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tab_star2004/08/18tab_endカッコイイクーペにグラリ
“公道を走るレーシングカー”ロータス エキシージに試乗
LOTUS Exige Driving Impression
エキシージは、エリーゼ 111R のクローズドバージョンではない。エアロダイナミクスという武器を手に入れたエキシージは、レーシングカーさながらの走りを見せてくれたのだ。
 文:五味康隆
写真:河津秀昭

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face_s.jpgicon_home五味康隆
[モータージャーナリスト]
さわやか?で、素直?な性格のボク。試乗会でも思った事を包み隠さず言ってしまうからか、メーカー担当者から「辛口の五味さん」と言われ、ちょっと傷ついた今日この頃・・・
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見かけだけの空力パーツではない
「空力」と「剛性」を手に入れた

 “公道を走るレーシングカー”そんな表現がぴったりあうエキシージをお伝えしよう。コーナーリングマシンやスポーツカーなどと呼ばれる速さを備えた車は他にもある。しかし、速さだけでなく、運転する楽しさと難しさを同時に体感させてくれる市販車に出会ったのは、これが初めてだ。

 そのパッケージは、192ps のトヨタ製のエンジンを軽量かつコンパクトなボディに搭載。ここまではエリーゼシリーズの 111R と同じ。しかしエキシージはさらに「空力」と「剛性」という武器を手にいれた。クローズドボディとなり、剛性感が上がり、強化された足と協調し高いグリップ力を発揮。加えてフロントに当たった空気がきれいにルーフを流れリアウィングに当たり、更なる力でタイヤを地面に押さえつける。

 空力面では他にもフロントスプリッターやリアデフューザーなどを装備。どれも見かけだけの空力パーツではなく、データー上では時速 160km で 41kg 以上ものダウンフォースを発生するらしい。通常の車はその速度域になると、揚力というダウンフォースとは反対のボディを引き上げる力が加わる事を考えれば、その数字がどれだけ効果を発揮するかが想像できるだろう。
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中回転域までは、街中でも気にならない排気音レベルだ
実用性も損なっていない

 早速コクピットに乗り込んでみると、走りの性能にこだわった作りを感じる。エリーゼ同様に広いとはいえない室内空間は、快適性という性能は必要最小限に抑え、その分走りの性能を求めているようだ。シートは前後スライド調整だけのバケットタイプ。シートのホールディング性は良すぎるほどで、体とシートが一体化したような感じだ。これにより座れば勝手に適正なシートポジションが取れ、まさに自分の体にあわせてシートを作ったレーシングカーに座っているようだった。

 そして走り出すと、このレーシーな感じは加速度的に増していった。エンジンに火を入れた途端に回転振動と排気音が体に伝わってくる。これはただ背中にエンジンがあるというレイアウトからではなく、不必要な振動等は省き、クリアなサウンドと振動だけを選別して伝えてくれているように感じた。これにより、タコメーターを見なくてもエンジン回転数がわかるほど。

 しかも、このようなレーシーな部分を持っていながらも、実用性を損なっていないのが好印象。エンジンの可変バルブタイミングが切り替わる中回転域までは、街中でも気にならない排気音レベルで、近所からのクレームは出ないはず。加えてエンジンレスポンスも過敏すぎず、アクセル操作に気を遣うことはない。
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mm 単位の反応を超える抜群のステアフィール
ステアフィールはレーシングカーそのもの

 しかし、ひとたびカムが切り替わる高回転域までエンジンを回すと、その表情は一変する。排気音も抜けの良い官能的な音となり、エンジンレスポンスも mm 単位のアクセル操作にリアルタイムに反応するようになる。もちろんアクセルを床まで踏み込んだときに背中がシートに強く押さえつけられる加速感は、言うまでもないだろう。

 さらにレーシーさを感じさせるのがステアリング。パワステではないので街中では重いと感じるかもしれないが、そこには絶対的なダイレクト感がある。そのステアフィールこそレーシングカーそのもの。mm 単位の反応を超えるもので、微妙な力の入れ具合に車が反応するほど。これこそ他の車では味わえないエキシージの特徴ともいえる。剛性アップや空力によるグリップ性能を引き出して走らすことができるのも、このステアフィールがあるからなのだ。
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ガチガチのスポーティなイメージとは程遠いサスペンション
予想外のフィーリング

 走り出しから感じていた予想外のフィーリングが一つある。それが乗り心地の良さ。もちろんコンフォートというレベルではないが、ガチガチのスポーティなイメージとは程遠く、サスペンションストローク量も豊富で、細かいギャップならそれほど気にならない。さすがに大きいギャップでは、875 kg の車体ごと跳ね上げられる感じで、シートのクッション性の乏しさと合わさり、脳天まで抜けるような突き上げがあるが、助手席でも我慢のできるレベルといえる。

 しかしその乗り心地の良さは、サスペンションストロークの初期段階での “遊び”によるもの。具体的にはダンパーの初期減衰圧が出ていないような感じなのだが、これは速さという観点で言えばデメリットとなる。例えば、ハンドルの切り返し操作とクルマの反応にタイムラグが生じてしまう。このあたりがレーシングカーとは違い、乗り心地などの実用性能も求めないといけないエキシージの辛いところ。

 特にこのタイムラグは、高速道路を走る走行ペースで大きく感じてしまう。サーキットを走れるほどの高荷重・高負荷に対応して仕上げられたタイヤとサスペンションの基本バランスにとって、高速道路の法定速度域は盲点ともいえる。固められたサスペンションをたえず必要十分にストロークさせて、タイヤに安定した荷重を与えることができず、“遊び”と合わさり、どうしてもフラットライド感が欠けてしまう。

 もちろん乗り心地を考えず“遊び”を排除し、レーシングカーのように絶えず積極的にタイヤに荷重を掛ける足であればこんなことは起きないのだが・・・。
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経験した事のない操る楽しさが待っているはず
高荷重を掛けるほど生き生きと走る

 このタイムラグを排除する方法はただ一つ。“遊び”の領域を全く使用しなくて済むほどの走りをすること。具体的には、走行ペースを上げる以外ないのだが、高速道路ならダウンフォースがしっかりと効き出す速度、ワインディングならタイヤが鳴くほどの速度だ。

 前者はともかく、後者がとても難しい。エキシージに装着されているタイヤは専用のハイグリップタイヤで、そこら辺の市販タイヤとは訳が違う。タイヤが鳴く速度といえば、対向車がビックリするような速度で、しっかりとコーナーの侵入でフロントに荷重を掛け、積極的に車を曲げていく技術がないと実現できないレベル。しかもトラクションコントロールや横滑り防止装置などという親切なものは一切なく、ドライバーの操作ミスがそのまま反映される状態でそれを行わなければならない。

 しかし身構えないで欲しい。もちろん簡単に実現できるレベルではないが、レース経験などが無いと難しいというレベルでもない。重量バランスがしっかりしていて、重いものが重心付近に集中するミッドシップレイアウトだからこそ、無理なハンドル操作などをしなければ唐突な滑りなどは全くないのだ。慣れさえすれば、類まれなるダイレクト感のあるステアリングフィールがリニアにグリップ状況を教えてくれるので、カウンターの要らない微妙なリアの滑りを作り出しながらの異次元のコーナーリングも可能。

 この高荷重を掛ければ掛けるほど生き生きと走るコーナーリング特性やコントロール性の良さこそ、レーシングカーそのもの。慣れるまで運転の難しさも体験するとは思うが、その先には経験した事のない操る楽しさが待っている。「乗る」ではなく「乗りこなしていく」という意思を持った方に強くお勧めしたい車だ。



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LOTUS Exige
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