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tab_star2004/06/14tab_endLe Mans 24 h
2004 ル・マン 24 時間耐久レース「ゴール!ゴール!ゴール!」
2004 Le Mans 24hours
地上波で放送することはありませんでしたが、今年のル・マンはとても面白かったようです。来年はまたぜひ TV 朝日さんに放送してもらいたいですね。
文=柴田康年(VividCar.com) 写真提供=アウディ・ジャパン
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1202_sicon_home柴田康年
[VividCar元編集員]
最近、アナログ事が好きになってきました。
ピット.jpg
チーム郷のクリーンなピット。
アウディのスプリントレースになるか?

 2 日目の最終予選結果により、スターティンググリッドはジョニー・ハーバートの 88 号車、アラン・マクニッシュの 8 号車、下田隼成の Zytek 04S の 22 番、チーム郷の 5 号車といった順番。アウディ R8 、アウディ R8 、Zytek 04S 、アウディ R8 、という アウディ勢の中に下田の Zytek が割り込む状況。
 アウディ勢は LMP900 クラスのマシンなのに対し、下田の Zytek は LMP675 クラスというひとつ下のクラス。排気量が小さいぶん車重は軽いのですが、一発のタイムは出ても耐久レースでは不利のようです。何とか頑張って欲しい。そう願わずにはいられませんでした。

 加藤寛規/道上 龍/福田 良 組の 9 号車、近藤レーシングが走らせる童夢 S101 無限は 7 番グリッド。金石勝智の駆る 15 号車、童夢 S101 Judd が 8 番グリッドとこちらも上々のようでした。

ドライバー.jpg
コースの状況をレースエンジニアに説明する。
そしてスタート!

 ローリングスタートから飛び出したのは、88 と 8 の アウディ・スポーツ UK チーム Veloqx の R8 。スパートをかけて一気に引き離す作戦だったのでしょうが、そうは行かないのがル・マンです。24 時間後の午後4時にトップでいなければ意味がないのです。

 8 号車アウディ UKの A .マクニッシュがガンガン縁石に乗り上げて 88 号車を追いかけます。アンダーフロアからスパークが上がります。さすが元 F1 ドライバー。22 号車ザイテックは頑張ったものの、アウディの 2 台にはさすがに勝てず、ずるずると後退。その後童夢にも抜かれ、1 時間後には 7 位。このため、88 号車,8 号車,2 号車,5 号車とトップ 4 台が R8 。

 GTS クラスでは、プロドライブが走らせるマラネロ 550 がコルベットとガチンコレース。火花飛んでます。

 そうこうしているうちに 25 分後、チーム郷の 5 号車がダンロップ先でスピンしグラベルにつかまりました。復帰はできましたが、大きなタイムロス。順位も 20 位以下に下がりました。

 耐久レースであるにもかかわらず、スプリントレースのスピードが要求されるル・マンでは苦しいスタートです。

ルマン表彰台.jpg
序盤戦にすでに波乱が

 まだ 2 時間も経たないというのに、なんとポルシェコーナーでマクニッシュの 8 号車と JJ .レートの 2 号車が絡んでガードレールにクラッシュ! プロドライブ・マラネロ 550 も被害を受けたようですが、なんとかコースへ復帰。レースですから、行くときには行かないとダメなんでしょうが・・・。このアクシデントで順位を大きく下げてしまいました。

 もうすぐ 3 時間半が経とうというときに、9 番 近藤レーシングの童夢がスロー走行。右のドライブシャフトの一部が破損したようで、交換に 24 分ほどかかりました。その後、無事レースへ復帰。

 ひとまずレースは落ち着いてきたようにも思えましたが、このときチーム郷の 5 号車は、ハード・ブレーキングするとマシンが右横を向くという悪癖と戦っていたのです。とくにタイトコーナーではすぐに横を向いてしまうようでしたが、それでもタイムを上げてトップとの差を縮めて行きました。トップの 88 号車とはちょうど 1 周遅れの 2 位。

 6 時間半後の 22:40 、63 番のコルベットがスピンし 37 番クラージュを巻き込んでコースアウト。破片がコース上に散らばり、セーフティカーラン。

 それにしてもすごいのが、何度かピットインしてもドライバー交代と燃料補給だけで出て行ってしまい、タイヤ交換をせずにラップを刻んでいくことです。ミシュランによれば、今年はタンクが小さくなって 1 スティントの時間が短くなり、加えてタイヤの改良により連続して 5 スティントはいけるはずだ、とのこと。気温は夜間セクションに突入して下がってきたものの、それでも凄いことです。

 そうこうしているうちに日付が変わろうとしていますが、なんと 2 号車アウディ R8 が 8 位まで浮上。素晴らしい追い上げです。

夜間.jpg
夜間セクションでのピット作業。
中盤戦に突入

 12:30 ごろには、2 号車アウディ R8 が 6 位まで浮上。この時間帯になるともう完全に真っ暗ですが、今年の童夢はヘッドライトが格段に明るくなったようで「暗闇とはもう呼べないな」とドライバーは余裕の発言。そんなものなんでしょうか !?

