 |  |  | | | 「エルブリ」天才シェフ、フェラン・アドリア氏来日レポート | | 世界が注目するエルブリの最新技術を披露 |  | 今や料理界で最も注目を浴びる料理の一つスペイン料理。巷でもスペイン料理がブームである。その火付け役となったのは、 1998 年にミシュランの3つ星を獲得したスペイン・カタルニア地方のレストラン「エルブリ(elBulli)」。
天才シェフ、フェラン・アドリア氏率いる「エルブリ」の中心メンバーが、2 年ぶりに来日した。 本年4月下旬に世界同時発売された「elBulli 1998 – 2002 」(角川書店)のプロモーションのためだ。 そして、4 月 28 日、天才シェフの最新テクニックと料理哲学が、実演と解説を通して惜しげもなく披露された。
エルブリ サイト http://www.elbulli.com
|  | 文・写真: 海豪うるる
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|  |  |  |  |  |  | 海豪うるる [料理研究家] |  |  |  | | 世界の食文化がVividFoodに結集してくれたら!そして新たな食文化がVividFoodから生まれたら!そんな夢を見ながらフライパンを振る今日この頃です。 |  |
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 |  |  |  |  | 今回来日したメンバー。左から2番目がフェラン・アドリア氏。右から2番目が、フェランとの名コンビでエルブリを導く敏腕ディレクター、ジュリ・ソレル氏。
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|  |  |  | 世界の料理人に多大な影響を与えてきた 「エルブリ(elBulli)」とは?
スペイン・カタルニア地方の小さな入江に面した3ツ星レストラン「エルブリ」。今や世界中の料理関係者が注目する天才シェフ、フェラン・アドリア氏のレストランである。
ここでは、新しいアイディア、固定概念にとらわれないあらゆるテクニックを駆使して、あっと驚かせる料理を20以上の皿で次々とだしていく。50 席に満たない客席数に対し、55 人のスタッフが働いていることからも、大変な手間と労力をかけていることが想像つくだろう。 エルブリは、4〜9月までの半年間しか営業をしていない。残りの半年は料理の研究・開発にあてているのである。
今回、そんなエルブリの哲学、斬新な発想方法、テクニック、レシピをフェラン・アドリア氏自身の解説で、デモもまじえて披露された。
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 |  |  |  |  | | にんじんをハンドミキサーにかけるとこのように泡がでる。 |  |
|  |  | 色とりどりの泡 『エアー』
「料理というのは発見していくものである」 このフェラン・アドリア氏の言葉で、デモは始まった。今回お披露目があったエルブリ最新技術、レシピはどれも、この彼の言葉を充分に実感させてくれるものだった。
特にその想いを強くしたのは、『エアー』とよばれるテクニック。『エアー』とは、ひとことで表現するならば、素材または素材と水をハンドミキサーにかけて作り出す泡。写真は、『抹茶のエアー』がエビに添えられているものである。
『エアー』は、さまざまな料理とのコンビネーションで香や味を添えるという役割を果たす。開発のきっかけは、一つの素朴な疑問と発見からだ。にんじんをハンドミキサーにかけたとき、泡がでてきた。 フェラン・アドリア氏は、「にんじん成分の何がそうさせるのだろう」とインターネットで調べた結果、“レシチン”という成分に注目したのだ。そして、にんじん以外の素材でもレシチンを加えることでさまざまな色の泡を作り出すことに成功したのである。 |
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 |  | レシチンをだしと水に加えた『だしのエアー』、抹茶と水で『抹茶のエアー』。今回のデモでは、さらにパルメジャーノ・レッジャーノの『チーズのエアー』を凍らせて、上からナッツやベリーをかけるという技を披露してくれた。
彼は、「個人的な考えだが……」と前置きをした上で、「味は素材・質だえけではなく、そこに付け加えられる“香辛”のものが重要」と語った。まさに、この『エアー』は、そんな彼の哲学も象徴している。
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 |  | 偽キャビア?
『エアー』から始まったエルブリ最新技術のデモは、目の前でその後も次々と披露され、我々を驚かせた。 ボールに入った透明の水の中に、スプーンで、マンゴのピューレを落とすと、瞬く間に薄い透明の膜がはり、きれいなまるい形に成形されていく。まるで卵黄だ!
仕掛けはボールの中の水にある。水の中には、塩でもおなじみの成分、塩化ナトリウムや、ジェルの素にもなる海藻成分などが混ぜられている。
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 |  |  |  |  | | ボールの中の水に注射器でピューレを落とすと……マジック! |  |
|  |  | この“魔法の水”(あえてそう呼びたい気持ち……)にさまざまなものを入れていく。注射器に入れたメロンのピューレを、この水に1滴ずつ落としていく(写真参照)。 ボールの中にオレンジ色のタピオカのようなものが沢山できる。こんなにちいさいものでも、水ににじむことなく、一瞬できれいな丸に成形される。これをキャビアの缶につめ、上からパッションフルーツのソースをかける。これが、エルブリの”偽キャビア“だ。 |
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 |  | 今回、目の前でおいしそうな香を放ちながらお料理が披露されたが、本国のエルブリのみでしか実際には味わうことはできない。 目の前にあるのに……。デモ中、何度も悔しい思いをしたのだが、あえて、一つだけ食べられるとしたら(本国でしか食べられない!ってわかっているのにやはりこんな想像をしてしまう……)、偽キャビアと同じ技術を使った、「アスパラのスープに卵が入った写真のお料理をぜひともいただきたい!」と思った。 |
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 |  |  |  | | 注射器とチューブを使って新パスタを披露しているところ |  |
|  |  |  | エルブリのデモを終えて
今回、これまで明かされなかったマジックの調理方法も惜しげもなく紹介され、会場には料理業界の著名な方々の顔ぶれも見られた。 また、前述のほか、京都で感銘を受けたという日本の「湯葉」をヒントにしたものも披露された。牛乳、生クリームで作ったエルブリ流“湯葉”だ。 このエルブリ流”湯葉”を使ったオムレツ、ラビオリ、そして注射器とチューブを利用した新パスタなどが紹介された。 「日本の皆さんの前で作るのはとても勇気がいるけど……」と言いながら、イカをみじん切りにしてお米に見立た”おにぎり”も登場。
さぁ、2004年春、今年もエルブリの1年がスタート。55席の客席数に年間半年の営業。もしVividFoodの読者で、2004年エルブリのお料理をいただけるラッキーな方がいたら、ぜひぜひ、彼のプロフェッショナルな姿勢、技によるお料理を堪能してきて欲しい。
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