 |  |  | | | Lotus ELISE 111R -イギリスの伝統と日本の技術の融合- | | 英国が誇るスポーツカー「ロータス エリーゼ 111R」に試乗 |  | | あのロータスがチョイスしたエンジンはトヨタ製だった。ライトウエイト・スポーツの代名詞ともなっているエリーゼに追加されたグレード「111R」はトヨタのエンジンを搭載していたのだ。 |  | 文 :河津秀昭 写真:斉藤敦
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|  |  |  |  |  |  | 河津秀昭 [VividCar元編集員] |  |  |  | | 最近かなり真剣にクルマを探しています。欲しくなるクルマは、実際買えないものばかり・・・次のクルマは何にしようかな? |  |
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 |  |  | 軽量コンパクトなスポーツカー
ロータスといえば、みなさんご存知の通り、イギリスを代表するスポーツカーメーカーであり、かつて「エラン」「セブン」「ヨーロッパ」「エスプリ」といった数々の名車を世に送り出してきた。そして F1 などのレースシーンでも大活躍し、「英国で最も成功を収めたレーシングチームと市販スポーツカー製造メーカー」とも呼ばれているのだ。
そのロータスの“看板”ともいえるクルマがエリーゼ。エリーゼは、1995 年に発表され、世界中の熱狂的なファンに迎え入れられた。その背景には、軽量・コンパクトなスポーツカーを求める声があったからに違いない。2001 年にはフェイスリフトを行い、搭載エンジンの変更等は受けながらも、基本コンポーネントの変更はなく現在に至っている。
その基本コンポーネントとは、アルミを航空機製造用のエポキシ樹脂を使い接着して造ったフレーム、FRP による超軽量ボディパネル、直列 4 気筒エンジン、そしてミッドシップである。 |
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 |  | トヨタ製エンジンを搭載
そして今回試乗した「111R」は、既存のモデルとはエンジンが大きく違う。それまでのローバー製の K 型ユニットから、トヨタ製の 2ZZ エンジンにスイッチしたのだ。最大の恩恵は、エンジンパワーの大幅な増大。111 と比べると、実に 40ps ほどパワーアップを果たし 192ps を発生する。組み合わされるのは、同じくトヨタ製の 6 速ミッションである。
エンジンの変更とともに大きなポイントとなるのが、サーボアシスト付きの ABS が搭載されたこと。ついにエリーゼにも安全装置が搭載されたかと思いきや、確かにそうなのだが、レーシングセッティングが施されているらしい。これにはちょっと期待したい。もはやレースの世界でも ABS がついている方がタイムが出るのは当たり前であり、それほど ABS は進化しているからだ。公道においても、特にウエット路面で威力を発揮するのは間違いない。
エンジン、ミッションの重量増とこれらの装備により、車重は 111 に比べ 40kg ほど増加している。だが、それでも 880kg である。パワーウエイトレシオは 4.5 kg/PS という数値を叩き出しており、その驚異的な運動性能はカタログからだけでも十分想像できるはずだ。 |
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 |  |  |  | 左上:インテリアは本革とアルカンタラで覆われているが、一部はアルミむき出しのまま 右上:注目のトヨタ製 2ZZ-GE 1.8 リッター直列 4 気筒 DOHC 16 バルブ VVT-Li エンジンを搭載 左下:ブリヂストン製ポテンザ RE040(フロント:175/55R16、リア:225/45R17)を装着 右下:センター 2 本出しのマフラーとディフューザーが目につく |  |
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 |  | エリーゼそのものだった
試乗を楽しみにしていたが、当日は残念ながら雨。もちろんソフトトップは閉じた状態だったが、これがちょっとクセもの。思わず拍子抜けするほど軽い FRP のドアを開けて、室内に乗り込もうとするとソフトトップに頭をぶつけてしまう。かなり体を折り曲げて乗り込まなくてはいけないのだ。だがこのクルマにとって、そんなことはどうでもいい些細なことで、一つの儀式だと思えばいいし、ルーフを開けた状態ならばそこまで苦労することはない。
そしてシートに座ると、いつもとは大きく違う視線に改めて着座位置の低さを感じる。室内を見渡せば、レザーとアルカンタラで覆われている所はあるものの、アルミがむき出しになっている足下などに思わず目がいってしまう。パワーウインドウが標準装備されているとはいえ、このクルマはあの“エリーゼ”なんだと。
エンジンをかけて走り出す。クラッチミートに気を使う必要はほとんどない。普段マニュアル車にお乗りの方なら、ちょっと拍子抜けするほどフツーのクラッチだ。よく考えてみれば、エンジンパワーも格段に高出力なものではないし、車重も軽いのだから当たり前だ。
一気に加速していくと、可変バルブが切り替わる 6000rpm ぐらいまでは、111 と比べてさほど違いはない。あれ!?と思っているのも束の間、可変バルブが切り替わった直後、もう一段上の加速が襲ってくる。明らかに速い!濡れた路面でここまでの加速をみせられるとは思ってもみなかった。6 速ミッションの採用も功を奏しており、パワーバンドをキープしながらコーナーを駆け抜けることが出来る。
そして ABS がついたブレーキは、雨のおかげもあって(笑)、存分に試すことが出来た。かなりギリギリまで ABS の介入はない、この辺りがレースセッティングたる所以であろう。制御も細かく文句なしだが、ブレーキに関しては気になることが一つ。それは初期制動がやや強いことだ。奥でのコントロール性は良好だが、少しもったいないと感じてしまった。
サスペンションは、あいかわらず良好。ロータス・ライドと呼ばれるハンドリングを存分に味わえる。増大したパワーに併せてサスペンションも強化されているとのことだが、本当にしなやかにストロークする。相当ハードな乗り心地を想像してしまうかもしれないが、街乗りでもまったく問題ない。イギリスのギャップが多い道で磨かれた続けてきたロータスの歴史と伝統を感じさせる仕上がりとなっている。本当に速く走らせようとすると、なかなか難しいクルマであることは間違いないが、コーナーリングが決まればこんなに楽しいクルマは数少ない。雨が降りしきる中、楽しくてかなりの距離を走り回ってしまったほどだ。ちなみに、雨漏りや室内が曇ることも無かったことを付け加えておく。
トヨタのエンジンを搭載したことが気になる方も多いとは思うが、エリーゼはエリーゼのままだった。軽量な車体による強烈な加減速と、鋭いコーナーリングは健在。これにパワーアップしたエンジンが加わったのは正常進化といえる。軽量コンパクトなスポーツカー造りには一日の長がある英国の自動車メーカーたち。その中でも、輝かしい歴史と伝統あるロータスが、日本をそして世界を代表するメーカー「トヨタ」の最新エンジンを選んだのは、正しい選択だったと思う。 |
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