 夜中の 3:30、下田の Zytek 04S がマシンのリアカウルあたりから出火し緊急ピットイン。漏れたオイルに引火したようで、コース上にはオイルが・・・。セーフティカーが入ったのですが、不運にもチーム郷の 5 号車はピットレーン出口でセーフティカーの隊列が過ぎるのを待たされタイムロス。

 午前4:00 。ちょうど 12 時間が経過し、トップの 88 号車と 2 位の 5 号車チーム郷の差はちょうど 1 周。それにしても 12 時間で 187 周とは凄いペースです。

 午前 6:00、近藤レーシングの 9 号車 童夢がピットイン。長いピットインでしたが、ベルハウジングに亀裂が見つかりマシン後部へのダメージ大のため残念ながらリタイア。うっすらと空が明るくなり、もうすぐ朝日が射し込んでくる時間だったのですが・・・。来年に期待したいと思います。

 午前 7:00、ここでル・マンのトップ争いの状況が一変。トップの 88 号車がピットイン、なんと 7 分 30 秒ものタイムロス! ここで一気にチーム郷が逆転しました!
 原因は縁石にヒットしたため、左リアサス部分プッシュロッドのピポットが曲がってしまい交換しようとしたところボルトが曲がって抜けなかったようです。攻めなくてもダメ、攻めすぎてもダメ、本当に難しいですね。

 午前 9:40、チーム郷のピットが慌ただしい。なんと、スローパンクチャー! コース上にはさまざまな破片が転がり、どうしてもタイヤからエアが抜けていきます。これでタイム差が縮まり、午前 10:00 の計測では、2 位との差はたったの 1 分 30 秒に。

 午前 11:50、とうとう 5 号車に追いついた 88 号車! 大丈夫かチーム郷、と思った矢先に 88 号車がシケインでスピン! またしても、タイム差は広がってしまった。

怒濤の終盤戦

 12:40 頃、5 号車チーム郷はルーティーンのピットイン。ところがピットアウトのときに、抜いた給油ノズルから漏れたガソリンに引火! あわや、という瞬間だったが大事にはいたらず、ほっと一息。

 88 号車のアウディ R8 は、現在 1 位の 5 号車 チーム郷に対し、2 秒ずつラップを削っています。こちらもユノディエールの第 2 シケインで直進したりと、ぎりぎりのドライビングをしているようです。

 この緊張感を保ったまま、午後 3:00 に突入。差は 43 秒!
 周回を重ねる事に差は縮まり、39秒、36秒、35秒とどんどん縮まり続ける!
 あと残り 30 分。しかし 88 号車ジョニー・ハーバートは諦めない! 差はまだまだ縮まる。34 秒、31 秒!
 残り10分、差は 29 秒、28 秒、27 秒とチーム郷に迫ってくる。しかしもう無理か? だがここでひとつミスを犯せば大逆転となります、じっと見守るチームクルーたち。

 そしてラストラップ、前の周でハーバートはブレーキングミスでグラベルをショートカットしたために差はそれ以上縮まらず、そのままゴール!

 チーム郷がとうとうル・マンを制覇 !!

ルマン表彰台.jpg
総評

 今回のル・マン、粘り強くチームの作戦を守り抜いたチーム郷が優勝し、焦った他のチームはミスを犯して自滅していったように思えるかもしれません。しかし、それは違うようです。抜くときに抜かなければ、もうル・マンでは勝てないのでしょう。

 逆にトップは、冷静に 2 位との差をコントロールしマシンへの負担を最小限に食い止めなければならず、一見追いつめられていたように見えてもじつは充分なマージンとして計算していたのでしょう。24 時間も走って、差が 40 秒。もちろんひとつのミスで逆転されるタイム差です。しかしこの 40 秒、少ないようで大きな差なのでしょう。


 日本のプライべートチームとしてはチーム郷が初の栄冠に輝き、日本人の総合優勝は関谷正徳に続いて荒 聖治が 2 人目となりました。

 いまはただ、祝福したいと思います。お疲れさま、そしておめでとう!

荒ゴール.jpg
栄光のチェッカーを受けたのは荒 聖治。
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ルマン 24 時間耐久レース オフィシャルサイト
http://www.lemans.org/
ル・マン 24 時間耐久レースを主催する ACO(Automobile Club de L’Ouest=フランス西部自動車クラブ)のオフィシャルサイト
アウディ ジャパン株式会社
http://www.audi.co.jp/
スポーツアイ ESPN 衛星放送スポーツ専門 CS 局
http://www.sports-i.co....
TEAM GOH
http://www.teamgoh.com/
ADVAN Le Mans Project
http://www.yokohamatire...
童夢
http://www.dome.co.jp/
英国プロドライブ社
http://www.prodrive.com...
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