/16tab_end美味燦々
深遠なる森で悦楽の『岩魚ぬた』を食す
『岩魚ざんまい』
文: 葭森 大祐
写真: 同人・流浪の民 
第2回のコンテンツは、私がここ1年で最も印象深かった食べ物をご紹介。男の食はいつもフィールドにある!
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葭森大祐2icon_home葭森大祐
[会社員]
どこかへ出かけては、美味いもんを食う、これだけを生きがいに日々頑張る会社員。ああ、週末が待ち遠しい!
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心ときめく休暇の始まり、いざ行かん!
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宿営地で最初にやること
テントは持たぬが、ビールは持つ!

「テント・寝袋不要。ただしビールは大量に」
 教えてくれたのは山の師匠の友人。
「山奥で最高の贅沢は野菜である」
 こう教えてくれたのはもう一人の友人です。

 夏の休暇。私は友人と山に登ります。登山道など登りません。国土地理院発行の地図を頼りに川を遡上するのです。わが国は森と水に恵まれており、いずれの渓相もバラエティに富みます。この国の深い森と豊かな水を最高に楽しむことのできる登山スタイル、それが沢登りなのです(海外にこういう登山ジャンルはないらしい)。技術と体力を要する遊びであり、私はベテランの友人に手ほどきを受けているのです・・・・というか一緒に遊びに連れて行ってもらっているだけですけど。今年は、東北地方の岩手秋田両県境にまたがる日本最大級のブナ森に2泊3日の行程で踏み入りました。

 我々の場合、行動は早朝から正午あたりまで。日が高いうちによい場所を見つけて、刈払いしてターフを張って薪を集め、万全な体制を整えておいて自由時間にしてしまいます。ぽかぽかの岩の上で昼寝をする者、ビールを飲み始めるもの、そして岩魚釣りにでかけるもの。さあ、楽しみの始まりです。
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もう、笑ってしまう
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なんという美しさよ
マタギの森で岩魚に出会う

 森に分け入る楽しみは、なんといっても岩魚との出会いです。2人の先輩は「岩魚のない山など、クリープのないコーヒーよりも劣る」と断言します。豊かで美しい森の奥に住む岩魚は渓流の王。川の最も源流近くに潜むため、里の人間は容易にその姿を見ることができません。しかし山の奥に入ると、ヒト慣れしていない岩魚たちは、わりと容易にその姿を見せます。無邪気に淵に群れているのが河原の岩の上からも分かるほどです。

 竿をかかえて山を登り、淵に下流から近づいて糸を投げます。岩魚は上流に顔を向けて泳いでおり、流れてきたものに食らいつく習性があります。悪食・肉食・獰猛なのです。昆虫や川虫が主な食料ですが、友人が先日上げた岩魚の腹からは蛇も出てきたそうです。さわさわという渓流の音を楽しみながら餌を流していると、ぐっ、ぐっと弾む感触が来ます。すかさず竿を上げると清らかな水面を、ちゃぽちゃぽと波立てながら美しい魚体が浮かび上がってきます。どきどきと高鳴る胸を押さえつつ静かにたぐり寄せます。この心のときめきはどうでしょう。まるまると太って綺麗に流線型をした、オレンジ色の斑点の浮かんだ渓流の王です。

 そのあまりの愛くるしさに身震いしつつ、すかさずナイフを取り出し腹を割いてザイルに通しておきます。無事に今夜のおかずが手に入りました。食料隊長の計画では岩魚が釣れなかった場合、今夜は具なしの味噌汁だったのです。
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これがなくっちゃ始まらない! 岩魚刺身
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焚き火には岩魚がよく似合う
岩魚を骨の髄まで楽しむ

 岩魚は塩焼きにした場合、山女魚や虹鱒などと比べてあまり美味でないと言われます。そして、それはなんとなく正しい気がします。遠火にカラカラ焼くと割にいいんですけどね。その代わり、誰もが最高と口をそろえるのが、刺身です。ナイフを取り出し、釣り上げたばかりの岩魚をその場で刺身にしてしまうのです。これは脂がびっしり乗っていてマッタリと甘く、それでいて白身のシャッキリ感がマッチして、震えるほどの美味です。

 これに今回、食料隊長は凄い裏技を用意していました。大きなザックからおもむろに葱と味噌と取り出したのです。こんな山奥まで背負ってくるのですから見上げた根性です。彼はいそいそと葱を刻み、味噌と岩魚のタタキを混ぜ込み始めました。名付けて「岩魚のぬた」。彼は胸を張りました。これが、涙が出るほど美味しかったのです。脂の乗った岩魚の甘みと味噌の塩気。そして葱のサッパリした感じ。ちょうど鰺タタキの味をぐっと濃くした感じ。我々男3人は奪い合うように食べました。『岩魚のぬた』このコトバは私の胸の奥に強く印象づけられたのです。私はあまりのうまさに泣きそうになりました(本当)。奪い合って食べたので写真を撮る余裕がありませんでした。よって写真ナシなのです。ごめんなさい。

 岩魚の骨や頭は味噌汁にぶち込み、その丸みを帯びた出汁を取ります。この味噌汁で体の奥底から暖まります。味噌汁の中の岩魚はつるつるした丸い味がします。小さな岩魚は枝に刺して焚き火でカラカラに焼き、じゅうじゅう言ったところを日本酒にほおり込みます。じゅわっと音がして岩魚のエキスがお酒に溶け出ます。「岩魚の骨酒」のできあがりです。夏であっても山奥で谷底なら、夜は冷え込むものです。我々はそれぞれ思い思いの格好で焚き火の周りに集まり、ウィスキーや「骨酒」をのみ、体を温めます。酔っぱらったら森と渓流の音を聞きながら眠るだけ。悦楽のひとときです。

 山奥まで行かねば味わえない「岩魚づくし」。みなさん味噌と葱をお忘れなく。
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