 |  |  |  | 2004/09/21 |  |  | The best selected car |  |
| | 歴代 M3 一斉試乗! | |  | 普段の足にも使える日常性とスポーツカーらしい走りの刺激を両立させたモデルが欲しい。それは何ともワガママな欲求だが、それこそが多くの人々の望みであるわけで、今や世界のスポーツカーは、皆その方向に向かっている。しかし、物理的に街乗りを許容するというだけでなく、真の意味でオールラウンドに使える1台となると、やはりこのモデルをおいて他にはないだろう。そう、BMW M3 である。
しかし、この M3 は 1986 年のデビュー以来、現行型に至る 3 世代で、周囲の状況あるいは時代に合わせて、それぞれ方向性を違えてきた。では、どのモデルが、何を望む人にベストな選択となり得るのか。今回は、それをじっくり検証してみたい。 |  | 文:島下泰久 写真:阿部昌也 車両協力:有限会社ベース 神奈川県横浜市港北区岸根町61-2 Phone:045-478-3771
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|  |  |  |  |  |  | 島下泰久 [自動車ライター] |  |  |  | こんにちは。 楽しい自動車生活の参考になる、そんなレポートをしていければと思います。 どうぞ、よろしく。 |  |
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 |  |  | 軽快なハンドリングが魅力の初代
見た目からしてベース車とは明らかに異なる、独特の雰囲気ということで言えば、初代 M3 が一番である。3 シリーズの 2 ドアボディは前後のブリスターフェンダーや、空力を意識してリデザインされたリアウインドウやトランク、それに大型の前後スポイラーなどで、アグレッシヴな仕立てに。エンジンは直列 4 気筒 DOHC で、当初のモデルは 2.3L・200HP、1990 年に 500 台だけ生産されたスポーツエボリューションになると 2.5L・238HP となる。
初代 M3 の魅力は、この魅力的なパワーユニットと、1200kg という比較的軽い車重がもたらす軽快なハンドリングに集約されると言っていいだろう。走り出してすぐに感じるのは、エンジンの軽快な回転フィール。4 気筒とは思えないほどのスムーズさと、高回転域での吸い込まれるような伸びは快感そのものだ。今の基準で見ればパワーは驚くほどではないが、その分、躊躇なく踏める歓びがある。
あるいは、それ以上に印象的なのが軽快なフットワークだ。特にコーナーに向けてステアリングを切り込んだ瞬間のノーズの入りのシャープは感動モノ。ステアリングのギア比自体は今の基準で見れば明らかにスローだが、飛ばしていて、それを不満に思うことなど無い。エンジンにしろハンドリングにしろ、瞬間のレスポンスと奥の深さが、そこには見事に両立されているのだ。 |
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 |  | パフォーマンスの全方位性が高まった E36
そんな初代モデルと較べると、1993 年に登場した 2 代目 E36 型 M3 のアピアランスは、とても控え目だ。専用のエアロイクイップメンツで武装してはいるが、そこには獰猛さは微塵もなく、むしろ洗練という言葉が先に浮かぶ。
中身も大きく変化した。最大のポイントは、エンジンが直列 6 気筒とされたこと。3.0L の S50 型ユニットは、最高出力 286HP を発生する。
見た目の通り、走りは実に洗練されていて、乗り心地良く静かで快適。しかし、もちろんそれだけに終わるはずはなく、パフォーマンスは超一級だ。ポイントは、やはりエンジン。自慢のストレート 6 は、まさしく精密機械といった印象の極めた滑らかさを保ったまま、7000rpm を超えても軽々と回る。回すほどに漲るパワー感も意のままになるキレ味も、まさに文句のつけようが無い。
フットワークの完成度も高い。特にマルチリンク式リアサスペンションは、限界を更に高く引き上げている。身のこなしの軽快さでは 200kg 以上軽い初代には及ばないものの、代わりに高速安定性は飛躍的に高まった。つまりパフォーマンスの全方位性が高まっているのである。
この E36 型 M3 は、後期型ではエンジンが 3.2L・321ps の S52 型にスープアップされた。エンジン特性はトルク型となり、前後異サイズとされたタイヤも、安定性を重視したもので、要するに GT カー的な方向が推し進められている。 |
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 |  | 獰猛さを甦らせた E46 型
この傾向を更に強め、あるいは V 型 8 気筒エンジンを積むのではと言われた E46 型の M3 だが、実際に我々の前に姿を現したのは、直列 6 気筒エンジンを基本としたレイアウトを踏襲しつつ、E36、特に後期型で薄れてしまった感のある獰猛さを甦らせたモデルだった。
エンジンは S52 型を更に進化させた S54 型である。排気量は 45cc アップの 3246cc とされ、同時に大幅軽量化を実現。それでいて最高許容回転数は 8000rpm を許容し、最高出力は 343ps をマークする。
まるで全身が筋肉のよう。E46 型 M3 の走りを端的に形容すると、そうなる。サスペンションは相当固められているが、剛性感に満ちた鍛え抜かれたボディはそれを 100% 受けとめ、多少路面が荒れていようと狙った通りのラインを強引にトレースできる。
エンジンも絶品だ。8000rpm は回せば回るのではなく、文字通り常用できる回転域。そこまでの伸びも惚れ惚れするほど滑らかだ。しかも、そこに回転数の二乗で高まっていくかのような逞しいパワーとトルクが加わるのである。他に一体何が必要だというのか。そんな極上の走りを堪能できるのだ。 |
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 |  | きっと長い付き合いになるだろう
こんな風に、それぞれ性格の少しずつ異なる 3 タイプの M3 が、どんなユーザーにオススメかと言えば、それは使い方や求めるものでおのずと決まってくることだろう。
ワインディングやサーキットで、走りの一体感を味わいたいのであれば、やはり初代がいい。パーツ供給も問題は無いようだし、メインテナンスに強いお店も多々あるから、今でも充分楽しめるはずだ。一方、比較的予算をかけずに、実用性の高いハイパフォーマンスカーが欲しいということであれば、E36 型となるだろう。個人的には、ライトウェイトスポーツ的にアクセルを思い切り踏み込み、振り回して楽しめる要素と GT カー的洗練が同居した 3.0L の初期型に魅力を感じている。そして現行型は、絶対的な速さを求める人に。これだけフレンドリーに、刺激的で滋味深い走りの歓びを引き出せるハイパフォーマンスカーは他にない。
冒頭に日常性との両立云々と書いたが、実際の M3 は世代を問わず、そんなもっともらしい理由の前に、まず純粋な走りの魅力で選びたくなるモデルである。そしてそれが、類い稀なほどの実用性まで有していると考えた方がいい。そんなモデルが果たして他にいくつあるだろうか?それがどのモデルあれ、手に入れたなら、きっと長い付き合いになるだろうということは覚悟しておいたほうがよさそうだ。 |  |  |  |  |  |  |
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