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tab_star2004/09/10tab_end英国のクルマ達
第 54 回 MG カー・クラブ MG 80 周年記念イベント
MG 80 The MGCC present their 54th MGCC Silverstone International
7 月 23 日〜25 日の週末、MG Car Club という世界でもっとも大きく歴史のある単一ブランドのオーナーズクラブが開催するイベントがあるが、今年は MG ブランドの創立 80 周年記念の年という事でさらに盛大に開催された。

会場のシルバーストーンサーキットを埋め尽くした新旧の MG、サーキットを走り回る MG、これらの姿を見ているとそのパンフレットにある「 The Marque of Friendship 」というキャッチが良く分かる気がする。
文・写真:武田和宏
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武田和宏_プロフィール_写真Sicon_home武田和宏
[自動車業界人]
イギリス車の魅力を、文化や歴史も合わせてお伝え出来ればと考えています。
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駐車場は新旧MGで一杯

 シルバーストーン・サーキットは、一度訪れたいと思っていたサーキットであった。1987 年、当時ウィリアムズに在籍していたピケとマンセルがハンガーストレートで展開したバトル、これがその後の私のレースの見方を変えた。まさにその場所である。

 今回ロータスのイベントの翌週にこのイベントがあると分かり、「とにかく行かなくては」という思いでイギリスへ向かった。

 ところが土曜日の午後になってようやくたどり着いたシルバーストーンサーキットのメインゲート正面には、ガラスでできたコンテナのようなショーケースの中に AudiTT が展示されているではないか。「何でこんなところにまで来てドイツ野郎の車が展示されているのを見なくちゃいけないんだ」と思ってしまったが、コースをまたぐ橋を越えたとたんに溜飲が下がった。

 通路の両側に広がる広大な駐車場には、一面に広がる MG の群れ。金曜から始まる 3 日間のイベントにキャンプをしながら参加しようというお客様のテント、そしてその側には新旧の MG が並んでいる。
 さらに奥には T モデル、M モデル、ZA/ZB マグネッタ、MGA/MGB、MGF、そして V8 としてくくられた MGB と RV8、それに FF としてくくられたメトロ、モンテゴ、マエストロ、新世代の ZR,ZS,ZT といったモデルたちがずらりと並んでいる。
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第二次世界大戦後初めてのモデル、MG TC
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こちらは有名な MG A
クラシックの駐車場はまさに博物館

 このイベントに来る前にヘリテッジモーターセンターという博物館に行って、イギリスの自動車産業の歴史を代表する車たちを見てきたが、そこにあったような 60〜70 年も前の車がそれこそ何台あるのかわからないくらい、実際に動く状態でそこにある。これがまず第一の驚きであった。

 さらにはそれらの車は元気そうで光り輝いているし、日曜日にはそれらの車によるジムカーナもあるらしく、ミラーにそのコース図がとめられている車もある。ただ動くだけならともかく、ジムカーナまでやってしまおうという気持ちに驚いてしまうし、実際にサーキットの中をそれらの車はオーナーによるドライブで動き回っている。なんと驚くべき光景だろうか。

 それよりはちょっと新しい、MGA/MGB/RV8 といった日本でも大変馴染みのある、MG ブランドを代表するスポーツカーになるとちょっと事情が違うようだ。まあ、この世代になれば動くのは当たり前。オーナーの皆さんはその旧交を温める事が目的のようで、車の側に椅子とテーブルを揃えてピクニック気分でイベントを楽しんでいるようである。

 そしてこの世代の車は売買も盛んなようで、個人売買用の値札や自作のパンフレットがフロントウィンドウのワイパーに挟んであるものが多く見受けられる。
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【左上】イベントといえば出店ですね。ついつい要らないモノまで・・・
【左下】MG のロゴ入りのバーカウンター。やっぱりギネス?
【右上】ミジェットのホワイトボディーも売ってます
【右下】木工製品のレストア屋さん。ピカピカにします!
トレイダーズシティは蚤の市

 このようなイベントにつきものの出店のコーナーは、まさに何でも有りのワンダーシティである。

 まずは、古い車の駐車コーナーの脇に、まさにそれらのオーナー向けのちゃんとしたバーコーナー。もちろんサーブされるのはビール。見ているとこれが昼間から一杯で、営業時間は 11:00〜24:00 となっている。ビールが好きな私としては、日本のイベントもこれくらいしっかりした施設を作って欲しいものだと改めて思う。

 ここで腹ごしらえをしてから、おもむろにお目当ての部品を探しに行こう。ステアリング、ホーン、ワイパーブレードといった街のカーショップで売っているものは当たり前。エンジン、ミッション、シート、ウィンドシールド、シャシー、果てはそれこそ白く塗られたホワイトボディなど、それこそここで部品をかき集めれば車が 1 台作れてしまいそうな勢いである。

 そしてもっとも驚かされたのが、木製のキャビンやインパネを作っている業者が数軒店を出していたことである。ここで店を出しているということはまだ需要が有るということだと考えると、本格的なレストアを受けるこれらの車がまだ相当数有るということだろう。クラシックカーの文化の厚さを実感する店であった。
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様々な年代のクルマ達が、オーナー好みのモディファイを受けてサーキットを走り回ります
そしてここでもスピードイベント

 シルバーストーンサーキットで行われているわけだから当然スピードイベントが組まれていて、前述のジムカーナから始まって走行会レベルのものから本格的なレースイベントまで様々なメニューが並んでいる。
 ここでもクラシックカーが元気で、戦前の車がサーキットを走り回る姿に驚かされる。

 イベントの進行に従ってパドックに並んだクラシックなレースカーが次々にコースに吐き出されるその様は、矍鑠たる老兵が「よし、行って来るぞ」という感じではなく、現役のレースカーが轟音をとどろかせながらコースインするその姿である。
 ストレートでのスピードこそ流石に現代の車とは比ぶべくも無いが、それでもコーナーをクリアするその姿はなかなかたくましく、「まだまだ元気です」という感じだ。

 MGというブランドは一部のレーシングカーを除けば、今までに本格的なピュアスポーツを作ったことは無い。市販乗用車のパーツを流用しながら耐久信頼性とコストをバランスさせながら格好の良いスポーツカーを作るのが上手なメーカーである。ただ、クルマ好きの中では「クルマ道楽は MG に始まり MG に終わる」といわれるくらい、扱いやすいが奥が深いという評価をもらっているメーカーである。やはり安価、軽量、簡潔というのは何時の時代でも車を作る基本なんだと思い知らされる。

 今回のスピードイベントを見ていると様々なエンスージアストが MG に憧れ、MG との生活を楽しみ、そして何よりもスピードを楽しんでいる様が嬉しくも有り、うらやましくもある。セーフティファストという MG の昔のキャッチフレーズは、今の時代ではセーフティファースト(安全第一)に聞こえてしまうが、実はセーフティ(安全)でファスト(速い)という意味であるのが本当のところで、実にしゃれの効いた上手いキャッチフレーズだったと思うし、今回のイベントでも充分にその精神は貫かれていたと感じた。
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MG ローバー公式サイト
http://www.mg-rover.jp/
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