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tab_star2004/06/02tab_end元気なハッチバック
さらに上の領域へ VW ニューゴルフに試乗
Volkswagen New Golf GT Leather Package
直噴エンジン FSI 、電動パワステ、6 速 AT、リアサスの変更など、大幅に変わった新型ゴルフに試乗した。気になる初物づくしの仕上がりをチェックしてきた。
文 :河津秀昭
写真:斉藤敦

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河津秀昭_プロフィール_写真Sicon_home河津秀昭
[VividCar元編集員]
最近かなり真剣にクルマを探しています。欲しくなるクルマは、実際買えないものばかり・・・次のクルマは何にしようかな?
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フロントマスクはスポーティーな印象に変わった
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高い剛性を予感させるズ太い C ピラーは健在
新たな“風”が吹いてきた

 「ガルフストリーム」メキシコ湾に吹く風を意味するこの言葉から名付けられたクルマが、フォルクスワーゲン「ゴルフ」である。2004 年 5 月、フォルクスワーゲン グループ ジャパンより、6 年ぶりのフルモデルチェンジを行い 5 世代目となった、新型ゴルフが発表された。果たしてゴルフは、もはや成熟した感のあるコンパクトハッチバック市場に、新たな“風”を吹き込むことは出来るのだろうか。

 初代ゴルフが発表されたのは、今から 30 年前の 1974 年 5 月のことであり、単純に計算すれば 6 年ごとにモデルチェンジを行ってきた計算になる。そしてゴルフのモデルチェンジといえば、必ずといっていいほど話題にのぼるのが「大型化」。新型でも慣例!?通り大きくなっている。先代モデルと比較すると、全長+50mm、全幅+25mm、全高+10mm、ホイールベース+60mm、車重+70kg(ゴルフ E で比較)と明らかに大きくなっており、なんと全幅と全高では上級モデルであるパサートを上回る数値となってしまった。

 だが、見た目ではそこまでのサイズを感じさせない仕上がりとなっているのは、前後に絞り込まれたデザインによるところが大きい。外装を見てみると、フロントは特に絞り込まれているのがわかり、先代の重厚さを感じさせるデザインから大きく印象が変わってスポーティーになった。サイドは、太い C ピラーが紛れもなくゴルフを感じさせてくれるが、少し残念なのが B ピラー。これは是非、歴代モデルと同じくボディ同色にしてほしかった。ただ、逆にこれが C ピラーを目立たせているのかもしれないが。リアは、少し大きすぎる感のあるテールランプが目につくところ。VW の新しいアイデンティティが存分に発揮されているポイントでもある。そして、有り余るリアのボリューム感を押さえてくれているのが、塗装されていないバンパー下部。この辺りにヨーロッパ車を感じる方も多いのではないだろうか。ちなみに、リアの VW のロゴがリアゲートのオープナーになっていたりする。

 全体の印象としては、フロント廻りに代表されるように、重厚なイメージから軽快でスポーティーなものへ変わった感がある。VW が狙った通りの若々しさを十分に感じさせる仕上がりとなっているが、好みが分かれるところでもあるだろう。
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室内の広さでボディの大きさを感じた
VM らしい、ゴルフらしい室内

 続いて室内に乗り込んでチェックしてみる。今回試乗したのは、「GT レザーパッケージ」という最上級グレード。名前からわかるように、本革シートを採用したモデルである。シートカラーはベージュとなっており、パッと見の高級感はなかなかのもの。見方によっては、プラスチックパーツが増えたことで質感がダウンしたと感じられるかもしれないが、仕上がりは良い。操作系は上部にまとめられており、従来通りシンプルで使いやすい印象だ。そして何より広い!

 リアシートに座ってみると、本当にゴルフに乗っているかと感じるほど格段に広くなった。リアシート自体の出来は普通のものだが、延長されたホイールベースにより、リアのレッグルームは 65mm も拡大されているし、ヘッドクリアランスもたっぷりでワンランク上のクルマに乗っているように感じる。

 ラゲッジスペースは、通常 350 リットルからリアシートを倒した状態で 1305 リットルとなっており、先代に比べそれぞれ +20 リットル 、+121 リットル拡大されている。特に前後方向の長さが拡大されたと感じた。リアサスペンションの形状が変更され、不利に働いているにもかかわらず、これだけの広さを確保しているのはさすがである。

 確かにボディは大きくなったが、リアシートに人を乗せることや、荷物を積むことが多い方なら、歓迎すべきことだろう。
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左上:2 リッター直噴 FSI エンジンを搭載
右上:サイドミラーにもウインカーが内蔵された
左下:205/55 R16 & 6.5Jx16 アルミホイールを装備
右下:形状、サイズともに使いやすいラゲッジスペース
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走りは激変!

 エンジンをかけると、その静粛性にまず驚いた。先代のエンジンと比べると、かなり洗練され高級感が増している。走り出してもその印象は変わらない。どこまでもスムーズに回るエンジンは、言い方は悪いかもしれないが、実用車然とした先代までのエンジンと比べるとまるで別モノ。別モノといえば、確かにその通りで、直噴エンジンが搭載されている。車重は増えているが、最高出力・最大トルクともにアップしており、絶対的には速くなっている。だが、フラットな特性故か、トルク感は若干落ちていると感じた。

 エンジンと同様大きく変わったのが、トランスミッション。それまでの 4AT から 2 速増えて 6AT となった。これは良く出来ており、ショックも少なく好印象だった。シフトレバーでマニュアル風の変速を楽しめるティプトロニック機構も装備されている。ついにこのクラスにまで 6AT が採用されるようになってきたのには正直驚いた。

 そして、電動パワステの採用も見逃せないポイントだ。これが絶品!低速から高速まで自然なフィーリングで、今まで乗ったどのクルマより良かった。アウディ A3 のパワステの仕上がりからすると、不安なところではあったのだが、文句無しの仕上がりとなっていた。

 初物づくしだが、リアサスペンションも一気に近代化した。トレーリングアームから 4 リンクへと変更されハンドリングが激変した。それまでのゴルフといえば、揺るぎない直進性には定評があったが、コーナーリングとなるとやや苦手というか得意ではない感があった。しかし、これも一変。特にステアリングを切り始めたあたりのダルさが無くなり、旋回性能が大幅に上がった。ワインディングを走ってみたが、回頭性も良く姿勢もビシッと安定する。といって、直進性が悪くなっていないのが素晴らしい。乗り心地に関しては、走行距離の問題もあってか、多少車体の揺れを感じることもあった。

 リアサスの変更は、ゴルフというクルマの性格を一変させたといっても過言ではないかもしれない。これから出てくるであろうスポーツモデル GTI が待ち遠しくて仕方がないといった感じだ。

 長らく C セグメントのスタンダードとして君臨し続けているゴルフであるが、古さを隠せない部分が目立っていたのが正直なところ。それは特に走りに関する部分であったのだが、ここへきて一気に挽回、というか逆転したかもしれない。それまでのドイツ車らしい造りの良さに加え、走りが洗練された新型ゴルフは、自らが作り上げた「スタンダード」をさらに上のレベルへ引き上げることに成功したのだ。



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